徒然好きなもの

ドラマの感想など

【ネタバレ】チョッちゃん(70)―連続テレビ小説―

NHK 1987年6月25日(木)

 

あらすじ

夏。蝶子(古村比呂)の父・俊道(佐藤慶)と母・みさ(由紀さおり)が北海道から上京する。表向きの理由は俊道の甥の結婚式に出席することだったが、みさは蝶子たちに会う良い機会だと考えていた。結婚式が終わり、俊道は重い腰を上げて長男・道郎(石田登星)のアパートを訪ねる。俊道は蝶子にも野々村泰輔(前田吟)にも会う気はないという。そこでみさはひとり蝶子に暮らすアパートへ向かい、蝶子を驚かせる。

2025.6.12 NHKBS録画

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脚本:金子成人

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黒柳朝チョッちゃんが行くわよ」より

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音楽:坂田晃一

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語り:西田敏行

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岩崎蝶子:古村比呂…字幕黄色

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岩崎要:世良公則

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北山みさ:由紀さおり

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野々村富子:佐藤オリエ

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田所邦子:宮崎萬純

河本:梅津栄

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北山道郎:石田登星

鳳プロ

早川プロ

劇団いろは

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北山俊道:佐藤慶

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野々村泰輔:前田吟

 

上野駅前にいる俊道とみさ。前回のラストシーン。

 

<8月の初めです。チョッちゃんの両親、俊道さんとみささんが親類の結婚式に出るため、東京にやって来たのです。そんなことは全く知らないチョッちゃんはケンカ別れのようになっていた邦子さんと久しぶりに会っていました>

 

カフェ泉

大体階段下の席かカウンターにいるマスターからよく見える席にいることが多いけど、今回は階段下じゃない席に座っている。邦子は紫のワンピース、蝶子は水色チェックに白襟のワンピース。

 

邦子「チョッちゃん、この前、ごめん」

蝶子「私の方こそ」

邦子「私、どうかしてたのよ。この前、言ったこと気にしないでね」

蝶子「うん」

 

♬~(シャンソン)

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蝶子「邦ちゃん」

邦子「ん?」

蝶子「大丈夫?」

邦子「何?」

蝶子「一人で…生活」

邦子「私の選んだ道だもの」

 

蝶子「ねえ、神谷先生とまた一緒に暮らすっていうことできないの?」

驚く邦子。

蝶子「邦ちゃんには誰か支えになるような人が必要な気がするのよ」

邦子「だけど、神谷先生とは、もう…あれは過去のことにしたいのよ」

うつむく蝶子。

 

ちょーっと余計なお世話かも!?

 

旅館の縁側で庭を眺める俊道。

 

<結婚式は昨日済んだというのになぜか俊道さんは「帰る」とは言いだしていません>

 

みさ「お父さん、今日、どうするんさ」

俊道「う~ん…」

 

外はセミの声がする。

 

みさ「上野のお山、歩いてみないかい?」

俊道「山など珍しくもない」

みさ「したら、寛永寺、行くとか」

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俊道「お前…宗旨が違うんでないかい?」

みさ「…あ」

俊道「不忍池っちゅうんは近いんかい?」

みさ「近いです」

俊道「なして知ってる?」

みさ「宿の人に聞いたもねえ」

俊道「なして聞いた?」

みさ「あ、泰輔のうちが確か不忍池っちゅうとこから近いって…お父さん、なして私に?」

俊道「…道郎の下宿も近いって聞いてたんだわ」

みさ「はい」

俊道「行ってみるかい?」

みさ「え?」

 

慌てて敷きっぱなしの布団を片付けている道郎。「どうぞ!」

みさ「いやいや…元気そうだね」

道郎「ああ」床に散らばった原稿を文机の上に置く。

俊道「昼日中、部屋ん中で何してるんだ?」

道郎「いや、出版社の校正の仕事を…」

みさ「小説の方、うまくいってるんかい?」

道郎「いやあ、なかなか…来てること、蝶子は?」

みさ「いや、なんも」

道郎「どうして?」

 

俊道「蝶子には会うつもりはない」

道郎「けど…」

俊道「何だ?」

道郎「せっかく東京に来て、蝶子に会わんていうのは…」

俊道「うん?」

道郎「…でも、まあ、嫌ならしかたないか」

俊道の微妙な表情…そんなあっさり引くなよ的な?

 

みさ「蝶ちゃん、ここに来ることもあるんかい?」

道郎「うん、時々ね」

みさ「ああ、そうかい」

扇子で自らを仰ぎながら部屋を見回す俊道。

 

みさ「泰ちゃんの家も近いかい?」

道郎「すぐそこだわ」

俊道「泰輔君のうちに蝶子、来ることあるんかい?」

道郎「しょっちゅうだ」

みさ「お父さん」

俊道「行くなら、お前一人で行けばいい」

みさ「行ってもいいんかい?」

俊道「お前の実の弟のうちだべさ」

みさ「…はい」

 

そんなに乱れた生活を送ってないせいか、何となく許された感のある道郎。仕送りせびるわけでもなし、女遊びしてるわけでもなし、小説家志望にしてはマシな方だと思う。

 

泰輔と道郎が野々村家の前の路地を走る。

 

野々村家

富子「来ましたよ」

泰輔「姉ちゃん! アハハハハッ!」

みさ「泰ちゃん!」

泰輔「よく来た、よく来た! ハハハ!」

富子「あ~あ、落ち着いて、落ち着いて! ほら…」

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みさと泰輔の再会は昭和5年の秋に泰輔が蝶子、要と北海道に行って以来。道郎と両親の方が久しぶりだもね~。

 

みさ「泰ちゃん」

泰輔「ああ」

みさ「今ね、富子さんにはお礼言ったんだけど、いやいや、蝶ちゃんのことでは大して骨、折らしたもねえ」

泰輔「何言ってんだよ、水くさい」

富子「そうですよ」

泰輔「親代わりのつもりなんだから、姉ちゃんたちができないことやってやってるだけだよ」

富子「それで私ら、うれしいんですから」

泰輔「本当だよなあ!」

富子「う~ん」

みさ「ありがとう」頭を下げる。

 

泰輔「で、チョッちゃんには、いつ会うんだい?」

みさ「ん? う~ん…」

道郎「蝶子には父さん、会う気ないんだって」

富子「けど…」

泰輔「東京に来て何言うんだよ!」

みさ「したっけ、お父さん、そういう人だから」

泰輔「じゃあさ、姉ちゃんだけが会えばいいんだよ」

みさ「いやいや、お父さん、会わないってしゃべってるもねえ。したら、私一人、こっそり会うわけには」首を横に振る。

泰輔「けどさあ…」

みさ「いや、いいんだ」

 

風鈴の音

 

苦笑いのみさ

 

岩崎家

鼻歌を歌いながら皿洗いする蝶子と今で楽譜を音読している要。「鼻歌、邪魔だ!」

蝶子「はい!」

 

旅館

床についた俊道とみさ。「東京に来て、やっぱりよかったねえ。お父さん、蝶ちゃんに会いに行ってみんかい?」

俊道「誰が行くか」

みさ「なして?」

俊道「東京には蝶子に会いに来たわけではない。結婚式のために来たんだ」

みさ「したら、いつ帰るんさ? 用事もないのにいつまでいるんさ?」

じろりとみさの顔を見る俊道。

みさ「いつまでも意地張るもんでない」

俊道「ワシは蝶子には会わんが、お前が会いたいっていうんなら会えばいいべ」

みさ「はい」

 

岩崎家

要のバイオリンの音が止むと、蝶子は急いで手拭いを絞る。

要「ああ、暑い! あ~、はあっ!」着ていたノースリーブを脱ぐ。そのまま、ノースリーブで上半身を拭いていると、蝶子も手拭いで要の背中を拭き始める。

蝶子「暑い部屋で根詰めると倒れるわ」蝶子は2本手拭いを持っていて、1本を要に渡した。

要「はい、ありがとう」顔や首筋を拭く。

 

ノック音がし、蝶子が出ると、みさが入って来た。

蝶子「ああ!」

シャツを着ながら玄関に出てきた要。「あ、お義母(かあ)さん!」

蝶子「いやいやいや!」

みさ「来たんだわ」

蝶子「あ、入って!」

みさ「そうかい…じゃね」

蝶子「うん!」

 

シャツのボタンを留めている要。「いやあ、どうしたんですか?」

みさ「いやあ、お父さんの甥っ子の結婚式、こっちであったんだ」

蝶子「いや~、いやいや!」

要「あ、座ってください。どうぞ」

みさ「あ、はい。いやあ~」

蝶子「いや~、たまげたもねえ!」

みさ「アハハ~! やあ、しばらくだったねえ」

要「あ、いや、こちらこそ」

みさ「どうも」

蝶子「そうかい、来てたんかい!」

みさ「いや~、来てたんだ、アハハハッ!」

脇の下を拭いてる要。

 

蝶子「父さんもかい?」

みさ「う…う~ん」

蝶子「会いには来てくれないんかい?」

みさ「本当は…一番、会いたいはずだ」

蝶子「父さんは?」

みさ「上野の旅館」

 

要「じゃ、今からすぐ行こう!」

蝶子「うん!」

みさ「したっけ…『会わない』って、しゃべったら会いたくても会わないっしょ」

蝶子・要「…」

みさ「お父さん、そういう人だもね。ま、そのうち、ゆっくり会える日も来るっしょ」

沈んだ表情の蝶子。

 

みさ「アハハハッ、あ~、いやいや、新居かい?」

要「僕がずっと住んでたアパートなんですけど」

蝶子「狭いっしょ?」

みさ「いや、なんも。2人ならちょうどいいんでない?」

 

要「あ、氷がまだあったろう?」

蝶子「うん」

要「洗って、お義母さんに氷水でも」

蝶子「はい!」台所へ

 

みさ「やあ、要さんおられてよかったわ」

要「今日は家の方で練習してたもんですから」

みさ「はあ~、いや、大してよかった」

要「はい」

みさ「アハハハハ!」

 

蝶子が氷水を運んできた。「はい」

みさ「あれ~、おいしそうだねえ」

要「アハッ、どうぞ」

みさ「はい、じゃあ、アハハ」

 

氷水というより…カルピス!?

 

みさ「ん! おお、冷たい。いやあ、みんなに会えて出てきたかい、あったわ」

蝶子「そうかい」

みさ「うん」

要「じゃ、今夜は是非我が家で」

蝶子「うん!」

 

みさ「いや…今夜、帰るんだ」

蝶子「え…!?」

みさ「母さん、2人のことば見て安心したもねえ。お父さんにもね、そう、しゃべっとくから」

蝶子「私、駅に見送りに行くから!」

みさ「なんも」

蝶子「したっけ…」

みさ「蝶ちゃん。駅の別れはつらいもんだよ。それにほら、夜遅い時間だべ。お父さんに見つかって『こんな夜遅くまで何してる』って叱られる」

うつむく蝶子。

 

みさ「あ!」

要「は?」

みさ「あれですか? バイオリンちゅうの」部屋の奥のバイオリンを指さす。

要「はい」

みさ「はあ。アハハ、あの~…」

要「はあ?」

みさ「いや、ちょこっとでいいんだ。どんな音するか聴かしてもらえないかい?」

要「アハハ、お安いご用ですよ」

みさ「わあ~、よかった!」蝶子も一緒になって笑う。

 

蝶子「あ、母さん、そこ、座って」

みさ「あ、はい」

ソファに座らせる。ここで正座しちゃうのが木下恵介アワーなんだけど、そこまではしなかった。

 

要「では」

 

♬~(「ユーモレスク」)

ユーモレスク 作品101-7

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要のバイオリンに聴き入るみさと蝶子。

 

要と蝶子のアパートの前に俊道が来た!

 

アパートの外階段を下りてくる足音がし、俊道が慌てて隠れる。

 

みさ「いや~、楽しかったよ~。アハハハ、いやあ、本当に来てよかった。ありがとう」

要「いえ。表通りまで出たら円タク拾えますから」

みさ「あ、そう、こっちか?」

要「はい、どうぞどうぞ」

みさ「アハハ、はあ」

 

隠れていた俊道が出てきて、もう一度、岩崎家の部屋のある場所を見上げる。

 

夕方、岩崎家の窓辺

要「お父さんには、ゆっくり会える日も来るさ」

蝶子「…」

要「お義母さんもそう言ってたじゃないか」

蝶子は泣きだしてしまい、要から手拭いを借りる。

 

<それから、約1か月後、満州事変が起こり、世の中はにわかに騒然となってきました>(つづく)

 

いよいよ、戦争の波が…

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岸壁の母」がスタートしたばかりの頃は、つらいことばかりで…借家を追い出され、満州事変の頃は三浦先生のお宅にお世話になっていた、いせと新二。いせも北海道からの上京組だけど、状況は全く違う。そういや、「岸壁の母」は方言は全く捨ててたな。それも潔い。

 

どんどん戦時色が濃くなっていくんだね。