徒然好きなもの

ドラマの感想など

【ネタバレ】ひばりの三役 競艶雪之丞変化

1957年 日本

 

あらすじ

初舞台をひかえて江戸にやってきた雪之丞一座。座長雪之丞(美空ひばり)は舞台初お目見えで客の中に父母の仇、土部三斎の姿を見つける。雪之丞は知らぬふりで三斎たちに近づき復讐の機会をねらったが…。

2025.4.26 時代劇専門チャンネル録画

peachredrum.hateblo.jp

同じ原作の映画なのでちょっと興味が湧きました。あらすじも登場人物も分かっているので、今度はちゃんと理解して見るぞ、と。

 

SHINTOHO

東宝映画

 

客席に人のいない状態の舞台でひとり手をついて頭を下げていたひばりさんが顔を上げ、カメラ目線で語りかける。

 

「皆さま、この度、新東宝映画『雪之丞変化』におきまして、江戸の人気おやま雪之丞に扮することに相なりました。美空ひばりでございます。この『雪之丞変化』は、かつて長谷川一夫先生が演じ、日本映画空前のヒット作として絶大な好評を博しました役でございます。私ごとき未熟者がこれを演じますことは誠に荷が勝ちすぎると思いますが、私は懸命に、ただひたすら懸命に、これを務めて、ごひいき、皆々さまのご期待に添いたいと願うばかりでございます。何とぞ最後までごゆるりとご鑑賞のうえ、ご声援のほどを隅から隅までずーいと請い願いあげ奉りまする」再び頭を下げる。こういう始まり、珍しい。

 

私が見た「雪之丞変化」は長谷川一夫の三百本記念で1963年製作。ひばりさんが言ってるのは、1935年に長谷川一夫さんが主演した映画のことらしい。1963年のはリメイク。

 

製作:大蔵貢

*

企画:伊藤基彦

   福島通人

*

原作:三上於菟吉

    (同光社版)

脚本:渡邊邦男

   中田竜雄

*

音樂:山田榮一

 主題歌

  コロムビアレコード

 「雪之丞変化

 「江戸の闇太郎」

     作詩:西條八十

     作曲:古賀政男

     唄:美空ひばり

雪之丞変化

雪之丞変化

江戸の闇太郎

江戸の闇太郎

  • provided courtesy of iTunes

*

雪之丞/闇太郎/お園:美空ひばり…字幕黄色

*

お初:宇治みさ子

浪路:北沢典子

土部三斎:阿部九州男

*

松浦屋清左衛門:沼田曜一

脇田一松斎:中村彰

むく犬の吉:坊屋三郎

門倉平馬:丹波哲郎

*

大目付淡路守:髙田稔

廣海屋与平:芝田新

長崎屋三郎兵衛:岬洋二

中村菊之丞:市川門三郎

松ケ枝:花岡菊子

*

若年寄伊勢守:林寛

目付甲斐守:鮎川浩

浜川平之進:松本朝夫

島抜け法師:廣瀬恒美

お雪(雪之丞の幼時):二木てるみ

お忍:若杉嘉津子

*

半次:廣瀬康治

横山五郎:大谷友彦

庄七:國創典

家臣:髙村洋三

門弟:池月正

男衆藤吉:原文雄

*

家臣:小浜幸夫

樂屋番:秋山要之助

家臣:矢島孝一

   淺見比呂志

男衆:永谷三郎

茶坊主:舘正三郎

門弟:野崎善彦

*

頭取:河合美二郎

駕篭屋:勝又馨

町人:加藤章

幕引:新津邦夫

出方:山岡正美

   筑波二郎

侍:北村勝造

*

腰元:多摩川桂子

   浜野桂子

   芝田良子

仲居:上野綾子

振付:花柳啓之

*

劇中劇

市川少女歌舞伎劇團

    市川美寿次

    市川寿々女

    市川姫升

    市川福升

    市川三福

    市川梅升

        他

*

監督:渡邊邦男

 

松竹とか東宝とか見る映画が偏ってるせいか、今回の映画は知ってる役者が美空ひばりさん、丹波哲郎さん、二木てるみさんくらいしかいない。

 

芝居小屋に並ぶ人々。

 

雪之丞は神社で手を合わせていると、浪人たちに斬りかかられても華麗にかわす。「お助け下さい」と走ると、一松斎が現れ、手を出さなかったことを褒めた。

 

舞台に立つ雪之丞。大勢の客が見に来ている。

 

別の日、女性と芝居に来た男が2階席に土部三斎、広海屋、長崎屋も来ているというが、女性は興味がない。

 

土部の隣に座って観劇していた浪路は持っていた扇を落としてしまうほど雪之丞に見惚れていた。一緒に見ていた女性たちもあれが男とはとても思えませんと話す。女形を演じる女性ってのもまた難しい役どころだね。

 

雪之丞は花道で土部を確認。

 

舞台が終わり、師匠・中村菊之丞に評価を仰ぐ。他の者たちを下がらせ、菊之丞と雪之丞は土部たちの姿を見たこと、雪之丞が敵の姿を見ても耐え忍んだことを褒めた。

 

雪之丞は土部の屋敷に招かれ、行くことにした。菊之丞は取り乱さないよう、様子を探るよう注意した。

 

楽屋

雪之丞の耳には土部一味のために非業の死を遂げた父・清左衛門の声がよみがえる。必ず悪事を晴らし、お恨みを晴らしますと涙を流した。

 

楽しかった幼少期を思い出す雪之丞。お園というのは雪之丞の母。幼き雪之丞が神輿に乗って両親に手を振る。雪之丞は二木てるみさん。ほんと、売れっ子の子役だったのね。

 

広海屋

土部は清左衛門の経営する松浦屋の番頭・三郎兵衛をスパイにし、禁制品を海産物の梱包の中に紛れ込ませておけと命じた。うまくいけば松浦屋の身代の1/5は三郎兵衛のものになる。間違えれば三郎兵衛も罪に問われる。

 

三郎兵衛が荷物を隠し、浜川が調べに来た。ご禁制のみつがいをしていると奉行所へ届け出があったという。倉庫の中にご禁制の荷物が見つかり、清左衛門は捕まった。

peachredrum.hateblo.jp

「御用船炎上」は船の荷物だけど、同じような話。

 

あれから12年…と駕籠の中で涙を浮かべる雪之丞。土部の屋敷に招かれ、丁寧にあいさつをする。目の前に現れた雪之丞に見惚れる浪路。美空ひばりさんは女性としても小柄なので、さすがに男には見えないな。かわいらしいもん。浪路は雪之丞が口をつけた盃を紙に包んでしまった。

 

土部に問われ、江戸は初めてで浪花の生まれと答えた雪之丞。訛りがないと言われると、子供のころから旅暮らしで日本中の訛りがございましょうと笑わせた。土部たちは一度会ったことがあるような気がすると言い、雪之丞は男や女に化けるのが役者稼業で似ていることもありましょうとかわした。

 

浪路は頭が痛いと席を外し、雪之丞は土部たちの前で踊りを披露した。

 

踊りを終えた雪之丞は浪路のところへ行き、話し相手になった。しかし、これはひばりさんが演じてるから女同士だけど、女形だと男で2人きりにして…うーん…前に映画を見たときも分からない世界だなと思った。

 

浪路は大奥に仕えていることが幸せではないと雪之丞へ訴える。御殿へ上がっても雪之丞のことは忘れないという。

 

居酒屋

さっき、客席にいた男女が酒を飲んでいた。女が店から出ると雪之丞の乗る駕籠をめざとく発見した。

 

脇田一松斎道場

平馬が酒を飲んで門下生に稽古をつけていて、一松斎に注意された。そこへ雪之丞が来たという知らせが入る。

 

雪之丞を追いかけてきた先ほどの男女。女がお初で男が吉。お初はなぜ道場に雪之丞が?と興味を持つが、吉は先に帰った。

 

一松斎は雪之丞に報告。雪之丞に流儀の一巻を渡すという。しかし、平馬が入ってきて、一巻をお譲り下さいと頭を下げた。一松斎は独創天心流の奥義に順序も列外も関係ないと雪之丞へ譲ることに決めている。スキを見て巻物を盗んだ平馬だったが、一松斎は雪之丞にあれは白紙だという。

 

一松斎と雪之丞が土部たちの話をしていると、人の気配がして雪之丞がかんざしを投げた。お初が贈り物だと言ってかんざしを持ち帰った。

 

平馬は巻物が白紙でイライラ。

 

また雪之丞が駕籠に乗っていると、岡っ引きが闇太郎がウロウロしているから気をつけるように言う。

 

雪之丞にこれは白紙だと怒り狂った平馬は雪之丞に向かって刀を抜く。

 

しかし、ちょっとしたスキに逃げた雪之丞を追おうとした平馬を闇太郎が止めた。これもまたひばりさんが演じてるからややこしい。前に映画を見たときは、雪之丞と闇太郎が同一人物と勘違いしたまま最後まで見ていた。だってどっちも字幕黄色なんだもん。

 

闇太郎は泥棒で平馬が土部の用心棒をしていることを知っていた。

 

あ、雪之丞と闇太郎が会話してる。

 

奥義は、”おうぎ”と読むものと思っていたけど、この作品では”おくぎ”。御用達も”ごようたし”ではなく”ごようたつ”と読んでいた。

 

土部邸

浪路は琴を弾きながら、雪之丞のことを想う。

 

楽屋

雪之丞は、お初に土部のことを聞かれたかもと菊之丞に話した。楽屋には浪路が贈ったくす玉が届いていた。菊之丞は浪路を落とせば簡単だというが、雪之丞は敵は土部であって浪路は関係ないという。

 

土部邸

大奥へ戻ってもらいたい土部に浪路はお父様の言いなりで心の自由を束縛されてきたと話す。土部は何不自由なく過ごせてきたと思ってきたため、驚き怒る。浪路は女の幸せはこのようなものではないと話す。

 

雪之丞の芝居。相手役?の男の人は同じくらい小柄だ。

 

芝居を終え、楽屋に戻った雪之丞の前に長崎屋が頼みがあると来ていた。浪路は、ぶらぶら病になったので慰めてほしいと見舞いに行くように頼んだ。恋煩いをぶらぶら病というのね。

 

長崎屋が帰り、おつきの者が若い女から手紙を預かったと渡した。深川の菊水で待っている、かんざしを返すと書かれていた。

 

菊水という旅館でお初に会った雪之丞。お初は雪之丞に迫る。それにしても、お初も浪路も男として雪之丞が好きなのか、それが感覚的に分からない。雪之丞は女の肌には触れないという誓いを立てていると断る。お初は太夫の秘密は胸の中にしまってあるというので雪之丞の顔色が変わる。

 

お初は敵が土部三斎というのも知っていた。同じ旅館に平馬も来ていて、女中から雪之丞が今出ていったと聞かされ、急いで追いかけた。

 

雪之丞はお初と2人で大川端の裏に話合いできる場所があると歩いていた。秘密を知られたからには…とお初に刀を向けようとしたが、平馬が乗り込んできた。「今日こそこやつをかたわにしてみせる」と刀を抜く。平馬と仲間たちから襲いかかられ、小刀で対抗する雪之丞。そこへ現れた闇太郎。短筒=短銃を持っており、一発地面に向けて撃ち、平馬たちは逃げた。闇太郎はお初も追い払ってくれた。

 

闇太郎はケガをした雪之丞を手当てすると言って自宅に連れ帰り、雪之丞は闇太郎に全てを話した。

 

当時、奉行だった土部三斎にお願いに行ったお園に襲いかかる土部。花瓶が倒れた。駕籠に乗って帰ってきたお園は駕籠の中で死んでいた。

 

長崎奉行に財産没収、一家離散を命じられ、清左衛門も失意の中、亡くなった。

 

雪之丞の家に菊之丞が来て、娘さんだけは立派に育てると誓う。

 

全ての話を聞いた闇太郎は雪之丞を励ました。雪之丞はお初のことを気にする。闇太郎は、お初は雪之丞に惚れていて、土部のところへは行くまいと踏んでいた。闇太郎も長崎の生まれだと歌を歌った。

 

土部邸

雪之丞は病気だという浪路を見舞う。

 

外出から帰った土部は雪之丞がいると知り、一日も早く大奥へ帰るよう口説いてくれればよいがのうという。

 

雪之丞に会い、恋を知ったという浪路。

 

平馬はお初に雪之丞の秘密を聞き出そうとしたが、お初は答えない。

 

闇太郎がお初を呼び出した。闇太郎は色恋沙汰はもっときれいにしたらどうだい?と説得。雪之丞を諦めないというお初に殺すしかねえと脅しても引かない。

 

土部邸

土部が大奥に帰るよう浪路に言うが、浪路は泣いて拒絶する。

 

楽屋

闇太郎からお前が出るしかねえという手紙をもらった雪之丞は菊之丞に相談した。

 

土部邸

浪路がいなくなっていた。いつもついていた松ヶ枝は置き手紙を読んで泣いていた。「死んでも大奥へは戻りません」。土部は怒り、場合によっては雪之丞を斬れと命じた。

 

平馬の仲間が雪之丞が歩いていると聞き、追いかけた。

 

菊之丞は闇太郎に会って話していた。

 

お初の前に現れた雪之丞は手をついて謝ったが、お初は怒る。立ち上がった雪之丞を突き飛ばしたお初は「お前は女…」と言って出ていった。どういうこと?

 

雪之丞の前に現れた平馬と仲間たち。

 

闇太郎は戻ってこない雪之丞を気にする。

 

雪之丞は平馬と大立ち回り。闇太郎はお初に聞き、雪之丞のところまで駆けつけた。

 

芝居が始まらず、観客が騒ぐ。

 

闇太郎が乗り込み、応戦。雪之丞に早く芝居へ行くように言う。通りかかった駕籠に乗る雪之丞。今度は闇太郎の大立ち回り。

 

観客は座布団を投げて怒りを表す。浪路もハラハラしながら客席にいた。

 

駕籠に乗りヤキモキする雪之丞。(終)

 

え???

 

何だと―! 何で前後編の前編だけ放送した!? 結末は知ってるけどね。平馬との対決を減らすとか2時間くらいにまとめることはできると思うんだけどなあ。

続編はこれか。お初が雪之丞を突き飛ばして、女と気付く?シーンがあったけど、この映画は女形のふりをした女という設定なのかな? 確かに男役には無理あるよな。

2008年のNHKの正月特番でタッキーが雪之丞と闇太郎を演じたドラマもあったらしい。浪路は戸田恵梨香さん。土部三斎が中尾彬さん。うん、ぴったり。ちょっと見てみたかったな。

oshiete.goo.ne.jp

どの映像化作品も主演が雪之丞と闇太郎を演じるのがセットみたいになっているのが不思議だったけど、その疑問が晴れた。役者のいろんな顔が見たい…なるほどね。主演ファンとしたら雪之丞だけだと女形しか見られないもんね。ひばりさんのは二役+母親だったけど、別の作品だと二役+父親のパターンもあるそうで。

 

それにしてもなぜ後半を放送しなかったのか問いたい。

 


www.youtube.com