徒然好きなもの

ドラマの感想など

【ネタバレ】肉弾

1968年 日本

 

あらすじ

太平洋戦争末期に学徒出陣経験のある岡本喜八が、戦争の真実の姿を描こうと私財を投じてATGで映画化を実現した作品。主人公の兵士"あいつ"(寺田)は、本土決戦のための特攻作戦の準備と称してバカげた訓練に明け暮れている。一体何のために死んだらいいのかわからない。"あいつ"は艦隊を迎え撃つために魚雷にくくりつけられたドラム缶に入り敵艦の到着を待つが、糞尿処理船の船長に終戦を告げられるのだった。68年度キネマ旬報ベスト・テン第2位。大谷直子のデビュー作。

2024.8.30 日本映画専門チャンネル録画。

 

明治百年記念芸術祭参加作品

 

昭和43年が明治100年なのか〜。白黒。

 

海に浮かぶ船?に乗る男

 

日本人の平均寿命

昭和20. 男 46.9 女 49.6

昭和43. 男 68.5 女 72.3

 

どうして女のほうが長生きなのかな? いや、まあ、そんなことはどうでもいい。戦争のあるなしでこうも人間の寿命が違うもんかね、という語りから始まる。ナレーターは仲代達矢さん。若い男性がたくさん死んだからもっと男女差があると思ってた。

 

昭和43年の男の平均寿命から昭和20年の男の平均寿命を引く。21.6。あいつはあの時、21歳6か月だった。

 

あいつ:寺田農…字幕黄色

 

番傘をかぶってドラム缶に入って海に浮かんでる? 

 

戦時中の回想で“あいつ”は、なぜか全裸。周りも誰も指摘しない。次の場面、今度は上官に殴られている。ついていけない。倉庫で食料を盗んでいた。

 

“あいつ”は陸軍工兵特別甲種幹部候補生。食糧難にあえいでいた。“あいつ”を殴った区隊長は田中邦衛さん。もうね、実験的な作品というのかわけが分からないのよ。

 

帝国陸軍予備士官学校の学校長が今福正雄さんで、涙ながらに士官学校の生徒たちが特攻隊になると話した。神様になったとして、尾頭付きの鯛などのご馳走、御神酒、24時間の自由時間を得た。学校長は定年退職して、退職金ではなく米、メリケン粉、小豆、砂糖、トラック1台をもらって去った。あるところにはあるもんだ。

 

自由時間、古本屋に行って本を探す“あいつ”。活字が多くて枕になりそうな本を探す。店主は笠智衆さん。B29で両手を肩から亡くした店主は聖書を勧め、その代わり、頼みがあるとトイレの介添を頼んだ。聖書はタダ。

 

これから女郎屋に行く予定だと話す“あいつ”。店主の妻は北林谷栄さん。

 

走り出た“あいつ”は憲兵にぶつかり、女郎屋への道を聞いた。憲兵中谷一郎さん。

 

女郎屋はお化けばっかりと女性たちから逃げた“あいつ”は女子高生?に出会った。大谷直子さん。ここが分からないと数学を教え、ここもそうなの?と聞くと、兵隊さんは4円50銭だと少女は答えた。えー、そうなの?

 

“あいつ”は4円50銭以上のお金を先に渡した。少女は別室に行き、“あいつ”は服を脱いで待つ。しかし、お下げでセーラー服の少女は女将で部屋に入って来たのは、おばさん。春川ますみさんだけどね〜。明るく笑い、少女は両親を空襲で亡くし、兄が戦死して、今は女将として取り仕切っていると話した。

 

春川ますみさんは同時期の「おやじ太鼓」では新妻だったけど、そこそこの歳だった?

 

雨が降っていたので傘をさして走っていた“あいつ”は道で会った軍曹に「傘をかぶった兵隊などいない」と怒鳴られた。軍曹は小沢昭一さんで妻は菅井きんさん。

 

さらに傘をさして走っていた“あいつ”は、さっきの少女と出会い、傘を渡した。“あいつ”について来た少女は防空壕に連れて行った。両親と5歳の妹が蒸し人形になっていたと話し、濡れると毒だからと防空壕の中の毛布を勧める。“あいつ”はネズミ年。少女はウサギ年。

 

あいつは1924/大正13年生まれの21歳。少女は1927/昭和2年生まれ。

 

少女の兄は陸軍だが、海で死んだ。それぞれの毛布で裸になっていたが、空襲があったりなんかして、お互い裸になって…映画デビュー作でヌード! 君のために死ねる!と意味を見出した!?

 

浜辺で爆弾を運ぶ練習をしている“あいつ”。わかめ拾いをしていた少年に出会う。雷門ケン坊って、すごい芸名。両親は亡く、兄だけいる。兄は頭師佳孝さん。

 

兄は工場を逃げ出した罰に教科書を読み上げていて、教師に殴られた。教師は園田裕久さん。“あいつ”は耳から血を流した兄のために教師からお金を出すように言い、兄弟に渡した。

 

“あいつ”は両親に別れの挨拶に行った。厳格な父(天本英世)と“あいつ”の3歳上の義母の前で挨拶し、曽祖父から受け継いだ銃をもらった。

 

砂浜に隠していた銃をモンペのおばさんが取り出し、自殺しようとしていた。アメリカ兵が来たら妾にされてしまうという噂を聞いたせいだった。泳ぎが達者で入水はできない、砂浜には首を吊る松もない。“あいつ”は小便するのも楽しいと自殺を止めた。モンペのおばさんは三戸部スエさん。

 

砂浜で銃を守るように横になった“あいつ”は少女の夢を見た。

 

防衛隊の女性たちに襲われそうになる?“あいつ”。やたら早口な女性たちは防衛隊本部を探していた。制服がかっこいい。

 

工場に戻るという兄弟に第二あけぼの楼のウサギに「ネズミがよろしく」と伝えてほしいと頼んだ“あいつ”。許婚とか戦争が終わったら結婚するとか先走りすぎてやいない? “あいつ”は兄弟と話すときは、やたらイケメン声になってる気がする。

 

この映画、白黒でよかったなあ…夜の砂浜、昼間、竹槍をやってた若い男の集団が防衛隊の女性3人を襲っていた。うっとり眺める“あいつ”。ん〜、酷すぎ。

 

翌朝、弟が兄も少女もみんな死んでしまったと報告に来た。

 

榴弾を盗んだ弟と一緒に爆弾を運ぶ訓練を続ける“あいつ”。下士官に出会い、魚雷のことを教えてもらう。若い頃の高橋悦史さんは大倉孝二さんに似てる気がする。

 

魚雷にドラム缶を括りつけてる? 銃撃を受け、ドラム缶に穴が開いて水が入ってきた。

 

砂浜で敵を見ていた弟は、モンペのおばさんから日本は負けたと聞かされた。

 

“あいつ”はメガネを落として片方のレンズが外れ、戦争が終わったことも分からず、海上にいる。

 

大きな船が海上で糞尿を流していて、その船の船長から10日ばかり前に戦争が終わったと告げられた。船長は伊藤雄之助さん。“あいつ”は岸まで引っ張ってくれと頼み、密造の焼酎をもらって飲んだ。

 

しかし、途中で引っ張っていたロープが切れた。

 

昭和四十三年盛夏

 

海で遊ぶ若者たち。海にはドラム缶が浮いており、中には骸骨があった。(終)

 

冒頭10分ほどでついていけないと感じながらも最後まで見てしまった。はっきり分かったのは、私は岡本喜八監督の作品が合わない。

peachredrum.hateblo.jp

これもそう。これからは積極的に避けていこう。