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【ネタバレ】チョッちゃん(99)―連続テレビ小説―

NHK 1987年7月29日(水)

 

あらすじ

加津子(椎野愛)が落ち込んだ様子で学校から帰ってくる。新しい学校のために、校歌を父・要(世良公則)に作曲してもらった加津子だったが、先に校長先生から校歌の完成を発表されてしまい、父の曲を学校で披露できなかったのだという。せっかく作曲してもらったのに徒労に終わったことが心苦しく、父になんと報告してよいものかと、困っている加津子のかわりに、蝶子(古村比呂)が要に事情を説明するのだが…

2025.8.6 NHKBS録画

peachredrum.hateblo.jp

脚本:金子成人

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黒柳朝チョッちゃんが行くわよ」より

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音楽:坂田晃一

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語り:西田敏行

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岩崎蝶子:古村比呂…字幕黄色

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岩崎要:世良公則

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田所邦子:宮崎萬純

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彦坂安乃:貝ますみ

岩崎加津子:椎野愛

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女先生:北瀬りさ

岩崎雅紀(まさのり):河野純平

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鳳プロ

早川プロ

劇団いろは

劇団ひまわり

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野々村泰輔:前田吟

 

要の部屋

要「どうして向こうじゃダメなんだ?」

蝶子「加津子が起きると…」

要「ん?」

蝶子「例の…」楽譜を見せる。

要「ああ」

 

蝶子「ゆうべ、作曲してくれた例の校歌」

要「うん…何?」

蝶子「実は…今日、加津子ね、これを学校に持ってったのよ。校長先生に見せようと思って」

笑顔でうなずく要。

蝶子「で、見せようかなって思ったら『校歌が出来ました』って校長先生が言いだしたんだって」

要「うん」

蝶子「校長先生が作った校歌も、ちょうど今日出来上がったっていうわけなのよ。で、加津子としては…要さんの曲のこと言いだせなかったのよ」

要「うん。俺のは不要というわけか…」

 

気まずそうにソファに座る蝶子。

要「しかしね、何で俺の曲のことは言いだせないんだ? 別に校長先生のが出来てたって構わんじゃないか」

蝶子「加津子たちは初めから校長先生にお願いしてたんだもの。出来ないと思って諦めてたら出来たってことになったわけでしょ?」

うなずく要。

蝶子「要さんに頼んで作ってもらったって言いだしたら、校長先生、傷つけると思ったんじゃない?」

 

要「俺は傷つけてもいいのか?」

蝶子「ちょっと…」

要「俺がガッカリするのは構わないのか?」

蝶子「構わなくはないわよ。何、言ってるの! だから、加津子だって、胸、痛めてるんじゃない」立ち上がって要のそばに行く。「子供は子供なりに気ぃ遣ってるし、心配してるのよ」

要「『心配』?」

うなずく蝶子。

 

要「何を?」

蝶子「お父さんのことを…」

要「俺の何を?」

蝶子「つまり…いろいろ…」

要「何だ?」

蝶子「だから…仕事があんまり、ほら、ないってことを…仕事したいのにできないってことを」

 

ため息をつく要。「…だから、加津子は俺に校歌を頼んだのか?」

蝶子「そうじゃないかと…」

 

要「子供に同情されたんじゃおしまいだな」ソファに座る。

蝶子「要さん…」

要「いたわられたんじゃな!」

蝶子「だって、しかたないじゃない」

要「何が!?」

蝶子「世の中、こんなふうで現に仕事減ってるでしょ?」

要「俺のせいじゃないよ」

蝶子「分かってるわよ」

 

要「だったら…俺へ当てつけるようなことはやめなさい」

蝶子「何が?…何が当てつけなの?」

 

立ち上がる要。

蝶子「要さん!」

要「そりゃね、仕事をしようと思えばあるよ! 個人教授とか流行歌の伴奏とか…そういうことをしない俺への当てつけだ!」

蝶子「いや、したら、あれかい? 私が加津(かっ)ちゃん、そそのかしたってかい!」

要「加津子一人でね、あんなことを思いつくわけはないんだ」

 

蝶子「思いついたのは加津ちゃんです! 後で相談は受けたけど、思いついたのは加津ちゃんです! それをそんな言い方、加津ちゃんに失礼だわ! 私ならちゃんと言いますよ…あなたは昔から生活のために仕事しない人だけど怒られるの覚悟で言います! 生活のために仕事してください!」

要「お前…」

蝶子「坂上さんも個人教授始めたそうだし、あなたも何か…」

要「俺はね…」

蝶子「分かってます! 今のは…私、本気じゃないの」

 

今度は椅子に座る要。

蝶子「仕事なんか無理していなくていいのよ。いいんだけど、だったらノホホンとしててほしいのよ。仕事が減ったことで寂しそうにしないで、つらそうにしないで。そんな顔見るよりは嫌な仕事して怒ってる顔を見る方が、私は気が楽なの! 私の勝手だけど」

要「勝手だ。お前の顔色見ながら仕事なんかできるか」

蝶子「だったら、開き直ってド~ンと構えててください!」

要「おう!」

 

縁側

蝶子「じゃ、もう一回、歌ってみようか」

加津子「♬すぎやまがくえん たのしいな

おはよう おはよう

あさのごあいさつ

たのしいね たのしいね

きのぼりだって かんけりだって

みンな とってもうまいンだ」

 

譜面が読める蝶子が加津子に歌を教える。加津子ちゃん、歌うまい。

 

岩崎家玄関

泰輔「邪魔するよ!」

 

⚟︎蝶子「は~い!」

 

茶の間

蝶子「どうしたの?」

泰輔「あ? ああ…邦子ちゃんに最近、会ってるか?」

蝶子「しばらく会ってない」

泰輔「ほう」

蝶子「何?」

泰輔「ん? うんうん…」

 

安乃「どうぞ」麦茶を出す。

泰輔「お、ありがと、ありがと」

 

縁側では加津子が校歌を練習中。

 

泰輔「邦子ちゃんね、映画出演断ったんだよ」

蝶子「ダメなの?」

泰輔「一度は承知しといて、急に『嫌だ』って言ったらしいんだ…まあ、戦争映画でさ、女優には面白くない映画なんだけど、会社側じゃ困ってんだよ。そらね、邦子ちゃんの気持ちも分からないじゃないけどもさ、このままじゃ邦子ちゃんの立場もますます不利になっちゃうなあ」

蝶子「そうなの?」

泰輔「うん。だからさ、チョッちゃんから、ひと言、邦子ちゃんに言ってやってよ」

 

加津子のそばに安乃もついていて歌を聴いている。

 

蝶子「何て?」

泰輔「短気は禁物だってことをさ!」

 

岩崎家にやってきた邦子が縁側に座っている。「チョッちゃん

蝶子「ん?」

邦子「正直言って、私、疲れたわ。体じゃなく、気持ちが…いやいや、大してゆるくないわ」

蝶子「邦ちゃん?」

 

邦子「マネキンガールと女優と10年間、私、いつも気ぃ張ってた。そりゃあ、背伸びもするわよ。見えも張る。気分悪くたって人前では作り笑い。実生活でつらいことあったって、演技する時は幸せな表情を作り、街歩いてても人の目をいつも気にして。疲れたの。以前はね、独身時代のチョッちゃんがいて、千駄木の野々村さんがいて…だけど、今は何だか遠くなったじゃない?」

蝶子「私も遠のいた?」

 

邦子「チョッちゃんが遠のいたんじゃないのよね…私なの。私のせい。知らない間にどこか流されてたのよ。そこでさまよってるの。だからとどまりたいの。落ち着きたいのよ」

蝶子「結婚?」

邦子「とか…ウフフ、日の当たる縁側でこんなふうにのんびりと子供の声なんか聞いてて。晩ごはん、何にしようとか、そんなこと考える何でもない生活がとても新鮮に思えるの」

蝶子「結婚したいの?」

邦子「いい人いたらね」

蝶子「今、いないの?」

邦子「いない」

蝶子「いい人ねえ…」

邦子「いる?」

蝶子「う~ん」

 

立ち上がって伸びをする邦子。「ああ、梅雨の晴れ間か…」

 

蝶子「邦ちゃん、怒ったらダメよ」

邦子「ん?」

蝶子「結婚相手として考えてほしい人がいるの」

邦子「まさか…神谷先生って?」

首を横に振る蝶子。「兄。私の兄」

邦子「道郎さん?」

 

うなずく蝶子。「ダメ?」

邦子「いや…」

蝶子「全く?」

邦子「したけど…」

蝶子「以前はともかく今は立派な会社員だ。男としての魅力については妹として自信はない」

邦子「ちょっと待ってよ、チョッちゃん。私、道郎さんのこと、そんなふうには。だって身内みたいな、あれだし。だって、小さい頃から知ってるし、私にとっても、お兄さんみたいな、あれだし…」

蝶子「やっぱり」

邦子「そりゃあ、いい人よ」

蝶子「分かる。けど、男はいい人ってだけじゃね。あっ、連平さん」

 

邦子「チョッちゃん、私が落ち着きたいっていうのは結婚ということじゃないのよ」

蝶子「?」

邦子「ううん、やっぱり結婚かな…分かんない」

 

まあ、でも、地元が一緒の人が結婚相手は、ちょっといいなって思っちゃう。

 

児童たち「♬すぎやまがくえん たのしいな

おはよう おはよう

あさのごあいさつ

たのしいね たのしいね

きのぼりだって かんけりだって

みンな とってもうまいンだ」

 

女先生が加津子たち児童を引き連れ、森の中を歩きながら歌っている。

 

♬すぎやまがくえん たのしいな

おはよう おはよう

あさのごあいさつ

 

夕方、新聞配達の少年が岩崎家に夕刊を配り、要とすれ違う。

家から出てきた加津子。「お帰りなさい!」

要「おう、どうしたんだ?」

加津子「先生が歌を褒めてくれたの」

要「えっ?」

加津子「お父さんが作ってくれた歌、今日、散歩の時、歌ったの」

 

家の中から様子をうかがう蝶子。

 

要「うん」

加津子「先生に『その歌、どうしたの』って聞かれたから『お父さんが作ってくれたの』って言ったら、先生も同級生の子も『教えて、教えて』って言ったから教えてあげたの」

要「それで、歌ったのか?」

加津子「みんなで歌った」

要「そうか…」

加津子「『「いい歌ありがとう」って、お父さんに言っておいて』って」

要「うん。でも、加津ちゃん、よく音符読めたね」

加津子「お母さんが教えてくれてイッキョセンメイ練習したもん」

 

慌てて奥へ行く蝶子。

 

玄関

要「ただいま!」

蝶子「お帰り」

蝶子にバイオリンケースを預ける要。「加津子とね、ちょっと散歩してくるから」

蝶子「へえ~」

要「何だ?」

蝶子「いやに楽しそうね」

要「まあね」

加津子「まあね」

要「よし、行こう。行ってきま~す!」

 

<結婚10年、チョッちゃんもタヌキになったもんですねえ>

 

加津子「♬すぎやまがくえん たのしいな

おはよう おはよう」

要も加津子と手をつないで一緒に歌う。

 

縁側から2人を見守る蝶子。(つづく)

 

いつも何だかんだいい感じにおさまるところがいい。

 

次の朝ドラは「どんど晴れ」! 2007年前期の作品で「芋たこなんきん」の次。

10月13日から放送するってことは、「チョッちゃん」は終盤、2話連続放送などしないってことか。そしてまた平成の作品。岩手が舞台だけど、キャストに東北人は少ないし、平成中期の現代劇ということで興味が湧かない。本格放送が始まる10月以降のJ:COM BSやBS-TBSの再放送作品に期待しよう。

 

それにしても何で頑なに昭和のBK作品を放送してくれないんだ!? 「鮎のうた」「心はいつもラムネ色」「虹を織る」あたりをずっと待ってます。