1959年 日本
あらすじ
巨匠・小津安二郎監督が、旅回りの一座と座長をめぐる、さまざまな人間関係をユーモアとペーソスを交えて描く傑作。1934年のサイレントの自作「浮草物語」をリメークし、溝口健二、黒澤明はじめ名監督の数々の傑作を手がけた名カメラマン・宮川一夫と組んだ唯一の作品で、鮮やかな色彩や激しく降る雨など、小津監督のカラー映像の演出が印象的。中村鴈治郎、京マチ子、若尾文子、杉村春子はじめ名優たちの演技も見どころ。
2025.1.13 NHK BSP4K録画。昨年8月末に4K対応のSTBにしたのになかなか4Kだけのドラマの再放送や映画を見つけることができず、ようやく見つけた。どこにいつも書いてあるんだ!?
この日、宮崎県で地震があり、画面上部に津波情報、右下にまあまあ大きく地図が出ている状態でした。BSはあんまりこういうの入らないと思ってた。キャストクレジットの字が一部読み取れない状態でした。もうちょっと場所を…
宮島正弘撮影監督の監修及び、
東京国立近代美術館フィルムセンターによる技術的助言の下、
株式会社IMAGICAにおいて復元を行いました。
昭和三十四年度
芸術祭参加作品
大映株式会社製作
製作:永田雅一
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企画:松山英夫
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脚本:野田高梧
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音楽:斉藤高順
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舞踏振付:花柳寿恵幸
舞台指導:上田吉二郎
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嵐駒十郎:中村鴈治郎…字幕黄色
すみ子:京マチ子…字幕水色
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加代:若尾文子…字幕緑
本間清:川口浩
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清の母お芳:杉村春子
小川軒のあい子:野添ひとみ
相生座の旦那:笠智衆
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吉之助:三井弘次(松竹)
矢太蔵:田中春男
杉山:入江洋佑
木村:星ひかる
仙太郎:潮万太郎
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座員しげ:浦辺粂子
あい子の母:高橋とよ
梅迺家のおかつ:桜むつ子(松竹)
梅迺家の八重:賀原夏子
扇升の孫正夫:島津雅彦(劇団若草)
古道具屋:菅原通済
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六三郎:花布辰男
扇升:伊達正
亀之助:中田勉
船員:三角八郎
庄吉:丸井太郎
爺さんの客:酒井三郎
船着場の係:杉田康
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小川軒の客:南方伸夫
郵便局員:志保京助
梅の家の親爺:佐々木正時
お芳の店でうどんを食う客:ジョー・オハラ
あい子の父:宮島健一
船着き場で文句をいう客:飛田喜佐夫
小屋の男徳造:丸山修
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杉森麟
長太郎:藤村善秋
松村若代
竹里光子
新宮信子
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監督:小津安二郎
港の風景。あれま、地図が出てるから字幕出ないのか…。船の待合所? のんびりとした会話。
船に乗っている人も退屈そう。女性の喫煙率がすごいわ。この人達が嵐駒十郎一座の人たちか。港に到着した一座は演奏しながら町を練り歩き、子供たちが後をついて歩く。商店でチラシを配り歩く。
座員の吉之助が立ち寄った店でキャミソール姿でウインクしてる中年女性・八重が賀原夏子さんで色っぽい感じのおかつが桜むつ子さん。「ありがとう」の第1シリーズで石坂浩二さんの母親役だったね。
理容室で客のひげをそっているのがあい子。
「顔で笑って」の玉代よりさらに若い時代の野添ひとみさん。のちに夫になった川口浩さんも出てるのね。
座員たちが宿に戻った。宿にやって来た相生座の旦那・笠智衆さん! 白髪混じりながらも若いな~。嵐駒十郎がすみ子、加代を紹介した。加代はこの間まで南京豆みたいだったのにな~と旦那が言うが、加代は南京豆が分からない。ピーナッツと説明されて笑う。
1人で町に出た駒十郎は食堂へ行き、お芳に会いに行った。10年ぶりの再会。お芳の息子・清は一昨年高校を卒業し、郵便局へアルバイトに行っている。清は父は死んでいて、駒十郎をお芳の兄と思っているが、本当は父親!? ヤクザな父ならいないほうがいいと名乗り出るつもりはない。
清が帰宅。川口浩さん、スラッとしててかっこいいね。昔なら兵役に行っていて甲種合格やと体格を褒める。2階へ上がった清に話しに行く駒十郎にいつまでいるのか聞く。好評なら半年か1年もいると答えた駒十郎だが、清が芝居を見に行くのは断る。清と釣りの約束をした駒十郎はウキウキと1階へ降り、お芳に「大きうなった、賢くなった」と笑顔を見せた。
夜、人々が集まり、芝居が始まる。国定忠治を演じるのが、すみ子。幕が降り、男たちは幕の隙間からそれぞれ目当ての女性を見ていた。あい子、おかつ。
楽屋では化粧をしながら今日の芝居について反省会。
座員たちが待ち合わせて居酒屋?へ。おかつと八重の働く店で、吉之助が仙太郎を呼び、八重を紹介すると露骨にイヤな顔をする。嫌だね~、こういうの。お前こそ自分の面を見てみろっての。
あい子の理容院へ行った座員は顔触ってみてなどセクハラ発言をするので、あい子は奥の母を呼び、母が対応した。
釣りをしている駒十郎と清。上の学校へ行きたい清だが、駒十郎は、お母ちゃんがひとりになると止める。
宿屋
すみ子が風呂から上がり、駒十郎がどこへ行ったか聞いた。座員の男が若い男と魚(うお)釣りに出かけたと話した。初めて聞いたよ、うおつり。
帰ってきた駒十郎は、ごひいきさんのぼんぼんと釣りに行ったとすみ子に話した。すみ子がやきもちをやいてると思った駒十郎は、もう若くない、分かっとるやろがと笑った。
すみ子はベテラン座員に駒十郎の事を聞いた。口少なく、しょうがない、六三郎に聞いたらええとだけ答えた。
舞台
加代と小坊主姿の子供が「南国土佐を後にして」に合わせて踊る。
楽屋
すみ子は客の入りが悪いこの土地へなぜ来たのか駒十郎を責めた。舞台袖にいた六三郎は来てますと、芝居を観に来たお芳をすみ子に教えた。楽屋に戻ったすみ子はイライラ。外は雨が降り出した。
雨の降る日、駒十郎は、お芳の家で清と将棋を指していた。川口浩さんの笑顔は川口晶さんに似てたな。すみ子が訪ねて来て1本つけてと頼み、うちの親方来てませんか?と聞いた。お芳は2階へ行き、お迎えやとだけ伝えた。
すみ子は、あんたのお父さんどういう人?と清に聞いた。駒十郎は、すみ子の手を引っ張って出て行った。特に説明しないお芳。
駒十郎は軒下で雨宿りをしながら、ばかたれとすみ子を罵った。わしの息子は、わしらとは人種が違う、くそったれ、あほと罵りまくる。
芝居を見に来るのは年寄りと子供がぽつぽつ。
楽屋
すみ子は郵便局の清に誘いをかけてと加代にお金を渡して頼んだ。しかし、加代は会ったこともない人と…と戸惑い、すみ子は、あんたの腕試しだと言う。
翌日、晴れ。波矢郵便局へ行った加代は電報用紙ちょうだいと清に話しかけた。「ソコマデキテクダサイ」と書かれた電報を「あんたあて」だと加代が言うので、清は奥にいた男性に頼んで郵便局を出た。郵便局の奥って、普通の家っぽい。
加代は今晩、芝居が終わってから芝居小屋の表まで来てと伝えて帰って行った。
夜、清は局に忘れ物をしたとお芳に伝えて出て行った。加代と会った清はキス。わお!
浜辺へ行った座員たち。親方はどこに行ってんだろうな?等々うわさ話をする。のんびりしてるなあ。
座員たちの泊まる宿屋ですみ子はまったり。
清は加代と会っていた。2人は毎日会っていたが、もうすぐお別れだと加代が言う。来年の今頃、あんたはいいお嫁さんもろてるやろねえと加代が言うと、清は否定。加代は最初はだますつもりだったと告白し、うちなんかあかんと去っていった。清は最初のきっかけなんか関係ないとまたキス。
駒十郎はお芳のもとへ来て、清を待っていた。もうすぐお別れだからなるべく顔を見ておきたいと思っている駒十郎だが、お芳は勉強しに出かけていると思っている。
芝居小屋へ戻った駒十郎は清と話している加代を目撃した。加代を呼び出し、厳しく追及し、殴りつけた。今度は腕をねじり上げ、事情を聞く駒十郎は加代にすみ子を呼んでくるように言う。
わいの息子をどうするつもりだとすみ子をビンタする駒十郎。親も親なら子も子だと笑うと駒十郎は何度も殴りつけた。
映画開始1時間過ぎてようやく地図が消えて、字幕が出た。ニュース速報も入るし、時間ずらすか別日にしてほしかったな。
八重とおかつの店に吉之助たちが来ていた。アイスキャンデーをなめるおかつだが、お金のない吉之助たちに冷たくなった。矢太蔵や仙太郎は今がドロンし時だと言うが、吉之助だけは反対する。しかし、吉之助に言われて考え直し、酒を頼んだ。
お金の計算をする駒十郎と古道具屋。金を持ち逃げたのは吉之助!? 駒十郎一座は解散。皆それぞれ堅気に戻ったり、学校へ行ったり、散り散りになる。駒十郎は一人一人にお別れを言う。
駒十郎は、お芳に事情を話しに行ったが、清は若い女の子が駒十郎の使いに来て出て行ったと聞き、慌てる。
清は学校なんかどうでもええと加代と旅館に泊まっていたが、加代は家に帰るよう何度も言う。
夜、お芳の家で清を待つ駒十郎とお芳。駒十郎は「蛙の子はやっぱり蛙や。手が早い」と清に落胆していた。貯金を下ろして駆け落ちしてたのか。帰ってくると信じているお芳は清が帰ってきたら旅に行かずにほんまのこと言うてやってと頼んだ。
清が加代と帰ってきた。加代を殴り、怒りをぶつける駒十郎は清にもビンタした。しかし、駒十郎を簡単に突き飛ばして転がす清。お芳はほんまのお父ちゃんやでと真実を伝えた。清はそうだと思っていた、おやじなんぞ欲しくないと言う。駒十郎やお芳に勝手だと怒り、出て行ってほしいと言う。加代は何も知らなんだもんでと謝った。
駒十郎は再び旅に出ることに決めた。今までどおり”伯父さん”で別れたほうがええ、立派な父親として戻ってくるとお芳に言うと、加代はうちを連れてってと頼んだ。駒十郎は、お芳に加代の世話を頼んで1人で出て行った。加代は2階へ上がり、清に駒十郎が出て行ったことを伝えた。
「伯父さんはどうした?」と聞く清に「お父さんは旅に行った」と言うお芳。追いかけようとする清にこのままでいい、清が偉くなればこのままでいいと言う。加代は泣き出し、お芳も静かに涙を流した。
港の待合室
駒十郎が入ると、すみ子がいた。駒十郎のくわえたタバコに火をつけるすみ子。駒十郎の吸っていたタバコから自らのタバコに火をつけた。「どこ行くの?」と何度も聞くすみ子に桑名の旦那に頼もうかと思っていると話すと、すみ子も一緒に行くと言う。すぐに桑名行きの切符を2枚買うすみ子。あ、駅の待合室だったの?
汽車に乗ってお酒を飲んでいる駒十郎とすみ子。夜汽車が走る。(終)
駒十郎はいつでも女が途切れないで立派な父親になることはないっていうことだろな。絶対お芳と暮らすこともないだろう。川口浩さんは今でいう塩系のあっさりしたカッコいい人だな。川口浩さんも野添ひとみさんも50代で亡くなっていたとはなあ。

