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【ネタバレ】俄-浪華遊侠伝- #8

TBS 1970年9月3日

 

あらすじ

万吉(林隆三)の子分四人が、大阪に潜入した七人の浪士に切り殺された。万吉はカタキを討つことを誓い、逃げる一味の行方を追った。

2025.2.27 時代劇専門チャンネル録画

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作監修:木下恵介

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原作:司馬遼太郎

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脚本:山田太一

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音楽:木下忠司

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万吉:林隆三…字幕黄色

小左門(こさもん)(ナレーション):藤村志保…字幕水色

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安岡:橋本功

軽口屋:樋浦勉

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御用盗山金:田口計

帯権(おびごん):東野孝彦

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目明し:髙桐真

女中:園佳也子

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小春:大谷直子

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根っこ松:上田忠好

仙五郎:鮎川浩

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番頭:直木みつを

御用盗:杉浦真三雄

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番頭:佐野哲也

御用盗:望月通治

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エースプロ

あらくれ

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プロデューサー:飯島敏宏

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技闘:大沢慎吾

イラスト:沼田彩

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演出:鈴木利正

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制作:木下恵介プロダクション

   TBS

 

小左門<播州(ばんしゅう)一柳(ひとつやなぎ)藩の手助けとして、やくざ200人、西大坂の警備に当たって数か月。藩のご体裁から侍姿に身を変えたとはいえ、腕が立つ者は少なく、ひそかに大坂へ潜入した老臣、万吉の子方4人が斬り殺されたのでございました>

 

番所に万吉が戻ってきた。一晩中、駆けずり回ったが見つけることができなかった。人を殺した奴らだから、追われていると分かったら、次の罪を急ぐはず、きっと押し込みをするはず、と万吉は思っていた。

 

大きな樽に入れられた役者松、白雲(しらくも)、寛太、津軽の4人に「敵(かたき)も取れんで夜が明けたわ。せやけどな、敵は取ってやる。必ず討つで!」と万吉が語りかけた。

 

帯権によると浪士は7人。

 

万吉「いずれ俄(にわか)浪士や。尊皇や攘夷やら抜かして…金だけが目的の奴らや。俄侍や! 今夜やらなんだら、きっとあしたの夜、押し込みをはたらくはずや! そこや!そこを押さえて今夜は逃がさん!」

 

手下が駆け込み、北船場の近江屋忠兵衛方の番頭1人、若い女子1人がたたき切られたと報告した。手下たちが駆けつけたときには木戸を破って逃げたあとだった。

 

万吉は軽口屋を呼び、3番隊と出かけた。

 

現場に駆け付けると、むしろをかけられた遺体が運ばれていった。目明しが同心の渡辺さまのご用を務める者だと話しかけてきた。吉松と名乗り、逃がしてしまったことを恥じ入った。

 

攘夷の御用金と言って、千両箱2つ盗られた。軽口屋は黙って持っていかせれば無駄に死ぬこともなかっただろうと言い、目明しも番頭は常日頃そう言っていたが、抜き身を突きつけられて気が動転したのか物狂いしたように叫びだして一緒に泣き出した小守と一太刀で斬られたと話した。

 

天満の道筋、八軒家(はっけんや)も走らせたが、船宿には、それらしき者がいない。

 

万吉は西国(さいごく)だと推察した。2000両を手にして大阪にはいないだろう。目明しは逃げる口は西宮に限らず、河内、大和、和泉といくつもあると言うが、御用盗は「勤王の志士」と言えば長州ならかくまってくれると万吉は言う。軽口屋に20人連れて西宮の番所へ行くように指示し、国を出られたらしまいだと、万吉が駕籠に乗って、一足先に長州へ向かうことにした。宿は坂東屋、子方集めたらやって来い。

 

万吉「6人殺した悪党…明石屋万吉、むざむざ逃がしてたまりますかいな!」

 

<摂津、西宮までの5里の道を万吉はひた走りに走らせました。自分が欠けては着いてからの働きが鈍る。足達者の駕籠かきに命じ、3つの川は、しぶきを上げて飛び込み、「死ぬ気で走れ」と容赦なくどなって、真昼には早や西宮でございました>

 

御旅籠坂東屋

2階の窓から外を見張る万吉。軽口屋が到着し、万吉はそれらしい者はいないと報告した。今も見張りを続けているが、たくさん人が通るだけ。軽口屋も親方の言うとおり、長州へ高飛びするだろうから、きっとこの道を通るだろうと同調する。子方20人は番所に詰めていて、いつでも飛び出せる。

 

しまいの船が出るまで見張る万吉。何かあったら使いを出すから、それまで番所にいろと命じた。出て行こうとする軽口屋に「そないものものしい顔すんな! どこで見てるか分からん」と注意すると、笑顔を見せて去っていった。

 

暗くなり、坂東屋の提灯にも明かりがついた。

 

小春という女性が部屋の外から万吉にご膳どうするか、明かりをつけるか聞いた。万吉は今日は、しまいだと窓から離れた。小春がしゃべると、ええ声だと褒める万吉。提灯の灯りが入り、小春の顔が見えるとドキッ。

 

「今日、わいについててくれるか」と頼んだ。「へい…そら、おおきに」と頭を下げて出て行こうとする小春を呼び止め、小春の情報を聞き出す。生まれは有馬、年は17。ここへきて半年。

 

万吉「お前みたいな女がなんと荒い稼業に入ったことかい」

小春「へい、運命(さだめ)だすさかい」

 

話が済んで、ご飯を持ってくるように言う万吉。小春が出て行くとニンマリ。

 

食事の席でも脇に着く小春は、人を捜しているのか聞いた。万吉は人を斬った天朝方の浪人だと答え、ニセモノの俄侍だと笑う。小春は人殺しの他に女の人も捜しているだろうと聞く。「旦はん、さっき、あての顔見てびっくりしはった」。今も何べんも小春の顔を見ているので、捜しているお方がどこか似ているのだろうと思っていた。

 

万吉は確かにお前を見てびっくりしたと話す。お前みたいなすがすがしい顔した女が半年も男相手の荒い稼業してるというのが信じられない。小春は嫌というほど本当のことだと言う。この半年、夜とぎの男は数えきれない。悪いこと言ったと謝る万吉は名前を聞き、小春をいい名前だと褒めた。

 

万吉「小春、わいの嫁はんならんか?」

小春「えっ?」

万吉「どや?」

小春「『どや』って…今、旦はん、何て言いはりました?」

万吉「『嫁はん』や。『わいの嫁はんならんか』言うたんや」

 

小春「あてが…だすか?」

万吉「そや」

小春「そんな…そんなひどい冗談、むごうおます」

万吉「冗談やないぞ」

泣き出す小春。

万吉「いや…急は急やが…ンン…わいは、そんな性質(たち)なんや。ほんまや。いやいや、小春、わいは冗談で言うたんやないぞ。いや、ほんまや。わいは心からそう思うて言うたんや。小春、信じてくれ」

 

軽口屋が外から呼びかけ、部屋に入って来た。泣いてる小春を気にしていると、万吉は「小春なら大丈夫や。なに聞かれてもかまへん」と言い、報告を始めた。西宮の番所ががたついてきたと言う。

 

与力の堀さまががたがたしている。西宮の番所には与力が1人、同心が3人、手先が何人かいるだけで7人の御用盗相手にはとても戦えないと言っている。万吉たちの手下が22人もいると言っても、素人の言いぐさで捕り方は相手の人数の5倍は要る、曲者が1人なら5人、10人なら50人。もし、御用盗が現れたら、この人数では立ち向かえない。

 

万吉はそんなことは言わせといたらいい。侍はそんなもの。根性のないもんだと怒る。「先祖のくれた禄を食(は)んで、ただ平穏に暮らしたい奴ばっかりやがな! 放っといたらよろしい。敵はわいらが討ったる!」

 

話が済むと、小春と話してる最中だと軽口屋に「早よ行け」と追い出しにかかった。軽口屋は大事なときに女といちゃいちゃしている万吉を心配するが、「役者松の敵は必ず討ったる!」と万吉が言うので、仕方なく部屋を出て行った。

 

小春も部屋を出ようとしたが、万吉が引き止めた。「わいは本気や。敵討つのも本気なら、お前を嫁はんにしたいいう気持ち、これ、噓やない。一緒に持ち上がってしもうたんやから、これはしょうがないやんけ。両方とも本気や」と気持ちを伝えた。

 

小春は部屋を出て行った。

 

万吉は外に向かって「敵は討ったる。小春を嫁はんにしたる。両方ともやったる! なんや! あほんだらが!」と大きな独り言を言う。

 

<翌日の昼を過ぎても御用盗らしい浪人たちはめにつきませんでした。万吉は心から乱れておりました。見落としたのではないか。自分は小春に心が向いて浪士たちを見落としたのではないか。俺としたことがなんということや。なぜ、ゆうべ会ったばかりの女郎にこれほど…>

 

小春は飯盛女ってやつか。給仕もするし、夜の相手もする。

 

イライラした万吉は番頭を呼び、酒を頼み、小春に持ってこさせるように言った。外を見ると、浪人風の男が3人歩いていた。軽口屋もそばに来て「何かにおいます」という。根っこの松がつけている。刀がよすぎるし、装束も浪人にしてはよすぎる。万吉は刀を持ち、後を追った。

 

十文字屋という宿に入っていった浪人たち。案内している女中が園佳也子さん。

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橋本功さんと園佳也子さんは「顔で笑って」では姉弟だね。

 

夜、外は風が強い。軽口屋が万吉と酒を飲みながら、この分だとあしたの船もあきまへんなと話している。早く尻尾をつかみたい万吉。船が出たら、行き先は長州、三田尻で手も足も出ない。奴らがまだ曲者と決まったわけではないと万吉が言うが、軽口屋は十中八九そうだと思っている。近江屋の連中が言っていた人相と若い色の白い男がぴったり。踏み込んで人違いだとすまないから早く尻尾をつかみたい。

 

根っこ松が来て、たった今、2人が部屋に入り、人数がそろったと報告した。番頭もくさいことはくさいと言っている。「石州(せきしゅう)の浪人」と宿帳に書いていた。石州は訛りが少なく、国を偽る客は、よく「石州」と書く。金遣いは渋く、酒も飲まないので悪党らしくはない。

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石州は石見国の別称。

 

万吉は根っこ松に休むように言うが、長州なら陸路もあるから一晩中、見張ると言う。万吉は陸路は10藩近い境を越えなければならないため、船で行くと断言。根っこの松は十文字屋に宿を借りると言って出て行った。上田忠好さん、役づくりなのか顔色が悪いな~。

 

軽口屋は7人そろったのなら十中の十、間違いないと万吉に言うと、万吉は軽口屋にも番所に戻って休むように言う。

 

夜、万吉の布団のそばに小春が座っていた。

 

万吉「ゆうべ言うたこと、返事は、どや?」

小春「へい…」

万吉「わいをあほと思うか?」

小春「いえ、そないなこと」

万吉「ほんなら、わいの嫁はんなるか?」

 

小春「そんなことより御用盗は見つかったんだすか?」

万吉「うん。明日には目鼻がつく」

小春「そら、よろしゅうおましたな」

 

万吉「小春」

小春「へい」

万吉「わいが嫌いか?」

小春「せやけど…なんで、あてのような者を?」

万吉「訳がいるか? 思慮分別で嫁がもらえるか? わいはな、ゆうべ、お前を見たとき、が~んと心が決まったんや。嫁はんや、わいの嫁はんやと決めたんや。どや?」

 

小春「旦はん、何していはるお人ですか?」

万吉「なに…ンン…やくざや」

小春「はぁ?」

万吉「いや…その…今は侍や」

小春「はぁ…」

万吉「いや、今、訳あってな、播州の一柳藩の物頭(ものがしら)や。小林佐兵衛いうねん」

小春「へい…」

万吉「いや…分からんかいな」

小春「へい…」

万吉「いや、ただのやくざや、極道や」

 

小春「あて…たんとお客はん見てますけど、旦はんみたいな、おかしなお客はん、初めてだす」

万吉「うん、そら、そうやろうな」

小春「お侍が来られたかと思うと、町人の旦はんにぺこぺこしはるし、『親方』言わはるし、なんや、さっぱり分かりまへん」

万吉「分からんと、あかんか?」

小春「えっ?」

万吉「分からんと嫁はんになってもらえんか?」

小春「そやないけど…」

 

万吉は布団にあおむけになって腕組みしたが、布団をめくって「ここへ来い」と呼んだ。小春は恥ずかしがる。「おかしゅうおますな。女郎がこないなんの。見苦しゅうおますな」。なおも小春と呼びかける万吉の胸に飛び込んだ小春。万吉が覆いかぶさり、提灯の灯りにピントが当たる…

 

十文字屋

またしても風が強く、浪人たちは部屋にこもってイライラ。

 

武藤「ちきしょう! なんてときに吹きやがる」舌打ちして窓を開けて外を見る。「もうひと足というときに風が吹くことはないんだ!」

仙五郎「何度も言うな!」

 

イライラをぶつける武藤に「俺は愚痴が嫌いだ!」という仙五郎。山金(やまきん)が仲裁し、安岡を酒に誘うが、安岡は断った。

 

武藤、山金はちょんまげで仙五郎、安岡は浪人で髪が伸びてる。

 

安岡「ただでさえ気が立っておる。飲まんでも口論が起きる! 飲んだら終わりだ」

 

「ほなら、女は、どや?」と聞く山金に「いいかげんにしろ!」と安岡が一喝。山金と武藤って同じようなガッチリした顔でちょんまげで見分けがつかない。字幕があって助かった。

 

山金「なあ、武藤。万事は周防、三田尻や。三田尻へ着いたら、何かて思いのままや。底抜けに騒いだらよろしい。何しろ、2000両やからな」

 

武藤は山金の指導者面が気に食わないと言う。「安岡とぐるになって、俺たちを操ってるつもりでいやがる」

山金「そうでもせな、おぬしら、とっくに縄付きや!」

 

番頭が入ってきて、風のせいで船場所のお客様が混雑する一方で、お一人だけ相宿をお願いしたいと頼んだ。即座に断る山金。「この上、1人にせよ増えるのは迷惑千万」

 

それでもなんとかお1人だけお願いしたいと食い下がる番頭に安岡が「かまわん。入ってもらえ」と許可を出した。「困ってるときは相見互いじゃ。相宿、かまわん」

 

番頭はお礼を言って出て行った。安岡は他人がいたほうがいい、仲間だけだとわがままが出るし、あまりきつく断れば、かえって不審も招くと言う。山金は気づかれずにいるのは難儀だと心配するが、安岡は気が緩まなくて、そのほうがいいと言う。

 

山金「やむをえん…気づきおったら殺すまでじゃ」

 

女中が屏風を立て、万吉が入って来た。「失礼ではございますが、相宿、御(おん)願い奉ります」と丁寧に頭を下げた。遠慮なくくつろいでくれとにらみつけながら言う安岡。屏風の陰に隠れた万吉。屏風っていっても割と小さくて、座った人が隠れるくらいの高さ。

 

<日の暮れ前にとうとう風が絶えました>

 

女中が忙しく食事を運んでいる。

 

<それが曲者たちに気力を与えたのか、一向に尻尾を出さず、思い切って探りに来た万吉も、ただいらいらと時を過ごすばかりでございました>

 

屏風に隠れることなく、食事と共に酒を飲む万吉は女中にもう1本頼むと声をかけた。「ハハッ…すんまへんなぁ。皆さん、おやりにならんのに」

山金「なぁに。気にせんと飲むがいい」

万吉「へい。せやけど、なんだすなぁ、お堅いことで。ヘヘッ…いやぁ、これだけのお武家さまがおそろいで晩酌もおやりになさらんとは『お見事』言いたいぐらいで」

山金「いぶかしいか? いや、妙に思うか?」

万吉「いやいや、そないなわけやおまへんけど…」

 

山金「いや、妙に思うのも無理はないが、我ら故あって酒を断っておる」

万吉「はぁ…さようで」

山金「志を同じゅうする者、大願成就までやと酒を断つことを誓い合(お)うたのじゃ」

万吉「さようでございますか。いやぁ、わいらにはとっても真似のでけんこって」

山金「フフフフッ…まあ、これも修行のひとつや。目の前にお前の酒を見ながら飯を食うのも、またよい柄じゃ」

万吉「ヘヘッ…こら、どうも」

 

万吉は2~3本やらないとよく眠れない性質だと言うと、山金はお前の金でお前が飲むのだから、何本でもやれと笑顔を向ける。武藤は万吉に何者だと尋ねた。万吉は大坂の渡世人と答えた。武藤はこのご時世に博打を打って暮らしているとは了見のよくない男と言い、行き先を尋ねた。

 

讃岐の金毘羅さんで家内安全、無病息災を祈ると万吉が答えると、不心得な男と声を荒げる。「今、夷狄(いてき)が軍艦を並べて攻めてこようというのに家内安全、無病息災? 何事だ!」

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山金「武藤、いいではないか。町人の考えはそのぐらいのもんじゃ」

 

武藤「いや!」ひとの言うことに口を出すなと山金に言い、万吉の前に座り、1杯つげと命じた。周りを気にする万吉だったが、武藤は万吉の杯で1杯飲んだ。「金毘羅行ったら、攘夷ご成就ぐらいは祈ってくるもんだ!」

万吉「へい…まったくだすなぁ。その…御用盗の出る物騒な世の中だすさかいな」

 

万吉は更に酒を勧めるが、武藤は雁首揃えて酒を断ってるわけじゃないと言い、山金に向かって、人にあれこれ言われるのは大っ嫌いじゃ! すぐ人を抜け作扱いしおって。人をちっとも信用せん男は大っ嫌いじゃい!と自分のいた場所に戻った。

 

雰囲気の悪くなった部屋で安岡は「そろそろ寝るか」を声を出した。

 

女中が万吉に酒を持ってきて、酌をした。安岡は床を取るよう女中に言う。「明日じゃ」と顔を見合わせて笑い出す山金と安岡をじっと見つめる万吉。

 

<ほぼ間違いがない。勘では、そう思いながら、証拠は何ひとつつかめず、とうとう明かりを消す時刻。こうなればしかたがない。とにかく船に乗られたら、しまいのこと。体を張ってでも今夜のうちになんとか…>

 

万吉はそっと起きて、安岡にお願いがあると起こした。訳あって人を捜しておりますが、ご義侠心にすがりとうございますと頼んだ。安岡を廊下へ連れ出すと、山金もついてきた。

 

万吉「ケッ…もう下手な芝居はやめや!」

安岡「なんだと?」

 

万吉は一柳家、小林佐兵衛と素性を明かした。「公儀のご命令により尻無川の番所を預かる者だ。言うてみれば京の新選組に似たもんや。近江屋忠兵衛方に押し入り、金を盗み、人を殺めたのは、うぬらと見た!」

安岡「証拠があるか!?」

万吉「ない! ないさかい、こうやって聞いとる。武士に証拠は要るまい!」

山金「妙な奴だ。言いがかりをつけてこれで済むと思うか!?」

万吉「いいから番所へ来い」

安岡「こいつ…罪のない我々がなぜ不浄役所へまいらねばならん。言いがかりの無礼は許さんぞ!」

万吉「フン…どないするんじゃい?」

山金「斬ってやる!」

止める安岡。「つまらんいざこざで出立が遅れるのは、まずい」

万吉「ばれるからやな? うん? 御用盗がばれるからやな?」

 

山金も安岡も刀を抜いた。万吉は大きな声で「御用盗だ」と何度も叫んだ。女中たちが悲鳴を上げる。根っこ松に軽口屋に知らせるように言うが、万吉の前には浪人たちが迫る。

 

<合図をすれば、たちまち捕り手が駆けつける手はずでございました。それまで…それまでの時をとにかく1人で持ちこたえれば…と、万吉は7人を相手に1歩も引かぬ気構え。ところが表では思いもかけぬことが起こっていたのでございます>

 

あっ、終わった。

 

予告ナレーションなしで「次回をお楽しみに…」というテロップだけ。ひそかに次回予告ナレーションを楽しみにしてるのに~。

 

急に嫁はんも見つかるもんだすな。