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【連続テレビ小説】芋たこなんきん(11)「お祝い!?」

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

結婚を決めた町子(藤山直美)だったが、忙しさは増すばかりで、式の準備もなかなか進んでいなかった。そしてある日、今の忙しさが落ち着くまで、結婚後も健次郎(國村隼)の家には入らずにしばらく別居したいことを健次郎に告げる。作家だった前妻を病気で亡くした健次郎は、無理することはないと町子の意をくむ。お互いの周囲では理解できず、2人の結婚にますます首をかしげる。そんな中で結婚式の日は近づく。

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振り返り

町子「今、結婚したら物書きとしても主婦としても両方中途半端になってしまいそう。私、それが嫌やねん」

健次郎「そんなこと…」

町子「そんなことって…」

健次郎「アホやなあ。中途半端と中途半端が2つ寄ってトータルしたら人生満タンやないか! さきざきのことはまた考えたらええがな」笑い

 

スケジュール帳に予定をかきこむ。

10 月 結婚式

振り返りここまで。

 

徳永醫院

健次郎は花岡家に電話。「こんつめ…?」

和代「はあ。『式まであと10日やから何やら神戸の方のホテルに仕事持ち込んで泊まって、こんつめになる』て」

健次郎「あ~、あの…缶詰めですかね?」

和代「やあ! かんづめ? そない言いますの? 私はまた根詰めて書いてるから、こんつめやとばっかり!」

健次郎「ハハッ、確かにこんつめですね。お母さん、うまいこと言いはる! ハハハ!」

 

ホテルのロビー

町子「わざわざ来ていただいてすいませんでした」

丹下「いえ、とんでもないです。でも、私、安心しました。関西に来るの生まれて初めてなんです。『怖い所だ』って聞かされていて『駅降りたらもうみんなどなり合ってる』って言われて、どうしようかなあなんて…。来てみたら案外そうでもないですね。地下鉄も走ってるんでびっくりしました。明日の朝、また参りますのでよろしくお願いします」

町子「お願いいたします」丹下の話にあぜん。

 

失礼な東京者の演出だったのかもしれないけど、丹下役の山路梨瀬さんを調べたら大阪出身とあって、納得。だって、微妙に関西イントネーションが出てたもん。

 

健次郎「フフフフフ、ハハハ! 地下鉄ぐらいあるっちゅうねん! のう!」

健次郎は町子たちの席の近くに座っていた。

町子「どないしたん!?」

健次郎「(天津甘栗の袋を見せ)陣中見舞い」

 

部屋

町子「アホらし。大阪の何が怖いのんよ」

健次郎「ハハハハ! けどな、僕、大阪来た時にみんなけんかしてんのかなあと思たで」

町子「えっ、ほんまに?」

健次郎「うん。何かこうほれ、言葉に勢いがあるやろ」

 

町子「あ~、勢いね。けどね、それね、乱暴なんと違てね、合理的なんですよ」

健次郎「うん、そうそう。持って回った言い方、せえへんな」

町子「分かりやすいのが一番やもんね」

健次郎「そう。シンプルが一番や。僕の生き方と似てるな」

 

町子「ハハハ! 私もやっぱしどっちか言うたら分かりやすい…。思い出した」

健次郎「うん?」

町子「子供の頃」

健次郎「うん」

町子「面白いことがあってね」

健次郎「何、何?」

 

町子「私と妹がね」

健次郎「うん」

町子「犬を拾てきたんよ」

健次郎「うん」

町子「ようほえる犬でね…」

 

歯をむき出して怒っている柴犬から町子の幼少期へ。

徳一「これ、ポパイ」

和代「2人とも早う連れて入り!」

徳一「すんません!」

女性「袖口だけやったからよかったようなものの、もし指でもかまれてたら、どないしてくれはるんですか!?」

徳一「申し訳ありません!」

 

女性「こないだも『散歩の途中におじいさんにほえかかった』て聞いてますし! あ~、おとろしい!」

和代「おけがはなかったんで…」 

女性「たまたまです!」

和代「すいません…」

女性「今後、気ぃ付けてもわらな! フン!」

徳一・和代「すいませんでした」

 

ポパイのほえる声

常太郎「何で家じゅうでワシにだけほえるんや、お前は!」

ポパイのほえる声。名演技だな~。鼻にしわ寄せて怒ってる。

常太郎「徳一、ちゃんとしつけせな。何かあったら知らんぞ!」

 

ウメ「あんまりよそさんに迷惑になるようやったら考えなあきまへんで」

徳一、町子が正座してウメの話を聞いている。

 

大人町子のナレーション

町子「人見知りが激しかったのか、ポパイは人が通ったら鳴くねん。それがある日…」

 

夜、ポパイのほえる声に起こされた常太郎。「コラ、ポパイ! 近所迷惑やろ!」

ポパイはまだほえている。ただほえてるだけじゃなく歯をむき出しに鼻にしわ寄せて怒ってるのが演技なのか怒らせてるのか。

 

常太郎がポパイのほえる方向を見ると、室内で明かりが動いていた。

常太郎「あっ、何してんねん!? コラ! お前、誰や!? おい、おとなしゅうせえ! あっ!」

徳一「どないしたんや?」

常太郎「泥棒や、泥棒! 徳一、玄関回れ! 玄関!」

 

外に出た泥棒はポパイにほえられる。逃げようとして徳一と鉢合わせ。昨日のミニ予告はこの辺か。すったもんだありながらなんとか徳一が捕まえた。「誰か警察呼んで! 泥棒や! 警察!」

泥棒「すんません…。すんません…」

 

健次郎「へえ~! ポパイお手柄やな!」

町子「町内の回覧板にも、その話書かれてね、もうおじいちゃんもコロ~ッと態度が変わって!」

 

写真館のスタジオのドアには「お手柄ポパイと一緒に寫眞を撮りませう」とポパイの写真が貼られた紙があった。

浦田「あ~、わざわざありがとうございます。すんませんね」

 

常太郎「ほな、町子、お手柄ポパイ頼むで」

町子「はい!」

ポパイの紐を写真を撮りに来た男の子に渡す。

男性「子供が『どないしても誕生日はポパイの店で写真撮りたい』言うて聞きませんのや」

常太郎「あっ、そうですか。それはおおきに。どうもありがとうございます。では撮りますよ。ポパイ、ポパイ、こっち見てね。ポパイ、ポパイ、どこ見てんの? ほら、こっちこっち! ポパイ! すんませんねえ。どこ見てんの?」

 

町子「そのあともポパイ見たさにお客さんが来たりして、おじいちゃん喜んでたんやけど、相変わらずポパイは気性が激しいて」

 

ウメの部屋には常太郎、徳一、町子。

ウメ「犬のことでご近所からいろいろ言われて肩身の狭い思いはしとうおまへんよってな。何か起こってからでは遅おまっせ…。なんとかしなはれや」

考え込む常太郎。

 

子供部屋

孝子「ポパイ、どっかにやられんの?」

町子「分からへん」

孝子「そんなん嫌や~!」

町子「私も嫌や!」

孝子「嫌や…」

2人、泣き出す。

 

ポパイ、ほえてない時の顔は別犬だな。演技派。

 

徳一「あんまり人を近づけんこっちゃなあ」

常太郎「せっかくお客さんが『一緒に撮りたい』て言うてはるもんをむげに断んのもなあ」

和代「とりあえず注意書きでも貼っときます?」

徳一「あっ、注意書きな…」

常太郎「分かった。それで行こ」

 

常太郎が家の中をうろうろ歩いている。外にいる町子や孝子はポパイの視線に常太郎が入らないようにノートを広げて目隠しをする。

 

和代「出来ました」

徳一「どれどれ? 『犬に近づかないでください』。うん」

和代「ほな、これを…」

徳一「ちょっと待ち」

和代「はい?」

徳一「これでは甘い」

和代「え?」

 

徳一の書いた注意書きは「かみます」。

徳一「これでええ」

 

和代「『かみます』て…」

見ていた子供たちが笑う。

町子・孝子「かみます~! 『かみます』やて!」

 

回想ここまで。町子と健次郎も笑う。

健次郎「そら、シンプルや! 分かりやすい。おじいちゃん、面白い人やな」

町子「そう。けど、ポパイ、懐かしいなあ。アハハハ!」

健次郎「うちの家、家ん中、皆、ポパイだらけや『ワンワン、ワンワン』て…」

町子「私、にぎやかなん大好き」

健次郎「うん。あんたがうちに来てくれたらもっとにぎやかになるわ」

 

町子「その話なんやけど…」

健次郎「どの話?」

町子「一緒に暮らすの、ちょっと待ってもらわれへんやろか?」

健次郎「え?」

町子「今から楽しみやねん。テーブルでワイワ~イと言いながら、みんなでお料理をにぎやかに頂くの。一番初めね、私、お料理、何作ろうかなって考えただけでもワクワクする! 面白うて楽しいて家のこと夢中になると思う」

健次郎「うん」

 

町子「子供たちにどんな料理作ってあげようかな…。どんなお洋服作ってあげようかな…。ず~っとこの子たちと一緒に遊んでいたいなあ…。その上でね…」

健次郎「うん」

町子「お仕事も一生懸命きっちりやっていきたい! 健次郎さん」

健次郎「うん?」

町子「私、パンクせえへんやろか? 何もかも1人で一生懸命頑張てバ~ンて破裂してしまわへんやろか…。そんなことになったら機嫌よう暮らせるはずの私と健次郎さん駄目になってしまう…」

 

健次郎「仕事もええけど…体壊してしもたら元も子もないで」

町子「仕事が落ち着くまで…このままでいい?」

健次郎「『このままで』いつまで?」

町子「私が『もういいなあ』と思うまで」

 

健次郎「はあ…。ほな、式は?」

町子「式は挙げますよ。面白いもん」

健次郎「面白い!?」

町子「面白いポイント押さえさせてもらわんとね」

健次郎「はあ…。『しばらくこのまま』か…」

 

徳永家

晴子「ほら、見てみい!」

健次郎「何が?」

晴子「子供らの面倒見んのが嫌やったんやないの? そやから一緒に住まへんて」

健次郎「いや、それはものすごう楽しみにしてるんや。そやから余計に『今越してきたら大変やな』いうことになってな。ごちそうさん。まあ、そういうことや」

 

晴子「分からへんわ…。どう思う?」

喜八郎「まあ、あいつがそう考えたんやから」

イシ「それなりの考えがあるねんわ」

納得いかない晴子。

 

茶店

みすず「それって別居っていうこと?」

町子「サルトルとボーヴォアールみたいでしょ」


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加代子「結婚して別居やなんて普通やないわ!」

町子「結婚したからいうて、すぐ一緒に住まねばならぬってことはないと思うのよ」

みすず「カモカさん、納得してんのん?」

町子「もちろんや」

 

加代子「変わってるわ~!」

みすず「そりゃ町子と合うはずや!」

町子「私、そろそろ行かなあかんねんわ。あと、お願いしますね」

みすず「ちょっとちょっと何言ってんの?」

町子「え?」

みすず「ちょっとドレスだけでも決めてって」

町子「どっちみち貸衣装でしょう。ねえ、2人選んどいて。よう伸びるやつ、頼むよ。よ~う伸びるやつ、頼むよ。ほなね。あと、お願いします!」

 

加代子「町子!」

町子「頼むね~!」

加代子「もう!」

みすず「こうなったら思いっきり派手なのにしたろ! なあ、アホみたいに派手なのにしたろぜ!」

 

徳永家

イシ「着物は成人式の時のでよろしやろ?」

晴子「嫌やわ。何年たってると思てんの!」

 

健次郎「奄美の叔母ちゃん呼ばんでええかな?」

喜八郎「1回目出とるから気は済んどるやろ」

 

晴子「お兄ちゃんはどないすんの?」

健次郎「アホ。新郎の俺が出んでどないすんの、お前」

晴子「違うやん。昭一兄ちゃん!」

 

イシ「あっ」

健次郎「あっ」

喜八郎「すっかり忘れとった~」

健次郎「僕もや。大体、今、どこにおんねん?」

 

晴子「半年前に仙台辺りからハガキ来たきり…」

健次郎「連絡とられへんやろ」

喜八郎「う~ん、呼ばなすねよるかもなあ…」

健次郎「連絡取られへんで。うん…」

 

新聞の尋ね人コーナー

聖子 父危篤そっと居場所知らせ 兄 角田義徳

和也 万事解決した すぐ帰れ 母 木下恵美

昭一 健次郎・結婚 連絡請う 父 徳永喜八郎

パパ 至急電話ください 田中洋子

君江 お願いです帰ってきて 桑野智宏

薫ちゃん すべて解決した 内田へすぐ電話連絡せよ 竹下孝二

 

たこ芳

健次郎から新聞を見せられている町子。「お兄さん、いてはったん…」

健次郎から写真も渡される。大きなサボテンと昭一。

健次郎「長いことアメリカおってんけどな。最近は国内ウロウロしてるらしい」

 

健次郎の兄・徳永昭一は火野正平さん。

 

町子「職業、何? 想像できへんねんけど…」

健次郎「流れ者」

町子「流れ者…。映画以外で初めて見せてもろたわ…」

 

大小さまざまな混乱の中で結婚式は近づいていました。

 

ん? 今日のナレーションは関西イントネーションだった。

 

ミニ予告はセット中の町子さん。

 

仕事が落ち着くって、いつなんだろう…?