本日は#山田太一 さんのご命日💐
— 日本映画専門チャンネル (@nihoneiga) November 28, 2024
没後1年を偲んで
珠玉のドラマ作品をお届け📚
「#男たちの旅路 第4部」全3話
◆11/29(金)午後5時30分~ほか
異なる世代の反発と共感、和解を描いた
伝説のドラマシリーズ✨
傑作と名高い「車輪の一歩」を含む第4部🙏#鶴田浩二 #水谷豊https://t.co/2A8Cbguj7w pic.twitter.com/nUNQEaNgwQ
NHK 1979年11月24日
あらすじ
商業ビルの警備をしていた尾島清次(清水健太郎)と信子(岸本加世子)の兄妹は、入口付近で動かない、車椅子の青年たちに移動するように頼む。ところがそれから、車椅子の青年が次々と現れ頼み事をするようになる。不審に思い青年たちを訪ねた吉岡(鶴田浩二)に「二人をめちゃめちゃにしてやろうとしていたのだ」と告白する。青年の一人、藤田(京本政樹)は手紙で知り合った同じ境遇にある良子(斎藤とも子)の家を仲間と訪ね、良子を外に連れ出すが帰りに車椅子の車輪が線路に挟まって騒ぎとなり、全員が自分の無力さに深く傷ついてしまったのであった。そんな彼らに吉岡は「人に迷惑をかけることを恐れるな」と諭す。さらに娘が一人で外出することを頑なに拒む良子の母(赤木春恵)に、吉岡は…
2024.11.29 日本映画専門チャンネル録画
山田太一シリーズ
歩行者天国。商業ビルの前に6人の車椅子の青年がじっと動かないままいた。
バックに流れる「魅せられて」。
清次から女のほうがいいと言われ、信子が待ち合わせですか?と青年たちに話しかけた。エレベーター前にいる10人より車椅子の6人でも邪魔ですか?と聞く浦野。
信子はこれが車椅子じゃなくても象でもライオンでも入口のところにいたら困る。人の迷惑になることはしないのは常識だと語りかけると、外まで6台、あんたが押して出して下さいと頼んだ。
自分で行きたくない、追い出してくださいと浦野が言うと、信子もそんな事言ってたら同情の気持ちをなくしちゃうでしょう?とムッとする。さらに信子は車いすの人に偏見なんか全然ないが、人に迷惑をかけていいって事はないでしょう?と同意を求める。ここでオープニング。
脚本:山田太一
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音楽:ミッキー吉野
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演奏:ゴダイゴ
協力:月刊障害者問題
本間康二
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吉岡晋太郎:鶴田浩二…字幕黄色
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鮫島壮十郎:柴俊夫
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尾島清次:清水健太郎…字幕水色
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尾島信子:岸本加世子
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田中先任長:金井大
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藤田繁男:京本政樹
川島敏夫:斎藤洋介
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浦野一郎:古尾谷雅人
吉沢竜太:見城貴信
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阿川光夫:村尾幸三
日比野淳一:水上功治
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川島の父:井上和行
母:青木和子
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アパートのおばさん:五月晴子
タクシー運転手:多田幸夫
スナックのマスター:鶴岡修
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吉岡の下宿の女:森康子
青年:伊藤絋
映画館の男:山崎満
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不動産屋の男:江角英明
不動産屋の女:絵沢萠子
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管理事務所の男:久保晶
アパートの男:団巖
印刷会社社長:坂本由英
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駅改札係:山口純平
駅員:高山彰
木下俊彦
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そば屋の女の子:春名登代子
鳳プロ
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前原良子(よしこ):斎藤とも子
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前原治子:赤木春恵
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制作:沼野芳脩
後藤英夫
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演出:中村克史
オープニングの間、清次と信子が車椅子を押す。交差点前でしばらく佇んでいた青年たちがようやく車椅子で進みだした。
車椅子の青年たちは古尾谷雅人さんに斎藤洋介さんに京本政樹さんと豪華メンバーなんだけど、その中の水上功治さんも見覚えあったし(のちに「ふぞろいの林檎たち」シリーズに出演)、見城貴信さんも顔を見て、金八先生を思い出した。
「3年B組金八先生」第2シリーズのクライマックス卒業式前の暴力で加藤が金八に殴られてる後ろでビビった顔をしていた荒谷二中の不良だ~!
鮫島が清次に川島さんという人が面会だと言う。川島という名に覚えのない清次。信子は鮫島にデレデレ。前回は磯田で惚れっぽいのかな。
川島は昼間に出会った車椅子の青年。斎藤洋介さん。清次にポルノ映画が観たいと言うので、清次は一緒にいた信子がまだ19歳で、そういう話を聞かせたくなく、先に行かせた。川島は金がないわけではなく、そういう映画は地下にあることが多く、見に行けないと言う。車椅子は重く、2人いなければ階段を降ろせない。清次は他の人に声をかけた。
待ち合わせたスナック「流氷」で信子に顛末を話す清次。結局、50くらいのおじさんと車椅子を降ろした。
アパート
尾島兄妹が出勤しようとしていると、ドアの前に藤田と浦野がいて、池袋まで電車で行きたいと言う。清次は通勤時間に車椅子なんて非常識だと注意する。池袋に8時半までに行きたいと言うので、清次はタクシーを捕まえようとするが、車椅子が見えると空車でも止まらない。止まったとしても付き添いなしでは乗せられないと断られた。
連絡なしに1時間遅刻したことを吉岡に注意された尾島兄妹。鮫島が入ってくると、遅れちゃってすみませんと信子が笑顔になる。
商業ビル前に吉沢、阿川、日比野の車椅子3人組がまたいた。
流れているのは「ペイパー・ムーン」。
田中先任長から一昨日、車椅子を追い出したことに投書が来ていると注意された清次。裏に連れていって追い出せばいい、身体障害者に冷たいなんて評判が立ったら困ると本音を漏らす。結局は追い出すのにね。
吉沢が信子に僕たち泊まるところがないから泊めてほしいと頼み、尾島兄妹のアパートに来た。吉沢は尾島兄妹を夫婦だと思っていたと話していると、藤田もアパートに来た。
田中先任長に前借りと早引けを頼む尾島兄妹はそれぞれ階段のないアパートを探す。段のないアパートがいいと言い、不動産屋に怪しまれる。3時間で8軒の不動産屋を回るが、車椅子だと言った途端、断られる。大家さんがよくても住人が嫌がることもある。あったねー、「赤い衝撃」でも。「赤い衝撃」が1976年でこのドラマは1979年。3年経っても状況は変わっていなかった。
吉岡が尾島兄妹のいる商業ビルに巡察指導に行くと清次が寝ていた。吉岡はそば屋に連れていき天ぷらそばを頼んだ。吉岡は車椅子の青年たちのアパート探しをしていることを知っていて、6人の青年に会ってみたいと言う。
アパート
6人のうち、3人は同じアパートにいたが、追い出された。藤田もアパートの取り壊しでそのうち追い出されそう。3人は仕事があり、あとは生活保護を受けている。浦野は、尾島兄妹がビルから追い出そうとしたのでめちゃくちゃにしてやろうと思ったと真意を話す。
気軽に追い出そうとしたわけじゃないと反論する信子。尾島兄妹を若夫婦と思い、幸せそうで健康な2人にとことん取りついて車椅子の苦労を思い知らせようと思ったと語る青年たち。吉岡は、あのビルに恨みでもあるのか?と聞く。意地になりすぎてる、2人はそれほどひどいことをしているわけではないとかばう。
尾島兄妹はおなかも空いたし、予約もしてあるから食事をしようと提案。6人と尾島兄妹と吉岡は中華料理を食べに行った。やっぱり中華料理なんだな! そしてレストランはすんなり入れるんだ!?
藤田は雑誌の投書欄から同じ車椅子の女の子とペンフレンドになった。17歳になるが、電車に乗ったこともなく、銀座に行ったこともなく、近くの新宿には連れていってもらったことがあるが、年に一度か二度だけであとは家にいる。前原良子という女の子が住むアパートは道路から6段もあるアパートだった。藤田がアパートを訪れたこともあるが、石段を登ることができず、外から声をかけたが、別の部屋の男が夜の仕事だから大きな声を出さんでくれと注意された。
隣の部屋から良子が顔を出し、母は勤めだと言う。藤田は通りがかりの男性に声をかけ、階段を上げてもらった。藤田は夜から仕事だから電車に乗ろうと誘うが、良子は手紙だけにして、外に出たら悪いことが起こると断られた。良子役の斎藤とも子さんは「赤い絆」の恵子の義妹の明子だね。
今度は日曜日に藤田、川島、阿川でアパートに行った。あけぼの荘から出てきた良子の母・治子はそこの公園まで行ってちょうだいと促す。赤木春子さん、金八先生の校長をやってる頃か。
治子はやれるだけのことはやってる、娘のことはほっといてと言う。車椅子4人でどこへ行くってって言うの?と聞く。周りの人に頼るという藤田たちだが、良子はかつて国電に乗るなら3日前に予約しろと言われた。娘を厄介者にしたくない、外へ出れば何度も何度も嫌な思いをしていると帰るように言う。男と女でもまた違うのかな。
帰り道、藤田たちは切符を買うのにも人手を借り、階段を上るにも駅員に声をかけ、あげてもらい、電車にも乗せてもらう。電車に乗るにもイヤになるくらい人を頼らなければならないが、1年の大半をアパートにいるのはよくないと平日に6人でアパートに行った。
藤田はなんとか石段を上がり、アパートの部屋に行き、再び良子を誘った。公園でゴムボールでキャッチボールして遊び、別の場所に移動しようとしたが、良子の車椅子の車輪が踏切に挟まってパニックになった。結局は通行人に助けてもらい、事なきを得た。
帰り道、6人も男がいたのに助けられなかったと落ち込む藤田たち。突然、車椅子を止めてくださいと言う良子。脊髄損傷した良子はトイレを我慢できず、失禁してしまい、泣いた。
6人は印刷会社で働いているが、仕事以外出歩かなくなった。藤田、吉沢、日比野は仕事をクビになり、イライラもあって、尾島兄妹に出会って、絡んだ。「赤い衝撃」でも車椅子の人たちの仕事は印刷会社だった。
浦野は吉岡にもう迷惑はかけません。消えますと言う。吉岡は、これで一件落着ではないと言うと、川島は説教なんてごめんだと「ガンダーラ」を歌い始めた。
後日、吉岡のアパートに川島が来た。川島を背負って2階まで行った吉岡に川島は対等にしゃべろうと思っても世話になってしまう。もしケンカになっても背負ってもらわなければならない。世話になることがやりきれなくなる。付き添いがいないとバスにも乗れない。規則ができる前は乗客が乗せてくれたと話す。吉岡があの時、話したかったことはなにか聞いた。
藤田は鮫島の部屋にいた。藤田は良子から二度とくるなと手紙をもらっていたため、藤田も閉じこもりがちになっていた。
川島は吉岡の話を聞きたいと言う。吉岡は尾島兄妹にしたことはいいとは言えない。恨みを人にぶつけると結局は自分が傷つく。しかし、今は迷惑をかけることを恐れるなと言いたい。人に迷惑をかけるなというのは一番、疑われていないルールだが、それが君たちを縛っている。迷惑をかけないとすると外に出られなくなる。嫌がらせの迷惑はいけないが、ギリギリの迷惑はかけてもいいんじゃないか? いちいち後ろめたい気分になるのはおかしい。堂々と迷惑をかける決心をするべきだと思う。君たちは特殊な条件を持っている、歩き回れる人間と同じルールなのはおかしい、もっと外で頼ったほうがいい。川島たちが街をしょっちゅう歩いていたら、周りの人間の対応も変わる。迷惑をかけることを恐れるな。胸を張れ。特別な人生には違いないだろう?
以前、川島は母に「トルコ」に行ってみたいと頼んだ。もちろん外国ではない。
恵子が歩き回ったあそこか。
俺はモテない、嫁さんなんか来ないと言うと普段は息子と口を利かない父親が3万か4万出してやれと言い、上から下まで新品の服を着て45,000円を持って出かけたが、入れてくれる店はなかった。家に帰って、よかったよと笑顔を見せた川島だったが、結局、泣き出した。
尾島兄妹のアパートで吉岡の話をした川島。浦野は遠慮しなかったらどうなる? 同情してくれてるのは遠慮してるからだと言う。夜中まで議論は白熱した。
翌日、吉岡に報告した尾島兄妹。どうしてあんなに真面目なんだ?という清次。吉岡は車椅子でグレてられるか? 余裕がないからだと話す。
藤田は再び、良子の部屋へ。すぐドアを閉める良子。向かいの部屋のおばさんが出てきて、良子のおばさんに頼まれてると藤田たちを追い出した。
今度は藤田に頼まれたと信子が良子のアパートを訪ね、私が付き添うと言うが、藤田にあなたみたいな友達がいるなら私は必要ないとドアを閉められた。
今度は鮫島と清次がアパートへ向かう。清次は信子を愛してるか?と聞くが、鮫島は恋人がいると笑った。アパートへ着くと良子は追い出そうとし、向かいのおばさんも顔を出したので、清次は、おばさんと部屋へ。鮫島は良子と話をした。1人でいるより、藤田たちの付き合いを大事にしたらいいと説得した。
喫茶店で話す藤田と良子。藤田は世界を広げなきゃと思うようになったと話す。みんな、君を仲間に入れたい、と言うが治子が現れ、黙ってちょうだいと良子を連れ出そうとした。
前原家のアパートを訪れた吉岡。おわびに伺いたいという吉岡に誰かの父親だと思っていたと言う治子。小学校3年生から車椅子だった良子を縁日や映画に連れていったが、人混みに連れてくるな、空いた時間に来いなどと冷たいのは世間だと言う。お嬢さんはあなたと一緒に死ぬわけじゃないと吉岡が言う。良子は一緒に死ぬ、お母さんの人生をめちゃくちゃにしたのは私。お父さんが出て行ったのも私のせいだと言う。ああー、この時代でもそうなんだ。
治子は足が不自由といっても一人一人違い、外へ出るから勇気があるとか外へ出ないから勇気がないとかひとくくりにされたくないと言う。吉岡は良子に自分で判断しなくてはいけないと語る。
吉岡、尾島兄妹、川島たちが見守る中、良子は街を車椅子で歩き出す。治子も心配そうに見守る。豪徳寺駅前の階段を登れない良子は「誰か私を上まであげてください、どなたか私を上まであげてください」と声を出した。通行人の男性が2人で車椅子を上げた。涙を流す治子。良子のもとに藤田たちも集まった。(終)
おお~! これが伝説のドラマか。昨年、BSプレミアムで第3部までは再放送したのに、第4部だけは配信もないみたいで再放送もしなかった。出演者の問題か、この3話のせいかと噂されてるけど、別にBSならやってもいいのにねえ!
「赤い衝撃」でも車椅子の人に対して結構失礼なことばかり言ってたし、なんといってもこのドラマ、車椅子になったヒロインが結局は何事もなく歩けるようになるってドラマだったから、問題を取り上げたまま、ほったらかしという印象。そういうテーマのドラマでないのは分かるけど、中途半端に取り扱ったように見えた。部屋が借りにくい、仕事は印刷会社など今回のドラマと共通してるから調べてはいたんだろうけど。
今でも度々旧ツイッターでも問題になるよね。してもらって当然とお礼も言わない、頭ばかり下げてると自分が削られる、お礼を言ってもらいたくてやったわけではないけど、手伝って当然みたいな態度だとムカつくのも分かるし、迷惑かけないために外に出ないというのは、やっぱり不自然だし…45年経っても、あんまり変わってない?
しかし、都会であんなふうだと地方の人はどうしてたんだ?と思う。今だと一人で車を運転できたとしても、車を降りてからどうやって車椅子を降ろすの?とか普段接しないから知らない事ばかり。最後の最後は最初のきっかけだけ警備員っぽかったけど、あとは6人中心の話だったな。
ドラマ内で流れた曲がよかった。