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【連続テレビ小説】マー姉ちゃん (106)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

マリ子(熊谷真実)とマチ子(田中裕子)の二人きりの夜、米兵たちが磯野家の戸を叩く。マチ子は果敢に米兵たちの応対をするが、子供と間違われてチョコレートやお菓子をもらう。学院の英語の先生の元へ案内しようとした時、偶然牛尾(三国一朗)と遭遇し、米兵たちを引き渡す。その間、怖がりなマリ子は家の鍵を閉めて震えていた。翌日、今度は胡散臭い英語を話す山田(小松政夫)という男が磯野姉妹の所在を探していて…。

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昨日の続きから。

 

米兵4人が口々にマチ子を取り囲んでしゃべった。

マチ子「そげんペラペラしゃべったっち、こっちはチンプンカンプンばい!」

米兵の一人がなだめるようにマチ子の頭をなで、チョコレートを差し出した。

マチ子「あ~、チョコレート!」

 

米兵「イエス。ユー ライク チョコレート ドント ユー?」

マチ子「ライク ライク」

 

マチ子の心の声「そうか…子供だと思ってるんだ、私のことを」

 

…と決まれば途端に気も軽くなるというもの。

 

マチ子「そうか…道を聞いてるのよ、このアメリカたち。ねっ? アイ シー。そしたら私、南西学院の先生の所に連れていってくるから、ちゃんとそのあとしっかり戸締まりしとくのよ! ねっ? マー姉ちゃん

家の中に聞こえるように大きな声で話し、「というわけなのよ!」とマチ子は玄関の戸を閉めた。

マチ子「ザッツ オールライト。カム ヒア」

米兵たちがマチ子について歩く。

 

マリ子は慌てて玄関の戸を閉める。「はあ…だけど神様…どうぞ、マチ子をお守りください…!」

 

会社帰りの軍平は米兵たちが歩いて来るのに気付いてホールドアップ。しかし、マチ子も一緒で事情を聞いた。

マチ子「私にもよく分からないのよ。だけど何か一生懸命聞いてるらしいの。だから南西学院の英語の先生の所へ連れていけばどうにかなるんじゃないかと思って」

軍平「ああ~、めっそうもなか。若か娘さんにもしものことがあったらどないすっとですか!?」

 

マチ子「だって…」

軍平「よし、ここはわしが引き受けるけん、あんたはうちへ帰ってんしゃい」

マチ子「大丈夫なんですか?」

軍平「大丈夫たい。わしはこう見えても…男じゃけん」

マチ子「よかった…それじゃあよろしくお願いします。ハロー。この人スピーク イングリッシュです」

米兵に握手され、軍平は渋い顔。マチ子は帰って行った。

 

軍平「ガールズ?」

米兵「イエー」

軍平「ノー ノー ノー ノー! アイ アム ノット ア ガール! アイ アム…アイ アム ア ボーイ! アイ アム ア ボーイ!」

 

とまあ、ここまではよかったのですが…

 

マチ子が帰ってきたのに、玄関が開いておらず、怖がりのマリ子がなかなか玄関を開けようとしない。

マリ子「本当に本当に一人なんでしょう?」

何度も何度も念を押し、やっと玄関を開けた。

 

チューインガムをかみながら踏み台に座り、マリ子の言い訳を聞いているマチ子。チューインガムやチョコレートを進駐軍からもらったと懐からチョコレートを出したマチ子に「ああ~、懐かしい。何年ぶりかしら! ああ~!」とマリ子は懐かしがる。

 

ただ、マチ子はチョコレートを「マー姉ちゃんには欲しがる権利なし」と取り上げた。マチ子「恥ずかしいと思いなさい。これはね、明日ヨウ子に持っていく分。チョコレートに栄養あるって知らないの?」

マリ子「何よ、自分、食べてるくせに偉そうに」

マチ子「あら、私食べてるの、チューインガムだもん。チューインガムは栄養もないし、おなかにも入れられないし」

ガムを欲しがるマリ子に「い~だ!」といって追いかけっこを始める二人。

 

いやはや…。しかし、何事もなくて本当によかったですね。

 

翌朝、マリ子は軍平にお礼を言った。

軍平「あ~、それよりですな、アメリカ兵には心ば許さん方がよかとですよ。あの連中はですな、あの晩も酒ば一緒に飲んで騒げる女の子のおるとこを探しとったっちゅうんですよ」

マリ子「本当ですか?」

軍平「ああ、それが道に迷うてこっちに来たそうですたい。あれで酔っ払うとったらどげんなったか分からんですけんね」

マリ子「はい」

軍平「まあ、それにしてもマチ子さんの勇敢なのには少々驚きましたばい」

マリ子「ええ。ゆうべっから威張られっ放しですわ」

と雑談していると、お千代帰宅。

 

家に上がったお千代は「ほんなこと申し訳ございませんでした、お嬢様」と手をついて謝った。

マリ子が婚礼の時に描き、千代にプレゼントした絵が燃えた。

マチ子「何言ってるの? あの絵だったら空襲の時、お千代ねえやが必死で持ち出したんじゃなかったの?」

マリ子「そうよ。それも心配だからお里に疎開させたんでしょう?」

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千代「その疎開先で…焼けてしもうたとですよ…」

マチ子「まあ…」

千代「ほんなことこれは大事なものだからって預けたとです。おっ母さんが大事を取って知り合いのうちの蔵に預けたとです。そしたら…なんて運の悪かことでしょうかね。その預けた蔵に焼夷弾が落ちたとですよ」

マリ子「そうだったの…」

千代「あれはうちの宝でした。お嬢様が東京へ行きなさる日にうちに下さった時からうちは…」

 

マリ子とマチ子は見つめ合って微笑む。

マリ子「しかたんなか」

千代「お嬢様…」

マリ子「そげん運命だったとよ、あの絵は」

千代「ばってん…」

マリ子「ううん。お千代ねえやが命懸けで持ち出してくれただけでも、それだけでうれしい」

 

マチ子「ほら、そんな顔しないで。ガムあげるから」

ガムがあることを不思議がるお千代ねえや。

マチ子「うん? 進駐軍からもらったの」

千代「進駐軍…アメ公ですか?」

詳しいことはマリ子に聞いてと逃げるマチ子。

 

マチ子が家の外に出ると一平に声をかけられた。一平は何で知らせなかったと軍平を叱ったが「神州だの黒田武士だのと事がややこしくなる」と言われた。神州? 今まで出てきたかな?と思ったら、玉音放送でも言っていた。

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子孫相伝(あいつた)え確(かた)く神州(しんしゅう)の不滅を信じ、…

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一平「男がおなごば守るのに神州も何も関係なか!」

マチ子「はい。ですから、おじ様が助けてくださいました」

一平「う~む。いや、そん時、わしに一声かけてくれたらな」

マチ子「はい。まことに申し訳ございません。今度は必ずおじいちゃまに助けていただきますから」

一平「何ば言いんしゃる。こげな物騒なことは一度でたくさんたい」

などと玄関先で話していると

 

「ハ~イ! エブリバデー」と怪しげな男が登場した。小松政夫さん!

一平「何?」

男「あ~、すんましぇん。ちょいと物ば、たんねますばってが…」

一平「何ね? あんたは」

男「ああ、あの…この辺にですね、磯野さんっちゅうてですね。あの…ピクチャー…アイム ソーリー。絵ば描きなさるお嬢ちゃんの2人おるって聞いてきたとばってがどげんでしょうか?」

一平「それがどげんしたとな?」

 

男「いや、せやけんですね、会うてですね、ちょっとたんねたいことのある。お願いしたいことのあるんですたい」

一平「ばってん、何ば頼むというんか!?」

男「(すごむように)何ば頼むとは、おいしゃんには関係なかろうもん!」

一平「何?」

 

男「そやろうが! 『磯野さんのうちはどこな?』って俺は聞きよるだけたい。知っとるか知らんか、お前はそれに答えればよかっちゃろうが! きさん、この何か? この…。ああ? 俺は忙しか体ばい、あんた。きさんこのもったいつけてガタガタこきよったらくらされるぞ、きさん、この! 何か!?」

福岡出身の小松さんの流れるような博多弁。

 

マチ子「そげん忙しか体ならこげん所へ来ることなかでっしょうが!」

男「あんた、誰な?」

マチ子「私が磯野マチ子です!」

男「(サングラスを取り)あなた、マチ子さん!? オ~ウ! ユー マチ子さん! アハハッ!」

 

騒ぎを聞きつけて家から出てきたマリ子とお千代ねえや。

マチ子「こん人は誰か知らんばってん、こん人は、かの有名な女流挿絵家・磯野マリ子です!」

男「ア~ウ! あなた、マリ子さんにマチ子さん! オ~ウ! アイム ハッピー! 私捜しとったのよ!」

 

一体、この男、何を頼みに磯野きょうだいを訪ねてきたのでしょうか?

 

せっかく面白そうな流れだったのに、28分でドラマは終了。久しぶりの小さなシャベルタイムでした。私は「恋のあらすじ」もあんまり好きじゃなかった派なので、もっとドラマが見たいのに損した気分になる。

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