1969年10月26日 TBS
あらすじ
横綱になる夢を持っていた相撲取りの駒形茂兵衛は、一文無しで困っていたところを安孫子屋のお蔦(池内淳子)に金を恵んでもらい助けられる。それから10年、ヤクザに落ちぶれてしまった茂兵衛だったが、お蔦に恩返しを果たすことは諦めきれなかった。やがてお蔦と再会を果たすが、そこに死んだはずの夫・辰三郎(仲谷昇)が現れる…。

2025.8.17 時代劇専門チャンネル録画
弥八という肩に入れ墨のある男が小刀を持って暴れていた…ていうか、カラーだ! 1969年だもんね。「おやじ太鼓」は1968年4月からカラー化された。
原作:長谷川伸
脚本:平岩弓枝
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音楽:小川隆司
プロデューサー:石井ふく子
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駒形茂平衛:中村勘三郎…字幕黄色
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お蔦:池内淳子…字幕水色
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船印彫師辰三郎:仲谷昇
船戸の弥八:佐野浅夫
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大工:加藤嘉
筋市:藤岡重慶
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波一里儀十:加藤武
掘り下げ根吉:森健二
若い衆:三田村元
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北谷:市村昌治
篭彦:中村三左衛門
おぶの甚太:光枝明彦
河岸山鬼一郎:大沢真吾
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酌婦 お松:大鹿次代
お君:石崎恵美子
老婆:安芸秀子
料理人:近江俊輔
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老船頭:伊志井寛
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演出:山本和夫
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制作:TBS
石井ふく子プロデュース作品って大体、役者名と役名が連名になっていてありがたい。
暴れ回る弥八に手を付けられないでいた人々だが、そんな中、わしは何も知りはしないのだといいつつ、弥八を押さえようとする茂兵衛という男が現れた。そんな時、目の前の建物の2階からお蔦という女が弥八に水をかけた。
お蔦「水かぶって、少しは気が落ち着いたかい? 弥ぁ公」
弥八は怒って、部屋に押し掛けようとするが、お蔦は部屋にいるのが流れの三太郎親分だという。弥八は、うちの親分かと刀を捨て、近くにいた料理人が慌てて拾った。しかし、お蔦の部屋には、お蔦のほか誰もいない。
今度は茂兵衛に因縁をつけ始める弥八。お松も出てきて、茂兵衛の肩を持つので、弥八は怒って、お松の首を絞めた。
島先生ときみさん!
お蔦が止めるが、弥八はまた茂兵衛に絡む。茂兵衛は職を問われ、相撲取りだと答えると、取的(とりてき)さんかと抱きつき、利根川に来いと連れていこうとする。
相撲取りという設定なので肉襦袢を着てるのかな?
取的…関取でない若い力士。しかし、十七代目中村勘三郎さんは当時60歳! どう見てもジジイ(失礼)だ!
お蔦は、さっさと行った方がいいと茂兵衛に助け舟を出す。
茂兵衛は一文無しで江戸へ向かう。お蔦は、そこの川を渡るのだって16文いるのだというが、茂兵衛はどうにかするというと、弥八はかわいそうだと憐れむ。フラフラと倒れた茂兵衛だが、弥八に弱いと言われて突進して弥八を追い払った。
野次馬も去り、茂兵衛は井戸水を飲むが、おなかがすいてフラフラ。お蔦に話しかけられ、立派な関取になるため、こじきのような真似はしない。親方に見込みはないと言われたと話す。故郷(くに)は上州、勢多郡(せたごおり)の駒形、前橋から2里ばかり行った所。実家は火事でなくなり、親父は20年前にどこかへ行って便りもない。母は駒形の上広瀬川の見える所…お墓にいる。
お蔦は酌取り女。「おしろいで面の皮が焼けてるあばずれさ」
あばずれだと思わないという茂兵衛に関取になりなよと励ますお蔦。薄情な親戚たちを並べて土下座させたらいいというが、茂兵衛は、故郷の母の墓の前で横綱の土俵入りをしてみせたい、それだけでいいという。
おっ母が恋しいんだねとお蔦が言い、お蔦の故郷の話へ。お蔦の母は生きているが、信濃の善光寺さまよりもっと先、越中、富山から南へ6里、山の中でどうなっているか分からない。
♪おらちゃ友達や 菜種の花よ
ハア どっこいしょのしょ
盛り過ぎれば オワラ ちらばらと
ハア どっこいしょのしょ
三味線を弾きながら歌うお蔦。茂兵衛が歩き出そうとすると呼び止め、巾着袋を投げた。「あたしの身上、ありったけあげるから、どっかで何か食べておいき」
年中、お金に困ってるからあってもなくても困らないというお蔦は帯に括り付けたくしとかんざしをつけて下に落とした。茂兵衛は、こんな女の人に初めて会ったと泣きだした。お蔦は取手(とって)の宿(しゅく)の安孫子屋にいるだるま。越中、八尾の生まれで24になる女。
きっと横綱になってよというお蔦に立派な横綱になると誓う茂兵衛は駒形茂兵衛と名乗り、お蔦のもとを去った。
―そして十年―
お君という少女が
♪おらちゃ友達や 菜種の花よ
ハア どっこいしょのしょ
と歌っていた。
お君はお蔦の娘。今はお蔦は飴を売っている。
船頭と若い衆が一服してお茶を飲んでいると、旅人の男が通りかかった。茂兵衛は船頭に取手の安孫子屋という茶屋旅籠は今でもあるか?と聞いた。船頭は「ありがとう」の園長先生または院長先生!
しかし、船頭は8~9年前に流れの三太郎が買い取ってしまってから、半年1年でつぶれてしまったと答えた。
お蔦は小さな家でお君と2人暮らし。お父っつあんはのんのさまになったとお君に言うと、お君は泣いた。
船頭は安孫子屋にいた人たちも散り散りになって、安孫子屋を知る人も少なくなったと茂兵衛に言い、安孫子屋の誰を捜しているのか聞いた。お蔦さんという女性を捜していると話す茂兵衛に船頭は大工を呼んだ。加藤嘉さん、入れ歯を外してる? すごいおじいさんっぽく見えるけど、当時56歳!? 中村勘三郎さんより年下。
お蔦のことは大工も船頭も知らなかった。当時、大工がハマっていたのはお松。ハマってるというのを凝ってるという言い方してた。
茂兵衛は取手に行って捜すと去ろうとしたが、男たちに囲まれ、かぶっていた三度笠を取られた。笠を取った根吉は人違いだといい、甚太は謝った。
茂兵衛「てめえたちは無職(ぶしょく)か?」
篭彦「へい、自分より発します」
茂兵衛「俺は不作法だ。仁義は受けねえ。一家はどこだ?」
篭彦「かよう、土足、裾取りまして、ご挨拶、失礼さんでござんすが、ごめんなさんせ。向かいまして上さんと今度、初めてのお目通りでござんす。自分は総州、葛飾の郡、柴崎は波一里儀十(なみいちり・ぎじゅう)、若え者、篭屋彦左衛門と発し、ご賢察のとおり、しがねえ者でござんす」
だから篭彦なのね。
茂兵衛は、ほかの2人にも名乗らせ、波一里儀十さんの言いつけでやったことか?と問い詰める。「次第によっちゃ勘弁するが、次第によっちゃ勘弁ならねえ…というのは改めて言うまでもねえこったが、無職同士のことだからな」
キリッとした表情で無職同士って! 股旅スタイル=無職? やくざ者?
どういう訳で間違えのか言えというと、根吉がこの土地に荒れ寺が1軒あり、シキになる。見たこともない風来坊が来て、そぶりがあやしくなり、いかさま野郎で、気が付いた時には逃げられた。いかさま師は角帯を締め、年ごろも人相も違っていた。
茂兵衛たちの去った後、船着き場に同じような旅人風の男が船頭たちの前を通りかかり、地面にさいころを捨て去っていった。いかさま賽(さい)だと気付く船頭。
薄暗くなってきた中、内職をするお蔦。お君に灯りをつけさせようとしたが、火打石で打って血が出てしまい、手当てするお蔦。
そこへ北公という男がズカズカ入って来た。字幕は北公。でもセリフは北造。クレジットは北谷。北谷公造か?
北公は弥八親分の名代で客人を案内したと男を家に入れた。川向こうの中相馬にいる波一里儀十と名乗る男が数人の男を引き連れてきた。筋市が、お前の亭主を出してもらおうか?とすごむ。
儀十は手下に家探しするよう命じた。抵抗するお蔦とお君。筋市は、お蔦の亭主の辰三郎は生きていると告げた。元この土地にいた升さんって男が「関宿の浜棟梁の所にいた船印彫師(だしぼりし)の辰三郎」だと証言した。お蔦も升さんを知っており、辰三郎が生きていたと信じることができた。
辰三郎を安孫子で見かけたなら、妻子を捜すのは当たり前だと思い、この家に来た。しかし、いないと分かると一旦引き上げることにした。お蔦は辰三郎が何をしたか聞くと、堅気に化けたいかさま野郎だと答えた。
お君ちゃん、すごく芝居がかった子役だな。
すぐあとに辰三郎が家に入り、戸を閉めた。辰三郎とお君の涙の再会。辰三郎はお君を抱き上げて家に上がり、自分の位牌に気付いた。
鳥羽にいた時、浜棟梁のとこの良(よし)公から、お蔦がたったひとりで子供を育てながら、辰三郎の帰りを待っていると聞かされ、少しは金を持って帰ろうと思ったが、患って駄目になり、いかさまに手を出した。
字幕は”鳥羽”となってたけど、”賭場”じゃないの? 話の流れから。
賭場で儲けた金を床に置く辰三郎。お蔦は辰三郎が帰ってきたのなら、この土地に未練はないと逃げようと提案。お蔦の故郷に帰る。お君は、あの歌の所ね、と歌い出す。
♪おらちゃ友達や 菜種の花よ
ハア どっこいしょのしょ
辰三郎は、いかさまに勝った金を置いていくのに添える手紙を書いていた。お蔦はすぐ荷物をまとめ始める。そこに窓からのぞく目。
茂兵衛と名乗る男が戸をたたくが、お蔦は覚えがない。茂兵衛は家に入れてもらい、お蔦に気付くが、お蔦は顔を見ても分からない。やせたからってこと??
10年ぶりに流れてきた茂兵衛は、お蔦を捜したが見つけられず、飲み屋の女の鼻歌に気付き、聞いてみると、「女飴屋の口真似」と答えたので、ようやく家が分かり、家から子供の声で歌が聴こえた。「茂兵衛は、ものになり損ねました」と頭を下げ、ご恩返しの真似事がしたいと小判の束を渡した。
それでも思い出せないお蔦。「思い出されねえのが、かえって幸せでござんす」と頭を下げる茂兵衛。戸をたたく音がする。慌てるお蔦たちに外へ出るなと命じ、あらまし片が付いたら3人で志すほうへ飛んでいけと言った。
茂兵衛が1人家から出て、儀十たちと対した。最初は木刀で対抗し、最後は儀十と相撲で一騎打ち。
相撲を取る姿にお蔦はハッとし、あのときの取的さんだと気付いた。茂兵衛は「姐さんにとっちゃ何でもねえことかもしれねえが、この俺にとっちゃ、生涯、たった一度の受けた人の情けでござんした。ありがとうござんした」と頭を下げ、早いとこ逃げなせえと追い払った。
お蔦はお礼を言い、お達者でと去っていった。
茂兵衛「お蔦さん、10年前に櫛、簪、巾着ぐるみ、意見をもらった姐さんに、せめて、見てもらう駒形の…しがねえ姿の…土俵入りでござんす」
お蔦たちは去っていき、茂兵衛は涙を流して見送った。(おわり)
なかなかこの時代の時代劇を見る機会もないので面白かった。カラーだったし。今回はTBSの日曜劇場で単発の時代劇だから見てみることにしました。だけど、後は今週と来週しかやらないのね。もっと日曜劇場見たいんだけどな。
十七代目中村勘三郎さんは1957年にも同じタイトルのドラマに出てるのでリメイクなんだろうか? それでも本来は30代くらいの人が演じるような役だけど。
石井ふく子プロデュースということで「ありがとう」ファミリーも見られてよかった。
