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【ネタバレ】チョッちゃん(110)―連続テレビ小説―

NHK 1987年8月11日(火)

 

あらすじ

加津子(椎野愛)は退院して、歩く練習をする毎日。みさ(由紀さおり)は北海道へ帰る挨拶回り。と、そこへ要(世良公則)の母・まつ(初井言榮)が会いにくる。まつはみさに、蝶子(古村比呂)がいるので、この家のことは何も心配していない、と言う。蝶子はまつのことを好きになっていた。滝山へ帰る前の晩、泰輔(前田吟)の家に泊まりに来たみさが俊道(佐藤慶)に電話すると、俊道は一人でごはんを食べたと言いながら…。

2025.8.19 NHKBS録画

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脚本:金子成人

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黒柳朝チョッちゃんが行くわよ」より

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音楽:坂田晃一

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語り:西田敏行

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岩崎蝶子:古村比呂…字幕黄色

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岩崎要:世良公則

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北山みさ:由紀さおり

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中山音吉:片岡鶴太郎

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岩崎まつ:初井言榮

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石沢嘉一:レオナルド熊

岩崎加津子:椎野愛

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中山はる:曽川留三子

吉崎雅代:松岡由利子

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たみ:立原ちえみ

品子:大滝久美

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岩崎雅紀(まさのり):河野純平

若駒

早川プロ

劇団いろは

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野々村泰輔:前田吟

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野々村富子:佐藤オリエ

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北山俊道:佐藤慶

 

ちょっと前から前田吟佐藤慶の並びになったと思ったら、またちょっと順番が変わったな。

 

岩崎家茶の間

加津子「いただきま~す!」

一同「いただきま~す!」

 

   要

俊継

蝶子   みさ

雅紀   加津子(椅子に掛けている)

 

<加津子ちゃんが退院して、岩崎家は、また全員そろいました。ですから、ほら、みんなの顔もついついほころんでいるでしょう?>

 

要「で、加津子は、いつから学校なんだ?」

蝶子が手で制する。「ねえ、しっかり歩けるようにならないとね」

加津子「うん」

蝶子「だから、毎日、歩く練習するのよ」

加津子「する!」

要「よし、じゃ、お父さんも加津子に負けないように次の演奏会に向けて大いに練習しないとね」

加津子「うん!」

みさ「アハッ、競争だね?」

加津子「うん!」

笑い声

 

玄関

バイオリンケースを持った要が出かけるのを蝶子と松葉杖をついた加津子が見送る。

加津子「はい」

要「うん、よし! じゃ、行ってきます!」

蝶子「はい、行ってらっしゃい!」

加津子「行ってらっしゃ~い!」

 

路地を歩いていく要。

加津子「行ってらっしゃ~い!」

要「はい、行ってまいりま~す!」

蝶子「行ってらっしゃい!」

 

加津子の脇をランドセルを背負った女の子たちが走り抜けていく。

 

岩崎家

庭で雅紀に手を引かれ、歩く練習をする加津子。

加津子の後ろを歩く蝶子。「加津(かっ)ちゃん、大丈夫? イチ…あ、こっち、こっち、こっち、はい、イチ、ニ、イチ、ニ、はい! イチ、ニ、イチ、ニ…」

 

中山家前を通りかかるみさと俊継。

音吉「あら! お掛けなさいよ」

みさ「アハハ、いや、いいかい?」

音吉「やあ、どうぞ、どうぞ。よし、よし、どうぞ」座布団を出す。「よし」

みさ「ああ、すみません」座布団に座る。「今、何、作っておられるんですか?」

音吉「いや、おられるってほどのもんじゃないんですけどね、大して注文がないもんですからね、マーちゃんやトシちゃんにおもちゃでも、と思ってね」

みさ「あれ~、悪いねえ」

音吉「いえ~、え~と…なんもだ。アハハハハハッ」

みさ「いやいや、アハ~! 上手だ」

 

お茶を運んできたはる。「お母さん、北海道帰られるんですってね?」

みさ「はい」

音吉「もう少しいりゃあいいのになあ」

みさ「いや、そういうわけにもねえ」

音吉「どうして?」

はる「チョッちゃんのお父さんが向こうにいらっしゃるんだから」

音吉「そんなのほっときゃいいんだよ! 全くもう!」

みさ「アハハハッ、いや、いただきます」

 

はる「お母さん」

みさ「はい」

はる「ひとつきになりますかね?」

みさ「ああ、そうだねえ」

はる「ひとつきもうち空けたんじゃねえ」

みさ「はい」

 

音吉「な~に、ひとつきぐらい、おめえ!」

はる「人のことだと思って、よく言うよ!」

音吉「何だよ」

はる「いつだったか、私が念仏講の旅行で『伊香保温泉に行く』って言った時、『3日は長すぎる、2日にしろ』って、わめいたじゃないか!」

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音吉「知らねえな!」

はる「うち空けると、すぐ、すねるんですよ」

みさ「うちの人もそうなんだ」

はる「あ、そう!」

みさ「ええ。ああ…滝川たつ時は夏だったもねえ。したけど、滝川、もう秋だべな」

 

目の前の路地で砂遊びする俊継。

 

はる「そう…」

音吉「あ~、帰っちゃうか」

みさ「はい」

音吉「寂しくなるねえ」

 

岩崎家茶の間

まつ「要に近くお母様が北海道へお帰りになると聞き、ご挨拶に」

みさ「あ、いやいや」

蝶子「わざわざすいません」

まつ「これは大したものではありませんが、ご主人様にでも」持参した風呂敷包みを渡す。

みさ「あ、いや。あ、したら、遠慮なく」

蝶子「お気遣いさせてしまいまして」

 

まつ「蝶子さん」

蝶子「はい」

まつ「退院おめでとう!」

蝶子「ありがとうございます!」

 

みさ「この前、ありがとうございました」

まつ「は?」

みさ「缶詰、開けていただいて。私なんか、もう、缶詰ひとつ開けられないで、お母様に開けてもらったくらいなんだ」

蝶子「あの日?」

みさ「そう!」

 

蝶子「母は何しろ包丁も握ったことのない人で」

ほうほうと聞くまつ。

みさ「いっぺんあるの」

蝶子「いつ?」

みさ「いや、だいぶ前」

 

蝶子「あと、マッチも擦れないしょ」

みさ「いや、東京に来て随分練習したんだ」

蝶子「火はつけられた?」

みさ「いや、それが、こう折れてばっかりなんだわ」

蝶子「だから、道理でマッチが減ってるんだ!」

みさ「あ、分かったかい?」

蝶子「母さんね、マッチは貴重品なのよ」

みさ「あ、いや、何べんやってもつかないもねえ。…うん」

蝶子「あ、あの、こういう母でして」

まつにペコペコ頭を下げる蝶子とみさ。

 

みさ「私なんかより、お母様についてていただいた方が、なんぼかうまくいったんでないかって」

まつ「私は何のお役にも立てず」

みさ「あ、いやいや、そういう意味でなく。要さんのお母様、東京におられるのに、私なんか遠くから出しゃばって来まして」

 

まつ「近くにいましてもねえ。何でもできるということが人の役に立つとは限らないということがお母様にお会いしてよ~く分かりました」

みさ「?」

まつ「何にもできないとおっしゃいますが、お母様のような方は周りを和ませます。入院という家族にとって、つらく、重苦しい出来事の時に、そういう方がいてくださるというのは救いです」

みさ「いや、なんも」

まつ「気持ちを和らげてくれます。そういうお方だと存じます」

 

ここで地震情報。北海道で!

 

みさ「いや~、いやいやいや、なんもです」

まつ「私の方は、まるっきり逆でして、ご存じのとおり、私は愛想のない人間です。こういう人間は病気の看病や病人の付き添いには不向きです」

蝶子「いいえ!」

みさ「なんも…」

まつ「いいんです。私、自分がそういう人間だということは自分でよく分かってるんですから」

顔を見合わせ下を向く蝶子とみさ。

 

まつ「そうですか。お帰りですか」

みさ「あの」

まつ「はい?」

みさ「娘のこと、よろしくお願いします」

まつ「私、このうちのことは何にも心配しておりません」

蝶子「!?」

まつ「要に蝶子さんがついていてくださるかぎり、もう。あの要が今、こうしてやっていられるのも蝶子さんのおかげだと思いますし、このうちのことは、もう何にも」

まつの話を聞いて、目が潤む蝶子。

 

<チョッちゃんは、まつさんを今、好きになっていました>

 

野々村家前の路地を豆腐売りが歩く。

 

野々村家

泰輔が蝶子の子供たちと遊んでいる。

 

電話しているみさ。「今ね、うん、泰ちゃんの家。そうそう、蝶ちゃんたちも一緒。うん、要さんはね、バイオリンの稽古が終わったら駆けつけることになってんの。私ね、はいはい、はいはい、明日たつから。もしもし?」

 

北山家

俊道「ああ、聞こえとる。して、加津子は、もういいんかい?」

 

⚟︎石沢「先生、何してんだ!」

⚟︎品子「おじさん、よしなさい!」

 

俊道「ん?」

 

⚟︎品子「久しぶりに奥さんの声、聞いてんだよ、先生」

⚟︎石沢「奥さんだ? 何言ってんだ!」

⚟︎「たみさん、嘉市さんにお酒持ってきて!」←男性の声。

⚟︎たみ「は~い!」

 

俊道「いや、もしもし? よく聞こえんわ。あ? あ、ワシか。へへ、いや~、静かなもんだ。晩ごはん、一人で食べてたとこだ」

 

茶の間からにぎやかな笑い声が聞こえる。

 

俊道「もしもし! え!?」

 

嘉市さんたちは声だけの出演だったかー。謎の男は公次だったりして!?

 

野々村家

柱時計の時間は10時27分。夜?

 

泰輔「ハハハ、女だ!」

富子「何言ってんだよ!」

みさ「にぎやかな声してたんだ。あれ、嘉市さんや品子さんの声だ」

蝶子「ああ~、石沢さんのおじさんたちが連日、押しかけてきて、父さんも案外楽しかったんでないの?」

みさ「ああ、ハハハッ」

要「きっとそうですよ、ね」

泰輔「しょうがねえな、義兄(にい)さんも」←どうしても寅さんが浮かぶな。

 

みさ「なんもだ。そういうふうに友達来て、にぎやかにしてたっちゅう方が私は気が楽だ」

富子「そうですよねえ」

泰輔「しかし、お前、あれだぞ。さっきの電話じゃ『一人寂しく飯食ってる』って」

要「いや~、あれじゃないですか? 『楽しくやってる』なんて言うと、お義母(かあ)さんが『もう少し東京にいる』とか言いだすと思って、それで」

泰輔「ハハァ、なるほどね。『早く帰ってこい』って言ってんだよ、姉ちゃん」

みさ「ああ。ハハハ」

富子「うん、そういうことだね、ウフフ」

荷造りしていた蝶子。「よしと!」

 

富子「じゃ、お茶いれるから」

みさ「富子さん」

富子「はい?」

 

座り直すみさ。「泰輔のことでは富子さんも大した苦労したしょ?」

富子「いいえ」

みさ「いや、結婚してからも何回も事業に失敗したって聞きましたもねえ。この子は人間はいいと思うんだ。したけど、時々、図に乗るっちゅうこともあるもねえ。そしたら、カ~ッとなって、へへ、バカなことやるんだわ」

富子「ええ」

 

泰輔「バカなことって?」

みさ「したでない、何べんも! 住む家なくてウロついたり、借金取りに追われたり、何回もあったしょ?」

泰輔「アハハ…」

みさ「こういう弟が今、あるんは富子さんのおかげと思っとります」

富子「いいえ、私なんか」

みさ「この子…13の時に家出して、仙台の実家とは、それ以来、行き来ないんだ」

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うなずく富子。目頭を押さえる泰輔。

みさ「この子には、もう帰る家はないっちゅうことです。したから、もう、この家しかないっちゅうことです」

すすり泣く泰輔。

みさ「富子さん、泰輔のこと、よろしくお願いします」頭を下げる。

富子も手をついて頭を下げた。

 

見つめ合う蝶子と要。

 

富子「アハ、アハハハッ。義姉(ねえ)さん、大丈夫ですよ! 私ね、この人の扱い、心得てますから」

泰輔「…この野郎、大きく出たな!」

富子「分かってんだよ、あんたの弱みは! チョッちゃんと義姉さんなんだから! 私が言ったって聞かないのに同じことチョッちゃんに言われたら、もう、イチコロ! 後はね『義姉さんに手紙書いて相談する』って言や黙るんですよ! そういうことですから」

みさ「はい、アハハハハッ」

 

みんな、泣いてる~。泣ける~。

 

みさ「要さんには蝶ちゃんのことね、よろしくお願いします」

要「はい」

蝶子「大丈夫だから」

 

泰輔「姉ちゃん! また来りゃいいじゃないか!」

みさ「来れたらいいね」

泰輔「来れるよ!」

 

みさ「したけど、それより富子さんば、一度、滝川に連れてきたらいいしょ」

富子「はあ、是非」

みさ「ねえ! 要さんも蝶ちゃんも」

要「はい」

みさ「そしたら、いやいや、嘉市さんも来て、アハッ、や、大したにぎやかだべねえ」

 

蝶子「母さん」

みさ「…ん?」

蝶子「東京来てくれてありがとう」

みさ「アハハッ、いやいや、なんもだ。アハハッ」

 

<翌日、みささんは上野をたち、北海道へ帰っていきました>

 

カフェ泉前

女性「千人針、お願いします」

通りを軍人が歩いている。

 

<チョッちゃんは、みささんを見送ったあと、久しぶりに泉へとやって来ました>

 

カフェ泉

泰輔「あの、雅代さんには、もう話したんだけどね、この店、やめることにしたんだよ」

驚く蝶子。

泰輔「何せ、こう、物がなくちゃさ。それにコーヒー豆も入りにくくなったし、こういう世の中だよ。喫茶店に入って、のんびりコーヒーなんてお客さんもいなくなっちゃって。もうダメだよ、な」

雅代「ええ」

泰輔「ご時勢には勝てないよ」

蝶子「そう」

 

泰輔「ハハッ、だからさ、最後は派手にパッと花火打ち上げてやめようと思うんだ。加津ちゃんの退院祝を兼ねてさ」

雅代「いいですね!」

泰輔「イタチの最後っぺだ!」

加津子「何、それ?」

泰輔「うん、いやいや、いやいや」

雅代「じゃ、飲み物、適当に?」

泰輔「あ、そうだね」

 

蝶子「そう、終わり」

泰輔「うん」

ウルウルした目で店内を見つめる蝶子。(つづく)

 

全体的に泣ける回。当時の北海道と東京の距離も感じる。「何でもできるということが人の役に立つとは限らない」か~、こんなこと言えるまつさんが素敵。

 

今日の地震情報まとめ

午前7時19分ごろ地震がありました。

この地震による津波の心配はありません。

震源は北海道渡島地方東部

深さ140キロ、マグニチュード5.1

震度3 十勝中部 浦幌町