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【ネタバレ】チョッちゃん(102)―連続テレビ小説―

NHK 1987年8月1日(土)

 

あらすじ

北海道・滝川に帰ってきた蝶子(古村比呂)と道郎(石田登星)兄妹。母・みさ(由紀さおり)はいまだに独り身の道郎が戦場となっている満州に赴くことが、心配でたまらない。東京へ帰る前夜、道郎はかつて帝大医学部を目指しているとふりをして、実際は小説家を目指していたこと等、これまでの親不孝を俊道(佐藤慶)に詫びる。まるで今生の別れのような振る舞いをする道郎に、俊道は母に手紙だけは欠かさず送るよう伝える。

2025.8.9 NHKBS録画

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脚本:金子成人

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黒柳朝チョッちゃんが行くわよ」より

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音楽:坂田晃一

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語り:西田敏行

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岩崎蝶子:古村比呂…字幕黄色

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岩崎要:世良公則

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北山みさ:由紀さおり

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野々村富子:佐藤オリエ

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国松連平:春風亭小朝

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中山音吉:片岡鶴太郎

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石沢嘉一:レオナルド熊

彦坂頼介:杉本哲太

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田所邦子:宮崎萬純

岩崎加津子:椎野愛

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北山道郎:石田登星

中山はる:曽川留三子

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たみ:立原ちえみ

品子:大滝久美

彦坂安乃:貝ますみ

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岩崎雅紀(まさのり):河野純平

鳳プロ

劇団ひまわり

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神谷容(いるる):役所広司

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野々村泰輔:前田吟

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北山俊道:佐藤慶

 

北山家

加津子の着替えを手伝う蝶子。「加津(かっ)ちゃんには初めての経験だもね」

加津子「うん!」

蝶子「たくさん釣れるといいね」

加津子「うん、たくさん釣って、お父さんにお土産!」

蝶子「うん!」

 

みさ「いやいや、まだかい?」

蝶子「あ、今」

みさ「お父さん、そわそわして待ってるんだ」

蝶子「あ、そっか」

 

玄関先で麦わら帽子、白シャツ、短パン(!)、左手にバケツを提げ、釣竿を持った俊道が立って待っている。

 

蝶子「ああ、待ったしょ?」

俊道「なんも」

蝶子「したら、よろしく」

 

加津子「それ、持ちたい!」

俊道「ああ、はい」釣竿を1本渡す。「行き先は分かってんな」

蝶子「うん、私が子供の頃、連れてってもらったとこでしょ? うん」

俊道「患者さん、来たら…」

みさ「あ、呼びに行きますから」

 

俊道「じゃあ、行こう!」

加津子「行ってまいりま~す!」

蝶子「はい、行ってらっしゃい!」手を振る。

 

加津子「ねえねえ、鮭は釣れる?」

俊道「いや~、鮭は、今、いないんだわ」

 

茶の間

ごはんを食べている道郎。雅紀が廊下を声を出しながら走っている。

 

道郎「行ったか?」

蝶子「うん、行った」

道郎「しかし…父さん、老けたね」

蝶子「うん」

みさ「ウフフフッ、いや、孫と釣りだもね」

道郎「いくつになったんだっけ?」

みさ「う~ん、56歳」

道郎「う~ん」

 

56歳! 貫禄あるな。蝶子29歳、道郎は33、4? 

 

みさ「道郎さん、満州、危ないんでないの?」

道郎「いや」

みさ「したって、戦争してるしょや」

 

蝶子「え、どうなの?」

道郎「心配ない」

みさ「いや、したけど…」

満州満州には日本のいろんな会社があるんだ。日本人もいっぱい暮らしてるし、まあ大してこっちと変わりないらしいしさ」

みさ「いや、したけど、外地だもねえ」

蝶子「うん、そうそう」

 

道郎「ごちそうさん! うん。たみちゃんは通いだってかい?」

みさ「うん、『結婚したんだから代わりば探す』って言ったんだけど、『旦那さん仕事に送り出してから時間があるから』って来てくれてんの」

蝶子「へえ、いや~、たみさんも奥さん、品子さんも母親、いや~、それぞれ変わっていくねえ」

みさ「うん。俊介も今や会社員だ」

道郎「…仙台に行ったまんまだってかい?」

みさ「さあ、札幌で働けばいいのにねえ」

蝶子「いや~、兄妹ちりぢりだね」

みさ「うん」

蝶子は食器を台所に運んで行った。

 

俊介の話題がようやく出てきた! 俊介もまた医師にはならなかったか。

どうやらこの方が弟さんらしい。朝ドラのモデルになった人の家族がホントの〇〇パターン、「はね駒」のモデルになった方の息子さんも書いてたな。

 

みさ「道郎さん」

道郎「うん?」

みさ「あの~…」

道郎「何さ?」

みさ「いや…道郎さんは女の人、嫌いかい?」

道郎「何、しゃべるんさ」

みさ「いや、したけど」

道郎「何?」

みさ「ん? いまだに結婚しないっちゅうんは、なしてかなって…」

道郎「ま、縁がなかったんだわ。うん」

 

台所から戻ってきた蝶子。「失恋ばっかりだもね」

道郎「余計なこと言うな」

 

みさ「満州でいい人、見つけられたらいいね」

道郎「ああ」蝶子の視線に気付く。「ん?」

蝶子「ああ、なんも…」

 

柱時計の時報

 

蝶子「さてと、私も川の方に行ってみようかな」

 

みさと目が合い、笑顔でうなずく道郎。

 

河原…大掛かりなセットだな!

加津子「おじいちゃん」

俊道「うん?」

加津子「北海道には熊がいるって本当?」

俊道「ああ、いるんだ」

 

加津子「見たことある?」

俊道「ある」

加津子「大きい?」

俊道「う~ん、ああ、大きい」

加津子「どれくらい?」

俊道「立ち上がったら…そんだな。あの木の枝ぐらいはあるべな」

加津子「大きいねえ!」

俊道「ああ! 大きい」

 

木の陰からそっと見ている蝶子。

 

俊道「熊っちゅうんは魚取るのが大したうまいんだわ」

加津子「熊も魚釣るの?」

俊道「いや、なんもだ。釣るんではないの。川の中に入って泳いでる魚ば手でバシャッと、ま、爪で引っ掛けるのさ」

加津子「ふ~ん」

 

俊道「秋になって鮭が川ば上ってきたら熊は大喜びだ」

加津子「いっぱい食べられるから?」

俊道「そうだ」

 

ほほ笑ましく見ている蝶子。

 

加津子「食べてるとこ見た?」

俊道「見た。鮭ば、こう、串に刺して、河原で火ぃおこして焼いてたもね」

加津子「ふ~ん」

 

<おじいちゃん、子供にウソ教えちゃいけませんね>

 

俊道「なんもなんも、今のはウソだ」

真剣な表情の加津子。

俊道「火ぃおこしてたんはウソだ」

加津子と俊道が笑い合っているのを見て、微笑む蝶子。

 

俊道おじいちゃん、優しいなあ。

 

<チョッちゃんたちには滝川最後の夜になりました>

 

茶の間

石沢「それで今日は、魚、釣れたんかい?」

加津子「3個」

蝶子「3匹」

加津子「3匹」

蝶子「そう」

 

みさ「お父さんは?」

俊道「私が3匹だ」

加津子「加津子は初めてだから釣れなかったの」

一同「う~ん」

 

    俊道

        石沢

たみ      道郎

品子      加津子

   みさ 蝶子・雅紀 

 

石沢「このおじちゃんと一緒だったら、もっと釣れたべなあ」

笑い声

石沢を一瞬にらむ俊道。

 

道郎「父さん。僕は来週には日本を離れます。帝大医学部にも入らず、勝手に小説家を目指し、北山家の長男としては、父さんの期待を裏切り続け、ふがいなく思われたと思います」

ハラハラと見守るみさ。

道郎「満州に渡る前におわびをしておこうと思いました」頭を下げる。

 

みさ「そんな、もう会えないみたいなこと、やめてや」

道郎「けど、ずっと向こうに行きっぱなしということもあるんだから。おじさん、うちのこと、よろしくお願いします」

石沢「分かってる、分かってる!」

 

俊道「道郎」

道郎「はい」

俊道「母さんには、まめに手紙を書くように」

道郎「はい」

俊道「手紙さえ届けば安心するもんだ」

道郎「…はい」

涙を拭くみさ。

 

道郎の部屋

部屋の整理をしている道郎。「何だ?」

蝶子「いい?」

道郎「ああ」

 

部屋に入ってきて座る蝶子。「東京から、ずっと聞こうと思ってたことがあるんだ」

道郎「何?」

蝶子「うん、満州行きのこと。兄さんが会社に頼み込んだんでない?」

道郎「どうして?」

蝶子「邦ちゃんのこと好きだったしょ?…それぐらい分かる。したけど、あの大川さんに邦ちゃんば取られたから」

 

道郎「蝶子!」

蝶子「したって、千駄木の叔父さんのうちで『満州に行くのは、ちょうどいい折だ』って、つぶやいたしょ」

道郎「あれは…」

蝶子「忘れるには遠くへ行くのがいいって意味だったんでない?」

道郎「なんも…」ニッと笑う。

 

蝶子「兄さん、恋にはいつも手遅れだね」

道郎「うん?」

蝶子「千駄木の叔父さんちの前の生け花教室に通ってた生徒さんに恋した時も」

道郎「婚約者がいたんだな」

蝶子「うん」

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蝶子の友達は道郎のことキャーキャー言ってたのにな。

 

道郎「したけど、蝶子、満州行きは、これはもう会社の人事だ。一社員の申し出で人事が決まるような会社でない。それにお前は『俺が邦ちゃんに恋していた』と言うが、それは思い違いだ。ハハッ、とんでもない思い違いだ。ハハハハ!」

 

道郎のこういうとこが好きなのよね~。

 

<次の朝、チョッちゃんと道郎さんは東京へと帰っていきました>

 

石沢が先頭に立ち、荷物を持った歩いていく。

子供たち「さようなら!」

みさ「気を付けて!」

スーツ姿の道郎が両親に向かって頭を下げ、俊道、みさも頭を下げる。帽子をかぶって、さっそうと歩いていく道郎をいつまでも見送る俊道とみさ。

 

岩崎家

 

泰輔、連平、音吉が歌う。

♬青い背広で 心も軽く

青い背広で

青い背広で

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<道郎さんが満州へたつという日の前日です。洗足の岩崎家ではその送別会が開かれました>

 

縁側に立つ泰輔、連平、音吉

 

頼介  神谷

はる  

富子  道郎

    要

邦子

 

安乃と蝶子が給仕する。

 

♬ひとみも濡れる

若い僕らの 生命(いのち)の春よ

 

連平「はい!」

音吉「…っときたもんだ!」

 

♬お茶を飲んでも ニュースを

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道郎の心情?を歌ったような歌詞だな。

 

道郎の隣に座った泰輔。「道郎君」

道郎「はい」

泰輔「しかし、道郎君、満州に行くにあたってだな、『私を是非連れてってください』というような女性はいなかったのか?」

道郎「いませんよ」

泰輔「ダメな男だな!」

 

邦子の隣に座っていた蝶子。「あ、もう、やめやめ! そんな未練たらしい話は、やめ!」

 

連平「そうそう、そんなことより、酒!」

泰輔「安乃ちゃん、持ってきてくれ」

邦子と目が合う道郎。

 

頼介「自分は…そろそろ時間ですので。お元気で」

道郎「…ありがとう」

頼介「満州に行くことがあったら、お訪ねします」

道郎「ああ」

 

  連平

音吉  神谷

はる  泰輔 

富子  道郎

    要

邦子

 

泰輔「♬ここは御国を何百里

戦友

戦友

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道郎がトイレの順番待ち!?している。

 

♬離れて遠き満州

 

道郎のそばに邦子が来た。

道郎「あ、今、叔父さんが」

邦子「道郎さん、お元気で…」

道郎「ありがとう。あれだよ、邦ちゃん。何か困ったことがあったら蝶子なんかじゃなく、大川さんに相談するといいよ。大川さんならいいよ…うん」

何か言いたそうな?邦子。

 

⚟︎音吉「♬花も嵐も 踏み越えて」

旅の夜風

旅の夜風

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松竹映画「愛染かつら」の主題歌の「旅の夜風」。昭和13年発売の曲ながら、戦中設定のドラマのみならず昭和ドラマでの鼻歌率高し。何度も映画化、ドラマ化されてて、その度にこの曲も使われるせいかな。医師と看護師の身分差メロドラマ。

 

台所

おにぎりを握っている蝶子と邦子。「ねえ、チョッちゃん

蝶子「うん?」

邦子「道郎さんのことだけど、その…いい」

蝶子「何?」

邦子「ううん、いいの」

 

⚟︎音吉「♬泣いてくれるな ほろほろ鳥よ」

 

夜、親戚だけが残る。

   富子

蝶子    泰輔

要     道郎

 

泰輔「赤い夕日の満州か。俺も行ってみたいな」

道郎「僕が向こうにいる間に一度、来りゃあいいじゃないですか」

泰輔「そうか?」

富子「私は嫌だよ」

泰輔「俺一人で行ってくるよ」

富子「向こうに芸者いないよ」

道郎「いますよ」

蝶子「へえ」

要「日本から随分行ってるらしいです」

 

道郎「叔父さん、満州で芸者あげましょうね」

泰輔「ああ! ハハハハハ!」

富子「道郎さん、ダメだよ、この人、すぐ本気にするから」

泰輔「冗談じゃないよ」

 

蝶子「そんなことより兄さん、向こうにいい人いたら結婚してよ」

道郎「うん…」

蝶子「母さんも、それ、一番心配してるんだから」

富子「そうだよ」

 

道郎が座り直す。「叔父さん、叔母さん、達者でいてくださいね」

泰輔「ああ」

富子「あんたもね」

道郎「はい」要の方に向き直る。「要さん」

要「はい」

道郎「蝶子のこと、よろしくお願いします」

要「はい」

 

蝶子「手紙をね」

道郎「ああ」

泰輔が背中をポンポンたたく。道郎は膝を崩してお茶を飲む。

 

<昭和15年9月のことでした>(つづく)

 

ああ、何この全体にフラグ立てまくりの感じは!? 結構、道郎お気に入りなのに! 古村比呂さんとなんとなく顔立ちというか目が似てて兄妹感があって好き。蝶子のやることに過剰に心配しないところもリアルだなって。

 

邦ちゃんの方も気持ちが動いた!?