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【ネタバレ】チョッちゃん(64)―連続テレビ小説―

NHK 1987年6月18日(木)

 

あらすじ

ふたりのために父親を説得するつもりが、あえなく罵り合いとなってしまい、逗留中の旅館へ立ち戻った泰輔(前田吟)は、作戦の失敗を蝶子(古村比呂)と要(世良公則)に詫びる。そこへふと、蝶子の母・みさ(由紀さおり)が現れる。要はみさに土下座して、蝶子との結婚の許しをこう。快諾するみさ、だが俊道(佐藤慶)に、今会うのはやめた方がいいと諭す。そこで蝶子は要が俊道と会うための奇策をひねり出す。

2025.6.5 NHKBS録画

peachredrum.hateblo.jp

脚本:金子成人

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黒柳朝チョッちゃんが行くわよ」より

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音楽:坂田晃一

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語り:西田敏行

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北山蝶子:古村比呂…字幕黄色

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岩崎要:世良公則

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北山みさ:由紀さおり

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山本たみ:立原ちえみ

高畑品子:大滝久美

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女中:磯部稲子

マスター:ジョー・グレイス

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北山俊道:佐藤慶

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野々村泰輔:前田吟

 

福壽旅館

旅館に戻ってきた蝶子と要。

 

<チョッちゃんたちは泰輔さんと俊道さんの話し合いが決裂したことは、まだ知りませんでした>

 

蝶子「ただいま!」

仲居「お帰り! お連れの方、戻っておられるよ」

 

部屋に戻ると、泰輔が布団をかぶっていた。

蝶子「叔父さん、叔父さん、叔父さん!」

要「野々村さん!」

蝶子「叔父さん、叔父さん!」かなり強く布団の上から揺り動かす。「叔父さん!」

泰輔が抵抗し、吹っ飛ばされる蝶子。

要「大丈夫?」

蝶子「うん。叔父さん、どうしたの? 叔父さん!」布団の上からバンバンたたく。

 

布団から飛び出す泰輔。「チョッちゃん! 要君! 父親の許可なんか不要だ! 東京に帰って結婚したらいい! この野々村泰輔が許す! 許す!」手を合わせて、土下座する。「申し訳ない!」

蝶子「叔父さん」

泰輔「勘弁して」

要「野々村さん…」

泰輔「つい言い争いになってしまった」

蝶子「ケンカしたの?」

泰輔「『2人に会ってくれ』『会わない』って、やり合ってるうちに、ついつい、お互いの悪口の言い合いになってしまって。そうなったらもうとどまるところを知らず。最後は姉さんの悪口言ったもんだからカ~ッとなっちゃって。2人がこっちに来てるということ言う間もなく…申し訳ない!」

要「よし。『毒を食らわば皿まで』って言うだろう」

泰輔「え?」

 

要「僕たちもこれから2人で会いに行きます」

蝶子「そうだね。最初から怒ってるんだもの。怖くも何ともないわよね!」

泰輔「いや、し、しかし…」

要「いや、行こう!」

蝶子「はい!」

 

⚟仲居「失礼します。お客さんですよ」

 

泰輔「え?」

仲居「どうぞ」

 

蝶子「母さん!」

みさ「あれ、蝶ちゃんでないの」

蝶子「どうして?」

泰輔が要に笑顔でうなずく。

 

みさ「たみちゃんに泰輔の後、つけさしたの」←おぉっ!

泰輔「あっ!」

みさ「いやいや、蝶ちゃん来てたんかい?」

蝶子うなずく。

みさ「…そうかい。アハハハ!」

みさにもたれかかる蝶子。

みさ「あ~、いやいやいや、いいから、いいから」

 

泰輔「まあまあ、座った、座った! 2人とも」

蝶子「岩崎要さんだよ」

要「岩崎です」

みさ「ああ…蝶子の母です」

要「あ、どうも」手をついて頭を下げたので、蝶子、みさ、泰輔も頭を下げた。

 

みさ「蝶子の手紙で大体のことは」

要「あ、はい」

みさ「いやあ、そうかい。アハハ~、来てたんかい」

蝶子「会いに行くって、手紙出したのに、父さん『会わん』って返事よこしたもんだから、こっそり…」

泰輔「義兄(にい)さん説得してからさ、2人、会わせるつもりだったんだけど、あんなことになっちゃって」布団を片付けながら。

みさ「そうだったんかい」

 

泰輔「で、義兄さんの様子、どう?」

みさ「うん…アハハ! 黙ってるもね」

泰輔「いやあ、姉ちゃんにも悪いことしちゃったなあ」

みさ「なんもだ。しかたないっしょ」

泰輔「うん」

 

要「明治38年7月、東京・本所生まれ。父・常次、母・まつの次男として生まれました」

みさ「はい」

要「はい。父は僕が8歳の時に死にました。13歳の時に呉服店の店員として就職しました。そこで創立されたばかりの音楽部に入り、バイオリンに取り組みました。大正12年関東大震災のため、音楽部は解散。小海清治(こかいせいじ)交響楽団に入りました。昭和3年、初めて蝶子さんを見ました」

みさ「はい」

要「はい。あ、正直言って、その時は別に何という、その、思いもなくて…」

うなずくみさ。

要「いや…そのころ、その…僕には女友達がいっぱいいまして遊んでおりました」

驚いているみさ。

要「ですから、その…何人かの女と同棲したこともあります。もめたこともあります。痛い目に遭っても懲りずにずっとバカをやっておりました」

うなずくみさ。

要「今年、蝶子さんと再会いたしました、はい。2年の間に、やはり蝶子さんも女性でありまして…はい。随分と女らしくなっておりました」

笑顔のみさ。

要「それで遊び半分で、その…近づこうとしました」

みさ「!?」な表情。

要「しかし、彼女は全然なびこうとしませんでした。焦りました」

うなずくみさ。

要「僕の方が傾いていきました。一緒にいたいと思いました」

笑顔でうなずくみさ。

 

要「お母さん!」

みさ「はい?」

要「蝶子さんを頂きたいです!」

 

蝶子と顔を見合わせたみさが笑顔でうなずく。

みさ「よろしくお願いいたします」頭を下げる。

要「アハハ、ああ…」頭を下げる。

ほほ笑ましく見守っていた泰輔、蝶子も頭を下げた。顔を上げてまた頭を下げる。

 

実際の黒柳朝さんと守綱さんは2歳違いだけど、古村比呂さんと世良公則さんの年の差(10歳差)も考慮して5歳差としたのかな。2歳差設定だと無理がある。

 

あぐり」の場合、あぐりとエイスケさんって1歳差で、田中美里さんと野村萬斎さんは実年齢10歳差なんだけど、こっちは1歳差を演じても違和感ないのよね。田中美里さん、大人っぽかったから。ついでにエイスケさんは明治39年生まれ、あぐりさんは明治40年生まれとチョッちゃんと同時代に生きてた人たち。あぐりさんは昭和5年には店も開いて、子供もいた。

 

北山醫院

みさは玄関を開けて様子をうかがい、蝶子と要を手招きした。「お父さん、今、往診みたいだわ」

蝶子「私のうち」

要「うん」

 

蝶子「母さん」

みさ「うん?」

蝶子「父さんに会っていってはダメかい? 要さんには会ってほしいんだ」

みさ「気持ちは分かる。したけど、お父さんの性格考えたら、うまくないんでない? 余計、ゴタゴタするんでない?」

下を向いてしまう蝶子。

みさ「母さん、なんとかしてみるから。ね!」

うなずく蝶子。

みさ「したら、岩崎さん」

要「はあ」

みさ「どうも」家の中へ。

一礼する要。「行こうか?」

うなずく蝶子。

 

家の玄関側はよく写ってたけど、反対側の玄関先は珍しいような? 雪があるときに写ってたかなあ?

 

歩き出した蝶子と要だったが、慌てて引き返して隠れた。

要「何? お父さん?」

 

俊道が往診カバンを手に帰ってきて、家に入った。

 

茶の間

たみ「ご苦労さまでした」

俊道とみさが入って来た。

みさ「大野さんの奥さん、順調でしたか?」

俊道「うん。蝶子のことなら話すことはない」

みさ「蝶ちゃんのことです」

俊道「何だ?」

みさ「…今、もし、もし蝶ちゃんが帰ってきたら、お父さん会ってくれるかい?」

俊道「帰ってくるんかい?」

みさ「いや…仮の話だ」

 

俊道「したら、会う」

みさ「本当かい?」

俊道「ああ、帰ってきたら最後、二度と東京には行かせなくするつもりだ」

みさ「はあ…」

 

品子「先生! 『診察してほしい』って人、来てるんだわ」

俊道「うん」

品子「滝川の人ではなく、あれは旅行中の人だ、きっと」

 

俊道が出ていき、部屋に残されたみさ。「旅行中?」

 

診察室

診察台に横たわった要のおなかを診察する俊道。「旅行かい?」

要「はい」

俊道「どこから来たんさ?」

要「東京です」

俊道「ほ~う」

要「羊のあれです。生態を調べに」

俊道「ふ~ん」

要「ええ」

俊道「東京かい」

要「はい」

 

俊道「東京には…」

要「え?」

俊道「いや、なんも。どこも痛くないんかい? 深呼吸して…」

深呼吸する要。「お、お…あ、今のとこが少し」

俊道「肝臓かい?」

要「肝臓ですか?」

俊道「肝臓が痛いっていうのは、ちょっとまずいんでないかい」

 

要「あ、いや、もう少し脇の方かも…」

俊道「いや、水が変わると腹痛(はらいた)ば起こす人、いるもんねえ」

要「きっと、その類いだと」

俊道「まあ、大したことはない」

要「はあ、痛みもさっきよりはなくなりましたから」

俊道「したら、もういい」

要「はあ」体を起こす。

 

机に向かう俊道。「酒を飲み過ぎるってこともあるんでないかい?」

要「いやあ、酒はやめましたから」

俊道「う~ん、それはいいことだ」

要「はい」

俊道「酒は私も飲めないクチなんだわ」

要「ああ、なるほど」品子にジャケットを着せてもらう。

 

振り向いて要の顔を見る俊道。

「?」となる要。

俊道「いや」

要「あ、はい」

 

義父におなかを触られる婿ってなかなかいないぞ。

 

品子が診察室の戸を開けるとみさが立っていた。

みさ「あ!」

品子「何か?」

みさ「あ、いや、なんもだ」茶の間に戻って目を見開く。

 

喫茶ヴォルガ

蝶子「父さん、どうだった?」

要「うん。一見、無愛想に見えたな」

蝶子「愛想は、もともとないのよ」

要「あ、そう」

蝶子「ほかには?」

要「よく分からないな」

蝶子「よく分からない人なのよ」

要「まあ、でもね」

蝶子「うん?」

要「名乗ってしまおうかと思った。ああ、やめたけどね」

蝶子「だけど、名乗らなくても対面したことは、したってことよね! うんうん…」

 

要「しかしなあ、よくまあ、大胆なことを考えついたもんだ」

蝶子「うれしかったから」

要「何が?」

蝶子「さっき、旅館で要さん、母に前のこと、隠し事しないで正直に話してくれたもの」

要「うん」

蝶子「自分の恥っていうか、もしかしたら、母に嫌がられるかもしれないということまで話してくれたのは要さんの誠意だと思ったから。それだけ、私のこと真剣に考えてくれてるということだから」

笑顔だったが、じろりとにらみつける要。「今、分かったのか?」

うなずく蝶子。

要「遅いんだよ」

蝶子「だって…」

要「『だって』何?」

 

マスターがロシアンティーを運んできた。ジャムの瓶を置いて説明しようとしたマスターに蝶子が「あ、私が」と制した。

 

蝶子「『ロシアンティー』って知ってる?」

要「ただの紅茶でしょ?」

蝶子「この中に、このジャムを入れるの」

 

<これまでチョッちゃんは、どちらかというと要さんの勢いに押しまくられて結婚を承知したようなものでした。だけど、今日、やっとチョッちゃんは正式に結婚の申し込みを受け入れていたのです>

 

2人でロシアンティーを飲む。(つづく)

 

何だかさ~、この人とこの人が会ったらどうなるんだろうってワクワク感があるね。