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【ネタバレ】椿三十郎<4Kデジタルリマスター版>

1962年 日本

 

あらすじ

ある夜、薄暗い社殿で密議をこらしていた井坂伊織(加山雄三)、寺田文治(平田昭彦)、保川邦衛(田中邦衛)ら9人の若侍。井坂は、汚職している次席家老や国許用人粛正の訴えは、城代家老の睦田(伊藤雄之助)には相手にされなかったが、大目付の菊井(清水将夫)には、わかってもらえたことを告げ、皆意気上がる。そこに社殿の奥から浪人(三船敏郎)が現れ、大目付こそ黒幕かもしれないと言う。浪人がにらんだとおり、すでに社殿は大目付の手勢に取り囲まれていた。はやる若侍たちを隠れさせ、次々に手勢を叩き伏せて、引き揚げさせた浪人は、信念を貫こうとする彼らに同情し、味方となる……。

2025.7.19 時代劇専門チャンネル録画。「侍タイムスリッパー」を録画してたので、オマージュ作であるこちらも見ておかねばと思いました。

 

 東宝株式会社

黒沢プロダクション

   作品

 

製作:田中友幸

   菊島隆三

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山本周五郎

「日々平安」より

脚本:菊島隆三

   小國英雄

   黒澤明

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音楽:佐藤勝

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椿三十郎三船敏郎…字幕黄色

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室戸半兵衛:仲代達矢…字幕水色

見張りの侍 木村:小林桂樹

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井坂伊織:加山雄三

千鳥:団令子

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次席家老 黒藤:志村喬

国許用人 竹林:藤原釜足

睦田夫人:入江たか子

大目付 菊井六郎兵衛:清水將夫

城代家老 睦田弥兵衛:伊藤雄之助

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守島隼人:久保明

河原晋:太刀川寛

広瀬俊平:土屋嘉男

保川邦衛:田中邦衛

関口信伍:江原達怡

寺田文治:平田昭彦

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黒藤家三太夫:小川虎之助

足軽堺左千夫

八田覚蔵:松井鍵三

腰元 こいそ:樋口年子

守島広之進:波里達彦

菊井の配下:佐田豊

菊井の配下:清水元

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騎馬の侍:大友伸

見張の侍:広瀬正

伊藤実

宇留木耕嗣

山口博義

騎馬の侍:大橋史典

剣技指導:久世竜

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監督:黒澤明

 

社殿で相談している若侍たち。井坂は訴えたいことを伯父には分かってもらえなかったが、菊井さんには分かってもらえたと話し、歓声が上がる。

 

しかし、奥から出てきた浪人が、大目付の菊井こそ黒幕かもしれないと話す。最初は反発する井坂たちだったが、浪人の話を聞く。大目付に人を集めろと言われていて、今夜、この場所で会うことになっていた。

 

浪人が外を見ると、社殿は大勢の侍に取り巻かれており、浪人が出ていき、寝入りばなを起こされて機嫌が悪いと何人か斬った。侍たちをまとめていた室戸が侍たちを止め、引き上げていった。

 

床下に隠れていた井坂たちは礼を言い、浪人は、ここんとこ水っ腹で金がほしいと要求した。

 

これから伯父の所に知らせに行くという井坂に「一番悪い奴は、とんでもねえところにいる」という浪人は、菊井が城代を捕まえに行くのではないかと言い、井坂たちと行動を共にすることにした。

 

城代家老・睦田弥兵衛の屋敷に行き、様子を窺う。こいそという腰元が出てきて、井坂が話を聞くと、男たちが踏み込み、城代が連れ去られたと話す。他の者は長屋に押し込められた。浪人は、こいそに長屋に戻るように言う。

 

浪人は井坂たちに指示を出す。浪人、井坂、保川、寺田。加山雄三さん、田中邦衛さんは分かるんだけど、ほかの若侍は分からないな~。

 

加山雄三さんの若大将シリーズは1961年からで、既に共演済みだったのね。江原達怡さん、団令子さんも「大学の若大将」の出演者。

井坂は長屋から睦田夫人と娘の千鳥を助け出す。馬小屋へ入ったの初めてだという睦田夫人だが、千鳥は井坂と時々来るのだと陸田夫人に話した。

 

保川たちは見張りの木村を連れてきた。浪人は顔を見られたんじゃ斬るしかないというが、おっとりした睦田夫人は斬らない方がいい、一緒にいたらいいという。睦田夫人も千鳥ものんびりしてなかなか逃げようとせず、浪人が自ら踏み台になり、塀を超えさせた。

 

木村も連れて、近所の寺田の屋敷へ移動。菊井は城代に罪をなすりつけようとしているので、城代を奪い返す。

 

睦田夫人が浪人の名前を聞いた。椿三十郎…もうすぐ四十郎だと答える浪人。庭の椿を眺めているので、偽名?

 

寺田の隣の屋敷は次席家老・黒藤の屋敷。井坂たちは黒藤の屋敷を見張る。それにしても、志村喬さんと三船敏郎さんって大体共演してるような。

 

黒藤家から駕籠が複数出て、若侍たちは慌てる。しかし、三十郎は落ち着いていて、うっかりうますぎる話に乗るとひどい目に遭うと忠告。

 

駕籠3台を追いかける井坂たち。どう考えても変だと三十郎が止める。馬に乗った武士たちが駕籠の前に駆けつけ、黒藤、菊井、竹林を守るというのだが、伏兵たちが屋敷から出てきて、城代の一味と勘違いした。

 

一旦、寺田の屋敷に戻った三十郎たち。押し入れに入れていた木村が立派な着物を着て、ごはんを食べていた。木村がくしゃみをし、睦田夫人に気付かれ、押し入れから出されたのだという。木村は聞いていた話と逆だと話し、ご飯を食べ終え、また押し入れに戻った。小林桂樹さん、やっぱり面白い。

peachredrum.hateblo.jp

「日本のいちばん長い日」出演者ともかぶっている。

 

武士たちは、菊井たちのもとから帰ろうとせず、逆に菊井たちを疑うようになった。

 

一人で室戸のもとに向かった三十郎は室戸に会おうとしたが、足軽に追い出された。しかし、門が開き、大勢の侍が出てきて、室戸も出てきて三十郎を屋敷に招いた。

 

井坂たちは三十郎が信用できる人かで言い合いになっていた。井坂は三十郎を信じているが、保川はそうではない。木村も押し入れから出てきて、あの浪人は信用できる人だと言って、また押し入れへ。

 

室戸と酒を飲む三十郎。室戸は菊井が悪い奴と知っていて、城代を始末したら、自分と三十郎でやっていこうと持ち掛けた。

 

屋敷を出た室戸と三十郎を誰かがつけていた。追いかけてきたのは井坂たち。三十郎は適当に斬り込めと言い、井坂の腹を殴って気絶させた。室戸は井坂が城代の甥だと分かっており、いい土産ができたと屋敷に連れ帰った。

 

三十郎は室戸の手下と外へ使いに出たが、三十郎が同行した3人を斬り、屋敷に戻って、室戸に奴らにやられたと偽装。三十郎が一人で使いに行くというが、室戸が一人で行ってしまった。

 

縛られていた井坂たちを助け、屋敷の者たちを斬りまくる三十郎。てめえたちのおかげでとんだ殺生をしたぜと井坂たちをビンタ。今度は三十郎を縛るように指示。

 

屋敷に戻った室戸は家臣たちが斬り殺され、三十郎が縛られているのに驚き、縛られた縄を解いた。三十郎は、ああ大勢に押し入られたんじゃ言うことを聞くしかないと言い訳した。

 

井坂たちのいる屋敷に戻った三十郎は、おめえたちが城代を見つける頃には俺は七十郎だぜと説教した。

 

庭にいた睦田夫人と千鳥は、庭を流れる小川から血判状のかけらを見つけ、井坂を大声で呼んだ。城代が隣の屋敷にとらわれていて、意見書を流したのだろうという井坂たち。隣の屋敷には多くの侍が集まり始めていた。

 

光明寺で落ち合おうと話し合う井坂たち。

 

合図は黒藤の屋敷=椿屋敷を燃やすことだという三十郎だが、いけませんわと睦田夫人と千鳥が止め、赤い椿を流れに流したらいいと提案。三十郎が睦田夫人たちにはタジタジな感じなのが面白い。

 

室戸のいる椿屋敷を訪ねた三十郎は光明寺に120~130名いると吹き込み、室戸が菊井たちに報告した。

 

菊井まで馬に乗って行ったと知り、喜ぶ井坂たち。いつの間にか押し入れから木村も出てきて一緒に喜ぶ。

 

三十郎は腹が減ったと屋敷に残ると、腰元が食事を運んできた。腰元が去り、一人になった三十郎が庭の椿を取っていると、室戸に刀を突きつけられた。

 

三十郎は庭石に縛り付けられ、黒藤たちも謀られたことに気付いた。

 

しかし、黒藤たちに、おめえたちはもうおしめえだと余裕ぶっている三十郎は、あえて三太夫に様子を見に行かせた。赤い椿は決行、白い椿は中止の合図と教え、大量に白い椿を流させた三十郎。

 

椿の合図は赤も白もねえ!とバラした三十郎。屋敷に乗り込んできた井坂たちが黒藤に刀を向けるが、三十郎は「斬るな!」と命じた。

 

室戸、菊井が屋敷に戻ってきた。黒藤が蔵に捕らえられているのを見つけた室戸は、これまでですなと諦めモード。

 

城代が井坂たちを座敷に集め、菊井は腹を切り、穏やかに事を納めたかったと話した。わしに人望がなかったのがよくなかったと自省する。

 

城代に招かれた三十郎が来ないので、井坂たちが迎えに行った。しかし、城代は、ありがたいことにあの男は戻ってきやしないよと夫人に話す。おとなしく城勤めをするような奴じゃない。

 

三十郎は室戸に刀を抜くよう迫られていた。俺を斬っても、こいつらは斬るなよと室戸にいい、じっと見つめ合っていた三十郎と室戸。しかし、三十郎が一瞬早く刀を抜き、大出血で室戸は倒れた。今まで斬られても血は出てなかったのに、最後の最後にうわぁ…

 

本当にいい刀は鞘に入っている、お前たちも鞘に入っていろよと井坂たちに言って、三十郎は歩き出した。土下座して三十郎を見送る井坂たち。(終)

 

録画時間は2時間だったけど、映画自体は96分。あとはCMだった。間に入ってないだけいいや。これを頭に入れて「侍タイムスリッパー」を見ればいいわけね。

 

長さもちょうどよく笑いどころもあり、面白かった。

2007年の織田裕二主演の「椿三十郎」は脚本そのままでリメイクされた。

椿三十郎織田裕二

室戸半兵衛:豊川悦司

井坂伊織:松山ケンイチ

関口信吾 - 鈴木亮平

千鳥:鈴木杏

腰元こいそ:村川絵梨

木村:佐々木蔵之介

菊井:西岡徳馬

黒藤:小林稔

睦田夫人:中村玉緒

睦田:藤田まこと

 

ほ~う。2007年版はこんな感じだったのね。

 

あるリメイク作品の感想で、あまり古い映像は見る気になれない、だから名作は今のスターでリメイクを作るべきという考えを持つ人がいたけど、私はオリジナル派! 「日本のいちばん長い日」もリメイクされたけど、やっぱりまずはオリジナルを見てほしい。今年は戦後80年ということで戦争に関する作品も出てくる時期だけど、地上波で戦争を経験した人たちが作った映画をやればいいのにな。