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【ネタバレ】チョッちゃん(26)―連続テレビ小説―

NHK 1987年5月5日(火)

 

あらすじ

蝶子(古村比呂)、そして俊道(佐藤慶)、みさ(由紀さおり)が校長室に集められた。俊道は、蝶子が自ら男子学生に写真を配った以上、退学も止む無しと覚悟を決める。蝶子は必死に、自分で写真を配っていないと無実を主張するも、疑いは一向に晴れない。すると、写真の件で蝶子の両親が呼び出されたと知った、写真館の斉藤源吉(小野武彦)が学校にやってくる。実は、写真を配ったのはほかならぬ、源吉だったのだ。

2025.4.22 NHKBS録画

peachredrum.hateblo.jp

脚本:金子成人

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黒柳朝チョッちゃんが行くわよ」より

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音楽:坂田晃一

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語り:西田敏行

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北山蝶子:古村比呂…字幕黄色

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神谷容(いるる):役所広司

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北山みさ:由紀さおり

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川村市子:中原理恵

田所邦子:宮崎萬純

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熊田剛造:津嘉山正種

斉藤源吉:小野武彦

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小田:水島涼太

吉池:木下浩

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遠山伊佐子:紘川淳

斉藤峰子:江馬小百合

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山口フサ:土屋里織

森川とみ子:久野翔子

石野スズ:加藤麻里

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女主人:早川亜友子

早川プロ

劇団いろは

劇団ひまわり

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北山俊道:佐藤慶

 

<チョッちゃんは校長室に向かっています。校長室には校長の呼び出しを受けた滝川の両親が来ているのです>

 

校長室

熊田「ま、こうやって、せっかくお父上も見えたことですし、この際、娘さんについて私の思うところを述べさしていただこうと思います」

頭を下げる俊道。

熊田「昨年暮れ、お父上には手紙を差し上げたと思いますが、娘さんには、これまで随分と困らされました。手紙にも書きましたように、町なかで焼き芋の買い食いをしては空知高女の品位をおとしめ、制服のスカートの丈、勝手に短くしては校内規律に反抗。3学期になっては町のパン屋を学校に呼び、秩序というものを乱し、更にそのパン屋の家を一人訪れるという女子としては破廉恥極まる行動をとり、そして、今回です」

神谷「破廉恥っていうのは、どんなもんでしょうか?」

俊道「いや、先生、破廉恥で結構です。先生方には深くおわび申し上げます」

みさ「なんせ私たちの娘でございまして」

俊道「何だ、それは」

みさ「ん? いや、ただ…」

俊道「私らの娘は悪いのが当たり前だっちゅうことかい?」

せきばらいする熊田。

 

みさ「悪いっちゅうんでなく」

俊道「そんなことは言い訳にもならん」

せきばらいする熊田。

みさ「はい。あぁ」

 

熊田「まあ、事ここに及びましては娘さんに対し、何らかの処置を講じませんと、ほかの真面目な生徒への示しがつきません」

俊道「はい」

みさ「あの…処置と申しますと?」

熊田「退学処分ということも」

 

神谷「ちょっと待ってください。今回、北山君が問題を起こしたとは、まだ決まってないでないですか」

俊道「いや、先生」

神谷「はい」

俊道「娘をあんまりかばわんでください」

神谷「いえ」

俊道「誰かがかばってくれると思うから図に乗ったりするんです」

熊田「そうですな」

 

神谷「何もかばってるんでないんです。物事の真偽がまだはっきりしてないのに罰するなどとは間違いだと…」

熊田「したけど、騒ぎを起こしたのは事実だべ?」

神谷「起こしたという言い方は正しくないんでないですか?」

熊田「いやいやいや、起こした。噂の張本人は北山君だ。真偽はともかく写真を北山君からもらったという男子生徒がいるのは事実だべ」

 

椅子に座っていた蝶子が立ち上がる。「私は誰にもあげてません!」

熊田「したっけ、世間がそう思っとる。不良だと思っとる」

神谷「したけど、それは」

熊田「高女の名誉ば、著しくおとしめた」

神谷「その原因が北山君だとは決まってないっしょ!」

熊田「写真を撮ったではないか」

蝶子「配った覚えはありません!」

 

俊道「口を出すんでない! 座りなさい」

机の近くに椅子を寄せながら座る蝶子。

俊道「例の町なかにさらされた写真というのはどうなってるんですか?」

熊田「いや、それが写真屋のおやじが『外すのは嫌だ』と拒んでおって…誠にけしからんことですが」

俊道「お前は外すように頼んだのか?」

うつむく蝶子。

熊田「それが頼んでないんですわ」

俊道「なして? 蝶子!」

 

鐘の音が鳴る。

 

俊道「よく分かりました。退学もやむをえませんな」

神谷「北山さん!」

俊道「あなたは黙っててください。退学、結構です」

熊田「いやいや、いや」←なぜか引いてる校長。

俊道「岩見沢には、その覚悟で参りました」

熊田「あ~、したっけ、まあ、そう性急に結論を…もう少しあれを、まあ、事の真相を…」

校長を横目で見ている神谷先生が面白い。

熊田「ね?」

 

イライラしながら教員室に入ろうとした神谷に小田や吉池もすれ違いなら驚く。

川村「どうでした?」

神谷「どうもこうも! 校長、『北山蝶子を退学させる』などと口走って」

川村「えっ?」

神谷「いや…後で訂正はしましたけど。北山のおやじもおやじだ! 娘の退学、覚悟して来ただなんて。親なら普通、娘、かばうんでないですか? たとえ非があったとしても親だけでもかばってやるのが本当でないですか! 北山本人の気持ちをどう考えてるんだべか。校長も校長だけど、おやじもおやじだわ! 北山の気持ちを軽んじ過ぎる!」

川村「難しいことですね」

神谷「難しいですか?」

川村「生徒の気持ちを重んじ過ぎると、後でいろんな問題が起きますし…では」教員室を出ていったが、神谷は納得いかない表情。

 

学校の外

峰子「チョッちゃんの両親、本当に写真のことで呼ばれてきたのかい?」

邦子「そうだよ」

フサ「写真配ったんでないかとかでさ」

峰子「うちのお父さんがショーウインドーから写真ば外さないってことでなく?」

邦子「それもあるわ、きっと」

伊佐子「したけど、なして峰ちゃんのお父さん、写真外さないんだべか?」

峰子「うん…」

 

フサ「それよりも私は、なしてチョッちゃんの写真だけ飾らんきゃならないのか問いただしたいんだわ」

伊佐子「自分の写真、飾ってほしかった?」

フサ「ていうか」

邦子「違わんしょや?」

フサ「…うん」

 

斎藤寫眞館のショーウインドー

蝶子の写真を見ている両親。

みさ「あら…きれいに写ってる!」

俊道「何とも下卑(げび)た写真だ」と言いいつつ、じっくり見ている。

 

写真館の中

蝶子「父と母です」

俊道「北山です」

みさ「母親です」

源吉「あ~、いやいやいや、蝶子ちゃんには、うちの娘が大して世話になってるんだわ!」

蝶子「なんもだ」

源吉「まあまあ、どうぞ」

一同、座る。

 

源吉「こちらには、また何で?」

せきばらいする俊道。

源吉「ああ、ハハハッ。蝶子ちゃんの様子見にだべな。滝川なら近いもねぇ。卒業も近いし、いろいろ相談することあるんでないかい? いや~、うちの娘なんか私になんも相談なんかしないもねぇ。母親と勝手に話決めて、いっつも事後承諾だもねぇ」

俊道「表の娘の写真のことだ」

源吉「いや~、見てくれたんかい!」

俊道「いや、それで」

源吉「いやいやいや、蝶子ちゃんには感謝してるんだ。やぁ、大して被写体がよかったもの。いや、蝶子ちゃんのことだ。ハハハッ。いや~、大して蝶子ちゃん、勘がいいんだ。表情もいいし、ほれ、目鼻だち、はっきりしてるしょ? ご両親ば見て納得だ。ご両親のいいとこ、全部もらったんでないかい?」

みさが笑い出す。

源吉「あの写真は蝶子ちゃんと相談しながら作ったんだ。言うならば共作だ。我ながら、いい作品が出来たもんだと喜んでるんだわ。どこに出しても恥ずかしくないもねぇ」

みさが笑顔で相槌を打つ。

源吉「ハハハハッ」

 

俊道「斉藤さん」

源吉「はい?」

俊道「あの写真」

源吉「はい?」

何か言おうとしたが、蝶子に顔を向ける。「蝶子、お前、写真飾られてていいんか? どうなんだ?」

 

源吉「いや、なんもなんも困ることない。あの写真見た人は、みんな褒めてる。大したいい写真だって、みんな言うんだぁ」

みさ「へぇ~」

源吉「写真の評判いいと客も増えるし、私なんか二重の喜びだわ」

俊道「娘を商売に利用してもらっては困る」

源吉「いやいや、なんも利用なんか」

俊道「したっけ、今、そう言ったべさ。なぁ!」

源吉「いや、なんも利用するべと思って飾ったんではなく、結果として客が増えたわけで」

 

俊道「表の写真は外してもらいたい」

源吉「はあ?」

俊道「写真だ! 表の」

源吉「なして!」

 

「こんにちは!」女学生2人が店に入って来た。

源吉「いらっしゃい!」

とみ子「写真撮ってほしいんだわ」

スズ「表にある北山蝶子さんの写真と同じにしてくれないかい」

源吉「はい!」

 

”御待合所”と貼られた店

駅前の飲食店って感じ?

 

女主人「どうぞ」お茶を出す。

みさ「どうもおいしいです」

女主人「したら、ごゆっくり」

 

俊道「ワシは今日帰るが、母さんを残す。成り行きを見届けさせる。でないと、安心して医者の仕事に没頭できないべ」

蝶子「すいません」食べるのをやめて頭を下げる。

俊道「う~ん、まったく! あの写真屋は一体何なんだ。(みさに)おい」

蝶子「はい?」

俊道「蝶子の写真は絶対に外させろ」

 

みさ「…私がですか? どうしてもっていうんなら、もっと強く言ったらよかったんでないんですか?」

俊道「ああいう男は苦手だ」

みさ「いつもそうやって」

俊道「そうやって、何だ?」

みさ「外に出ると言いたいことも言えなくなるんですね」

 

外から汽笛が聞こえる。

 

蝶子「父さん。私の退学のこと、本気だったんかい?」

俊道「本気だ」

みさ「あなた」

俊道「本気でないわけないべ」

蝶子「私が『音楽の道に行く』って言ったから、怒ってるんかい? 仕返ししてるんかい?」

俊道「何、言ってるんだ。親子の間で仕返しも何もあるわけねえ!」

蝶子「したっけ!」

みさ「蝶ちゃん」

 

蝶子「したけど、私は退学になっても音楽はやるから。東京の音楽学校に行くから!」

俊道「お前は、うちを離れると何をするか分からん。親としては不安でしかたがない。気が安まらんわ。岩見沢にいるより滝川にいさせた方がいいと思った。この際、卒業したか退学かは、どうでもいいんだ。先々、退学ということで差し障りがあるかもしれんが、それもこれも、もとをただせば、お前の行動のなせる業だべ? 差し障りがあるんなら、よそに行かねばいいんだ。うちにいたらいいんだ。したから『退学でもいい』と言ったんだ。岩見沢でもちゃんとやれないお前が東京でたった一人でどうするつもりだ?」

 

蝶子「東京には泰輔叔父さんや兄ちゃんがいる!」

俊道「人は頼るんでない! 東京で何かあった時、滝川から岩見沢へ来るようなわけにはいかないんだぞ」

蝶子「『人を頼るな』って父さん言うけど、私がうちにいるっていうことになれば、それは父さんに頼ってるっていうことになるんでないの?」←正論!

みさ「ああ、そういうことになるんでない?」

蝶子「父さん、私、大丈夫だから。東京では、ちゃんとやっていけっから」

俊道「親を呼び出させるようなことをしといて、よくもまあ、そんな立派なことが言えるな」

 

汽笛が鳴り、俊道はカバンから懐中時計を取り出して見る。「ああ、そろそろ時間だ」

みさ「蝶ちゃん」

女主人がお茶のお代わりを注ぎに来た。

みさ「あ、すいません…」

蝶子もぜんざいをかき込む。

 

神谷の下宿先

源吉「峰子に聞いたんだわ、先生」

神谷「はい」

源吉「蝶子ちゃんの両親が配られた写真のことで校長に呼び出されたっちゅうんはホントかい?」

神谷「はい」

源吉「いやいや、いやいや…そうだったんかい」

 

校長室に入っていく蝶子。

源吉「いや~、いやいや、蝶子ちゃん。このとおりだ!」頭を下げる。「さぁ、さ…」校長、神谷が席に着くテーブル席に座らせる。「蝶子ちゃんには悪いことしたわ!」

蝶子「あの~…」

神谷「いや、他校の男子生徒が君の写真を持ってたのは斉藤さんが…」

源吉「いや~、ショーウインドーの写真見た男子学生が分けてくれって言ってきたんだ。したから、ついうれしくなって…」

蝶子「そんな!」

源吉「誠に申し訳ない。あいつら、よりによって『蝶子ちゃんにもらった』って言うとは思わんもなぁ! いや、この間、神谷先生とうちに来て『少し立場がつらい』って聞いた時、後ろめたくはあったけど打ち明けられんでさ、誠に申し訳ない」

蝶子「そうかい」

源吉「…親まで呼び出されるとは思わなかったんだ。な! 不良呼ばわりさして悪いことしたわ」

蝶子「もういいわ、おじさん」

源吉「え?」

蝶子「うん」

源吉「そうかい? ハハハハッ。ありがとう! ありがとう! 校長、これで蝶子ちゃんの汚名、晴れたべや」

 

黙って立ち上がる熊田。「したら、斉藤さん。ショーウインドーの北山君の写真、外してくれるんだべな?」

源吉「なして?」立ち上がって校長の近くへ。

熊田「その写真見て、焼き増しば頼んできたんだべ?」

源吉「あ、したから今後一切、焼き増しには応じないつもりだ」

熊田「いやいやいや、写真も外してもらいたい」

源吉「いや、外さね! あれとこれとは話がまた別だべさ」

 

神谷も蝶子も立ち上がる。

 

<これはまた意外な方向に話は進みそうですよ>(つづく)

 

小野武彦さんって北海道出身者枠?って思うくらい北海道になじんでるけど、別に北海道と関係はないんだよね。俊道VS校長は俊道の勝ちかな!?