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【連続テレビ小説】芋たこなんきん(9)「お祝い!?」

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

文学賞を受賞した日から休みなく仕事を続け、ついに倒れてしまった町子(藤山直美)。内科医でもある健次郎(國村隼)が往診に町子の家へと通う。翌日も、その次の日も健次郎の往診が続く。そんなある日、健次郎は、おでん屋「たこ芳」で、近所のスナックの女性と「エエ男とはどんな男?」の話題で盛り上がる。そして健次郎は、「“エエ男”について意見が聞きたい」と町子に電話を入れる。2人の長電話は夜中まで続く…。

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振り返り

町子「お父ちゃんが一生懸命、心を込めてした仕事残ってたんや…。大事に大事にしてくれてはったんやな」

和代は涙ぐむ。

町子「さて…」

和代「今夜も夜なべか?」

町子「せっかくつかんだ夢やもん、一生懸命やらんとね」

しかしたちが上がり歩きだしてふらついた。

和代「町子?」

信夫「お姉ちゃん、どないしたん!?」

和代「町子!」

町子「何かお母ちゃん寒気がすんねん」

ここまで。

 

「篤田川賞」受賞から休みなく仕事をしていた町子はとうとうダウンしてしまいました。

 

今週からナレーションが標準語イントネーションになってた。

 

徳永醫院の前の路地を子供たちが走る。

 

診察室

健次郎「う~ん、生のカキにあたった?」

俊平「う~ん。痛い痛い痛い痛い! そこ痛い痛い痛い。痛い…。あ~、痛い。もうゆうべからえらい目に遭うてね」

健次郎「で、家族はいな?」

俊平「いや~、あの…食べたんは僕だけで」

健次郎「うん」

 

俊平「あの~、角のスナックに先週、若い女の子入りましたやろ?」

健次郎「アムールかいな?」

俊平「広島の子でね、『飲みに連れてって』言うから2軒ほど行って、『アパートまで送って』いうことになって。で、『田舎から送ってきたカキあるし、ちょっと上がれへん』言われたらね」

健次郎「はあ…」

 

映画館主の大崎俊平役の櫻木健一さん。

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↑こちらでは気弱な青年役。

 

俊平「ちょっとクタッとしてるなあ思たんやけどな…」

健次郎「そりゃ、古かったんやな。バチ当たったんや! バチ!」

俊平「あ~、びっくりした」

健次郎「カキ食べたかったら、うちで嫁はんと食べとったらええねん。ほな、体も安全。家内安全や」

俊平の後ろに控える鯛子は何度もうなずく。

 

俊平「まあ、そうかてね、危険なカキにも手ぇ出したなるのが男のさが」

健次郎「何を言うとんねん」

俊平「(振り向いて鯛子に)あっ、あの、今、うちでかかってる映画割引券あげよか? うん?」

鯛子「はあ…」

健次郎「一個も懲りとらんな!」

 

往診中の札がかかっている。

鯛子「先生!」

健次郎「うん?」

鯛子「最近、飲みに出かけはりませんね?」

健次郎「はあ」

鯛子「危ないカキにはご注意くださいね。お昼、行ってきます!」

健次郎「アホか」

 

電話がかかってきた。

健次郎「はい、徳永医院です。あ~、どうも。あ~、徳永です。え?」

和代「はあ…そうなんです。ええ、昨日から」

健次郎「あ~、過労ですかね?」

 

町子は厚着をして原稿を書いている。「あ、ま…。頭、痛い…。あ~、頭、痛い。あ~、しんどい。あ~あ~何で目ぇ回ってんねやろう?」畳に仰向けになる。町子が目を開けると、町子の顔を覗き込む健次郎がいた。

 

町子「うわっ、びっくりした! 何してんのよ?」

健次郎「そら、こっちの言うことやがな」

町子「あ~、びっくりした」

健次郎「医者にも行ってないんやて?」

町子「いや~、あのちゃんと風邪薬のんでるから大丈夫やて。大丈夫。あのね、丸一日ね、休んでしもたから取り戻さなあかんの。これあさって締め切りになってるから。私、今からやらなあかん」額に置いた健次郎の手を振り払う。

 

健次郎「分かった、分かった…」

町子「ちょっと待って。あかんて」

健次郎「こっち向きや。はい、ちょっとじっとして! はい。上、向いて。べ~って舌出して。そんなあかん。べ~」

健次郎は町子の診察を始めた。

町子「べ~!」

健次郎「はいはい、もうちょい上向いて。上、上…。赤いな」

 

町子「大丈夫やって」

健次郎「これ打っといたら熱下がるから」

健次郎の言葉に町子は机に向かいだす。

健次郎「痛ないから。痛ないから心配せんで。まあ、そない言うても聞かへんねやろうけどな。過労から来とるんやからちゃんと寝とかんと治らんで」

 

町子「寝てるて、世界が止まるんやったら寝るけどね。『…しんでいた…いたのだ』。なかなか上手に書けた。もうちょっと頑張ろう。『私の…』。何か熱下がってる気がすんな」

健次郎「はい! ええで。できたで」

町子「熱、下がってるかも分からんわ。熱、下がってるかも分からんて。嫌! もう嫌や! 注射嫌いやからやめて! 嫌~! 注射、嫌いって!」

ミニ予告はこの部分だったのね。

 

その翌日も、その次の日も…健次郎の往診は続きました。

 

布団で寝ていた町子が注射されそうになり、「う~ん、嫌~…」。

 

徳永醫院

健次郎「お疲れさん。ほな適当に昼休みとってや」

鯛子「往診ですか?」

健次郎「うん」

 

晴子「お兄ちゃんは?」

鯛子「往診デート」

 

貞男「アタタタタタタ…イタタタタタタ…。先生は?」

鯛子「今、出ていきはったとこです」

晴子「腹痛ですか?」

貞男「食あたりですねん。多分、古いカキにやられて。アタタ! 痛い痛い…」

 

工藤酒店・店主の工藤貞男

 

鯛子「広島の?」

貞男「な…何で分かりますの? アタタ! 痛い痛い痛い…! あかん、あかん、あかん…。痛い痛い痛い…。痛いて。痛い。あの…先生…。痛い痛い痛い!」

 

町子の部屋

健次郎「食欲が出てきたら、もう安心や」

町子「はよ、お酒飲みたいな」

健次郎「そら、ますます安心」

町子「私のこと、大酒飲みやと思てるでしょ?」

健次郎「え? 違いますか?」

 

町子「お酒に功徳があるねんよ。血の巡りがよくなって気分爽快になって長寿をもたらす。気分爽快になったら元気になって仕事がバリバリってはかどるでしょ。ねっ」

健次郎「それや」

町子「ん?」

健次郎「そこが女の汚いとこやな」

町子「えっ? 何で?」

 

健次郎「何で黙って飲まれへんのやろな? 何で血の巡りたら何たらかんたら言うて理屈つけて飲まないかん? 『飲みたいから飲む。おいしいから飲む』でええがな。女ちゅうのは必ずこう何か理屈をつけてから行動起こすやろ?」

町子「うん」

健次郎「それがいやらしいな」

町子「『いやらしい』?」

 

健次郎「うん。例えばミカン食べる時も『さあ体にいい。ビタミンCをとりましょう』。3つも4つも食べとるがな」

町子「そう。言う言う。よう考えて。理由づけした方が心が納得して何かほら気楽になれるでしょ?」

健次郎「はあ…。僕はそんなの好かんな。あのな…」

町子「うん」

 

健次郎「酒を飲みたいから飲む。ミカンを食べたいから食べる。そう思てみ。人生、スパ~ッと物事の本質ちゅうもんが見えてくる」

町子「ああ。そしたら今、私は鍋焼きうどんが食べたいから食べてる」

健次郎「そうや。そういうことや」

町子「ほう」

 

健次郎「あかん。行儀悪いけどごちそうさん

町子「お仕事?」

健次郎「うん。これだけはしたい時ばっかりやないけどしょうがないな」

町子「えっ? それ言うてることが違うと思うけど」

 

健次郎「男には責任感ちゅうもんがありますから」

町子「女にも責任感ていうものもありますから」

健次郎「そうか。ほな」

 

町子「あっ、ねえねえねえねえ、卵もらっていい?」

健次郎「食べて。体にええ」

町子「行ってらっしゃい」

健次郎「はい」

町子「卵…卵! うん!」

 

関東煮たこ芳という小料理屋

健次郎がひとりカウンターで飲んでいると、女将さんがため息をつきながら出てきた。

健次郎「おりんさん、どないしたの?」

りん「もう冷蔵庫のドアがアホになってしもうた」

 

りん役のイーデス・ハンソンさんは流暢な関西弁をしゃべる外国人タレントみたいな感じ? しかし、私はあんまりなじみがない。

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wiki見たら、「アルプスの若大将」のリシエンヌ役と知った。フランス人女性役でやっぱり日本語ペラペラだった…かな?

 

健次郎「新しいの、買わな」

りん「そんなお金ありますかいな。先生、寄付してくれはる?」

健次郎「なんでやねんな」

 

りん「あっ、いや~、いらっしゃい、ママさん。えっ、何? こんな早い時間に」

和田「上の店から水漏れて何もかも水浸しですねん。仕事にならへん。ビール頂戴」

りん「あっ、はいはい」

 

健次郎の隣に座る和田。「やあ、先生、こんばんは!」

健次郎「あっ、こんばんは」

和田「アムールの和田です。何べんか診てもろた」

健次郎「ママさん」

 

アムール・ママの和田秋恵役の三島ゆり子さん。

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昔の「十三人の刺客」とか、覚えてるのは「カーネーション」の国防婦人会の澤田さん。

 

和田「お店、いっぺんぐらい遊びに来てくれはったらええのに。新しい子も入りましてんよ。広島の子で…」

マリ「マリです! こんばんは!」

健次郎「ああ」

マリ「え?」

健次郎「あ…いやいや」

 

和田「え~っと私は厚揚げと大根。あんたも好きなもんね…。ちょっとどないしたん?」

マリ「え…。あっ…」

マリは白人女性が割烹着を着て、店をやってることに驚きを隠せない。

マリ「エッグ アンド コンニャク~!」

和田「『こんにゃく?』」

 

りん「おビールでよろしいか?」

マリ「イエス!」

りん「はいはい」

健次郎「あのな、女将さん、もう大阪長いねん」

りん「生まれは神戸。え~、それからお宮参りは生田神社。まあ、そのあといろいろあって現在に至る」

健次郎「そりゃ、省略しすぎやろ」

 

りん「まあ、若い時はアメリカ、それからインド、中国にもおったしね。はい、どうぞ」

マリはまだ驚いている。

 

健次郎「ふ~ん。あんた結婚したいの?」

マリ「そう。いつかは奥さんになるんじゃ」

ちゃっかり健次郎の隣に座るマリ。ママは寝ている。

健次郎「今の仕事は腰掛けやな?」

マリ「失礼だね。男の膝に腰掛けるような下品なお店とは違います。隣に座って、お話するだけ」

健次郎「いや、違うがな。どない言うたら分かんのやろな」

ママの肩にショールをかけたりんは、健次郎に向かって手を振って、分からないというような手振り。

 

マリ「『誰でもええ』いうわけにはいかんよ。やっぱり女は男次第で幸せが決まるんじゃもん」

健次郎「そうかな?」

マリ「そうよ。ええ男つかまえたら幸せになれる」

健次郎「『ええ男』てどういうの?」

マリ「かっこよくて頭もよくて、お金持ちで180センチは欲しいかな」

 

健次郎「押し入れの幅が?」

マリ「背の高さに決まっとるじゃろが」

りん、笑いをかみ殺す。

マリ「でも、お医者さんじゃったら外見不問」

健次郎「え?」

 

寝ていたママも起きて会話を聞いている。

マリ「先生て面白いもん」

健次郎「僕が?」

マリ「ねえ、どっか飲みに行こ。うちで飲んでもええよ。おとつい田舎からおいしいカキ送ってきたんじゃ」

マリにがっちりつかまれた腕を何とか振りほどこうとする健次郎。

 

純喫茶

みすず「風邪治った?」

町子「毎日、往診してもろてる」

みすず「ぜいたくな話やな~。さすが流行作家やねん」

町子「いや~、『風邪は治りかけが一番大事やから』言うてね、毎日来てくれはんのや、徳永先生が。そやから、私もゆっくり…」

 

みすず「徳永先生? 徳永先生てあのカモカ?」

町子「そう」

みすず「カモカが何で?」

町子「せやから往診…っていうか、まあ、かたがたしゃべりに来てるというか」

みすず「しゃべりに?」

 

町子「私、言うてへんかったけどね」

みすず「うん」

町子「プロポーズされたの」

みすず「プロポーズ…」

 

ウエイトレスがサンドイッチを運んできた。

町子「こっち、お願いします」

ウエイトレス「あ、はい」

みすず「一大事や!」

町子「一大事やね」

みすず「大問題やん」

町子「大問題やと思うわね」

 

みすず「あんた、何、ひと事みたいな顔してんの」

町子「ん?」

みすず「あかん…。私、人のことなのに私がドキドキしてきた。どうしよう」

町子「いいから落ち着きなさいって」

みすず「どうすんの?」

 

町子「すいません。お塩下さい」

ウエイトレス「はい」

 

徳永醫院、診察室

鯛子「どうぞ、お入りください」

健次郎「あっ、おじゅっさん、おはようさん。ほな血圧測りましょか?」

一真「え…それよりこっちがね。ゆうべから腹具合が悪うてな。あ…。多分、食あたりでないかな?」

健次郎「え?」思わず鯛子と顔を見合わせる。鯛子はため息。

 

夕方、町子が原稿を書いている。

 

健次郎の診察が終わる時間になると自然にダイヤルしてしまっている町子でした。

 

おぉ、町子の部屋に電話を引いたんだ。

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そういえば、ここの会話

和代「あんたの部屋に電話引くさかい」

町子「そこ、使わへんの?」

 

ツイッターで見かけたけど、町子の言葉は字幕では「そこ、使わへんの?」だけど「高う、つかへんの?」ではないのかという指摘を数件見ました。確かに。

 

町子がダイヤルを回す→話し中。一呼吸おいてもう一度ダイヤル。健次郎もまた電話輪をしていた。「忙しいのかな?」 またしても話し中でため息をつく町子。

 

ミニ予告

町子「よかった。同じ意見やった」

 

ん? あらすじと若干違うような…? 明日この続きで長電話から始まるのかな。