TBS 1982年5月27日
あらすじ
孝司(山村聰)に求婚された華子(山岡久乃)は、今朝も仕事が手に付かない。ついに午後、休診させてもらって姿を消した。行く先は幸代(浜美枝)の勤め先だった。華子は、この求婚は幸代が受けるものだったような気がしてならない。だが、幸代は結婚より仕事を選びたいと、その意志ははっきりしていた。孝司に夢中だったときのことは、もう過去形になっていた。そのころ、孝司には九州転勤命令が出ていた。誰も考えてもみないことだった。皆見(倉石功)が悠子(大空眞弓)を訪ねてきた。
神戸に帰るので、お別れに来たのだ。十河(山本亘)も訪ねてきたが、表情が明るくなり、いずれ一正(松田洋治)に束縛されない日が来たらと、悠子との未来に淡い期待を抱いている様子だった。 三子(京塚昌子)が歯痛を起こした。華子がいなくなる京歯科を背負っていかねばならない不安からだった。が、やがて三子は元気が出てきた。京歯科はなんとかやり抜く。悠子も店を持って自立した。そう、三子も悠子もその気になればいいのだ、と思う。
妹たちは断固、華子に九州に行けと言う。迷った華子は青山墓地に行った。ちょうど孝司も亡き妻に別れを告げにお参りしていた。 亡き妻が残した晩年の幸せを、その分華子に幸せになってほしいと孝司は言った。華子の気持ちは決まった…。
2024.7.18 BS11録画。
作・田井洋子
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音楽・木下忠司
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京(かなどめ)三子:京塚昌子…京家の三女。歯科医。45歳。
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京華子:山岡久乃…京家の二女。歯科医。47歳。
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京悠子:大空眞弓…京家の四女。離婚してパリから帰国。33→34歳。
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津村順司:川崎麻世…津村孝司の息子。20歳。
細川桃:倉田まり子…技工士学校に通う受付。19歳。
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古谷健:河合宏…歯科技工士。21歳。
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十河志郎:山本亘…植木リース屋。32歳。
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川北修三:小倉一郎…「ふれあい」店長。25歳。
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川北有紀:東てる美…修三の妻。22歳。
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皆見武光:倉石功…悠子の知り合い。30歳。
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村瀬好子:丘祐子…歯科衛生士。22歳。
柳田:丸尾りえ…幸代の同僚。
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患者:西朱美
木村翠
母親:泉よし子
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折原幸代:浜美枝…悠子の友人。33歳。
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津村孝司:山村聰…京家の長女・史子(故人)の夫。53→54歳。
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プロデューサー:石井ふく子
京歯科医院
治療中もぼんやりしている華子。雨のせいで患者も少なく、華子は村瀬に午後休んでいいか聞く。
楽楽
皆見が来店し、これから神戸に帰ると言う。悠子にこれから頑張ってくださいとエールを送り、店を出て行った。倉石功さんは、このドラマの再放送中に「幸福相談」を見たせいか、ドラマ見始めのころと違い、可愛いイメージがついた。
入れ違いに三子が入ってきて、華子が何も言わずに出て行ったと話しに来たが、桃から急患が入ったと言われ、病院に戻った。
幸代の職場
華子は幸代と会い、気持ちを聞いた。幸代は家庭と仕事のどちらにも力を注ぐことが出来ない。結婚しても仕事は続けられるという華子に所長のことは好きだけど、仕事を辞めるまでもないと答えた。孝司と幸代のことは、もうとっくに終わったことと思ってるのにしつこく引っ張るねえ。
失恋してパリに旅行に行ってたというより、悠子の元夫に会いに行ったみたいな感じ。
幸代が華子と話したあと、同僚から所長が九州に転勤になると知らされ、幸代は驚く。
京家
孝司が来て、九州の新しい研究所への転勤が決まり、華子に一緒に福岡に行ってほしいと頼んだ。定年までわずかな人間にさせるかあ!? 定年が55か60かでまた大きく違うけど。この頃は、さすがに定年は60歳になってたかなあ?
歯痛になった三子。華子に代わり、京歯科医院の院長になることをプレッシャーに感じていた。
京歯科医院
植木を運んできた十河は桃と明るく世間話をした。
楽楽
悠子の前に顔を見せた十河は、父親が芳野が書いた息子が結婚するという手紙で戻ってきたと話し、一正が束縛しなくなるまで待っていると言う。結局、皆見さんより十河さんのほうが可能性があるってことなのかな?
悠子は華子が結婚すると話し、ちょうど厨房から出てきた華子に十河が立ち上がり、結婚おめでとうございますと頭を下げた。
華子はまだ決めかねているとぶつぶつ言い、家へ帰って、仏壇の史子姉さんにも文句を言う。
帰ってきた三子は、これから福岡へ行き、話し相手もなくひとりぼっちになってしまう華子に覚悟を決めろと言うが、華子は今まで通りここにいると言い出し、三子は困惑する。
一正は部屋が狭いからと津村家に行くと言い出し、悠子は止めた。一正の本心は順司が一人になってかわいそうだからというものだが、順司は大学生で、一人暮らししてる人や外国に行ってる人もいるのよ?と悠子は反論するが、一正は出て行った。
三子も悠子も華子の決心がつくよう、華子がいなくてもいいと突き放した。
華子は津村家のお墓へ。先に孝司も来ていて、史子に別れを言いに来ていた。華子は史子姉さんみたいに何にも出来ない、歳を取りすぎてると自虐した。孝司は歳を取ることは悲しみじゃなく喜びだと話し、華子もようやく心が決まった。
一正は孝司たちの許可を得て、荷造りをして出て行った。ひとりぼっちになった悠子。
華子は孝司と帰宅。お姉ちゃまの九州行きが決まり、三子も悠子も喜ぶ。
ダイニング
孝司、華子、三子、悠子がビールで乾杯。悠子はお兄さん、お姉ちゃまに助けられて、人のことも考えられようになったと話し、三子も孝司によろしくお願いしますと頭を下げた。部屋に入ってきた一正と順司。華子は順司に今日から叔母さんじゃなくお母さんだと微笑みかける。あなたのお母さんは史子姉さんだけよ、でいいのにね。
華子、出発の日。三子は涙、涙。迎えにきた順司がすんなりお母さんって呼んでる。三子は華子にボロボロのお守りを渡して、泣きながら送り出した。
若き日の
あなた自身へのプレゼント
という以前、華子が話したメッセージを添えて、川北夫婦がプレゼントを渡し、京歯科医院の人々も2人を送り出した。(終)
おお〜!? ここで終わるんだ!
これまでの橋田脚本に比べるとギスギス感はない。でもねえ、やたらウェットでことあるごとにメソメソ泣く脚本が合わなかった。名だたる名優が演じて泣きの演技を見せてるのに見ていて共感して泣けた回は一度もなかった。ただやっぱり、京塚昌子さん、山岡久乃さんの共演に見続けてしまった。
トップに名前が来るのが京塚昌子さんなのに、三子は劇中、元夫と10年ぶりに再会して、不倫した女性と別れ、さらに若い女性と再婚して子供がいると聞かされ打ちのめされたり、やたらモテモテな悠子、最後に結婚した華子に比べるとなんだったんだ。
立派に仕事していることより、独身であること、子供がいないことばかりクローズアップするような脚本もなんだかな~。
今度の「いごこち満点」は山岡久乃さんが出ているコメディらしい。明るく笑える作品ならいいな。