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ドラマの感想など

【ネタバレ】存在のない子供たち

2018年 レバノン/フランス

 

あらすじ

中東の貧民窟に生まれた12歳の少年ゼインが、「僕を産んだ罪」で両親を訴えた。両親が出生届を出さなかったため、自身の誕生日も知らず法的には社会に存在しないゼイン。朝から晩まで劣悪な労働を強いられる中、支えだった11歳の妹が強制結婚させられ、怒りと悲しみから彼は家を飛び出す。

2021.10.7 ムービープラス録画。

 

ゼイン・アル・ハッジは出生証明書もなく、医師の診断で12歳とされた。両親も誕生日を把握していない。ゼインは人を刺し、少年刑務所に行くことになっていたが、「僕を産んだ罪」で両親を訴えるという。

 

ここからはこれまでの経緯。ゼインは12歳というけど、かなり見た目は幼い。学校にも行かずに働いている。さらに幼い弟妹も複数いる。

 

ある日、兄弟と路上で自家製ジュースを売っていると、ゼインが妹のサハルの短パンに血がついていることに気づいた。ビルに入り、ゼインが下着を洗う。このことが母のスアドにバレたら男のところに連れていかれると隠すように言う。

 

両親に学校に行きたいと言うゼイン。父は仕事はどうするんだと反対。母は給食が出ること、いろいろ持って(盗んで)帰れるということで賛成する。

 

ゼインが家に帰ると、ニワトリが数羽いた。弟に聞くと、ゼインが働く食料品店の店主・アサードが持って来たと言う。サハルは花嫁のような格好をさせられており、母は家賃の交渉をしてるだけ、サハルは花嫁ごっこをしているとゼインに説明した。

 

翌朝、ゼインは荷物をまとめ、サハルと家出しようと準備した。バスの運転手に妹を膝に乗せるから1000ポンドでいいと交渉して家に帰ると両親がアサードの元に連れて行ってしまった。泣き叫ぶサハル。

 

冒頭のシーンに戻り、父のセリムが裁判長?に娘を結婚させたのは貧しさから救うためだと言い訳をした。

 

また回想。バスに乗ったゼインは、隣の席に座ったおじいさんのあとについて、ある街で下車した。遊園地に入り込んだゼインは掃除係のティゲストという女性と知り合った。ゼインは園内で働きたいと言うがなかなか仕事は見つからない。

 

ティゲスト自身も赤ちゃんをカートに入れてこっそり育てていた。

 

翌日、ティゲストは息子のヨナスをゼインに預けて仕事に出かけた。ミルクしか飲んでないヨナスにビスケットを与えたり、何か事故が起きるのかハラハラした〜。ティゲストは職場からホールケーキを盗み、ヨナスの誕生日祝いをした。

 

ティゲストもまた不法滞在で身分証の偽造屋に値段交渉していた。ヨナスもまたゼインと同じように何の届け出もされていない。偽造屋は、ヨナスを里子に出せば堂々と会えるとティゲストに言うが、子供のことは自分で決めると聞く耳を持たない。

 

警備員をしている男に奥様の身分証を盗ませて、その女性になりすますティゲスト。遊園地で働く仲間に頼んで一芝居うってもらった。ゼインとバスで隣だったおじいさんは遊園地で働いてるのか。

 

市場に行くと出かけて行ったティゲストが一晩経って戻らず、ヨナスを連れて外に出たゼイン。遊園地の同僚に聞き、偽造屋に会いに行く。サンドイッチをくれて、ヨナスを預けるように言うが、ゼインはサンドイッチだけもらって、そのまま帰った。

 

ティゲストは不法滞在で捕まっていた。

 

家に帰って泣き続けるヨナス。ゼインは赤ちゃんが食べられるものを、と買い物に行った。帰り道、外のベンチにいた赤ちゃんの哺乳瓶を盗んで帰り、飲ませようとしたが、ヨナスは飲んでくれない。氷を皿に入れて、そこに粉ミルクをふりかけ、氷をなめさせた。

 

近所の小さな子供からスケボーを盗み、そこにヨナスと鍋を乗せ、鍋を売る。ゼインはシリア難民になりすまして粉ミルクなどをもらう。

 

偽造屋に行き、お金をもらったゼインはそのまま帰る。んー、ヨナスも痩せてきてると言われてるのに、何でゼインはそのまま育てるんだろうな!?

 

薄めた粉ミルクを売って荒稼ぎするゼインだったが、当然バレて、あっちに行けと言われた。

 

家賃を払っていないので、ある日帰ると、荷物が出され、カギがかけられていた。ドアを壊そうとするゼイン。道端にヨナスを残し、一人で行こうとする。かなり交通量の多い道端でゼインの後を追おうとするヨナス。ゼインはヨナスの片脚をロープで縛り付けて移動できないようにした。

 

結局、ヨナスを偽造屋に預けることにしたゼイン。身分証があればベイルートを出られると言われ、家に帰るように言われ、お金をもらって家に帰った。

 

突然戻ってきたゼインに両親は怒る。そして、サハルが死んだと聞かされたゼインは包丁を持って家を飛び出し…次のシーンでは警察に捕まってた。

 

裁判所。車椅子に乗ったアサード。妻は11歳。結婚に適した年齢だと思うか?と裁判長に聞かれると、適していると答えた。結婚してすぐ妊娠したサハルだったが、大量出血し、病院に運び込んだが、出生証明書がなく診察を断られ、そのまま亡くなった。

 

ゼインの母は貧乏暮らしを嘆いていたけど、何人も子供を作って手続きもしないのに何言ってんだ?と怒りが湧く。

 

ゼインが刑務所の廊下を歩いているところでティゲストと再会。ヨナスはどうしたの?と泣き叫んだ。

 

ある日、母が差し入れに来たが、妊娠を告げた。女の子が生まれたらサハルと名付けるとか、はあ? ゼインは差し入れにもらったお菓子をゴミ箱にそのまま捨てた。

 

裁判で両親に言いたいことは?と問われたゼインは子供を作るな!と大きな声で言った。

 

その後、偽造屋が捕まり、監禁されていた人々が助け出された。ヨナスはティゲストのもとへ返された。

 

ゼインは身分証のための写真を撮った。死亡証明書じゃないんだぞと言われて笑顔になった。(終)

 

う〜ん、とにかく両親に腹が立った! ドキュメンタリー見てる感じ。ゼインも律儀なのかヨナスを手元に置いて育ててるのが「誰も知らない」みたいになるのかと思ってハラハラした。この両親、結局、自分達が悪いとは全然思ってなさそうで、また繰り返すんだろうね。

 


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