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【連続テレビ小説】純ちゃんの応援歌 (43)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

雄太(高岡俊広)と金太郎(新田勉)が登校せず、学校ではもも(藤山直美)が金太郎は雄太にそそのかされた、と騒ぐ。純子(山口智子)が外に捜しに出ようとすると、警官に連れられて帰ってくる。純子とあき(伊藤榮子)がどうして出て行ったのか理由を問いただすと、雄太はこれ以上お世話になるのがいやだった、と答える。夜中、純子とあきがこれからどうするのか話し合っていると口論になり、雄太に本音を聞かれていて…。

朝、興園寺家に出勤するとつやがあきと電話していた。雄太と金太郎が学校に来ていないというのだ。

 

登校前、陽一郎の写真を見ていた雄太。純子が話しかけると、「行ってきます!」とにこやかな顔で出かけていった。雄太、最初は満州帰りのわりにムチムチすぎない?って思ったけど、かわいく見えてきた。

 

純子の不安はまさに図星でありました。雄太と金太郎は午後3時を過ぎても帰ってこなかったのであります。

 

学校の教室に集まる久助、竹中先生、あき、純子、もも、昭。

もも「こりゃもうどがい考えても家出やわ」

あきが昭に聞くと関係ないと言い、ももは金太郎は家出をするような子ではない、雄太にそそのかされたに決まってるという。今回はももが正解。牛山家からおひつ、米、お金がなくなっていた。

 

雄太と金太郎がいなくなってから12時間もたちました。誰も何も言えずに遅い夕食の箸を動かすばかりなのであります。

 

午後8時半。もう一度この辺を見てくるという純子に昭もついてきた。しかし、警官が雄太とおひつを抱えた金太郎を連れてきた。和歌山から大阪に行く所を保護され、御坊から警官が引き継いだ。

 

純子は久助に報告。あまり叱らないでほしいと久助

 

純子が帰ってくると、座敷であきが雄太から話を聞いていた。和歌山まで行き、雄太がトイレに行っている間に金太郎が知らないおじさんに大阪までの切符を買ってやろう、お米もお金に換えてやろうと全部とられた。雄太は金太郎とケンカになってしまい、そこにお巡りさんが来た。

 

なぜ家を出たのか純子とあきが聞く。雄太は大阪に残るか信州に行くか決めてなかったという。

雄太「俺、やっぱり陽さんが死んだらここには…。みんな大変なのに俺みたいのがおったら…そう思って」

あき「誰が大変やて言うたの? お母ちゃんかてお姉ちゃんかてひと言もそんなこと言うたことないやないの!」

雄太「でも…」

純子「うちの子にすることもちゃんと考えてるやないの」

雄太「でもそんなん…。俺、無理をされるのは嫌や。みんなが俺のために無理をするなんて嫌や!」

座敷を飛び出して寝室に行く雄太。

 

金太郎は納戸に手足を縛られて閉じ込められて、トイレに行きたいと泣いていた。このシーン、きつい。ももは一晩中納戸の前に立っている。「親を泣かすような子は、うちの子とちゃう!」と言いながら涙を浮かべる。

 

優しくされればされるほどそれが負担になったという雄太の言葉は純子にもあきにも大きなショックを与えたようであります。

 

あき「はあ~、お母ちゃんもう何や自信ないようになってしもたわ。こんなんで雄太、養子にしてやっていけんのやろか」

純子「何言うてんの、今更」

あき「そやけどな、自分らのことかてどうにもならへんのに雄太抱えてやっていけんのやろかと思うて」

純子「それやったらどないする言うの?」

あき「どないする言われても困るけど…。お父ちゃんが生きてはったらそらもう何にも問題ないことなんや。けどな…」

純子「この間、雄太に『養子のことやったら心配ない。お母ちゃんがちゃんと話を進めるさかい』って言うたんは誰? お母ちゃん、自分で言うたんよ」

あき「そうや。あの時は雄太がかわいそうやと思たからそない言うたんや。けどな、口では昭と雄太を同じように育てる言うてもほんまにそんなことができるんやろか」

純子「できるとかでけへんとかいうことやないのんと違う? ここまで来たらそうせなあかんのや」

あき「…」

純子「ほな、お母ちゃん。もし雄太を養子にせえへんというのやったらどないしたらええと思てんの? 施設に引き取ってもらうの? それとも伊那谷の親類の人に雄太を預けるの?」

 

だんだんヒートアップして声が大きくなる純子とあき。昭や雄太に丸聞こえ。

 

あき「そうは言うてへんやろ」

純子「そうやないの。ほかに方法はないやないの」

あき「けどな、お母ちゃん、そんな立派な人間やあらへん。人の子預かって育てるほどのそんなことのできる人間とちゃう。自信もあらへんし」

純子「それやったらそれを雄太に言うてほしいわ。あの子の前で心配せんときやなんてきれい事言わんといてほしいわ。はっきりと『うちではどうにもならへんさかい出てってくれ』いうて、そう言うて雄太にちゃんと…」

あき「そんなこと言われへんさかい悩んでるんやないか」

純子「今更そんなこと言うなんてひきょうやんか!」

あき「そやけどな、腫もんに触るようにして雄太育てんのだけはごめんや」

純子「ほな雄太はどないなるの!?」

 

大きな声の言い争いに恭子が襖を開ける。

恭子「何してんねや、2人とも。雄太が起きて聞いてるやないの!」

 

あき「堪忍やで」

 

恭子「うち、知らんからね」と襖を閉めた。

 

あき「どないしよ」

純子「しょうないんと違う? 本音を聞かれてしもたんやもん。今更うわべを飾ってどないすんの」

純子は立ち上がり襖を開けて布団で横になる雄太に話しかけた。

 

純子「雄太。あんたも言いたいことがあんのやったら何でも言わなあかん。言いたいことも言わんと家出するなんてひきょうやんか! そんなんやったらうちの子にならんかてええ! 養子の話は取り消しや!」

隣の布団で寝ていた昭が起き上がる。

昭「何でや! 雄太かて苦しんでるんやないか。お母ちゃんやお姉ちゃんだけちゃうねんで。みんな一緒や!」

あきは泣き出し、雄太も布団から起き上がる。

 

純子「雄太のためにみんなが無理すんのは嫌や言うたね。雄太のためだけに無理してんやないよ。みんながみんなのためにちょっとずつ無理してんのやないの。お姉ちゃん悲しいてかなわんわ」

あき「お母ちゃん、雄太に嫌われてんのやろな」

雄太「違う」

純子「雄太…」

雄太「違う。みんな好きや」

 

あき「それやったらこっちおいで」

雄太があきの前に正座する。

あき「もうこの子は。こら」

優しく頭ポン。

 

一人の少年が新しい家族になるためにはこんな夜もまた必要なのであります。

 

すごいなー、切り込むねー。「マー姉ちゃん」と言い、ナレーション好きだな。「あぐり」好きだけど、ナレーションは本当に補助的というか説明だけというかあっさりしたもんだったもんなあ。