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【ネタバレ】チョッちゃん(119)―連続テレビ小説―

NHK 1987年8月21日(金)

 

あらすじ

頼介(杉本哲太)が出征することになり、野々村家に挨拶に来た。頼介は神谷(役所広司)に、自分と神谷は相容れないと思っていたが、安乃(貝ますみ)はいい人の所に嫁げてよかった、と神谷に感謝する。蝶子(古村比呂)は、出征する前に少しでも家に来れないか、と誘う。出征を前に蝶子に会いに来た頼介は、初めて会った頃からの思い出を語り、蝶子の幸せを守るために戦争へ行く、と言う。蝶子は子どもたちと一緒に歌をうたう。

2025.8.29 NHKBS録画

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脚本:金子成人

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黒柳朝チョッちゃんが行くわよ」より

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音楽:坂田晃一

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語り:西田敏行

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岩崎蝶子:古村比呂…字幕黄色

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野々村富子:佐藤オリエ

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中山音吉:片岡鶴太郎

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彦坂頼介:杉本哲太

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中山はる:曽川留三子

神谷安乃:貝ますみ

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岩崎加津子:藤重麻奈美

岩崎雅紀(まさのり):相原千興

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岩崎俊継:服部賢悟

劇団ひまわり

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神谷容(いるる):役所広司

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野々村泰輔:前田吟

 

<近々、戦地へ行くことが決まっている頼介君が野々村家へやって来ました>

 

富子「今日も時間ないんだろうねえ」

頼介「はい」

泰輔「壮行会なんてもんもやれないわけだ?」

頼介「そういうお気遣いは、もう」

富子「でもね…」

頼介「自分は軍人です。いつ命令が来てもいいように日頃から覚悟はしてますので」

富子「そっちに覚悟あったって、身内としたら、やっぱり突然なんだから」

頼介「はい。いただきます」出されたお茶を口にする。

 

蝶子「出征のこと、公次君には知らせたの?」

頼介「いや。滝川にはまだ何も」

安乃「それは私が…」

 

でもさ、年齢的には30過ぎの職業軍人の頼介より、多分、もう成人したであろう公次の方が召集されてそうだけどな。次男だし。

 

頼介「うん、頼む。野々村さんをはじめ、皆さんには大変お世話になりました」

泰輔「まあまあ、そういう堅苦しいことは言いっこなしだよ」

富子「そうだよ。何だかこれが…」

頼介「これが最後かもしれませんので。野々村さんのこの家は自分にとって大きな支えでした。安らげました」

泰輔「うん」

富子「…だといいんだけど」

頼介「戦地に赴くにあたり、自分には思い残すことは何もありません。妹は、いい人のもとに嫁ぎましたし…」

神谷「いや、それは私の方だ」

 

頼介「実は…妹が『神谷先生と一緒になりたい』と言いだした時、自分は反対しました」

驚く蝶子。

安乃「お兄ちゃん…」

頼介「日本の国のあり方に関して、先生と自分の考えは対立していたからです。結婚したあと、先生と自分が何かの拍子に言い争うことになったら、こいつはどうなるだろうか心配でした。対立したあげく、自分が先生を殺すようなことになったらと。いろいろ考えました。そういうことを妹に話、したら、こいつは『もしそうなったら兄ちゃんを殺す』と言いました」

蝶子「!」

 

頼介「考え方や生き方は違っても自分は先生に敬服しています。(神谷に)妹を…よろしくお願いします」頭を下げた。

神谷「頼介君…」

頭を上げて、神谷先生を見る頼介。

神谷「命は惜しむんだ。決して死に急ぐんでない」

 

そこで返事はできない頼介なんだよね~。

 

蝶子「頼介さん…出発前、一度、うちに来てほしいの。今日、要さん来れなかったから、是非、会いに来てほしいの」

うなずく頼介。

 

中山家

作業している音吉。頼介が岩崎家に来るのを見かけた。「おい、はる! 頼介さんだよ」

はる「とうとう行くんだ」

音吉「おう」

 

岩崎家茶の間

蝶子と向き合って、お茶を飲む頼介。

蝶子「滝川には帰ることなく戦地へ行くのね?」

頼介「…」

蝶子「東京に来て16年。一度も帰らなかったね」

うなずく頼介。「したけど…忘れたことはない」

蝶子「うん」

頼介「いつも思い出してたわ。いつもはっきり目に浮かぶんだわ」

蝶子「そうかい…」

 

頼介「したら、その風景の中には、いつも蝶ちゃん…蝶子さんがいて」

蝶子「蝶ちゃんでいい。私と頼介君が初めて会ったのはいつだったか覚えてる? 私の父さんと頼介君のお父さんは、私たちが生まれる前からの知り合いだから、私たち生まれてからすぐ会ったかもしれないけど…」

頼介「うん」

蝶子「いつだったんだろう?」

 

頼介「俺が覚えているのは小学校上がる、少し前だ。おやじの馬車に乗って、蝶ちゃんの家に目の治療に行ったんだ。治療終わって帰る時、先生と蝶ちゃんも馬車に乗ってきたんだわ」

蝶子「へえ…」

頼介「先生とおやじの間で石沢牧場に遊びに行く話まとまったんだ。いやいや、蝶ちゃん、あん時も歌、歌ってたもね。讃美歌」

蝶子「へえ…」

頼介「牧場着いたら、蝶ちゃんと俺は勝手に遊ばされて、羊小屋見たり、牛舎見たり、そのうち、蝶ちゃん、馬ふんに足、突っ込んで…」

蝶子「いや、覚えてない」

頼介「ギャ~ギャ~泣いてた」

笑い声

蝶子「いやいや…」

 

頼介「あん時は大して困った。俺が泣かしたと思われたら、どうしようかと思ったさ。牧場の中、流れてる川の方に連れていった。泣いてる蝶ちゃんば石に座らせて足洗ってやった」

蝶子「私の?」

うなずく頼介。

蝶子「そうかい。そのあとは?」

頼介「すぐ泣きやんで牧場の草の上を走り回ってた」

蝶子「ちゃっかりしてたんだね? ウフフフ」

 

頼介「蝶ちゃん、花ば摘んでたもね。あっちの花、こっちの花、俺はチョコチョコついて回ってたさ。俺が覚えてる初めての蝶ちゃんは、その時だ」

蝶子「そうかい…そのあとは私も覚えてる。小学校、一緒だったしょ? 小学校、うちのすぐそばにあったから、よく、うちに遊びに来てたもね」

頼介「そのあとは岩見沢の高女に行き、その次は東京。蝶ちゃん、だんだん離れていったもね」キリッとした顔で蝶子を見る。

蝶子「お茶」と空の湯飲みを持って台所へ。

 

頼介は立ち上がって庭を見る。

 

それにしても蝶子は邦子と小学校から一緒みたいに言ってるのが謎。

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邦子と頼介は高女の時に初めて会ったっぽいし…邦子とはずっとクラスが違ったとか?

 

蝶子がお茶を運んできても、頼介は立って庭を見たまま話す。「俺はずっと蝶ちゃんを目標にしてたんだ。好奇心ちゅうか、そんなもんあるっしょ? 何かにすぐ感動するっしょ? いつもまぶしかった。俺も蝶ちゃんみたいに生きていけたら、人生違っていたかもしれん。なんも後悔でない。これが俺の人生だったっていうことだわ。こんなふうにしか生きられなかったっていうことだわ」振り返って蝶子を見る。「蝶ちゃんは二十歳で結婚。今や3人の子の母だ。何もかもあっという間だ」

 

蝶子「頼介君」立ち上がって頼介の近くへ。「なして結婚しなかったのさ」

頼介「俺は…軍人だもね。軍人ならいつか戦地に行くことになるんだ。そういう時、妻や子がいると戦意が鈍るべさ」茶の間に戻って座る。「東京に出てきた時、俺は決めたんだ。蝶ちゃんのことば守るって。したから…十何年前、要さんば殴ったのも、そういうことだ」

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蝶子も頼介のそばに座る。

頼介「要さんが蝶ちゃんに近づいた時、蝶ちゃん困ってるって聞いたから。もし、蝶ちゃんが何とも思っていなかったら、俺もあんなことは」

蝶子「…」

頼介「蝶ちゃん…幸せだべ?」

うなずく蝶子。

 

頼介「したら俺は、その幸せば守ることにする。そのために戦うつもりだから。戦って…何としても勝って幾久しく幸せに暮らせるように」

うなずく蝶子。

頼介「自分は…生きて帰れるとは思わないんだ。生きて帰るつもりもない。北山先生、奥様、嘉市さん、野々村さん、奥さん、神谷先生、岩崎さん、蝶子さん…お世話になった人たちのために自分は喜んで死ねます」

蝶子「ちょっと待っててや」立ち上がり、隣の部屋へ。

 

頼介ももとの座布団の上に座る。外では飛行音が聞こえる。頼介は加津子の書いた”家族”という習字を目にし、下を向き涙を拭いた。

 

蝶子が子供たちを連れてきた。「子供たちがね、頼介さんを送る歌、歌うって言うのよ。軍歌でなくてもいい?」

頼介「ハハッ、何だって」

蝶子「神谷先生が作った詞に要さんが曲をつけたのがあるのよ」

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頼介「是非!」

蝶子「いい? 1、2の3!」

 

加津子、雅紀、俊継が歌う。

♬蛙が一匹おったとさ

泳ぎの下手な蛙の子

小川の岸辺におったとさ

父さん蛙がゲーロゲロ

 

頼介の隣に座って子供たちを見ていた蝶子がささやくように言う。「死んではダメだよ」

 

♬母さん蛙もケーロケロ

泳いでごらんと啼(な)いたとさ

ゲロロケロケロ ゲロロケロケロ

 

蝶子も一緒に歌う。(つづく)

 

今日の頼介君は北海道時代に戻っていた。ん~、フラグ立ちまくり。ドラマオリジナルの登場人物は今後のことが分からなくてドキドキ。