TBS 1968年4月20日
あらすじ
与えられた司令は世界的な宇宙科学者、誘拐さる。彼を奪い返せ。敵は国際的な犯罪リストにランクされる誘拐業者だった。科学者は某国の大使館に大使夫人と共に監禁されている。時間はない。2日後に第三国の手に売られていくのだ。キイハンター、直ちに作戦開始。プロとプロとの戦いは冷たくすさまじく激しい。
2025.10.3 J:COM BS録画
ナレーター<この部屋のグループは5人>
元 諜報部員・黒木鉄也:丹波哲郎
元 諜報部員・津川啓子:野際陽子
カー狂・島竜彦:谷隼人
記憶の天才・谷口ユミ:大川栄子
元 新聞記者・風間洋介:千葉真一
<彼らの愛するものは自由。求めるものは平和>
国際警察特別室
UNIPOL JAPAN
国際警察・村岡特別室長:仲谷昇
<彼らの活躍がここに始まる。彼らの行くところ不可能の文字なく、彼らを遮る国境もない。彼らは、こう呼ばれる…>
KEY HUNTER
制作:東映株式会社
TBS
髭面の男がトラックに乗った男に合図を送る。望遠鏡をのぞき、近づいてきた車の運転手に「博士だな? 間違いないな」と確認。後部座席には白人男性が乗っている。車はそのままトラックの荷台へ入り、髭面の男がトラックを運転した。ここでタイトル。
スカーフを巻いた啓子が黒木や島に「似合うでしょう」とポーズを決める。エプロンをあて、台所でホットケーキを焼いていた風間は黒木や島にホットケーキを投げる。小さいホットケーキだね。
啓子のスカーフはパリで出会った男のデザイナーが啓子のために特に作ってくれたもので勘定はそちらにお任せと言われ、黒木は「おいおい、冗談じゃないよ」。
ユミが入ってきて郵便物を届けた。どれもこれもバーやレストランのツケがいっぱい。風間たちはツケを黒木に押しつけた。ユミは郵便物の中から黒木あての映画の特別招待状を見つけた。差出人は村岡。
東京都港区霞ヶ関
霞ヶ関高層ビル21-9号
黒木鉄也様
一瞬、ハガキを遠くにする黒木。さては老眼!?
映画の題名は『消えた男』。ACAホールで上映。ユミはみんなで見に行こうと誘う。
上映場所に行ったものの、小さな試写室でほかに観客はいない。黒木はいつもスーツに中折れ帽スタイルなのね。映画が始まったので5人は慌てて席に着いた。
スクリーン
黒木 啓子
風間 ユミ
島
白人男性のアップ
村岡のナレーション「これは世界の頭脳といわれる宇宙科学者・ゲルハルト博士だ」
ユミ「何よ、これ! 映画じゃないじゃないの」
島「これから、これから!」
啓子「シ~ッ!」
村岡「ゲルハルト博士は京都の国際会議場で開かれた宇宙科学総会に出席のため、来日されたが総会終了後、その姿が忽然と消えたのだ。同時に博士の通訳とガイドをしていた床波(とこなみ)という青年が姿を消した。誘拐された博士はブリタニヤ大使館に連れ込まれた」
ブリタニヤ大使館
BRITANIAN EMBASSY
村岡「ブリタニヤ大使館の大使、および1~2等書記官は3日前に本国に帰っている。留守を預かっているのは大使夫人、名前は亜沙子、日本人。ロンドンに留学中、大使と結婚した。もう1人は秘書官・南川。2人は誘拐になんらかの形で一枚絡んでいると思われる。大使の帰国と同時に大使館で働く日本人の全従業員が解雇され、新しい従業員が雇われた。これが大使館の内部だ」
大使館の内部の写真が数点。
村岡「誘拐の首謀者は、この男だ」
白人男性の顔写真の正面と横。
黒木「ニコラス・ルーミスだ」
ニコラスは誘拐専門の国際犯罪者。莫大な報酬で誘拐した人物を第三国に売り渡すのを仕事にしている。黒木はニコラスを追ったが捕まえることができなかった。
村岡「大使は2日後に帰国する。大使が帰国すれば、必ず国際的なトラブルに発展する。大使が帰国するまでに無事に博士を救い出してほしい」
上映が終わる。大使館は治外法権で外国の領土内にあって、自国の主権を行使する権利がある。大使館内に犯罪者がいることが分かっても日本の警察は踏み込めない。
黒木は、まず大使館に潜入して、博士がどこに監禁されているか調べることだという。
白人女性に札束を見せ、ブリタニヤ大使館の仕事を譲ってくれと頼んだ風間。2日間だけで結構。「ご主人に知られて家庭争議は起こしたくないですよねえ。それよりもこれで彼の欲しいもの買ってやった方がお互いの幸せじゃない?」と言って、女性に了承させた。夫の他に恋人がいるってこと? それがあのおじさん!? ええ?
ブリタニヤ大使館に車で向かった啓子とユミ。クラクションを鳴らすと、守衛が出てきた。大使館の仮縫いに来たと話す景子。守衛は舌打ちしながらも門を開けた。
大使館内に入り、南川にも仮縫いに来たと話し、奥へ行こうとしたが、南川は「そういう電話はありませんでした」と止めた。秘書官である南川は風間と話していた白人女性に確認の電話をした。その人がデザイナーってこと? 風間にウインクされ、話を合わせる女性。
電話を切った南川は啓子たちを夫人の部屋をノック。「サンジェルマンから仮縫いにまいりました」
初めての顔に戸惑う亜沙子にマダムの代理だと説明する南川。採寸する啓子とユミ。啓子は、随分お痩せになったなどと話しかけ、どうして大使と一緒に帰国しなかったのか聞いた。亜沙子は「少し黙っててちょうだい」と答えない。
誰かの足音が近づき、啓子は、わざとボタンを投げて、ユミに取ってくるように言う。ユミはドア付近に落ちていたボタンをドアの隙間に入れ、ドアを開けようとしたが、亜沙子に止められた。ユミは、わざと裁ちばさみで手を切ったふりをして、廊下の洗面所に向かった。廊下を歩き、村岡が見せた写真を思い出し、変わった個所を見つけた。
ユミは廊下の奥から男たちの話し声を立ち聞きした。
男「いいか。夫人をこのまま野放しにしておくのは危険だ。きょうのように不意に仮縫いになんか来る」
南川「しかし、大使館の職務上、夫人の姿を隠しておくわけにはいかないんだ。それに博士を海外へ運び出すには夫人が必要だ。夫人がいなければ荷物は羽田空港フリーパスで通過できんからな」
男「大使は、あしたの夜、帰ってくる」
南川「その前に俺とニコラスは夫人を連れて国外に出る。特別機は、あしたの正午に出発する。お前たちはニコラスから報酬を受け取って、ずらかるんだ」
男「夫人はどうする?」
南川「国外に出たら処分する」
ユミの近くに猫が来て鳴くと、南川は戸が少しだけ開いていることに気付き、慌てて見るが、誰もいなかった。
しかし、ユミがウロウロしていると髭面の男に見つかり、慌てて夫人の部屋に戻った。ユミから耳打ちされた啓子は、夫人に「あなたは殺される」と書いたメモを見せた。「事情を説明せよ」と夫人にペンを渡すが、南川が外務省に提出する書類に目を通してくださいと部屋に入って来た。
啓子とユミは退室し、別の部屋からニコラスが顔をのぞかせるのを目撃した。
夫人が人質に取られていて、ニコラスに拳銃を持って見張られている。ユミは博士を海外に運び出すには夫人が必要なこと、夫人がいれば羽田空港がフリーパスで通るって、いったいどういう意味?と疑問に思う。
外交官特権を利用することだと黒木が言う。外交官の機密を守るために外交官の荷物には特別の封印が貼られる。封印を貼った荷物を官員が国外に持ち出すときには空港税関をフリーパスで通ることができる。誘拐した博士を荷物の中に詰め込んで日本を去るつもりで、税関を通過するには夫人が必要。それまで夫人を生かしておいて、運び先に第三国で殺す。
部屋を暗くし、もう一度スライドで大使館の内部を見て、博士の監禁場所を確認。
南川とニコラスは大きな木箱に入れられた博士を見た。うめき声をあげる博士。ニコラスはめちゃくちゃ流暢な日本語を話す。吹替か!? 麻酔が切れかかっているので、改めて布に液体を含ませ、口に当てる。
島と風間が細工して大使館の電話を聞けるようにした。作業着を着た島と風間が地下へ行き、大使館の地下室へ向かう。地下道の天井の壁を打ち付けると、地下室にいた髭面の男が音に気付き、むき出しの水道管をおたまでたたいた。風間が水道管をたたく音に気付き、作業を止める。
しかし、男が諦めたので作業開始。穴を開け、ガス管を見つけた島はドリルで穴を開けた。元栓を閉め、引き揚げ。
地上に戻った風間たちは黒木に報告。10分ほどでガス漏れは止まる。
啓子とユミが再び大使館へ。以前、注文したイブニングが出来たと南川に言うと、南川はマダムに確認の電話を入れた。焦る啓子とユミ。マダムといちゃついていた恋人は「マダムは留守です。今夜は帰りません」と受話器を置いた。イブニングは私が持っていこうと箱を受け取った南川だが、男がガス漏れだと報告に来たので、啓子に箱を返して、行ってしまった。
啓子たちは箱を持って夫人の部屋に入り、箱に入っていたメモを見せた。
静かに!
事情は知っています
私たちは貴女の
味方です
それにしても昔の人って字がきれいなだな~。うっとり。
夫人は無言で隣のドアを指す。ニコラスの部屋に着替えに行った夫人。
南川が「ガス漏れだ!」と叫び、走っている。ニコラスは逃げ、啓子は仲間が電気を切るので裏口から逃げるよう夫人に指示。付近に電話の修理車が止まっていて、ボスがいる。
ニコラスはガス会社に電話しろと髭面の男に命じた。風間たちはあと2分でガスが止まると焦るが、南川がガスサービスセンターに連絡すると、電話に出たのは島。風間と共に車で大使館に向かった。
トラックの”東京ガス 泉サービス店”は右書きで電話番号が左書きで、よく混乱しないよな。
ガスマスクを付けた島と風間が地下室に入り、ガスが止まったことを確認しながらいったん車に戻った。啓子、ユミ、夫人が風間と合流。啓子がドアをピッキングし、博士の入った箱を発見。しかし、箱の中で白目をむいて死んでいたのは通訳だった。思わず悲鳴を上げるユミ。
夫人は裏口から逃げたものの、髭面の男に見つかった。
箱の部屋を見に来た男たち。啓子、ユミはロープを張って外から逃げ、風間も男を殴って、一緒に車で逃げた。しかし、大使館の門を開けている時、島がニコラスに撃たれた。島は逃げるように言い、風間、啓子、ユミは車で逃げた。
髭面の男やニコラスに囲まれ、殴られる島。
黒木ともう一度作戦を練り直す啓子たち。
南川がニコラスに至急電を渡した。大使が9時着の飛行機で帰ってくる。
大使の帰国は今夜だったから今度の計画を立てたという南川。出発まで3時間しかない。乗客名簿には大使の名前が載っている。ニコラスは殺すのが早くなっただけとそのまま進めようとする。
南川は夫人を連れて空港へ。変なまねしたら人質を殺すと脅して、ラウンジの夫人の隣に座る南川。背後から黒木が見ていて、風間に合図を送る。風間は館内放送で南川を呼び出させ、夫人も一緒に席を立った。黒木がさりげなく近づき、洗面所へ行けと指示。
南川への電話は「南田さんですね?」と風間が言うので、南川は電話を切った。
洗面所へ向かった夫人を止めた南川だったが、夫人はそのまま婦人用お手洗いへ入った。トイレの前で待っていると、白人女性に「ディス イズ レディース レストルーム」とお叱りを受けた。
啓子は夫人と会い、博士が夫人の隣の部屋にいることを教えてもらい、博士に心臓発作を起こさせる薬を渡した。怖ぇ~! 薬を飲ませたら主治医を呼ぶように頼んだ。
大使館に戻った南川と夫人。
風間は再び地下へ行き、水道管をたたく。地下室にいた髭面の男は音に気付き、島のそばを離れた。
ニコラスと南川から偽電報だと責められる夫人。しらを切る夫人だが、ニコラスは髭面の男に呼ばれて部屋を出た。
夫人はベッドに寝かされている博士を起こした。
地下へ行き、島を蹴るニコラス。ホントに日本語上手だな!?
なかなか起きない博士を起こして、薬を飲ませる夫人。
ニコラスが博士の部屋に戻ってきたので、夫人は隠れた。ニコラスは博士のベッドの周りをウロウロ。
守衛と南川が拳銃を持って地下道を歩いていると、風間が現れ、殴り合い。
ゲルハルト博士がうめき、ニコラスが「板谷」という男を呼んだ。ニコラスは夫人に主治医に電話するよう命じた。電話に出たのは黒木。
ブリタニヤ大使館に入った黒木はゲルハルト博士を診察するふりをした。
その間に風間が壁を伝って内部へ。すごい運動能力だ。守衛に見つかり、逃げ回り、結局は殴って倒した。
黒木は救急車を呼ぶように指示するが、ニコラスは、あとの手当ては香港ですると言って、黒木に銃を向けた。黒木は聴診器で反撃すると、ニコラスが部屋を出て夫人を人質にとった。
風間も大使館内に入り、髭面の男を倒す。
黒木はニコラスに撃たれながらも夫人を救い出した。
地下で髭面の男と風間が戦い、ようやく島を救い出した。風間も”坊や”呼び。
黒木「奥さん、すべては終わりました。今度の事件はブリタニヤ大使館には、まったく関係なく、あなたの名誉も完全に守られました。早く忘れるんですな。この悪夢のような2日間を」
黙って頭を下げる夫人。
黒木が大使館を出ると、風間、啓子、ユミ、負傷した島が笑顔で出迎えた。
こ、ここで終わり!?
プロデューサー:近藤照男
坪井久智
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原案:海渡英祐
脚本:高久進
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擬斗:日尾孝司
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音楽 :菊池俊輔
主題歌:キイハンター
作詩 :佐藤純弥
作曲 :菊池俊輔
唄 :野際陽子
テイチクレコード
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黒木鉄也:丹波哲郎…字幕黄色
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津川啓子:野際陽子…字幕緑
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島竜彦:谷隼人
谷口ユミ:大川栄子
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風間洋介:千葉真一…字幕水色
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南川:北原義郎
佐藤京一
丹羽又三郎
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マダム:イーデス・ハンソン
杉義一
中村孝雄
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ニコラス:ハンス・ホルネフ
篠恵輔
亀山達也
*
亜沙子:瞳麗子
村岡室長(声):仲谷昇
*
監督:鷹森立一
<プロフェッショナル・キイハンター。次の赤いシグナルは…湯あみする女。狙いは男か金(かね)か>
<謎の大金を儲けた科学者とアメリカから帰ってきた女。一度殺されて復讐の執念にしがみつく男>
<この科学者の秘密を巡って起こる殺人。キイハンターへのシグナルは、その真相を突き止めろ。結末は冷たい海が知っている。『キイハンター』次は…>
顔のない男
に御期待下さい
役者名と役名がよく分かんない。今まで松竹の映画やドラマは、よく見てた方だけど、東映はね…男性で名前の出てる人は7人で役だと秘書官の南川、殺された通訳の床波、板谷って人もいたな。守衛、髭面の男、マダムの恋人…それにしても毎回誰かが死ぬハードな展開。村岡室長は声のみ。
面白いんだけど、このペースで全部見られるかな?

