/#市原悦子 主演「 #岸壁の母」
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◤今週は31-35話◢
八月、日本はついに敗れて引き揚げが始まるが、二年が過ぎても新二は帰らない。
いせは息子の死を信じることが出来ず…。https://t.co/wCz6iHMPMc#大和田獏 #二葉百合子 ©松竹 pic.twitter.com/t910dDUaXp
TBS 1977年12月19日
あらすじ
八月、日本はついに敗れて引き揚げが始まるが、二年が過ぎても新二(大和田獏)は帰らない。いせ(市原悦子)は息子の死を信じることが出来ず、舞鶴港に通っては帰還兵に新二の消息をたずねていた。
2024.8.5 BS松竹東急録画。
冒頭はお決まりのシーン。青白画像。船が港に帰ってくる。
いせ「石頭(せきとう)教育、13981(いちさんきゅうはちいち)部隊、荒木連隊、第1大隊、第6中隊の端野新二(はしのしんじ)を知りませんか? 端野新二知りませんか? 端野新二を知りませんか? 端野…新二~!」
端野いせ:市原悦子…字幕黄色。
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端野新二:大和田獏…字幕緑。
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水野のぶ子:小畑あや
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兵長:土方弘
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兵隊:柴田信成
唐仁原健
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音楽:木下忠司
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脚本:高岡尚平
秋田佐知子
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監督:菱田義雄
<昭和20年3月9日の夜半から10日にかけて東京の下町一帯はB29から焼夷弾を所構わず落とされて、大変な死者を出し、一晩で焼け野原になったのです。その夜のことを疎開先の児童は先生から「そら、東京で神風が吹いてるぞ、戦争は勝ってるぞ」と教えられていたという話ものちに聞きました>
縁側の拭き掃除をしているいせ。
<のぶ子さんは、あの東京大空襲でいっぺんにご両親を失ったのです。叔父さんが千葉にいて心配して来られたんですが、引き取るといっても自分一人の食べ物に事欠く時代です。お子さんも多いようで、つらいのが手に取るように分かりましてね。私は、のぶ子さんがかわいそうでたまらず一緒に暮らすことにしたのでございます>
ぼんやりしているのぶ子。
いせ「のぶ子さん。それが終わったら畑、手伝ってくれる?」
のぶ子「はい」
庭の畑にいるいせがのぶ子を呼ぶ。縁側へ下駄を持ってきたのぶ子に「これをね、ここへ適当にまいてちょうだい」。
のぶ子「はい」
いせ「小松菜だから、おろ抜いて食べるの」
間引くことをおろ抜くというのは初めて聞いた。
いせ「新二が甲種幹部候補生の試験に受かって帰ってきたら、とりたての野菜を食べさせてあげたいから」
のぶ子「はい」
いせ「ここへね、ずっと」小さな畑にシャベルでへこみを作る。
のぶ子は突然泣き出す。「こうやって、空襲の前の日曜日に小松菜を庭で…父と…」
昭和20年3月10日は土曜日。前の日曜日は3月4日。
いせ「ごめんなさい。のぶ子さん、ごめんなさい。しっかりしなさい。なんとしてでも生きていかなくちゃいけないのよ。頼る人もいない。そういう世の中なんだから。分かるわね? いつか戦争は終わる。そしたら、いい時代が来るわよ。それまで、死んだお父さんやお母さんのためにも、あんたが幸せにならなきゃいけないでしょう? ねっ、そうでしょう?」
のぶ子は小松菜の種をまき始める。
茶の間。雑炊を盛った茶碗をいせから受け取ったのぶ子はすぐ新二の写真の前へ置く。ちょっと複雑そうないせの表情。こういうとこ見せるの、うまいなあ。
のぶ子「新二さん、さあ」席に戻ると、雑炊を2人分よそい、「いただきます」と食べ始めた。
いつもならいせは新二にあげた陰膳をすぐ自分で食べてたもんね。
ラジオ「硫黄島の我が部隊は、敵上陸以来、約1か月にわたり敢闘を継続し、殊に3月13日ごろ以降、東山付近の複郭陣地により、凄絶なる奮戦を続行中なりしが、戦局、ついに最後の敢闘に直面し、17日夜半を期し…」
<3月17日、硫黄島が敵の手に落ちたのでした。硫黄島から日本本土まで飛行機で3時間足らずだったそうですから、日本はますます窮地に追い込まれたわけです>
のぶ子「おばさん、どうなるんでしょう? やっぱり本土決戦に? 満州、大丈夫でしょうか?」
いせ「大丈夫、大丈夫」
画面上に示された地図
兵士たち
♪敵は幾万ありとても
すべて烏合の勢なるぞ
烏合の勢にあらずとも
「敵は幾万」1891/明治24年発表
歌いながら行進する。
小中学校のときに運動会などで応援歌というものを歌ったけど、軍歌のメロディーを採用してたのか聞いたことある感じのメロディだな。
兵長「状況! 敵前方100メートル、散れ!」
ロケ地、どこなんだろう?
地面にうつぶせになって銃を構える新二たち。
兵長「お前一人で何やってんだ。その格好! 端野を見習え、端野を! こら! 撃て!」
銃を打つ新二たち。
歩兵第二四〇××
第三〇一大××
兵舎で銃の手入れをする兵隊たち。
兵士「おい、大変だ」
新二「どうした?」
新二「あとは沖縄だな。もし沖縄が落ちたら…」
兵士「なに! 最後になったら本土決戦だ。神国日本がそう簡単にやられてたまるか!」
兵士「そうだ!」
兵士「まだ俺たちがいる!」
黙って銃を磨いていた新二は銃を置き場に置いた。
兵士「端野。ここも危なくなるかもしれんな」
新二「ソ連はいつ国境を超えるか分からんからな」
端野家
着替えているのぶ子。
いせ「地味ね。かわいそう、のぶ子さんが」
のぶ子「平気です」
いせ「今度、呉服屋さん行ったら、のぶ子さんに合う物をなんとか…」
のぶ子「いいんです。こうしておばさんと一緒に暮らせるだけで私…」
いせ「これ、お弁当ね」
のぶ子「はい」
いせ「途中で警戒警報になったら、すぐ防空壕へ入るのよ」
のぶ子「はい。おばさんも気をつけてくださいね」
いせ「私は大丈夫」
のぶ子「じゃ、いってまいります」
いせ「いってらっしゃい。気をつけて」
<若い人は悲しみから立ち直るのも早いものですね。元気にお勤めに出るようになりました>
工場が残ってて、よかったね。
いせは消しゴムで消しながら鉛筆で手紙を書いていた。
いせの手紙
新二、元気で訓練に励んでいることと思います。今度、のぶ子さんと一緒に暮らすようになりました。詳しいことは、お前が帰ってきてから話します。2人で元気に暮らしているから安心してください。お前が内地の教育隊で訓練を受けるようになる日を楽しみにしています。のぶ子さんのことは母さんに任せてください。体に気をつけなさいよ。
嬉しそうに葉書を見つめる新二。
工場
鉢巻を頭に巻いて事務仕事をしているのぶ子。
のぶ子の手紙
新二さん。私はお母さんのおかげで元気に暮らしています。お母さんからいろいろ教えていただいてます。新二さんのお帰りをお待ちしています。ご無事をお祈りします。
端野家
いせに仕立物を教わるのぶ子。
<東京の大空襲のことなぞ検閲が厳しくて、とても書けませんでしたよ、あのころは。のぶ子さんのご両親が亡くなったことも新二が心配するようなことは一切、書きませんでした>
新二のもとには手紙と一緒に慰問袋が届いていた。慰問袋に”端野いせ”と記名してある。
兵士「慰問袋か?」
新二「ああ」
兵士「端野、おめえ、幸せ者(もん)だな。俺なんかいっぺんも来たことないのに。飴玉があんじゃねえか」
新二「おう」と袋を差し出す。
1粒食べた兵士。「うめえなあ」
新二「みんなで分けてくれ」
兵士「そうか、悪いな。おう、うめえぞ」紙袋に入った飴玉を配る。
兵士「いただきます」
兵士「端野からだ」
兵士「おう」
新二は袋から手編みのセーターを出して広げて見て嬉しそう。
いせの手紙
満州は内地より寒いと聞きます。セーターを入れておきます。風邪をひかないように。
唐突に挟み込まれる回想シーン
新二<<お母ちゃん、カニ! ほら!>>
いせ<<どら? キャーフフッ>>
新二<<僕、イヤだ。やっぱりお父ちゃんと違うもん。僕、お父ちゃんいらない>>
いせ<<ハハハハッ。お母ちゃんも結婚しない。新ちゃんがいればいいんだ>>
裁ち台の前に寝っ転がる新二。<<母さん>>
いせ<<なあに? 何か用?>>
新二<<呼んでみただけ>>
いせ<<用事がないのに呼ばないの>>
満州で一人芝居する新二。「母さん」
「何? なんか用?」
「呼んでみただけ」とセーターを抱きしめる。
砲声
<硫黄島が落ちて、僅か半年後、今度は沖縄に敵が上陸して、あの恐ろしい生き地獄のような戦いが始まったのでした。それでも私たちは国中を挙げて本土決戦を叫んでいたのですからね>
日本地図から沖縄島のアップ。
端野家台所
のぶ子が帰ってきた。嬉しそうに封筒を開けたのぶ子は手紙を読んでいる。
いせ「誰から?」
のぶ子「新二さんから」
いせ「見せて」
のぶ子「ダメ」←冗談っぽい言い方。
ドン引きのいせに気付かず、笑顔で手紙を読んでいるのぶ子は一読して「おばさん、どうぞ」と手紙を差し出した。
いせ「いいわ。あんたに来た手紙だから」ツーンと台所に引き返した。
裁ち台で作業中のいせ。
のぶ子「おばさん」
いせ「なあに?」
のぶ子「お給料頂いたんです。僅かなんですけど足しに…」
目も合わせず作業するいせ。「そんなに気を遣わなくてもいいのに」
のぶ子「でも…」
いせ「じゃ、食費だけ頂いとくわ」
のぶ子「いえ、お部屋代も」
いせ「そんなに気を遣わなくてもいいのよ」
サイレンが鳴る。
いせ「早く」
のぶ子「はい」
作業をやめ、灯りを消し、壁に掛けていたかばんを取る。
警防団員「空襲警報! 空襲警報! 敵機来襲~! 敵機来襲~!」
家を出て二人は手を取り合って防空壕の中へ。女性の読経が聞こえる…というか字幕には(女性の読経)と出てるけど、聞こえないなあ。やっぱり字幕がないと拾えてない情報がたくさんあるね。
爆発音
警防団員「来たぞ!」
耳をふさぐいせたち。
サイレンが鳴り、警防団員が「空襲警報、解除~!」と叫んでいる。
ある日、いせが裁ち台の前で作業していると、新二からいせ宛ての手紙が届いていた。すぐに封を切って手紙を読む。
新二の手紙
母さん、元気ですか? のぶ子さんとの暮らしはどうですか? 先日は慰問袋ありがとう。セーター助かりました。自分は乙種幹部候補生に合格しました。次はいよいよ甲種幹部候補生の試験です。訓練や戦闘の合間を見て、勉強しています。内地もいろいろ大変でしょう。気をつけてください。この手紙と一緒にのぶ子さんにも便りを出します。母さん、体に気をつけて元気に過ごしてください。新二
いせは笑みがこぼれ、すっかりご機嫌になる。
<新二が甲種幹部候補生になる第一段階の試験に合格したことを知ってうれしかったですね。危険な前線から内地の教育隊に帰ってくる日が近づいているようで、のぶ子さんの手紙のこともどこかで掛け違って一足早く着いただけだと分かって…フフフッ。あの子の手紙を手にするまでは、どうも面白くなくて。バカなものですね>
新二の写真に向かって「一緒に出したのか」と手紙でたたくいせ。
鼻歌も飛び出す。
♪お蔦 主税の心意気
知る…
のぶ子「そうですか。よかった」
いせ「フフフフッ。のぶ子さんと一緒に出したんだって。満州から届く間に私のはどっかで止まってたのね、きっと」
のぶ子「そうじゃないかと思ってました」
いせ「新二が私のこと忘れるわけないわ」
笑顔でいせを見るのぶ子。
いせ「さあ、早く食べてお風呂行きましょう。空襲、空襲でもう9日もお風呂入ってないわよ」
のぶ子「はい」
<空襲は東京ばかりでなく、名古屋、大阪、神戸と全国各地に広がっていきました>
茹でたジャガイモの皮をむいてお茶碗に入れて食べてたんだろうけど、食べ始めてすぐいせの茶碗からジャガイモが少し転がり落ちて、それでも芝居を続けてて…面白い。
<そして、5月7日、ドイツが無条件降伏。当時、私たち国民は自分の国、日本のことも、ましてや他の国の状態など全く知りませんでしたから、ひたすら「撃ちてし止まん」の精神で誰もが最後まで戦うのだと悲壮な気持ちを持っておりました>
今日はナレーション長めなせいか、芋を詰まらせた芝居をするなど、小技が効いてる。
いせ「ああ~、苦しかった」
のぶ子「フフッ」
庭の畑に水やりしていたのぶ子は「郵便です」の声に反応。
いせ帰宅。「きれいでしょう。久しぶりだわ。こんな立派な反物。軍人さんにお嫁入する娘さんの…」と反物を広げて見せていた。
無言ののぶ子。
いせ「どうしたの? のぶ子さん」
のぶ子「おばさん、これ」葉書を差し出す。
いせ「あら、三浦先生の奥様じゃないの。まあ、珍しい。気にしてたの。お元気かしら?」葉書を黙読。「三浦先生が…戦死した?」
のぶ子「私、悪いと思ったんですけど、葉書だから、つい読ましてもらったんです」
いせ「三浦先生が…」そのまま庭へ出て、ポンプから水を出して顔を洗う。
夜、のぶ子が目覚めると、隣で寝ていたはずのいせの姿がない。いせは庭でぼんやり。
回想シーン
いせ<<お帰り、お待ちしてます>>
三浦先生は敬礼した。
井戸のそばにボンヤリ座るいせのもとへ行ったのぶ子。「おばさん」
いせ「しかたがないわね、戦争だもの」
のぶ子「うちに入ったほうが…」
いせ「いい方だったのに。私たち親子の恩人だった、三浦先生は。新二が知ったらどんなに悲しむだろう」
のぶ子「戦争って、ホントにむごい」
いせ「人と人が平気で殺し合って…一人にしてちょうだい」縁側に腰掛け、のぶ子に背を向け、がっくりうなだれる。(つづく)
今週も3番。最終週もそのままかな? 三浦先生、帰ってくると思ってた。
若い人は立ち直りも早くて…じゃなく、のぶ子がいせより大人の対応をしてるんだと思う。いせはすぐ機嫌が悪くなったりよくなったりで、周りが気を遣う。
改めて映画版のあらすじを読むと結構違うので驚く。映画版の場合、新二が好きになるのは友達の妹でドラマ版でいう山で亡くなった小宮の妹みたいな感じ? ドラマ版は、のぶ子は孫もいるおばあちゃんだといせが明言してるから生きてることは確定。でも、映画版だと妹は空襲で亡くなるからまた全然違うし。どこまでが創作で何が本に書かれたことなのか分からんね。元々、新二には恋人自体いなかったとか!?