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【ネタバレ】チョッちゃん(63)―連続テレビ小説―

NHK 1987年6月17日(水)

 

あらすじ

蝶子(古村比呂)は婚約者の岩崎要(世良公則)、叔父・泰輔(前田吟)とともに滝川に向かった。三人は相談の上、まず泰輔が北山家に赴き、俊道(佐藤慶)を穏便に説得することに。ところが俊道は、娘に結婚話なんて存在しないと言い張り、話すら聞こうとしない。それどころか、蝶子が東京に行き、音楽家と結婚するなんて言い出した発端はすべて泰輔にあると言い放ち、激怒した泰輔は俊道と激しく対立してしまう。

2025.6.4 NHKBS録画

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脚本:金子成人

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黒柳朝チョッちゃんが行くわよ」より

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音楽:坂田晃一

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語り:西田敏行

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北山蝶子:古村比呂…字幕黄色

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岩崎要:世良公則

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北山みさ:由紀さおり

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山本たみ:立原ちえみ

高畑品子:大滝久美

女中:磯部稲子

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北山俊道:佐藤慶

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野々村泰輔:前田吟

 

福壽旅館(実際の看板は右書き)

 

<チョッちゃんたち3人は、この朝、滝川に着きました>

 

泰輔「ごめんください! すいません!」

仲居「は~い! いらっしゃいませ」

泰輔「部屋、空いとるかね?」

仲居「はい」

泰輔「2部屋なんだけどね」

仲居「ご夫婦が1つとお父様が1つ」

泰輔「いやいや、お父さんじゃないんだ」

仲居「あ、そうかい」

泰輔「こっちもまだ夫婦ってわけじゃないんだ」

仲居「そうかい」

泰輔「いずれは夫婦なんだけどね」

仲居「したら、同じ部屋だべね」

 

蝶子「いや~、それは!」首を横に振る。

仲居「まずいんかい?」

うなずく蝶子。それにしても黒い帽子、赤いワンピースがかわいいな。

 

泰輔「じゃあ、私と同室ということで。ね!」

要・蝶子「はい」

 

仲居(キャストクレジットでは”女中”)役の磯部稲子さんで検索したら、「別れて生きる時も」に出てた。松本社長の印刷所の社員。光田さんや美智の同僚ね。

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旅館の部屋

上着を脱ぐ泰輔と要。

泰輔「あ、私、イビキなどかきませんので、よろしく」

要「あ、僕も大丈夫ですから」

 

でもさ、北海道来るまで3日かかってるから、大体分かるよね。

 

蝶子「こっちはどう?」部屋に入って来て、窓を開ける。「やあ、ここもよく見える。要さん、来て!」

要「どれどれ? 滝川か…」

うなずく蝶子。「石狩川は、あっち。空知川は、あっち」

要「うん。君のうちは?」

蝶子「あっち」部屋の中に戻る。「ふるさとに帰って、うちに寄らないっていうのも何か変な感じだね」

泰輔「うん」

 

要「で、どうします?」

泰輔「うん、考えたんだけどね。まず、私一人で、うちに行った方がいいんじゃないかな。いきなり3人で押しかけていくよりは穏やかに入った方がいいんじゃないかな? まず、私が一人で義兄(にい)さんに会って、説得する。そして『実は2人も来ています』ということで、めでたく対面の運びとなると。ね」

要「分かりました」

うなずく蝶子。

 

北山醫院

泰輔「ごめんください! ごめんください! お、品子さん!」

品子「あ~、野々村さん」

泰輔「たみちゃん!」

たみ「あ、いやいやいや! 奥さん! 東京の野々村さんだ!」

品子「あ、先生に」

 

診察室

品子「先生、野々村さんだ」

机に向かって微動だにしない俊道。

品子「先生、ほれ!(背中をたたく)東京の野々村さん」

一切無視の俊道。しぶ~い顔してる。

 

河原←ザ・セットって感じ。

要「石狩川か…う~ん」

蝶子「ん?」

要「ん? いや~、何もかもでかいな。広いわ」流木に腰掛ける。「何かこう自然がド~ンと構えてる感じだな」

蝶子「へえ」

要「こういうところで育つと君みたいになるのかね?」

蝶子「私、変ですか?」

要「変だとは言ってないよ」

蝶子「すいません」

要「褒めようと思ったんだ、俺は」

蝶子「ねえ、何て言おうと思った?」ぴとっとくっつく。

要「やめた」

蝶子「ねえ、何て?」

要「もう、いい!」

 

朝ドラは地元ロケってせいぜい最初と最後くらいだから、セットなのはしかたないとはいえ残念…。「岸壁の母」や「別れて生きる時も」などの昼ドラが最初から最後までロケ多めだったのがすごいなと改めて思う。

 

北山家

俊道が茶の間に入って来た。みさと並んで泰輔が座っている。

泰輔「突然、お邪魔いたしまして」手をついて頭を下げる。

俊道「今回は何事ですか?」

泰輔「は?」

みさ「蝶ちゃんの結婚のことについて話しに来たそうで」

 

泰輔「義兄さん、あの…」

俊道「蝶子の結婚? そんな話は知らないもね」

泰輔「だけど、チョッちゃんから手紙来たでしょ? 義兄さんも『許さない』って、返事出したじゃありませんか?」

みさが泰輔を押さえて首を横に振る。

 

俊道「蝶子には結婚話など存在せんのだわ、泰輔君」

泰輔「いや、しかし…」

俊道「どこにも存在しない幻の話などしたって、しゃあないべや?」

みさ「したっけ、お父さん…」

俊道「口出すんでない!」

泰輔「義兄さん、チョッちゃん本気ですよ。いや、本気とかいうよりも、もう決めてるんです。相手の男は岩崎要という人です」

俊道「聞かんでいい」

泰輔「聞いてください!」

俊道「聞く耳、持たん!」

 

泰輔「じゃあ、姉さんに話します」俊道に背を向け、みさに向かって話し始める。「岩崎要という人は、今は何とかいう、こ、こ…交響楽団の団員で、ずっと前からバイオリン弾きの天才といわれた男です」

みさ「そうだってねえ」

泰輔「2人の最初の出会いは2年と少し前で、そこにたまたま私も居合わせたんです」

俊道はその場を去らずに聞いている。

みさ「ああ…ああ、そう」

 

泰輔「要君と私との間には、たまたま共通の友人がいまして、その友人が要君を私に紹介し、チョッちゃんも知り合った。しかし、チョッちゃん、最初は要君に対して、いい印象を持っておらず、私の妻などは毛嫌いをしていたくらいでして。ところが今年になって、チョッちゃん、オペラってやつのコーラスガールなんてものを始めまして、そこで団員だった要さんと再会した。ところが今度は要さんの方がチョッちゃんに近づいてきた。最初、避けていたチョッちゃんも要君の人柄を知るにつけ、だんだんと心打ち解けてきた。で、まあ、こないだ要さんの申し出を受けるに至ったとそういうわけです。うん」

みさ「ああ、そう」

 

俊道「君は私を説得しにきたんかい?」

泰輔「はい!」再び俊道と向き合う。

俊道「蝶子に頼まれて?」

泰輔「いや、私自ら買って出ました。あの2人を見ていて、つい力になってやろうと思ったんです。要君は、あれでなかなか『チョッちゃんの両親に許しを得たい』などと義理堅いところがありますし、それで…」

俊道「音楽のごとき、やわな仕事をしてる男に娘はやれない。第一、蝶子も蝶子だべ! いきなり手紙で『結婚します。許してください』とは何事か!」

泰輔「いや、それは…相談する間もなく、あっという間のことだったんです」

俊道「弁解をするんでない」

 

泰輔「はい、しかし…相手の男に会いもしないで反対するというのは…」

みさ「ね、お父さん、私もそうしゃべったしょ?」

俊道「音楽家には蝶子は、やらん!」

みさ「音楽家の何がいけないの?」

俊道「嫌なものは嫌だべ!」

泰輔「だったら何をしてる人ならいいんですか!」

俊道「そんなこと、君にしゃべる必要はない!」

 

俊道に詰め寄る泰輔を止めるみさ。「た…泰ちゃん落ち着いて。ね、座って」

泰輔「義兄さん、一度、岩崎要君に会っていただけませんか?」

俊道「会う気はない」

泰輔「チョッちゃんもそれを願ってます」

俊道「私は相手が誰であれ、蝶子に結婚は早いと思ってるんだわ」

泰輔「だけど姉さん、18で結婚したんだよね?」

みさ「そうだねえ」

 

俊道「蝶子は音楽ばやるとしゃべって東京行ったんだ! 音楽家になるんだとしゃべって…したっけ、まだ途中ではないんかい? 音楽の道ば極めるとしゃべって上京し、その途上にありながら男が現れると途端に、こうだ。蝶子の声楽にかける意欲は、そんなもんだったかと情けないわ!」

泰輔「チョッちゃんには才能がないそうです。『諦めろ』と言われたそうです」

俊道「誰に?」

泰輔「岩崎要さんが、そう…」

俊道「何ちゅうことを!」

 

泰輔「何しろ相手は天才のバイオリン弾きといわれた人ですから」

みさ「蝶ちゃんが東京に行った年の夏、お父さん、おんなじこと蝶ちゃんにしゃべったでないですか。先の見込みがないって分かったら、早く見切りつけろって」

立ち上がる俊道。

みさ「お父さん!」

俊道「泰輔君、蝶子には『結婚など許すもんでない』と伝えておいてくれや」

 

泰輔「だけど、あの2人は、ちっとやそっとの反対では揺るぎませんよ。2人の決意は固いもんです。第一、義兄さんの理由がはっきりしないじゃないですか、反対の」

俊道「ダメなものはダメだわ。何がはっきりしないっていうんだ!」

泰輔「義兄さん、ずるいなあ」

また泰輔の前に座る俊道。「ずるいってかい?」

 

泰輔「だって、そうでしょ? 実の娘が結婚するっていうんですよ。相手はどんな男か普通なら会いに行くか、会いに来いって言うんじゃないかな。俺が親ならそうするな」

みさ「ね、お父さん、私もそうしゃべったっしょ?」

俊道「黙ってれって!」

泰輔「会ったあげくに反対っていうのは分かるけど、会いも何もしないで反対ってのは、どういうことですか? 要するにチョッちゃんを嫁にやりたくない。それだけのことでしょう? だったら、あれこれ理屈をこねないで正直に言ったらどうですか? その方がかわいげがあって、よっぽど素直ですよ! そういう素直じゃないところが義兄さんのよくないとこだ」と俊道を指差す。

 

俊道「みんな、君のせいだ。我が家の混乱のもとは君だわ! このうちにちょくちょく現れては蝶子に東京のにおいば嗅がせ、外へ外へ目を向けさしたべ。妻の弟だと思えばこそ、これまで随分と我慢してきたんだ」

みさ「お父さん…」

泰輔「どういうことですか!」

俊道「私はね、君のような軽々しい捕らえどころのない、うさんくさい生き方をしている人物は好かんのだわ!」

泰輔「私のどこがうさんくさいんですか」

俊道「相場に手を出し、仲買もやり、活動写真館も! 何年か前には金鉱を探すとしゃべったでないか」

泰輔「それがどうしてうさんくさいんですか!」

俊道「男のくせに口数多く、ずうずうしく!」

泰輔「何!?」

俊道「君が現れると、必ず何かごたごたが起こるんだわ! 平穏では終わらんのだわ!」

 

泰輔が立ち上がる。

みさ「泰ちゃん!」立ち上がって泰輔を止める。

泰輔「あんたは毒だ!」←うおっ! 「カーネーション」を思い出した。

俊道も立ち上がる。「何!?」みさが止める。

泰輔「口では、もっともらしいこと言ってるけども、いつも本音を隠してる! あんた卑きょう者だよ!」←何で中途半端に平仮名使うんだろう?

俊道「卑きょう者だってか!?」

泰輔「ああ!」

 

みさ「ああ! 神様…」両手を組んで祈り始める。

俊道「お前、何ばしてる! 何だ、それは!」

みさ「あ、これは…」

俊道「お前もお前だ! 母親としては失格だわ、お前は!」

泰輔「ん!?」

みさ「料理や裁縫や洗濯ができないってこと、しゃべってるのかい? それは最初っから承知の上で嫁に来いって言ったんでないんですか!」俊道に詰め寄る。

俊道「そのことはいい! そんなことではない! お前の蝶子に与えた影響についてしゃべってんだ! お前が教会に連れていきさえしなければ賛美歌を覚えることもなく、音楽に目覚めることもなく…! そのあげくには蝶子が東京に行くという時には私に隠れて援助ばしたべ! (泰輔に)君もその片棒担いだべや!」

泰輔「ああ、そうですよ!」

俊道「母親なら引き止めるのがホントだべ。それをお前、蝶子と一緒になって、のぼせ上がったもんな!」

泰輔「いいことじゃないですか!」

俊道「何!?」

 

泰輔「姉さんは小さい頃から何もできず、親の言うままで育ってきた人だ! そういうふうに育ったんだ! 親の言うままに、あんたの嫁さんになって母になった。母になっても姉さんは昔のまんま、何にもできん人だった。そのうち、子供たちがだんだん大きくなった。娘のチョッちゃんは成長する。チョッちゃんは伸び伸びと育ちましたよ。そうでしょ? そのチョッちゃんを見て、姉さんは刺激を受け始めたに違いないんだ! 外の世界に目覚め始めたに違いないんだ! 羨ましいと思ったと思うんだよ! 何もできないまま母親になった姉さんは…チョッちゃんに対して、あれだ…あれだよ! 夢をあれだよ…」

みさ「託したかった」

泰輔「そう、託したかったんだよ!」

 

俊道「帰ってくれ。君の顔は二度と見たくないわ」

みさ「お父さん…」

俊道「結婚は許さん! 『結婚するんなら親子の縁ば切る』と蝶子に伝えといてや!」部屋を出ていった。

 

<そんなことは知る由もなく、そのころチョッちゃんは要さんに北国の秋の景色を見せていました>

 

セットというか合成?

 

要「何だ?」

蝶子「しっ!」

 

鳥のさえずりに耳を傾ける2人。(つづく)

 

「國語元年」では立場は違えど、向き合って話すシーンの多かった川谷拓三さんと佐藤慶さんだから、そのシーンを「チョッちゃん」でも再現したかったのかもなあ。

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前田吟さんも強くて負けない感じがいいけどね! 

 

男同士のバチバチもいいね~!