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【ネタバレ】チョッちゃん(48)―連続テレビ小説―

NHK 1987年5月30日(土)

 

あらすじ

久々に叔父の泰輔(川谷拓三)と妻・富子(佐藤オリエ)の家に帰ってきた蝶子(古村比呂)は、しばらく彦坂安乃(近藤絵麻)を同居させてほしいと頼む。夜な夜なむせび泣く安乃を、蝶子は抱きしめるしかない。その後、安乃は国松連平(春風亭小朝)のつてで女中として奉公に出る。ある夜、蝶子の下宿先に頼介(杉本哲太)が姿を現す。札幌経由で三日前に上京したのだという。頼介と安乃は久々の再会を果たす。

2025.5.17 NHKBS録画

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脚本:金子成人

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黒柳朝チョッちゃんが行くわよ」より

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音楽:坂田晃一

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語り:西田敏行

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北山蝶子:古村比呂…字幕黄色

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岩崎要:世良公則

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野々村富子:佐藤オリエ

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国松連平:春風亭小朝

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彦坂頼介:杉本哲太

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田所邦子:宮崎萬純

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北山道郎:石田登星

梅花亭夢助:金原亭小駒

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坂本智太郎:関時男

山野鈴:戸田恵子

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彦坂安乃:近藤絵麻

女:西田絵里

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鳳プロ

劇団ひまわり

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神谷容(いるる):役所広司

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野々村泰輔:川谷拓三

 

<この日の朝早くチョッちゃんと安乃は東京に着きました。初めての旅の疲れが出たのか安乃は野々村家に着いた途端、眠ってしまいました>

 

野々村家

茶の間

すすり泣く富子。泰輔も涙を拭く。

道郎「そうか。頼介君、そういうことになったか」

うなずく蝶子。

道郎「真面目だからな~」

蝶子「うん」

道郎「かたくなすぎて窮屈に生きなきゃいいけど…」寝っ転がる。

 

道郎とは大違い!

 

蝶子「したから、あの子、しばらく同居させてもいいかい?」

富子「お安い御用だよ。ねっ、あんた」

泰輔「ん? ああ!」

蝶子「ありがとう!」

泰輔「そんな…」

泣き続ける富子と泰輔。

 

いい人たちだな~。こっちまでもらい泣きしちゃう。

 

夜、蝶子の隣の布団で寝ている安乃が泣いていた。

蝶子「安乃ちゃん。安乃ちゃん! 悲しいのかい? さみしいのかい? 兄ちゃんや公次君のこと、考えてるんかい?」

首を横に振る安乃だったが、蝶子に抱きついて泣いた。

蝶子「いつかまた会える…会えないわけないしょ!」

 

蝶子はいつものワンピース、安乃はモンペよりスマートなズボン?で出かけた。

 

邦子の住むアパート

蝶子「この子は安乃といいまして、まぁ、私の妹みたいなものです」

神谷「よろしく」

ペコっと頭を下げる安乃。

 

今日も短パンの神谷。

 

風呂敷包みをちゃぶ台の上に置く蝶子。「お土産だ」

神谷「いやいやいや」においを嗅ぐ。「あっ、干物とかあるんかい?」

蝶子「身欠きにしんや氷下魚(こまい)」

神谷「いやいや、悪いねえ」

蝶子「なんも、なんも」

神谷「遠慮なし」

 

お茶の準備をしようとする神谷に近づく蝶子。「やります」

神谷「いいから、いいから。いい、いい」

蝶子「そうかい?」

神谷「うん」

蝶子「日曜日だし、邦ちゃんもいると思ってたんだよ」

神谷「最近は日曜も出かけること多くて」

蝶子「そうかい」

神谷「この家は暑いもねえ。北海道は、もう秋だべさ」麦湯を出す。

蝶子「はい」

神谷「うん」

 

蝶子「先生、邦ちゃんと何か?」

神谷「いや、なんも。ただ…私と一緒にいること、後悔してるんでないかな?」

蝶子「なして?」

神谷「うん…そんな感じするんだわ。田所君には、こんなこと話したなんて、ないしょな」

蝶子「はい」

 

ん~、なんか神谷って他人事っぽくない!?

 

神谷「安乃ちゃんといったかい?」

安乃「はい」

神谷「なんぼだ、年?」

安乃「11です」

神谷「そう。優しいねえさんかい?」

安乃「はい!」

神谷「そうかい」

 

<これが神谷と安乃の運命の出会いだということは、この時、誰も知りません。かく申す、私のほかは誰もです>

 

ど、どういうことー!? 神谷ってロ…(自粛)

 

派手なワンピースに大ぶりのイヤリングをつけた邦子が帰ってきた。「あ! チョッちゃん。やぁ、帰ってきたんかい!」

蝶子「うん」

邦子「この子は?」

蝶子「妹だ」

邦子「え?」

蝶子「ねっ」

頭を下げた。

 

頼介の妹だって言えばいいのにね。

 

邦子「ふ~ん、ウフフ! いやいや、暑いもねえ」

蝶子「邦ちゃん」

邦子「ん?」

蝶子「家に寄ってきたんだ。先生からの手紙で、おばさん、少しは安心してたみたいだわ」

邦子「そうかい」

蝶子「『元気にしてたら、それでいい』って」

邦子「うん」

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蝶子って、すごい空気読みだよね。

 

蝶子「はい。おばさんから預かってきたんだ」

邦子が封筒の中身を確認するとお金が入っていた。「手紙もなんもなし? あ、先生。チョッちゃんにあのこと話したかい?」

神谷「ん?」

邦子「童話のこと」

神谷「あ!」

 

蝶子「何さ?」

邦子「あ、お兄さん、なんもしゃべってないのかい?」

蝶子「いや、着いてすぐバタバタしてたもんだから」

神谷「道郎さんに預けた原稿ば出版社の人が読んでくれてね、作品の一つを雑誌に掲載してくれることになったんだわ」

蝶子「いやあ、本当かい!?」

神谷「あぁ」

邦子「出版社の人も『これからも書いたもん読ましてほしい』って、しゃべってるんだ。ねっ」

神谷「うん!」

蝶子「いやあ、よかったでない!」

 

邦子「よし! 今日は、お金もあることだし、外に食べに行こうよ。いいっしょ?」

蝶子「あ~、うん…」

邦子「ねっ?」

神谷「よし! じゃ、支度するか。安乃ちゃん、おいしい物、食べに行こう!」

うなずく安乃。

神谷「よし、行こう」

邦子「よ~し」

 

人の金という意識もなく即決する神谷。蝶子は2人の関係性に戸惑っている!? 相変わらず、田所君、先生と呼び合う2人。

 

<数日後のことです。安乃の仕事探しを頼まれていた連平が、いわくありげな2人を連れてやって来ました>

 

野々村家

連平「この間から話をしてました。坂本智太郎さんとこちらがお鈴さん」

坂本「坂本です」

鈴「山野鈴と申します」

 

戸田恵子さん!

 

連平「智太郎さんは岩本町で繊維問屋やってましてね、うちとは古いつきあいなんですよ」

坂本「というわけで」

連平「ですから、こちらの奥方とも私は顔なじみ。ね! 旦那」

坂本「ええ、まぁ。連平さんから話は行ってると思いますが、5年前からこれを、え~、根岸の方に、その、別宅をあれしまして、住まわせておりまして…」

 

蝶子「質問!」

坂本「はい?」

蝶子「前いた女中さんは先月やめたと聞きました。理由は何でしょうか?」

富子「いじめたとか?」

泰輔「逃げられたとか?」

鈴「違います!」

坂本「前いた子は嫁に行ったんで」

 

鈴「私は、おしめちゃんに『嫁に行っても来ておくれでないか』って頼んだんですよ」

坂本「『しめ』っていう女の子でして」

鈴「おしめちゃんも『できたらそうしたい』って言ってくれました」

蝶子「それがどうして?」

鈴「お連れ合いの住まいが千葉の在だというんで、しかたなく…」

泰輔「う~ん、なるほど」富子の表情を確認するよう見る。

 

連平「どうです? ここいらで安乃ちゃんに目通りって運びは。ね!」

なんとなくうなずき合う蝶子、富子、泰輔。

蝶子「連れてくる」

 

鈴「気に入ってくれるかねえ」

坂本「う~ん」

鈴「私、口下手だしねぇ」

 

外からセミの声がする。

 

蝶子が安乃を連れてきた。「こちらが昨日話した…」

安乃「こんにちは」

鈴「こんにちは!」

坂本「お名前は?」

安乃「彦坂安乃です」

鈴「いい名前だこと!」

 

泰輔「安乃ちゃん、こちらのねえさんのうちなんだけどね」

安乃「よろしくお願いします!」手をついて頭を下げた。

鈴「お前さん!」

坂本「じゃあ、私らも是非こちらを」鈴と共に頭を下げた。

 

蝶子「いじめたりしないね?」

鈴「そんなこと!」

連平「こちらは、ご心配いりませんて」

泰輔「じゃあ…うん?」

蝶子「うん」

安乃の手に自分の手を重ねた富子。「お頼みします」

鈴・坂本「はい!」

連平「決まりましたね。あ~、よかった」

 

<安乃の仕事が決まりました>

 

枯草の舞う夜。

 

<11月も末のある夜>

 

野々村家

長火鉢の前にいる泰輔と繕い物をしている富子。泰輔が富子のお猪口に酒を注ぐ。

富子「ありがと」

 

激しく戸を叩く音がする。

 

泰輔「ん?」

 

何度も戸を叩くので、2人して玄関へ。

富子「どなた?」

 

⚟女性「あの~」

 

富子「はい?」

泰輔「誰だい!?」

 

⚟女性「いや、それが…」

⚟要「ああ、俺です! 俺だぞ」

 

泰輔「どこかに木刀なかったか?」

 

⚟女性「岩崎要さんのお知り合いでしょうか?」

 

泰輔「え、あ~、はい」玄関の戸を開けると、要がなだれ込んできた。

要「お~っとっとっと」

泰輔「ああ~!」

要「あいたっ」

富子「何だい?」

要「あ、どうも! どうも」

女性「知り合いですよね?」

要「はい!」

泰輔「あ、ええ、まぁ」

要「ほら、だから言ったろ。ここはな、俺が大変に親しくしてる、うちなの」

富子「冗談じゃないよ!」

女性「じゃ、あと、よろしく」

 

要「おお、ご苦労!」

泰輔「ちょちょ、ちょちょ…」

要「さよなら!」

泰輔「あの、ちょっとね…」

要「ご苦労」

富子「どうすんのさ、これ」

泰輔「しょうがねえな。夢さんの部屋にでも。要さん、ほら!」富子、蝶子とともに茶の間へ運ぶ。

 

要「もう、飲めない…」

富子「靴、脱いどくれよ!」

泰輔「要さん、ほら、しっかり」

富子「チョッちゃん、すまないけど、表、閉めとくれ」

泰輔「要さん、ほら! 重たいねえ、この人は」

 

玄関に出た蝶子に耳に自転車のベルが聴こえた。「誰さ?」

暗がりから行李箱を抱えた頼介が出てきた。

蝶子「頼介君!」

 

茶の間

うどん?をすする頼介。富子がお茶をいれ、蝶子が出した。会釈する頼介。「あのあと、汽車、乗り継いで札幌に出たんだ」

蝶子「うん」

頼介「札幌でしばらく荷車引きして日銭稼いだ。それでやっと、なんとか汽車賃出来たんだ」

蝶子「東京には、いつ?」

頼介「3日前」

蝶子「その間、何してたんさ?」

頼介「…ここ探すのに手間どってな」

蝶子「そうかい」

 

富子「あの、お代わり」

頼介「いや、もう、ごちそうさまでした」

泰輔「外は寒かったろう」

お茶を飲む頼介。

 

蝶子「頼介君。安乃ちゃんは元気だ」

うなずく頼介。

泰輔「安乃ちゃん、いい人のうちに世話になってる。安乃ちゃん、自分から何でもするんで、そのうちの人、大喜びでね」

笑顔になる頼介。

 

朝、野々村家の前の路地を歩く夢助と安乃。

夢助「さあ、入った入った。安乃ちゃん、連れてまいりました!」

 

⚟泰輔「ご苦労さん!」

⚟富子「お帰り!」

 

夜、頼介が来て、朝になって夢助に使いを頼んだって感じ?

 

頼介が顔を出す。

安乃「兄ちゃん!」

頼介「うん!」

見つめる安乃。

頼介「うん。上がれ」

 

夢助「あの人、起こさないと」

 

富子も泰輔も頼介、安乃を見てニコニコ。

頼介「ありがとうございました」

蝶子「会えてよかった」

泰輔「うん」

また目を潤ませている富子。

 

要「あの~」茶の間に顔を出す。

泰輔「ゆうべは大変だったんですよ」

要「どうもすいません」

泰輔「フフッ、お茶でも」

要「すいません」なぜか蝶子のぴったり隣に座る。「久しぶりだね。しばらく見ない間に女っぽくなったかな?」

泰輔「ウフフフッ」

 

要の方を見ない蝶子。「何言うんさ、ねえ」富子に同意を求める。

同じく要の方を見ず、お茶を出す富子。「どうぞ」

要「あ」

 

蝶子は安乃の隣に移動。「頼介君は、このあと、どうするんだい?」

頼介「東京で仕事探すつもりだ」

蝶子「探すっていったって…」

富子「連平にまた頼むって手もあるよね」

泰輔「うん、うん」

蝶子「そうだね」

 

頼介「いや、そういうのは自分で」

蝶子「したけど」

頼介「自分のことぐらい自分でなんとかしないと」

蝶子「したっけ、たまには甘えてもいいんでないかい?」

頼介「やっぱし自分で」

 

要「いいなぁ。俺は、こういう男が好きだな」

ツーンと横を向く蝶子。

頼介「したら、俺は」

要「じゃ、俺も」

富子「そうね」

泰輔「いや、まあ…」

 

引き止めようとする泰輔の手をバシッとたたく富子。←いいぞ!

 

蝶子「またね!」

要は手にはめた紐のようなものをグルグル回して笑顔。

蝶子「頼介君」

頼介が照れたように手を少しあげて去っていった。

 

<東京は、もうすぐ冬を迎えようとしていました>(つづく)

 

川谷拓三さんの

けが のため

来週から野々村泰輔役は

前田吟さんにかわります。

 

へえ~! 川谷拓三さんが降板するのは知ってましたが、これから本格的に東京編が始まる序盤だとは思わなかったな。前田吟さん…まだイメージ湧かないな~。こないだまで「赤い激流」見てたしな…。

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安乃ちゃんも昨日の公次くんも昭和の終わりの子役だから、今ほどの巧みさまではいかなくとも「えーん、えーん(棒)」みたいな子役ではないな。名演技!

 

最初の女学校編ののんびりさに比べると、月曜日、梅雨から始まり夏休み、そして今回で11月と割とポンポン進むようになった。頼介君と安乃ちゃんがもう再会するとは思わなかったよ。安乃ちゃんは個人の家のお手伝いさんでよかったね。

 

神谷先生は最初がいいイメージあったけど、要に関しては、まだ何というかよさがちょっとね…これからどうなるの!?