1967年 日本
あらすじ
松山善三によるオリジナル脚本を、名匠・豊田四郎が監督した純愛物語。岡崎宏三カメラマンによる迫力溢れるシークエンスなど、メロドラマの枠に留まらず、見所も多彩な1本に仕上がっている。トラック運転手の肇(北大路欣也)は、同僚の妹の見舞いに行ったついでに自身も受診し、看護婦の奈美(星由里子)に好意を抱くが、後日に不意の事故を起こした際に、自らの病名を知って愕然とする。いしだあゆみ扮する寝たきりの娘と、その兄役・田中邦衛との兄弟愛も描かれる。

2025.3.1 日本映画専門チャンネル録画。映画の前に2024年3月に行われた北大路欣也さんのインタビュー付き。当時24歳。星由里子さん、田中邦衛さんは若大将シリーズで忙しい時期だった。
東宝株式会社 配給
東京映画作品
トラックが会社に戻ってきて、肇と勇次郎が水道で頭を洗う。
普通?の食堂なのに店員さんをベタベタ触る肇と勇次郎。「売春はいけませんよ」「恋愛ですよ」って会話があるけど、どういう店なの、ホント。
製作:佐藤一郎
椎野英之
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脚本:松山善三
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音楽:佐藤勝
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五所川肇:北大路欣也…字幕黄色
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浮田奈美:星由里子
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医師・岩倉秀:平幹二朗
妹・美子:いしだあゆみ
服部勇次郎:田中邦衛
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療養所長:浜田寅彦
看護婦長:中村たつ
取調官:福田豊土
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母・久枝:都家かつ江
関口銀三
新聞記者A:山本清
ルミ:岩倉高子
槙繁:上田忠好
集配所長:若宮忠三郎
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前島幹雄
伊藤正博
本屋の店員:小澤直平
ユリ:玉井碧
西川宏
田中一
中里賢二郎
須永康夫
新聞記者B:加村赳雄
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監督:豊田四郎
キャストの西川宏って「おやじ太鼓」の洋二!?
肇が運転し、助手席に勇次郎がトラックを運転していると、さっきの食堂の店員・ルミとユリが歩いていて、すぐ帰ってくるからよ!と勇次郎が手を振る。車中で肇は最近歯茎からよく血が出ると話している。
勇次郎が病院を見舞うと、妹の美子が歓迎する。看護師が勇次郎を呼び、肇は美人の看護師・奈美を見て驚く。岩倉先生に美子の病状を聞いた勇次郎は美子の病状が悪くなっているようだと話す。生きる意志が感じられない。勇次郎は友達も診てほしいと肇が急遽診察を受けることになり、検尿、採血もすることになった。
今度は勇次郎が運転を代わり、先ほどの診察の時のビビりぶりを笑う。
診察室
岩倉は、絶対本人に知らせたくない病気だと奈美に語る。
今日は給料日。肇は残業が多く、体壊すぞと心配される。勇次郎は前借りばかりでほとんど残らない。
勇次郎が帰宅し、母は早番で今から仕事で勇次郎は母親らしいことしてやれと責める。
病院
奈美は美子に本を読んでいた。美子は一生恋なんてできないと奈美に語る。美子は兄ちゃんのお嫁さんになりたいくらい好きだと言う。兄ちゃんに毎日手紙を書いていると聞いた奈美は、いっぺん病院へ来るように書いてくれない?と頼んだ。勇次郎目当てかと思い、美子はムッとした。
勇次郎のもとに届いた手紙には美子がお兄ちゃんのお友達のことを看護婦さんが好きになったと書かれていた。喜ぶ肇。
病院へ行った肇は、また採血された。生まれは礼文島。戦時中も礼文島にいて、広島には行ったことがない。奈美は実習中で不在だった。
病院
肇は広島でも長崎でもない礼文島出身だが、白血病の疑いがある。新発見かもしれないとワクワクしている!?所長と岩倉。余命1年!?
しかし、この時代、白血病と言えば広島、長崎出身か?と言われてたとは…。
肇は勇次郎と同居してる?その家に奈美が来た。「上がれよ。遊びに来たんだろう?」と上半身裸でキリッとした顔で話しかける肇。奈美は話があると外へ連れ出し、岩倉先生の手紙読んだ?と聞くと、先生の使いか、とガッカリ。
奈美は私にはよく分からないけど肝臓がよくないと検査を勧めるが、肇は人をモルモットみたいに扱いやがってと聞く耳持たない。吐いた唾に血が混じっているのを目撃した奈美。肇は遊びに行こうと誘い、ボーリングに行った。
奈美は病院行ってよとしつこく言うが、駅の改札で奈美の頬にキスをして去ってしまった。ホームにたたずむ奈美だったが、もう一度、肇の家に行き、重労働だからトラックの運転手は辞めたほうがいいと勧めた。
新潟行きのトラックに奈美も乗り、出発した。
車中で「お座敷小唄」を歌う3人。
途中、海へ寄った肇たち。肇は井戸の水を汲むときにめまいを起こし、井戸に落ちてしまった。漁師が気付き、協力して引き上げた。
その後も肇が運転を続け、奈美は病人だから勇次郎に運転を代わるように言っていると、まためまいを起こし、鶏小屋に突っ込んだ。死んだ鶏…ウッ!
警察に行った3人は警官に事情を聞かれた。1人1人事情を聞かれたとき、奈美は警官に運転していた肇は大変な病気だと話したが、警官は信じず、奈美は柏崎の療養所で働く者だと言い、警官が確認のため、岩崎医師と電話した。
デリカシーのない警官は大きな声で「え!? 白血病」と復唱し、肇にもバレてしまった。変なバレ方! ショックを受けた肇は東京の大きな病院へ行き、どれくらい生きられるか聞いた。
お! 次に行った町医者が三島雅夫さんだー! 私のような町医者ではどうにもできない。行くのなら広島の原爆病院だねとアドバイスする。
本屋で広島の原爆写真集を見ている肇。
療養所
私のしたことはいけなかったんでしょうか?と聞く奈美。所長は医学は進歩する。奇跡を信じていていいと話す。
肇が帰ると、奈美がいた。どうせ俺は死ぬんだよと奈美に襲いかかる。馬乗りになって何度も何度も奈美をビンタし、ぐったりしたので焦る。バカか!
奈美は私と会わなければ事故に遭わずに済んだと謝りに来たのだという。
16歳のときに焼津の親戚の家に行った肇はビキニ島にマグロを獲りに行っていたと話す。大きな船ではなく、小さな舟。どうして早く言ってくれなかったの?と奈美が言うが、どうせ俺は死ぬんだよと家を飛び出した。
トラックを飛ばして自損事故を起こした肇はクビになり、退職金から事故を起こした金を引かれ、奈美や勇次郎が引き止めるのも聞かず、どこかへ行ってしまった。
パチンコ屋に入った肇だが、奈美がいた。肇が逃げ出し、奈美は玉を集めて景品に変えて肇を探す。肇のほうが折れ、奈美のもとに来て、2人で浜辺へ行った。肇は網を引いていた漁師を手伝おうと服を脱ぐ。私帰りますと奈美は怒ってしまったが、隠れていた奈美が肇を待っていた。いい感じになってるけど、あんなに殴られていい顔できない。
勇次郎がスイカを持って美子を見舞った。美子はここにいた人が好きと言い、恋がしたいと泣くので、勇次郎が廊下に出るとナースステーションでからかってやったと話す男がいたので、ビンタした。酷いヤツ。笑って聞いてる看護師もなんだかな。
肇が療養所の廊下を歩いていると、いきなり写真を撮られた。北陸新聞や越後新報の記者たちが待ち構え、水爆実験の犠牲者として広島の子供たちに…と取材しようとしていた。バラしたのは岩倉。本人には伝えたくない病気ってわりにバラしたらもう何でもアリか!?
道路の真ん中をフラフラ歩き、ドライバーに怒鳴られる肇。勇次郎がトラックに乗せると、白衣の奈美も乗っていた。肇は奈美の太ももに突っ伏し、奈美の白衣は赤く染まった。
目をつむったってめくらの気持ちは分からない。これ、何回も言うね。
奈美は田舎に許婚がいるが、肇が好きだと岩倉に話す。これから父に事情を話すとナースキャップを脱ぐ奈美。
肇は奈美を捜して療養所をウロウロ。美子は奈美は田舎に許婚がいて、もう田舎には帰ってこない、奈美ちゃんのおもちゃにされたのよと笑う。
療養所を出た肇は勇次郎のトラックに乗って駅へ。
汽車を追いかけ、トラックを飛ばす肇。え、運転大丈夫!? 汽車と並走しながら、クラクションを鳴らし、奈美ちゃん!と叫ぶ。奈美はデッキに立っていて、トラックに気づき、危ないわよ!と叫び、次の駅で降りるという。
次の駅で降りた奈美が肇のトラックへ向かうと、肇は運転席に突っ伏してぐったりしていた。その後、奈美は肇と奈美の母の墓参りに行った。肇は田舎を捨てたので墓がないと嘆く。奈美の父は満州から引き揚げ、開拓農家になった。奈美は母の書いた育児日記を大事に取っていて肇に読んで聞かせた。
俺には、いい親父もおふくろもいなかったとすねる肇。奈美は母が書いた「誰かが私を必要としてくれている限り、私は人間として生きる価値がある」という文章を肇に聞かせた。誰が必要としてるもんか!という肇に私がいるわ!と何度も言う奈美。
療養所を訪れた奈美の父は、いきなり奈美をビンタした。宮口精二さんか。案外小柄だな。美子が密告手紙を出していた。死んだように生きる50年より生きた1年を取るという奈美。
肇は工事現場で働き始めた。
奈美は美子の病室で食事介助をしていると、手紙出したの私よ、怒らないの?と挑発する。奈美は知られてさっぱりしたというと私ばかり邪魔にされて!と美子が泣き出す。
診察を受けた肇は身体を動かせるうちは十分生きたと思いたいと岩倉に話した。
俺の作った道をトラックが走るという肇の自作ポエムを呼んだ奈美がからかう。病室でイチャイチャすんな。
肇の働く現場を勇次郎が通りかかった。今日は勇次郎の母も乗っていて、これから美子を見舞うのだという。
療養所
勇次郎たちが到着すると美子が病室におらず、奈美が捜す。
美子は薬品庫に入り込み、死んでいた。え!
奈美は肇が心配になり、現場へ。肇は詩ができたぞ!と叫び、「俺の作った道をトラックが行く。俺の…」と言いかけて倒れた。
病院で輸血?される肇は手も足も痛いと苦しんでいる。肇の隣のベッドに寝かされた奈美は輸血してる? 「赤い疑惑」みたいだな!
俺の作った道をトラックが行く
俺の作った道を人が歩いていく
俺の作った道に俺の汗が落ちている
俺の作った道に俺の汗が落ちている
目を覚ました肇は奈美を呼ぶ。いつ死んでも心残りはないという肇を奈美は死んじゃダメと励ます。俺が死んだら体を解剖して、どこが腐っているか穴が開いていたか見せてやってほしい。新部記者呼んで好きに写真を撮らせてほしい、骨は千曲川に流してほしいと頼んだ。君を見て死にたいと言われた奈美は裸になって肇の前に立つ。もちろん後ろ姿と肩から上だよ。人魚のようだという肇。
この辺の肇のセリフ、ささやくようなセリフだから絶対字幕なきゃ聞き取れない。ビキニは美しい島だったと語り、死んだ。
奈美は所長から白血病の貴重な資料である肇の報告書を持って広島へ。これから広島で働く。岩倉から遺骨を受け取り、遺言通り千曲川に流した。(終)
この映画に登場する
人物の劇的環境は
すべて作者の創作で
あります
製作者
冒頭からは考えられない展開だった…死ぬ間際の男が君を見ていたいと言って看護師が脱ぐ展開、あるあるじゃない? この映画じゃなくても、なんか既視感あった。正直言うと…醒める展開。これ、感動のシーンなのかね。
三島雅夫さんは分かったけど、西川宏さんは分かんなかったな。トラック運転手仲間か工事現場仲間あたりかな~?
