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【ネタバレ】土曜ドラマ 山田太一シリーズ「男たちの旅路」第4部(1) ―流氷―

NHK 1979年11月10日

 

あらすじ

悦子の死から、1年半が過ぎようとしていたが、吉岡(鶴田浩二)は依然として姿を消したまま。杉本陽平(水谷豊)は吉岡から小田社長宛てに届いた1通のハガキの消印を手がかりに北海道・根室へ向かい吉岡を捜すが、なかなか手がかりがつかめない。そんな折、偶然に知り合った尾島(清水健太郎)という青年とともに人づてを当たる中、ついに吉岡の居所をつきとめた。場末の居酒屋で皿洗いをしながら古びたアパートで酒浸りの生活を送る変わり果てた吉岡に、陽平は、一緒に東京へ帰るように勧める。「帰ってどうする、東京に何がある?」と拒否する吉岡に陽平は「俺はまだ責任があると思う」と問いかける。

2024.11.29 日本映画専門チャンネル録画

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昨年、BSプレミアムで第3部までは見ました。見たのが去年の5月なのでちょっと忘れかけと思い、読み返したら、あ〜。

 

鐘の音と電光掲示板に表示される”土曜ドラマ

 

山田太一シリーズ

 

一両編成の気動車が線路を走る。字幕ってやっぱり便利。

 

気動車…人員・荷物もしくは貨物を積載する空間を有し、動力源として内燃機関蒸気機関などの熱機関を搭載して自走する鉄道車両である。(Wikipediaより)

 

昭和54年3月末

 

北海道 根室本線

 

気動車内の杉本陽平は真っ赤なセーターに黒いマフラーを肩にかけ、頭はパンチパーマ。斜め後ろに座る女子短大生をチラ見しながらタバコを吸う。女子学生の一人が陽平に声をかけ、陽平の隣の席に座り、お菓子を勧めた。

多分、チップスター? 筒は黒だったけど。

 

女子学生は静岡の短大の2年生で今日まで北海道を旅行して、後4日あるので、もしよかったらご一緒に旅行しませんかと提案した。女子学生たちは釧路で陽平が乗ってきたとき、うわっと思ったと話す。陽平はニヤニヤし、話に乗りかけるが、僕にはやらなきゃいけない事がある、1人の男を捜して最果てまで旅をしてるとカッコつけて言うが、後回しにしちゃおうかなあ!と言ってるところでオープニング。

 

脚本:山田太一

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音楽:ミッキー吉野

男たちの旅路

男たちの旅路

  • provided courtesy of iTunes

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演奏:ゴダイゴ

協力:根室市

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吉岡晋太郎:鶴田浩二…字幕黄色

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杉本陽平:水谷豊…字幕水色

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尾島清次:清水健太郎

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尾島信子:岸本加世子

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女子短大生:谷川みゆき

      植木絵津子

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旅館のおばさん:滝奈保栄

警官:青森伸

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郵便局 局員:岡部政明

主婦:岡崎夏子

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市役所 職員:石垣守一

茶店のママ:木村翠

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「ノサップ」の調理人:高並功

キャバレーの主人:細川純一

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水産仲買の主人:丸谷小一郎

隣の部屋の男:井上三千男

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「ノサップ」の仲居:高木孔美子

          松井信子

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清次の父:上田忠好

   母:田中筆子

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清次の兄:吾桐芳雄

兄嫁:半田晶子

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バーテン:桑原一人

ラーメン屋の女:大友町子

パチンコ屋の女:長谷川真理子

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ホステス:田口あすか

     高木美枝

     万見邦子

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そのほか:若駒

     劇団いろは

     鳳プロ

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根室漁協青年部

劇団ぐるっぺ

根室高校

根室西高校演劇部

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回想の悦子:桃井かおり

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小田社長:池部良

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制作:沼野芳脩

   後藤英夫

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演出:中村克史

 

テーマソングが流れる間にも物語は進行する。女子短大生たちは途中の駅で降りて、陽平に手を振る。陽平は残念そう。一人になった陽平の隣に座ったのはねじり鉢巻きの男性から何かもらって食べている。気動車は走り、陽平は眠っていた。

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陽平に話しかけた女子短大生の一人、谷川みゆきさんは「本日は晴天なり」の元子の弟・順平の妻・福代。

 

オープニングが終わるころ、気動車根室に到着した。

 

根室駅に降り立った陽平は吉岡の写真を持って捜していた。郵便局や警察でも聞き込み。1年半ぶりに小田社長宛てに吉岡から根室の消印のある葉書が届き、その葉書を手がかりに陽平は根室に来た。役所にも問い合わせたが、この町で他所から来た人が就く仕事といえば漁業関係ではないかと言われる。

 

小田社長宛ての丁寧な文面の葉書。陽平は小田社長から出張扱いにするから捜してこいと依頼された。

 

旅館で途方に暮れる陽平。ドテラを着てパチンコ屋へ。そこで清次と知り合う。飲み屋に移動し、38くらいの派手な中年女性に玉を出してもらっている清次にあんなことで身を売るなと注意し、吉岡の写真を見せた。清次はパチンコで稼いでいて無職。話を聞いても興味なさげな清次にあきれる陽平。

 

陽平の泊まる旅館の部屋に来ていた清次に2000円と昼ごはんをおごって吉岡捜しを依頼する。喫茶店のウェイトレスに興味を示した陽平だったが、清次から妹だと言われ、ケンカで負けたことがない、妹に手を出したら根室から出さないと言われ、ビビる。

 

港に行き、聞き込み。吉岡は54歳で雇うのは難しいのではないかと言われ、清次は皿洗いとか当たったほうがいいのでは?と提案するが、陽平は吉岡は50過ぎと言っても並の男ではない、目立つ男だと熱弁する。途中で悦子を思い出したり…正直、第3部の終盤の展開は気持ち悪かったなあ。

 

清次の妹・信子の働く喫茶店のママが吉岡の写真を見て見覚えがあると言い、確かめに行った清次と陽平。居酒屋の奥で皿洗いをしている吉岡を店の外から目撃した。店の外に出た吉岡と再会した陽平。無精髭を生やした吉岡は陽平に「よう」と声をかけ、微笑を浮かべた。

 

吉岡の住むアパートに行った陽平。よくこんな遠いところまで来てくれたとウイスキーを出す。汽車で根室まで来た吉岡に対し、陽平は釧路まで直行便で来た。陽平は俺と一緒に帰ってくださいと頼む。皿洗いは吉岡に似合ってる仕事じゃないと言うが、吉岡は頼み込んでようやく雇ってもらった、皿に向かっていることが自分には合ってると答えた。陽平は東京に来ればきちんとした仕事はあると言うが、吉岡は頑なに帰るとは言わない。

 

翌朝、清次と吉岡のアパートに行った陽平。吉岡は葉書を出したのは最低限の礼儀で消印のために根室を出る金がなかったと言う。東京に帰って何がある?と問われ、何も答えることができなかった陽平。

 

ついてきた清次に愚痴をこぼす陽平に清次は色丹の収容所に行ってみたいと思い、58日いて領海侵犯で捕まり、112日もいた。捕まるのは二度と嫌。船に乗るのは嫌気がさしてると話す。領海侵犯なるものがよく分かってない。

 

居酒屋で雑用を頼まれ、ヘイコラしている吉岡にイライラする陽平。居酒屋の近所のスナックよしえで働く信子を見つけて、怒った清次は店へ乗り込み、男たちとケンカになった。

 

家に帰った清次はバー勤めをしている信子を怒るが、両親は二十歳過ぎてるのだからと言う。テレビを見ながらストーブの周りにごちゃごちゃ人がいるけど、両親、兄や兄嫁と子供たちがいるせいか。テレビで流れるのは西城秀樹さんの「YMCA」。吉岡の父は金八の荒谷二中の清水であり、「岸壁の母」のいせの見合い相手でもある。

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清次を連れて吉岡のアパートに行った陽平。吉岡は1年半経てば死んだ人間を忘れると言うのか?と問う。吉岡は悦子を時々忘れることもあると言うが、どうしてケロリと忘れて東京に帰ることができる?と言う。陽平は社長の厚意やかっこいいこと言ってそのまま消えていいのか?と問う。戦時中、戦争反対と言える空気じゃなかった、いつ、そう変わったのか聞きたい。50代の人間には責任があると思うと熱く語る。

 

明日の朝また来ると帰ろうとした陽平に俺も東京に行きたい、吉岡にも東京に帰ってもらいたいと言う清次は吉岡に向かい、陽平が50過ぎの男にそんな熱心になることがうらやましいと言って、部屋を出た。

 

陽平の旅館に一緒に泊まった清次。旅館のおばさんに泊まった分のお金を取るよと言われた。

 

吉岡のアパートを訪ねると部屋は片付けられ、吉岡はいなくなっていた。またどこかへ消えたと思った陽平は東京に帰ることにし、清次も荷物をまとめて出て行くことにした。信子も東京に行きたいと言う。

 

根室

気動車の席に着く陽平は斜め前に吉岡が座っていることに気づいた。東京に行くと言う吉岡に照れ隠しに文句を言いまくる陽平。清次も同じ気動車に乗り込んできて、発車ギリギリで信子も乗り込んだ。

 

悦子の回想シーンと流氷の映像。やっぱり吉岡と悦子の組み合わせにうーん…

 

信子は車内で車掌から切符を買った。2両編成の気動車が走る。(つづく)

 

連ドラとはいえ、1話がCMなしの60分以上でボリュームたっぷり。だけど、吉岡と悦子の組み合わせは、どうしてもモヤる。吉岡と陽平の関係は好きだよ。

 

失礼だけど、清水健太郎さんといえば俳優というよりワイドショーでよく見かけた人というイメージでしっかり演技を見たのは初めてだけど、演技うまいし、魅力のある人なのになあ。

 

久々に日本映画専門チャンネルの番組を見たけど、字幕あり、番組の前後にCMをたくさん入れて本編中はCMなしというのは他ではないのでありがたい…ありがたいけど、なかなか今は好みの番組がなくて見る機会がないのは残念。前みたいに単発時代の東芝日曜劇場でもやってほしいよ。前に見たことがあったので、スルーしようと思ってたけど、久しぶりに「シャツの店」も見ることにしよう。