徒然好きなもの

ドラマの感想など

【ネタバレ】津軽絶唱

1969年 日本

 

あらすじ

北大路欣也・星由里子コンビの純愛ドラマ第三弾。今回は、人気絶頂から転落する歌手に北大路欣也が扮し、行きずりで彼の子を身ごもった女性と真実の愛を見出すまでを描く。北大路欣也は劇中で歌を数曲披露している。雪深い青森県下北に住む本多くに子(星)は人気歌手、夏川圭一(北大路)の熱烈なファン。函館公演に訪れた圭一と一夜の関係を持ち、子供を身ごもり密かに出産するが、そんな折、圭一が別の女性と婚約したというニュースが流れる…。

2025.3.1 日本映画専門チャンネル録画

peachredrum.hateblo.jp

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絶唱シリーズ第3弾。

 

東宝株式会社 配給

 

東京映画作品

 

製作:佐藤一郎

   椎野英之

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脚本:菊島隆三

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音楽:宮川泰

作詞:なかにし礼

主題曲:「星空のカンツォーネ

    「ラブ・ロスト・ロック」

歌:北大路欣也(CBSソニー)

  「愛のフィナーレ」

歌:ミルバ(セブンシーズ)

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協力:東日本フェリー株式会社

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夏川圭一:北大路欣也…字幕黄色

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本多くに子:星由里子

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中谷:大辻伺郎

池田春子:町田祥子

池田トヨ:荒木道子

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星野:神田隆

本多フミ:菅井きん

菊地サヨ:小西まちこ

良平:本田統

利根はる恵

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守田比呂也

伊東:土屋靖雄

沼田爆

岡田:山田喜芳

伊藤正博

友子:宮本満里子

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青木君雄

木元章介

本多栄吉:甲野純平

伊東昭夫

向井正江

入江くに子

階川能梨子

歌川千恵

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監督:岡本愛彦

 

主演が同じというだけで、監督と脚本も違うから世界観は異なる。

 

大スター歌手・夏川圭一の部屋にはサヨという若い女がいたが帰った。圭一は本多くに子という女性から送られたノートを読んでいた。ノートは日記で、もうすぐ圭一さんの子供を産んでママになると書かれていた。

 

最果てのこの町にはテレビが2局しか映らないので、大スターの圭一の番組は1週間に1度くらいしか見られない。…う~ん、親近感。子供の頃は私の地元もテレビ局は2局しかなかった。

 

食堂の店員のくに子は夏川圭一に夢中で仕事をほっぽりだして見ていた。

 

くに子は家に帰って、給料を渡す。菅井きんさんがお母さん…と思いきや、死んだお母さんが…といってて、後妻さん? しかし、フミは、くにちゃんと呼び、くに子の給料をあてにして悪いわねえと申し訳なさそう。

 

くに子は今日見たテレビ番組の感想を書いて圭一に送っていた。

 

秋田、山形、札幌、函館…などに旅公演に行くことになった圭一。マネージャーは函館からよく手紙が来るね、こういう人には知らせたほうがいいねと圭一に言う。くに子が1回だけ行われる函館公演に出かけた。

 

圭一がステージで「星空のカンツォーネ」を歌う。北大路欣也さん、歌うまいね。女性たちがキャーキャー騒ぐ。くに子も目をキラキラしながら見つめる。

 

今度は客席に拍手を求めてノリノリの曲を歌う。曲終わり、女性ファンがステージに殺到するが、圭一は舞台から去った。夏川のマネージャーがくに子に近づき、花束を受け取る。マネージャーが圭一のふりをして返事を書いて、赤いネッカチーフを巻いてくるよう指定していた。

 

年間1000万のスポンサー契約があるので、明日は札幌でスポンサーと会うというとめんどくさそうな圭一。しかし、マネージャーは今夜はいいことがあると、くに子のことを教えた。くに子は圭一と一緒のタクシーに乗って大沼公園へ。

 

これが女性上納ってやつなのか!? まあ、この場合、女性はファンだからノリノリだけど。

 

くに子は大間出身。圭一は満州で両親を亡くしている。大間からフェリーで2時間ほどで函館まで行ける。圭一にキスされて驚いたくに子はタクシーに乗り、函館まで帰るように言った。ん? さすがにくに子はそこまでされると思ってなかったのね。

 

しかし、ホテルの一室で裸になる2人…は?

 

ホテルに置いて行かれたくに子は一生忘れることはできない思い出になったと悲しんではいなかった。

 

今夜の札幌でも女を用意していると笑うスタッフ。マネージャーは今夜はスポンサーと約束があると止めた。圭一にはライバル的存在も出てきている。

 

大間に帰ったくに子だが、父が足場から落ちて大けがを負ったと知らせを受けた。幼なじみの良平は、くにちゃんのためなら何でもすると言うが、くに子を見て、とてもきれいになったと言う。

 

2か月後、食堂にカラーテレビが入った。夏川圭一が歌っている。

 

画面下にはテロップが出ている。

カラー調整3秒! マジックラインの……ナショナル パナカラー

ナショナルのテレビか~。

 

夏川圭一を見ていた、くに子は突然吐き気を催し、町の病院へ行き、妊娠が判明した。一度は、おろすつもりでいたが、圭一を愛していることに気づき、病院を飛び出した。いい働き口が函館にあると両親を言い含めて、人目を避けて出産することにした。

 

函館に叔母がいたので2階を借りたくに子。叔母のトヨには妊娠のことを話し、内職をしていた。トヨはおろしたほうがいい、でなければ養育費を払ってもらえばいいと言うが、くに子は思い出だけを胸に生きることにしたと話す。トヨの娘・春子も心中までしたが男は逃げた。

 

春子の相手は啄木好きの文学青年で首の傷跡は消えない。しかし、春子は明るく、くに子のことも心配している。しかし、やっぱり函館=石川啄木なんだね。

岩手の数少ない有名人といえば石川啄木なので、ほかの地でも有名なのに驚く岩手県人。

 

だんだん落ち目になってきた圭一は三流キャバレーで歌いたくないとごねる。

 

くに子は男の子を産み、圭次と名付けた。トヨは、くに子から圭次を取り上げ、テレビの前に連れて行き、お父さんだよと見せた。夏川圭一の出演番組。父親のことを知ってるんかい!

 

一昨年のレコード大賞受賞曲「星空のカンツォーネ」を歌う圭一。くに子はパパにそっくりだと喜んでいたが、やがて泣き出す。

 

圭一は送り付けられた日記を読んで、俺に子供が!?と混乱していた。

 

くに子はトヨに子守りを頼んで、春子も働くバーで働き始めた。強引な客には春子がフォローに入った。

 

勤め先から酔っ払って帰ってきたくに子の前に良平が現れた。良平は子供を産んだことも知っており、父親の調子が悪いと伝えた。

 

バーのママが利根はる恵さんかな? 

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「別れて生きる時も」の美智の母。

 

くに子はママに言われるまま、客を取ろうとしたが、春子に止められた。このママ、着物買っておいたわね、働いて返せばいいからなど厄介そうな人物だ。

 

星野という客とホテルに来たくに子は圭一との一夜を思い出していた。

 

翌日、帰ってきたくに子は春子に声をかけられた。くに子は一人で思い出の地、大沼公園に行っていたと話した。その3日後、父が亡くなった。あとに残ったのは働きのない母と弟。

 

大間からフェリーに乗ろうとしていたくに子はフェリー乗り場の売店で週刊誌のタイトルを見かけた。

 

速報 週刊レディ

 

歌謡界のプリンス

夏川圭一

 

太平産業社長令嬢

明石美千代と

結婚へ!?

 

悔しくて圭次と死のうと思ったくに子だったが、海を見て落ち着き、あなたに何かを求めてはいけないのだと思った。くに子は「パパ、結婚するんだって」と圭次に呼びかけた。マネージャーは”結婚”と書かれた記事に抗議したが、別のネタを書かれては困るとやんわりとした注意にとどめた。

 

くに子は化粧も派手になり、生活がすさんでいった。

 

圭一は函館で映画撮影していた。撮影が終わった途端、女性に囲まれる。くに子も見に行っていた! 家に帰り、トヨにどうせ私のことなんか忘れてると愚痴をこぼしながら、タバコを吸おうとしていると、トヨからそのライターみせたらどうなの?と言われる。赤ちゃんの前でタバコを吸うな!

 

春子から店にくに子が来ていると聞かされたくに子はいそいそと化粧していたが、やっぱり行くのやめるとトヨに言うが、トヨは早く支度しなさいとせかし、ライターを持たせた。

 

店に行くとメモを渡されたくに子。

 

湯ノ浜ホテル 302号室

 

春子が圭一をここまで苦労して引っ張ってきたと言って、くに子と入れ違いに帰った。圭一はシャワー中。風呂から出てきた圭一はサヨという女性と電話していた。田園調布より青山のマンションのほうがいい。

 

くに子の顔を見た圭一は開口一番「風呂は?」。全くくに子を覚えていない様子。くに子は女性が身投げしたという立待岬の話をし、火、持ってる?と聞かれて、ライターを差し出した。

 

しかし、圭一は、どこかで会った?と勘づく!? しかし、本気の恋はご法度、スターは孤独なものだと語り、くに子を押し倒し、キスをした。くに子は、ほかの人なんて忘れて、抱いて…と迫る。

 

寝ている圭一を置いて、部屋を出たくに子。新しい思い出が増えたと喜ぶ。

 

マネージャーが歌の仕事を持ってきたが、圭一は嫌がる。圭一はマネージャーが新人に乗り換えようとしていることも知っていた。

 

マネージャーは工場で働いていた戦災孤児をスターにしたのは俺だと豪語する。喉で魅了してきたわけじゃなく、歌い終わりの笑顔がよかっただけ。マネージャーは車に残していた新人歌手を連れて帰った。

 

荒れた圭一は車に乗り、男性を轢いた。すぐ電話ボックスから電話をかけ、場所は駒沢通りの…まで伝えて、公衆電話を飛び出して、マネージャーの元へ行った。マネージャーは俺の言うとおりにしろとマンションに帰した。

 

マネージャーは男性のケガは軽いがナンバーは覚えていると話し、自分がひいたことにすると言って電話を切った。夏川圭一のマネージャーが人をひいたと記事になったが、すぐ圭一のしたことだとバレ、人気が凋落した。

 

くに子は上京してなぐさめることを決意した。春子も一緒に行くと言っていると、圭次が壊れた手すりに触って、転落していた。圭次ー!

 

圭一は一緒に住んでいるサヨを振り切って、札幌行きの飛行機に乗った。夜に到着した圭一だったが、函館行きの電車もなく、雪なのでタクシーも断られ、待合室で寝ていた。

 

ようやく朝一の列車に乗った圭一は大沼公園前を通りかかったところでくに子を思い出した。

 

函館に到着した圭一は病院へ。子供は昨夜亡くなり、今日お葬式! 

 

あんたとここに入っていたい!とお墓の前で泣き崩れるくに子。

 

くに子を訪ねた圭一だったが、くに子はおらず、トヨが応対した。帰ってきた春子は圭一を責め、帰るように言う。圭一は立待岬に行ったのでは?と思うが、春子は大沼公園かもしれないとそれぞれ捜しに出た。

 

立待岬で倒れた圭一。

 

春子は蒸気機関車の前に立つくに子を見つけて手で顔を覆う! しかし、くに子は無事だった。

 

くに子が「夏川さーん」と呼んでいる。一度、立ち上がった圭一は倒れ、くに子に発見された。くに子が圭一を抱きしめた。

 

流れる曲は「愛のフィナーレ」

愛のフィナーレ

愛のフィナーレ

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菅原洋一さんが1970年に歌ってヒットさせたというけど、この映画で歌っていたのはミルバというイタリア人女性歌手。いちばん最初に歌ったオリジナル歌手は、ザ・ピーナッツ!? 1968年2月に発売された「恋のオフェリア」のB面。

愛のフィナーレ

愛のフィナーレ

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「愛のフィナーレ」が流れ、函館の街の空撮で終わり。

 

愛の物語というより、芸能界の闇を感じた。夏川圭一はたった4年で売れっ子から落ち目へ。各地に女が用意してあるってのも…

 

それと好みの問題だけど、悲しい物語の演出に動物と子供を殺す人大嫌い!