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【ネタバレ】あゝ野麦峠 新緑篇<4Kデジタルリマスター版>

1982年 日本

 

あらすじ

製糸工場の実情に迫る山本茂美のノンフィクションを映画化した、ヒット作の続篇。女工を取り巻く悲劇的な側面に主眼を置いた前作に対し、過酷な状況に疲弊しつつ、声を上げ闘う女性たちの姿も描く注目作。大正末期、信州の製糸工場で働くタケ(三原じゅん子)は、幼馴染の青年が出世のため、他工場から優秀な朝子(中井貴惠)を結婚を前提に引き抜き、失望する。不況の波に飲まれて利益を強いる工場で、成績不振の女工が自殺し、同僚らは待遇改善を求め立ち上がる。

2025.1.17 日本映画専門チャンネル録画

peachredrum.hateblo.jp

1作目がヒットしたので作られた続編。時代がちょっと違う。

 

東宝株式会社

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東宝映画作品

 

若き三原じゅん子さん演じるタケが物陰に潜む。1982年じゃ金八の後だね。

 

川岸驛前では男たちがタケを捜していた。男の一人・今井丈吉が駅のホームから線路に降り、電信柱で隠れていたタケを見つけて走り、蒸気機関車の前に飛び出したタケを止めた。ここからクソ展開。今井は百円女工にしてやると言いながら、タケの体を触り、性的暴行を加える。反撃して逃げたタケは倒れたままの今井を見て、逃げる。

 

製作:馬場和夫

   山岸豊吉

   宮古とく子

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原作:山本茂實

     -続・あゝ野麦峠 角川文庫版-

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脚本:山内久

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協力:第1作「あゝ野麦峠

   製作者:持丸寛二

     (新日本映画株式会社)

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音楽:佐藤勝

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中谷タケ:三原順子…字幕黄色

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河合アイ:岡田奈々

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生田朝子:中井貴惠…字幕緑

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塚本トシ:石田えり

吉田勝代:影山仁美

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金丸大介:神山繁

久保田清司:宮崎達也

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武井ひで:浅利香津代

高峯すぎ:木村夏江

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沖名梅太郎:下條正巳

佐々総務部長:高城淳一

加山努:原康義

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北見検番:樋浦勉

林義人:武内文平

小沢検番:伊藤敏孝

冷泉公裕

斉藤健一辻萬長

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平井スミ:井上夏葉

塩川ケイ:伊藤公子

武田シナ:松村和美

後藤ミキ:江川真理子

生田チヨ:斉藤ゆかり

ナミエ:難波香織

佐藤トメ:岡本プク

桜井ヤス:橋本晶子

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生田市子:石田富子

高山千草

早瀬みどり

増田君江:宇田川智子

すず:小笠原慶子

久遠利三

金親保雄

園田裕久

生田達治:奥村公延

日野道夫

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津川祥夫:風間杜夫

今井丈吉:なべおさみ

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宮田常治:江藤潤…字幕水色

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監督:山本薩男

 

キャストクレジットが出ている間は女工たちの仕事風景。もたもたすんな、早くしろと持ち場に着き、話するな、光沢に気をつけろ、糸目切るな、休むな、どんどん引けと怒鳴られながら仕事をする。

 

製糸工場で働く常治が事務所に呼び出され、逃げ出したタケと同じ村出身のため、事情を知らないかと聞かれていた。今井検番を殺したらしいと聞いて笑い出す常治。自分で死んでまいたかったんだろうと笑う。

 

女工たちはタケをつらかったと気遣う者もいれば、淫乱という者もいた。

 

しかし、今井検番は生きていた。そりゃそうだろ、あれで死ぬかよ。

 

第一次大戦後、女工たちは夜業に次ぐ夜業で疲れきっていたが、糸取りをしながら、芋を食う。

 

男女共用トイレ

今井がトイレに立っていると、個室から出てきた女工たちが今井の顔を見て笑いながら去っていった。今井が壁を見ると落書きがされていた。

 

中谷タケさは

 工女のかがみ

憎い奴は

 キンタマ

ねじあげろ

 

今井は怒り狂い、作業場に行き犯人捜しをするが、真っ先にタケが笑い出し、今井は名乗り出るまで作業をやめさせないと言う。そんなの違反だと言った勝代は殴られ、結局、誰も名乗り出ず働き続けた。

 

荷造りしている勝代にお別れだとアイが櫛を渡した。タケは自分が辞めて、勝代が残れるようにすると言うが、勝代は仕事ができず、タケに仕事もできて顔もいいと嫌みを言う。

 

250人もの工女が辞めていく。今井は手をついて謝らなければならないことだと泣きながら言う。わざとらしいなあ。蛍の光を歌い、工女たちを送り出す。

 

今井はタケを繭蔵に呼び出し、乱暴しようとしていた。常治は倉庫にいたが、見ているだけ。ハァ…こういうシーンいらねぇっての!

 

関東大震災が起き、横浜の倉庫の生糸が全焼した。メーデーに紡績工場の女性たちも初めて参加し、女性たちも立ち上がり始めた。

 

1926年(大正15年)春

 

昭和に入り、近代化の進む高倉製糸。新しい機械になかなか慣れない。

 

自殺しようとした勝代を助けた梅太郎は、勝代がよく働くと褒美の封筒を渡した。勝代は遠慮するが、梅太郎は福の神が来たようだと笑う。別の工場へ移ったのね。

 

工女の休みは1日と15日。しかし、昼前までは工場の掃除で潰れ、門限の6時まで外出が許された。

 

常治は朝子という工女と会っていて、朝子は常治にキスした。常治は優等工女の朝子を引き抜いて検番になろうとしていた。字幕は見番だけど、前作は検番だと出てたような。以下、検番でいきます。

 

映画を観に行ったアイは勝代と再会した。見ていた映画は「不如帰」かな?

常治は朝子に別れを切り出すが、朝子は嫌がる。ウソじゃ、とキス。はぁ。

 

お団子屋で見てきた映画のマネをする工女たち。たまたま店に居合わせた印刷工の加山も話に加わる。

 

アイには決まった恋人がいて、一緒に出かける。おお、岡田奈々さんと風間杜夫さんがカップルか。

 

朝子は常治を連れて実家に帰った。朝子の両親は高倉製糸を辞めたら罰金がとられると恐れるが、去年まではそうだったけど、今は顧問弁護士もいてそういうこともないと常治が説明した。朝子が結婚の意思を告げると、母の市子はあと2年は働いてもらいたいと言い、朝子の妹のチヨが「おりも働く」と言いだす。小学校も出てない子を働かせるのは違反ではないかと父の達治が言うが、常治はどこでもやってることと答えた。

 

居酒屋

今井と並んでタバコを吸っているタケ。今井とタケと向き合っている清司は気弱で優等工女を引き抜いてくる常治を引き合いに出されて注意されていた。清司は常治のように会社のために夫婦約束までして連れてくることはできないと言うが、会社のためなら何してもいいと今井は言う。タケは常治は、そんなことしないとかばってた。

 

常治は朝子とチヨを連れて来て、今井達に挨拶させた。

 

工場

朝子はアサに指導するほど機械の扱いに慣れていた。他の女工たちは朝子が給金を倍も取ってるとうわさ話をする。

 

清司はチヨなど幼い子たちの指導をする。

 

監督官が来るので、幼い子供たちは袋に入れられ隠された。

 

社長の金丸からいつになったら機械を使いこなせるようになるんだと検番たちが怒られていた。22時過ぎようやく作業が終わったが、朝子に指導役をさせて、あと30分講習を受けろと常治が言うが、タケが反抗し、逃げ出した。

 

朝子は前作のみねタイプの優等生、タケは前作のゆきタイプの仕事はできるけど協調性のない野心家タイプって感じかな。金八の山田麗子そのものの不良っぽさが加わった感じ。何でこっちをヒロインにした?

 

逃げ出したタケを追いかけてきたアイ。居酒屋でタケは酒を飲んでいて、生い立ちや常治への思いを語る。酔っ払って帰ってきたタケを今井が呼び出し、また…

 

金丸は工女たちの日給を55銭から45銭にすることを検番たちに発表した。検番も50銭拠出して、成績のいい班に分配する。成績の悪い班は50銭むしり取られるだけ。常治はどうせやるなら1円にしようと言い出し、金丸は喜ぶ。

 

工女たちの節間(せつかん)成績の発表

一等 生田朝子

二等 河合アイ

三等 中谷タケ

四等 塩川ケイ

五等 原田ミキ

六等 井原ナツ

七等…

 

女性が苦手な清司は女工たちにからかわれる。

 

ビリっけつ 平井スミ

 

スミは倒れてしまい、検番が棒で殴り続ける。

 

診察室

トシの胸出し診察シーン。このシーンいる?

 

眠れないで窓辺に立っていたスミにトシは替わりばんこにビリになろうと提案。

 

休みの日

常治は新しい機械が入るから別の工場へ行くと、朝子とチヨと出かけられず。

 

お助け茶屋

トシ、アイたちが来ていると、加山もいて話に加わる。みんなで勉強したり話し合ったりしてどうしたらいいか考えるんだよとアドバイスし、母の家に偉い先生が来てると言うが、トシとアイ以外は活動写真を見に行こうと店を出てしまった。

 

アイたちが店を出て行くと行き違いに清司が入ってきた。店主のひでが清司がアイに渡した手紙を返した。アイは弟が学校を出るまで結婚できず、許婚を4年も待たせていたが、弟が学校を出ることになり、許婚と結婚できるようになったと伝えた。

 

今度は増田君江という優等工女を連れてきた常治。色恋営業みたいな? 社長への報告書にも工女を甘やかせろ、お姫様のように扱えと書いていた。今井は努力が人をつくると反対するが、常治は社長は僕の意見に賛成だったんですけど?とドヤ顔を見せる。今井は色恋営業的なことをするが、女工たちに理不尽な暴力は振るわない。

 

最優等工女として表彰されたアイ。10年勤続、無事故、無欠勤。賞金50円、反物1、履物1、日傘1を渡された。優等男工として清司も表彰された。無事故、無欠勤。賞金10円、反物1、シャツ1、履物1。

 

14時間労働で10年勤続ってすごくないか!?

 

表彰式のあとは盆踊り。加山もトシと踊る。今井も妻子と見物している。アイのもとに許婚の祥夫が来たが、田川宏子という女性を連れていた。

 

祥夫は若い男が3年も4年も待てんじゃろうと宏子を紹介され、今4か月で秋には式を挙げなければならなくなったと話す。涙を浮かべながらも笑顔で別れに応じたアイ。ウッ、健気。

 

君江は手下を連れて常治を殴りつけた。色恋営業がバレた。

 

アイは褒美でもらった日傘を祥夫に渡そうとしたが、宏子に拒絶された。

 

入院した常治に正直に生きて、という朝子。これからもウソをつき続けると言う常治。正直な人と夫婦になりたいと泣く朝子だったが、常治はそれこそ大ウソやろうと言い、朝子は泣きながら部屋を飛び出した。

 

清司は泣いているアイに抱きつかれて困惑する。

 

1927年3月(昭和二年)

 

昭和恐慌で設備投資に追われる企業には大打撃で、矛盾は工女たちにかかった。

 

勝代と並んで働く朝子。おっ、工場を変えた?

 

縛られて閉じ込められているナミエにこっそり食事を運んでいたチヨを見ていたアイは涙を浮かべ、トシと一緒に常治へ訴えたが、聞き入れてもらえなかった。

 

お助け茶屋に集まる加山、清司、女工たち。労働組合を作ろうという話し合い。おっ、この店主が前作のみねの妹!? 大竹しのぶさんと地井武男さんはノンクレジットだけど、前作の映画終盤のシーンが流れた。

 

1等 アイ

ビリ トシ

 

1等 チヨ

ビリ ナミエ

 

ナミエは吐き、奇声を発して走り回る。ナミエのキーキー声が不快。トシは作業を止めて労働組合へ入ろうと呼びかけるが検番たちに殴られる。

 

突然、今井が中風で倒れた。中風…今でいう脳溢血や脳卒中のことらしい。

 

またキーキー声で出て行ったナミエは蔵で首を吊っていた。

 

中風になった今井は社宅も出なければならず、常治が残りの給料を渡しに行った。タケも見舞いの品を持っていったが、今井の妻に拒絶された。

 

飲み屋に行ったタケと常治。タケは工場には戻らんと言い、常治に抱いて…と迫る。ん~、いいって。労働組合の下りを見せてください。

 

清司、アイ、トシが上司に訴えかけ、清司は上司から恩知らずと殴られ、嘆願書は会社に握りつぶされた。

 

工女と検番たちは歌を歌いながら、チラシを配り歩いた。チヨは梅太郎の工場にもチラシを持っていった。梅太郎は「しっかりやりや」と応援する。警察は金丸製糸の味方をするので、会社側はますます態度を強めた。

 

常治は「あなた方はだまされています」という文書を読み上げる。清司は文書を取り上げ、友達でいてくれと頼んだ。

 

別の労働組合の人たちが応援の差し入れに来たが、警官が逮捕した。

 

チヨを市子が連れ戻しに来たが、チヨは朝子たちの工場に逃げ込んだ。朝子は常治に労働者側に立つように説得した。タケは辞めてカフェの女給? 常治は優等工女を色恋営業で引き抜いてる割に逃げられまくってる。

 

金丸製糸ではスミら工女たちが親に引き取られて帰って行った。200人もの工女が去り、アイと清司は励まし合う。

 

タケの働くカフェで金丸製糸の常務が署長と話していた。

 

翌9月10日。内親王が誕生し、ストは1日休止。お助け茶屋に集まるトシたちのもとへタケは食堂を廃止にすると話してたぞと伝えた。

 

金丸製糸は食堂閉鎖→工場閉鎖して、工女たちを締め出した。清司や加山が塀を乗り越え工場へ入ったが、手下たちに殴られた。このためにやくざ者を雇ってる? 工女たちも竹のバリケードを破り、中へ。寮に残っていたチヨも朝子と再会した。

 

雷雨の中、ドロドロで殴り合い。朝子まで殴られてる。傍観していた常治だったが、止めに入り、検番たちに殴られた。工女たちは寝るところがなく、梅太郎の工場や母の家、お助け茶屋に逃げ込んだ。裸のシーン、いらない。”母の家”は駆け込み寺的なものかな。

 

カフェ

コレラ菌が絶滅したと酒を飲んでいる常務たちにタケが反発した。

 

梅太郎の工場

梅太郎が常治のために医者を呼ぼうとするが、断られた。タケが駆けつけると、常治は野麦峠を歩いた話をし、寒いと言う。雪山を歩くシーンは前作の使い回しかな? 常治は俺は豚だが、お前たちは人間だ、大きな顔をして生きていけとチヨに言い残して死んだ。えっ! 朝子や工女たちは泣き崩れ、タケも外へ飛び出し泣いた。常さは悪い人でなかったと朝子と抱き合って泣く。

 

警察

清司に面会に行ったアイと朝子。アイは東京へ行って看護婦の勉強、朝子は名古屋の紡績工場で働くと報告した。トシは加山と面会し、東京で車掌になると報告。

 

みねが倒れた場所に建てられたお地蔵さまに手を合わせ、アイたちは野麦峠を歩いて行った。

 

希望も持てるラスト…と思いきや、1年後に戦争に突入する記録映像が流れて終わり。

 

エンディングで名前がいっぱい出てたけどナレーションは前作と同じ鈴木瑞穂さんだと分かったから今回はいいや。

 

80年代の映画ってとりあえず濡れ場いれとけばOKみたいなところがホント、イヤ。続編とはいえ、前作に興行成績が遠く及ばなかったというのは冒頭だけ見ても分かる。

 

もう少し女性が見ることを考えて作ってくれたらいいのになあ。タケみたいなタイプは女性の共感を得にくいだろ~。ただ、黄色字幕で主人公なのか?と思えば、途中で工場は辞めてしまって、労働組合とは関わりないし、ラストシーンもいないし、色分けが謎だった。アイが最後まで生きててよかったし、清司とうまくいきそうなのもうかがえたのはよかった。