1960年 日本
あらすじ
巨匠・市川崑監督が幸田文の小説を映画化、美しくも悲しい姉弟(きょうだい)愛を描いた文芸ドラマ。書斎にこもりきりの作家の父と、病床にあり、ひがみっぽい後妻の母。暗い家庭の中で家事をきりもりする姉のげんは、両親への不満から生活が荒れていく弟の碧郎に愛情をそそぐが、ある日、碧郎は結核で倒れてしまう…。撮影の宮川一夫とともに取り組んだ「銀残し」の色彩も印象的な日本映画史上の名作。4Kデジタル修復版で放送。
2025.8.8 NHK BSP4K録画
昭和三十五年度
芸術祭参加作品
大映株式会社製作
雨の中、歩いているげん。弟の碧郎は傘もささずに歩いてる。追いついたげんが持ってきた傘を渡そうとしても、そのまま走って行ってしまった。お母さんを”あの人”と呼ぶ碧郎。
製作:永田雅一
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脚本:水木洋子
企画:藤井浩明
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音楽:芥川也寸志
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げん:岸惠子…字幕黄色
碧郎(へきろう):川口浩…字幕水色
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母:田中絹代…字幕緑
父:森雅之
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中田:土方孝哉
鉄工所の息子:友田輝
田沼夫人:岸田今日子
署の男:仲谷昇
宮田看護婦:江波杏子
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分院の看護婦:穂高のり子
院長:浜村純
刑事と名乗る怪しい男:夏木章
馬子:飛田喜佐夫
船宿の船頭:伊東光一
借馬屋:星ひかる
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碧郎の友達:渡辺鉄弥
碧郎の友達:横山明
親父:佐々木正時
田中三津子
店の女の子:磯奈美枝
玉突屋の主人:竹内哲郎
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花野富夫
碧郎の友達:森一夫
佐山真次
六本木真
碧郎の友達:篠崎一豊
網中一郎
佐藤八郎
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監督:市川崑
げんが万引きしたと大勢の客が見ている前で刑事に捕まった。一方的に疑う刑事に反抗するげん。刑事は鞭を取り出して脅すが、母が書いた買い物メモを見せる。
リューマチの薬
胃の薬
歯磨き粉
石鹸
白髪染め
げた屋
菓子屋
荷物を開けると、頼まれた白髪染めが入っていた。刑事と一緒にいた百貨店の男は平謝りで裏口に案内した。
河原で寝っ転がっていた碧郎。両親に客が来ていて、居場所がなく外に出ていた。
母が宗教仲間に子供たちの相談をしていた。姉の方が底意地が悪いという。相談相手の田沼夫人は、叩いてみたらいいとアドバイス。岸田今日子さん、若い!
碧郎は、げんを姉公(ねえこう)と呼ぶ。
げんは17歳で来年女学校卒業。げんは女学校5年通ったタイプ?
げんが帰ると、母が呼び出した。買い物した物を渡し、夕飯の支度をしようとしたが、銀座で田沼夫人に会って話した時のことを覚えているか聞いた。母は銀座の丸ヨシに万年筆の修繕を頼んだことを、げんが母に頼まれて帰りが遅くなるなどと田沼夫人に嘆いていた、陰で悪口を言われたとグチグチ責める。げんは田沼夫人に聞かれたことを答えただけというものの、母は田沼夫人の言うことだけを信じる。
夜中になっても碧郎の着物の修繕をするげん。碧郎も起きてつき合う。
母は布団の上でげんに説教しており、家事は、げんがやっている。父は書斎にいるが、母がげんを責めても何も言わない。
碧郎は中田という上級生に呼び出され、ジャックナイフを持って出かけようとし、げんにとがめられた。中田は不良。
学生服姿で本屋に行き、集団万引き?し、逃げる碧郎。
げんが帰ると、母は気分がよくないから、一人で夕食を作ってちょうだい、薬持ってきて、などとあれこれ頼む。母は、今日はとても食べる気がしないと言い、碧郎が盗みをしたので、警察から帰ってきたところだという。
碧郎が帰ってきた。碧郎は度々、ケンカなどして退校処分になることをげんに責められていた。碧郎はケンカして片耳の鼓膜を破られて、つんぼになって帰ってきたこともあったらしい…NHKは音消ししないんだね!?
母は父に碧郎の愚痴をこぼしていた。血のつながってない子供のために菓子折持って頭を下げるのも私の名誉ってものを考えなくちゃと父に言う。警察にもああいう子を出すのは母親ひとりに責任を負わせるのに、父親に問題があると言われた。だから神に祈るのだという母。そのあとも父に訴えるが、父はひと言も発しない。
ようやく「碧郎を呼んで来なさい。ごはんだ」という父。夕食の支度をし、給仕していたげんが碧郎を呼びに行った。
父は碧郎に対し、申し訳なく、かわいそうなことをしたと思っていると母に言う。母はそこがあなたの甘いところだと指摘。
戻ってきたげんがごはんを食べようとすると、「お祈りをしないのね。感謝というものを知らないんだから」と責める母。十字を切るげん。父は、げんが碧郎の身の回りの世話や家事をしていることを母に言う。かみ合わない母と父。
春、満開の桜並木で署の者だという男に話しかけられたげん。碧郎のことで知り合いになったとなれなれしい。
先に帰ったげんは碧郎に聞くが、碧郎はうるせえや!と空の弁当箱を投げつけた。
学校に通うげんの通学路に現れた”署の者”は清水禄郎と名乗り、名刺を渡した。げんと路面電車に一緒に乗り、両親のことをあれこれ聞き出そうとする。距離が近い!
げんが碧郎の引き出しを漁っていると、碧郎が帰ってきてとがめた。げんは、その後も清水にあとをつけられた。
神社の境内で話すげんと清水は父に色紙を書いてほしい、弟の将来のことで話があるなどと話す。しかし、げんが清水が持っていたステッキに”T.E”というイニシャルを見つけ、責めると、げんちゃん!となれなれしく、無理やりキスしようとした。おえっ!!!
突然、アヒルの行列が出てきて、げんは逃げることができた。どうやら、碧郎が中田に見張らせていたらしい!?
母と田沼夫人にお茶を出したげんは薬を買ってくるよう頼まれ、お使いに出た。そこにげんにラブレターをよこした鉄工所の男が話しかけてきたが、碧郎が間に入って追い返した。碧郎は新しい学校の友達と一緒にいて、げんをビリヤードに誘った。
げんが帰ろうとすると、碧郎は借金があるので返してほしいと頼んだ。ビリヤード場=球屋(たまや)なのね。お金が足りなかったげんは帰って父に「お金をください」と頼んだ。
今度はボート屋の主人が碧郎が毎日乗りに来ていると告げ口。ピンポン、玉突き、スカール、モーターボートとハマって、お金の工面のことをげんは父に相談する。父はあくまで碧郎をかばう。スカール…? ボートを漕ぐ櫂のことをスカールというらしい?
父にだけ相談したことをまたグチグチ言う母。田沼夫人から持ち込まれた縁談を断るげんにヒステリーだという碧郎と取っ組み合いのケンカになるげん。ヒステリー!って、げんの首を絞める碧郎…どっちがヒステリーなんだか!?
姉弟げんかに「このうちは誰もかれも気ちがいだこと」とあきれる母。
今度は馬に乗って、馬を骨折させた碧郎。げんが駆けつけると馬主から命が助かっても使い物にならねえと責められた。かわいそうなことをしたなあと馬を気にする碧郎。馬より役に立たない俺がびっこになった方がよかったと嘆き、うっすらと哀しいなとせきこむ。
友達の所へ寄ると言って、げんと別れた碧郎が帰ってこない。
碧郎は友人に童貞がなんだ!と夜の街を歩いていた。
碧郎を診察した院長がほかの医師や看護師に耳打ちする。
浜村純さん、この時代に白髪頭!? 当時54歳。白髪染めしなければ、このぐらいになっててもおかしくないか!? それでも…
少し発見が遅かったようですねと碧郎とげんに告げた。助かる分が多いのか、死ぬ分が多いのかという碧郎の質問には答えない。付き添いのげんになぜもっと早く医者に見せなかったのかという。保護者の方がよかったという院長に、げんは母はリューマチだと説明する。
もうしゃばを歩けないかもしれないという碧郎とカフェに入ったげんだったが、碧郎はうつるかもしれないとアイスやコップの水にも手を付けられない。
帰り道、写真を撮りたいという碧郎と写真館に入った。
足を引きずった母が、父の部屋の火鉢にかけられたヤカンからお湯をもらい、そば粉の入った器にお湯を入れてかき混ぜた。手も動かせない母に代わり、かき混ぜる父。母は肺病の弟の看護をさせて姉の結婚が遅れては、母の私があれこれ言われると父に文句を言う。
碧郎の療養所に友達が見舞いに来た。げんは田沼夫人が連れてきた紳士と出かけたと看護師が言う。
ボートに乗った碧郎は体調を崩し、寝ていた。げんは田沼夫人が連れてきた男と急に見合いをさせられたと弁解し、碧郎は妥協するなという。
喉頭結核だと説明された碧郎はベッドに寝つき、院長の話を聞きたがった。げんが碧郎の頼みで島田に結って来院し、看護師が驚く。おお、江波杏子さんかぁ! 院長はあくまで告知せず、碧郎には治るよと言って励ます。碧郎の方はすっかり分かってるんだから、言えばいいのにねと現代の感覚だと思う。
父が碧郎を見舞った。げんには医者や看護師に渡してくれとお金を渡す。碧郎の声はガラガラ。
げんが鍋焼きを持ってきて、碧郎に食べさせた。鍋は借りたのか聞き、げんに一緒に食べようと誘う。鍋は譲り受け、げんも食べることを躊躇すると、テストは終わったと食べなかった。
母が見舞いに来た。舶来の桃の缶詰を持ってきた母に動けないのは辛いよねと母を気遣うようなことを言う碧郎。
病室を出た母は、げんに碧郎さんに信仰をすすめ、信者にして天国に送ってやろうと思っていたけど、すっかりいい子になって、お祈りもいらなくなっている、私より先にイエス様の方が救ってくださったと涙を流し、げんにもすまないと思っていると謝った。
12時になると目が覚めて、その間が嫌だという碧郎は看護婦と一緒に桃缶を食べようと提案した。11時半に起きれるか心配するげんにリボンでお互いの手を縛り、碧郎が引っ張って起こすという。眠るとき、げんに人を好きになったことがあるのか聞く。「ないとすればつまんないな、姉さんも俺も」
12時少し前、リボンが引っ張られて起こされたげん。碧郎は呼吸が荒くなっていた。げんが看護師たちに知らせ、両親も駆けつけた。
碧郎が1時50分に亡くなり、げんが脳貧血を起こして倒れたので、医師に背負われ、宿直室に寝かされた。すぐに目を覚ましたげんは前掛けをあて、見に来た母に「休んでください」と告げ、部屋を出た。(完)
1990年放送の木村拓哉版を見たことあるような気がする。
斉藤由貴さんが姉、中条静夫さんが作家の父、香山美子さんが義母…ほうほう、脚本は「はね駒」の寺内小春さんか。
浜村純さんは1971年の「太陽の涙」では60歳の役だけど、実年齢は65歳。1980年の「3年B組金八先生」の第2シリーズでは定年間近の教師。長く活躍されたんだな。
母がリューマチというのもあるけど、姉にだけ負担がいくのは時代かな。


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