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【ネタバレ】チョッちゃん(111)―連続テレビ小説―

NHK 1987年8月12日(水)

 

あらすじ

加津子(椎野愛)は学校に行き始めた。病院から帰ると、邦子(宮崎萬純)が蝶子(古村比呂)に会いに来ていて、神谷(役所広司)に会いたいから一緒に来てほしい、と言う。数日後、三人は泉で会い、邦子は神谷に、「結婚する」と報告する。神谷が「気になっていたが、よかった」と言うと、邦子は逆に「わたしも先生のことを考えていた」と返す。蝶子は「気になるのは未練があるということか?」と聞くが、邦子は即座に否定する。

2025.8.20 NHKBS録画

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脚本:金子成人

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黒柳朝チョッちゃんが行くわよ」より

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音楽:坂田晃一

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語り:西田敏行

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岩崎蝶子:古村比呂…字幕黄色

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岩崎要:世良公則

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田所邦子:宮崎萬純

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黒木医師:大門正明

岩崎加津子:椎野愛

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増田たま:もたいまさこ

中山はる:曽川留三子

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吉崎雅代:松岡由利子

彦坂安乃:貝ますみ

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岩崎雅紀(まさのり):河野純平

早川プロ

劇団いろは

劇団ひまわり

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神谷容(いるる):役所広司

 

小兒科

第二診察室

 

黒木「特に変わったことはありませんね?」

蝶子「はい、別に」

加津子「ありません!」

黒木「どんどんよくなっていくだけだ」

加津子「そう」

黒木「アハハハ」

たま「でも、あんまり無理しちゃダメよ」

加津子「うん!」

黒木「うん」

 

蝶子「あ、先生」

黒木「はい?」

蝶子「あの、今月の29日っていうのは時間ありますか?」

黒木「何か?」

蝶子「あの~、実は千駄木の叔父が経営してた喫茶店を閉めることになりまして」

黒木「野々村さん?」

蝶子「はい。で、その記念と加津子の退院祝をやってくれることになったんです」

黒木「ほう」

蝶子「で、先生とたまさんにも是非出席していただきたいなと思いまして」

 

たま「そこには国松さんも?」

蝶子「はい! 連平さんももちろん」

たま「…」

蝶子「あ、連平さんとは顔合わせたくない?」

たま「あ、いいえ、ただ、あの…」

黒木「そういえば、増田さん、あの人と顔合わせるたんびに口げんかしていたね」

たま「あ、いえ、あの、それはもういいんですけど…」

黒木「私は時間の都合さえつけば是非」

蝶子「はい!」

たま「私も!」

蝶子「はい!」

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そういえば、休止がなければ今回の話は3週間前に見られていたはず…となると、「ポニーテールはふり向かない」で矢崎が妙子と稔に嫌がらせの限りをしていたころだったんだなあ…同時期にやっていたら、黒木医師に対してまた違った感情を持ったかも。

 

岩崎家茶の間

邦子「『うん、やってみるとも』とクリちゃんは言いました。母さんがリスのぴょんたにあんまり失礼なことをしたのでクリちゃんは…」雅紀に読み聞かせ。

奥から安乃がお茶を運んできた。「どうぞ」

邦子「あ、ありがとう」

安乃「もう帰ってらっしゃると思いますから」

邦子「うん。…あ、安乃ちゃん。最近、神谷先生とは会ってる?」

安乃「はい。あの…蝶子さんやおばさんの命令で先生は週に1度は必ずここに来て食事することになってるんです」

邦子「栄養不良で倒れたあと?」

安乃「はい」

邦子「元気そう?」

安乃「はい」

うなずく邦子。

 

戸が開く音がし、加津子が帰ってきた。「ただいま!」

安乃「お帰りなさい!」

邦子「チョッちゃん、私!」

蝶子「あ、邦ちゃん、来てた?」

雅紀「あ、加津子姉ちゃんだ!」

 

邦子「加津(かっ)ちゃん、すっかりいいみたいね?」

加津子「もう学校にも行ってるんだよ」

邦子「あ~、よかったね」

 

安乃「蝶子さん、お茶でも?」

蝶子「あ、お願い」

 

加津子「ねえ、お向かいのおじさんち行ってもいい?」

蝶子「いいわよ」

加津子「マーちゃん、行こう!」

雅紀「うん!」

蝶子「気を付けてね」1人残った俊継の頭をなでる。

 

邦子「ね、チョッちゃん

蝶子「ん?」

邦子「お願いがあるのよ。神谷先生に『私が会いたい』って伝えてくれない? 話したいのよ、いろいろ」

蝶子「そうね。一度は話、した方がいいわね」

 

台所で話を聞いてる安乃。

⚟︎邦子「チョッちゃんにも同席してほしいの」

 

カフェ泉

雅代「はい、どうぞ」

神谷「何かこの店、閉店になるそうで」

雅代「そうなんです」

神谷「いやいや、残念なことだわ」

雅代「ごゆっくり」

 

コーヒーを飲もうとした神谷先生が蝶子と邦子の顔を見ると、慌てて2人もコーヒーを口にする。

 

神谷「加津ちゃんは、大してよくなってたもなあ。この間見てびっくりしたわ」

蝶子「はい。ゆっくりだったら、もう走れるんです」

神谷「いやいや、そうかい」

 

♬~(レコード)

菩提樹

菩提樹

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検索したらシューベルトの「菩提樹」と出ました。

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29話の高女時代、蝶子たちが歌ってた! すごいつながり!

 

邦子「先生」

神谷「ん?」

邦子「私…結婚します」

2人の顔を交互に見る蝶子。

神谷「決めたんかい?」

邦子「はい」

神谷「そうかい」

邦子「はい」

 

神谷「いや~、大したよかったな」

神谷先生の顔を見る邦子。

神谷「ん?」

蝶子「はい」

 

神谷「いや、気にはなってたんだ」

邦子「私?」

神谷「そうだ」

邦子「私の何を?」

神谷「これからの生き方をだ。これからどんなして独りで生きていくんだべと。そりゃあ考えるべ」

邦子「先生のことは私も考えてました。先生、もうすぐ40になるっていうのに独りでしょ?」

神谷「うん」

邦子「それなのに生活力も大してなく」

神谷「いやいやいや」煙を噴き出す…そういや喫煙シーン、珍しい?

 

邦子「この間はチョッちゃんのいた病院で倒れたからいいようなものの、もし一人の部屋で倒れたらって考えたら何かゾッとしました」

大きくうなずく蝶子。

神谷「いや~、あれには私も参ったもね。ハハハハハ」

蝶子「笑い事でないです!」

 

もうすぐ40。昭和16年に39歳として、13年前は26歳。高女の担任時代は25歳くらいだとすると蝶子たちとは10歳近く離れてたのね。やっぱり安乃ちゃんとは20近く歳離れてるよね!?

 

邦子「先生には私、悪いなとずっと思ってました。高女を卒業して、札幌の先生のとこ押しかけて、そのあげく、東京にまで」

神谷「それには私も同意したでないか。したから一緒に生活もしたんだ」

邦子「だけど私は先生のもとを去りました」

神谷「いや、そんなことは…」

蝶子「そうだよ、邦ちゃん。もう10年以上も前のことだよ」

邦子「(蝶子に)しゃべらしてや」と言って神谷先生に向き直る。「マネキンガールという華やかな仕事に就いた途端、私は先生のもとを離れたんだ。…しばらくしたら今度は映画女優だ。そういう自分ば思い返してみるんだ。振り返ってみるんだ。したら…そのころは気付きもしなかったけど、私はどうも、先生ば踏み台にしたんでないかって…」

ちょっと苦笑い?の神谷先生。

邦子「自分の勝手な恋に先生ば引きずり込み、童話作家として芽の出ない先生に失望し、東京での生活に息ば詰め、共同生活に疲れたら、また私は勝手に離れたんだ」

神谷「そんなことは考えなくていいんだ」

 

邦子「したけど…」

神谷「私みたいなもんは踏み台にもなってない」

邦子「したけど…」

神谷「踏み台っていうんはな、私なんかより、もっと力あって、世間的に力のある人ば乗り越えて初めて『踏み台にした』っていうんだ」

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最初に神谷先生に踏み台と言ってたのは蝶子で、2人に失礼だと諫めたのは道郎。

 

蝶子「邦ちゃん。先生のこと気になるってしゃべったんは、あれかい? 例えば、つまり…未練とか?」

邦子「(蝶子に)なんも。そういうんでない。(神谷に)短い間でも一時期、共に同じ時ば過ごした者としてさ」

神谷「それは私も同じだわ。いや~、正直言って十何年前、田所君と一緒に生活してたっちゅうんが何か夢のような気ぃするもね。いや、何も風化したってことでないんだ。誤りだったと言うつもりもない。いやいや、あのころのことは、よ~く覚えてるんだ。活動写真のように鮮やかに目に浮かぶ。したけど、それがホントにあったことなのか幻なのか、その区別がはっきりせんのだわ。何せ十何年も前だもね」

うなずく邦子。

神谷「私が田所君のこと気になるとしゃべったのは、同じ船に乗って北海道ば出てきた者同士の言うなれば仲間意識だ。よりよい人生を幸せな人生をとやっぱり願ってるんだわ」

目を潤ませる邦子。「私もです」

 

神谷「うん。いつまでも肩ひじ張って生きるのだけが新しい女の生き方っちゅうことでもないもね。君がこのまま独りで生きていくなんてしゃべったら周りの者は心配するもね。独りで生きるっちゅうんは、いや~、大したゆるくない。そりゃあ、親友の蝶子君がいたとしても蝶子君には帰るべき家っちゅうもんがあるっしょ。厳然とあるっしょ。そしたら、田所君は、また独りだ。そういうこと考えたら、田所君にも帰るべき家ができ、待っててくれる人ができるっちゅうんは『よかったな』って、そう思うんだ」

目を潤ませながらうなずく邦子。そっと涙を拭く。

 

蝶子「先生が邦ちゃんにそういうことしゃべるんなら、私は先生に言いたいんだ」

神谷「文句かい?」

蝶子「そうだ」

神谷「フフッ」

蝶子「人のこと偉そうにしゃべるのに自分のことは、どうなんですか?」

神谷「ん?」

蝶子「独り暮らしの先生が栄養不良で倒れたら、周りの者は心配するっしょ?」

神谷「いやいや、いやいや」

蝶子「いやいやでない、先生。自分のことも考えないとうまくないっしょ」

 

邦子「でもチョッちゃん、その方は大丈夫なんでない?」

蝶子「ん?」

邦子「ほら」

蝶子「ああ…! うん」

邦子「うん」

神谷「何のことだい?」

邦子・蝶子「ウフフ」

邦子「(蝶子に)ね!」

神谷「え?」

 

蝶子「先生のこと思う女性が1人、いなくもないしょや」

邦子「洗濯とかしてくれてるって?」

蝶子「そうそう!」

神谷「いや、安乃ちゃんは別にそういうあれでは…! 一体、何ばしゃべるんだい。そりゃ、安乃ちゃんは、いい子だ。しかし、私に対して、どうこうという、あれ…」

神谷先生を見ている蝶子と邦子。

神谷「何?」

 

蝶子「私たち、ひと言も安乃ちゃんとはしゃべってません」

うろたえる神谷先生。「いや、いやいや…」

蝶子と邦子が笑う。

 

神谷「そうか、いよいよ結婚か」

邦子「はい」

蝶子「したけど、先生、邦ちゃんが結婚したからって安心するのは早い。私たちが結婚したからって私たちの恩師としての務めはあるんだ」

神谷「務め?」

蝶子「うん。…先生、私たちが高女ば卒業する時しゃべったしょや。『自分の教育が果たして正しいか間違っていたかは、今後、教え子がどういう生き方をするかで決まる』って。『したから5年後、10年後の教え子ば見たいんだ』と」

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神谷「いや~…そうだったな」

蝶子「はい」

 

邦子「先生、今までの私たち見てどんなだい?」

神谷「私の教育が間違っていたとは思えん」

笑い声

神谷「したけど、人生はこれからも長いもな」

蝶子「したから、先生はこれからも私たちを見守らないといけないんだ」

うなずく邦子。「役目だ」

神谷「よし、分かった」

邦子「はい」

蝶子「うれしいな」

邦子「え?」

蝶子「いや、何か今日は何だかうれしい! ウフフ…フフフ」目を潤ませ、笑顔。

 

家の前の路地を歩く蝶子。

 

⚟︎♬~(バイオリン)

協奏曲集《四季》より第3番 ヘ長調RV.293、F.Ⅰ-24《秋》第2楽章

協奏曲集《四季》より第3番 ヘ長調RV.293、F.Ⅰ-24《秋》第2楽章

  • アルベルト・リッツィオ指揮、ムジチ・デ・サン・マルコ
  • クラシック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

ヴィヴァルディ「四季」の「秋」第2楽章とGoogle先生が言ってました。

 

路地で遊んでいる雅紀と俊継を見ている安乃。

蝶子「ただいま!」

安乃・雅紀「お帰りなさい!」

俊継「お帰りなさい!」

蝶子「ねえ、安乃ちゃん」

安乃「はい?」

 

中山家から顔を出す加津子。「お帰りなさい!」はるも一緒。

蝶子「ただいま。いやいや、みんな、うちの外?」

はる「要さん、様子変なんだって」

 

⚟︎♬~(バイオリン)

 

加津子「機嫌が悪いの!」

 

⚟︎♬~(バイオリン)

 

うなずくはる。

 

バイオリンの稽古をしている要。

そっとドアを開けて様子を見る蝶子。

要「黙って入るな」

蝶子「すいません」

要「何だね?」

蝶子「いや、あの要さんの機嫌がよくないって聞いて」

 

バイオリンを弾きだす要。

 

蝶子「私が出かけてたから? 今日、出かけるってことは前から言ってたでしょ?」

バイオリンを弾くのをやめた要はため息をつく。「28日の演奏会が中止になったんだよ!」

蝶子「どうして?」

要「会場が使えなくなったんだ」

蝶子「そんな…」

要「軍の関係が後から言いだしてね、会場を横取りしやがったんだ。軍関係の集会になるらしいよ」

 

<あ~あ、ご時勢というのは、こういうことなんでしょうかね? チョッちゃん。ただでさえ少ない演奏会の機会をこういう形で奪われて要さんは悔しさをバイオリンにたたきつけています>

 

そっと部屋のドアを閉める蝶子。(つづく)

 

総括みたいな回が続いて、戦争でキャストがガラッと変わるんじゃないかとビクビクしちゃうね。

 

邦ちゃんは蝶子や神谷先生としゃべる時は方言をしゃべり、今回区切りがついて、蝶子と同じように一生徒に戻った感じ。

 

昭和16年9月だとすると演奏会のある28日は日曜日。カフェ泉のパーティーは月曜日。