1970年 日本
あらすじ
長崎の島から博多、福山、万博で賑わう大阪、東京、東北の寒村を経て根釧原野の開拓村まで日本列島縦断3000キロの長旅。困難の末ついに目的地にたどりつくまでをドキュメント風に綴ったロードムービーの名作!
長崎の南端に浮かぶ伊王島。この島で生まれ育ち、炭鉱で暮らす風見精一・民子夫婦は、会社が閉山したことから北海道の開拓村に入殖することを決断する。老いた父と幼いふたりの子どもを連れての旅が始まる。
2025.4.1 BS松竹東急録画
昭和45年度
芸術祭参加
この作品には俳優以外に
ロケーション現地の人々
が大勢出演しています
この方達、そしてほとん
ど日本全国にまたがった
ロケ地における関係諸方
面の方々の心からのご協
力によって、この映画は
出来たのです
松竹映画
赤ん坊を背負った民子、夫の精一が近所の人に挨拶しながら港へ向かう。丹野、源蔵も一緒に船に乗る。もう1人、子供もいた。多くの島民に見送られ、船が港を出発した。ここでようやくタイトルが出た。
風見民子:倍賞千恵子…字幕黄色
その夫・精一:井川比佐志…字幕緑
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祖父・源蔵:笠智衆…字幕水色
長男・剛:木下剛志
長女・早苗:瀬尾千亜紀
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以下出演順
丹野:梅野泰靖
風見力:前田吟
風見澄江:富山真沙子
長崎本線の車掌:山本幸栄
万博会場でのチンケの連れ:佐々木梨里
チンケ:花沢徳衛
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東京での通りがかりの人:三崎千恵子
旅館の主人:森川信
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連絡船の男:渥美清
沢亮太:塚本信夫
沢みさお:松田友絵
看護婦:寺田路恵
売店の女店員:水田成美
旅館の仲居:谷よしの
力の隣人:水木涼子
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製作:三嶋与四治
小角恒雄
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脚本:山田洋次
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音楽:佐藤勝
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原作・監督:山田洋次
丹野と風見一家は船から降りて別れた。丹野は島で役所勤めをしていて、これから県庁に行く。
スピーカーから長崎ブルースが流れる。
1970年4月6日 長崎を離れる
列車の中、行き先は北海道の中標津だと伝えると車掌やほかの乗客が驚く。あ、タコ社長。明後日の夜、到着予定。源蔵だけは次男一家のいる福山で下車する。
精一は北海道に開拓へ行き、酪農をする。農家生まれの民子は百姓は辛いものだと言うが、清一は男の仕事に口を出すな!と逆切れ。最初は精一が一人でも行くつもりでいたが、民子は家族全員で行かないと意味がないと一緒に行くことに決めた。
列車の中でもらった餞別をチェックする民子と精一。チンケから3万円。花沢徳衛さん、スケベなじいさん役が似合うね(^-^; 民子はチンケの下心を利用して3万円を引き出した。精一は気分の悪い金と言いつつ、民子にやらせるな!
列車は八幡製鉄所前を通り、瀬戸内海へ。
駅のホームに精一の弟・力(つとむ)が迎えに来た。井川比佐志さんと前田吟さんが兄弟って納得のキャスティング。赤いシリーズでも似たようなポジションで出演してるしね。力が36万で購入した自家用車は大人4人しか乗れないが、大人4人、子供2人で無理やり乗る。
力は工場勤めの社宅暮らし。力の妻・澄江と子供がいっぱい。精一は力に酪農の話をする。亮太に誘われて北海道に行く。
回想
民子は自分たちが北海道に行くなら、おじいちゃんはどうするか?と聞いた。源蔵は力のところへ行くと答えた。力は高給取りだと源蔵は思っている。
しかし、力は毎月、月賦もあり、酒もたばこものめないと言い、なぜ相談もなしにおやじを連れてきたと精一を責めた。ま、確かに相談なしは酷い。
朝、民子は、やっぱりおじいちゃんも北海道へ連れていこうと話す。
福山駅のホーム
力が見送りに来た。結局、源蔵も一緒に列車に乗っていた。
帰りの車で力は一人、涙を拭きながら運転していた。
大阪
駅に降り立った風見一家。大都会だな~。突然、男から万博見学でっか? 宿ありまっせと話しかけれたが、断り、食堂の場所を聞いた。地下に行ったら、なんぼでもあると答えて男は去ったが、まあ、人手がすごい。「人が多かね、何しろ万博やもんね」。ちょうど万博の年だったか。
ようやく地下街を出たが、また同じところに出て、食堂へ。精一と源蔵は冷えたビールを飲む。息子の剛は万博の旗の立ったお子様ランチ。新幹線まで3時間もあるのでどうしようと話す。
ドキュメンタリーみたいな映画だな。万博会場まで向かうが、とにかくすごい人だが、あと1時間半しかなく、精一と剛だけでちょっと見に行った。受付でアメリカ館を1時間半で見れるか聞いたが、待ち時間だけで1時間半かかると言われた。
民子は夫婦で万博に来ていたチンケと再会。チンケの奥さん、若いな! チンケは民子にさんざん文句を言うが、民子はセクハラを受けたことを大声で話し、借金を何に使おうが自由だと追い払った。
エスカレーターにうまく乗れない源蔵を連れて新幹線のホームへ。
まだ赤ちゃんの早苗が泣き通しで、民子は「島原の子守唄」を歌う。
早苗も泣き止み、民子も眠り、源蔵が「富士山だ」と知らせたが、民子も精一も眠り続けたまま。
東京
帰宅ラッシュの時間帯に親子で列車に乗り、サラリーマンに文句を言われる。
あ、ハナ肇! 剛が気付いてじっと顔を見ていた。桜井センリさんとかも一緒にいたんだろうけど、よく分からなかったな。
民子は具合の悪い早苗を病院に連れていきたいので、特急には乗らないと言い、宿を取った。旅館の主人は初代おいちゃん。夢中でテレビを見ているけど、渥美清さんが駅員の格好してるな。列車シリーズかと思ったけど、あれ東映映画だった。調べると「おれの義姉さん」という渥美清主演のフジドラマらしい。京塚昌子さんの亡き夫の弟を名乗る人物が渥美清さん。面白そうだな。佐藤オリエさんも出てる。
上野クリニックに行くも、通りがかりのおばちゃんから夜はいないと言われ、タクシーで救急病院へ。医者からはどうしてこんなになるまで放っておいたのかと聞かれた。
朝、精一が病院から戻った。源蔵が早苗の様子を聞くが、精一が答えず、察した。クリスチャンなので教会を見つけて、いろいろやる事があるとパニックになりそうな精一にしっかりせんばと励まし、手持ちの金を渡した。
葬式を今日中に済ませたいと言う精一に火葬は亡くなって24時間たたないとできないと説明する役所の人。源蔵は剛を連れて上野動物園へ。
肉まん?売りのお姉さんがナイショだよと剛に1つ肉まんをくれたが、源蔵が「こじきじゃないぞ」と剛に言い聞かせて、欲しい時はじいちゃんに言えと、お姉さんに払いに行くようお金を渡した。
教会でのお葬式。早苗の回想シーンやめて。悲しすぎる。
のどかな田園風景が続く。
あと4分で仙台というアナウンス。
夜も列車は走り続け、車内は東北弁が聞こえる。
回想
食堂のウエートレスをしていた民子と待ち合わせし、船に乗った精一。源蔵に民子を紹介した。教会で結婚式。
ぐったりしている民子と精一に話しかける男。船が苦手だという男は船酔いの心配する。お、渥美清さん!
連絡船
赤ちゃんの泣き声に目ざとく反応し、島に帰りたかと泣き出す民子。精一は最初は一人で行くと言った、そうしなければ早苗を殺さなくて済んだと責め、源蔵に男らしくないと注意されると今度はなぜついてきたと源蔵を責めた。
4月10日 北海道に渡る
馬車が走ってる。
駅の食堂で船酔い男と再会。
列車に乗ると、雪景色が広がる。
民子は列車で隣り合わせた女性と話し込んでいた。女性も子供を亡くしており、泣いていた。おお、春川ますみさんだよね!? 女性は5年も帰っていないと涙を流す。キャストクレジットは出演順と書いてあるけど、順番通りじゃないね。
カワイという迎えの男の車に乗り、亮太の牧場へ。牛が産気づいて迎えに行けなかったと謝る。家に上がり込まず、そのまま座り込んでしまった民子たち。
翌朝、精一たちの暮らす家へ案内する亮太。源蔵は外で早速地面を耕し始めた。
夜は風見一家の歓迎会。地元の人っぽい。源蔵は、ご機嫌で「炭坑節」を歌う。
源蔵の布団に入り込んで眠った剛を連れ出そうとした民子が源蔵の異変に気付く。えー! なんでこんな犠牲者が出るんだ!
土葬される源蔵。
精一は民子に弱音を吐くが、民子が励ます。6月になったら春になるというけど、9月になったら秋になるんでしょ。
1970年6月 釧路原野
緑が濃くなり、源蔵、早苗の墓も緑でおおわれている。
亮太の大事にしている牛が雌牛を産み、その子牛を精一たちがもらい受けることになっていた。そして、民子にも子供が…え…俺たち、カトリックだからと言い訳めいたことを亮太に話す精一。避妊をしちゃいけないってことらしい。
北海道の雄大な風景の空撮が映し出される。(完)
山田洋次さんの映画、いまいち、合わないんだな~とだんだん気付いてきた。でも録画したのは、あと3作品くらいあったかな。
精一もムチャ言うし、民子もせめて早苗がもう少し大きくなるまで島で頑張るとか、ねえ…たらればだけど、ん~、やっぱり作中で動物や子供を殺す展開を考え付く人の作品って合わない! 必然性を感じない。

