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【ネタバレ】木下惠介アワー 3人家族(全26話)#9-#10

1968/10/15~1969/04/15 TBS

 

あらすじ

TBS『木下恵介アワー』で歴代最高視聴率を記録した人気ホームドラマ。偶然の出会いから始まる大人の恋と3人家族の心あたたまる交流を描く。男ばかりの柴田家と、女ばかりの稲葉家の二つの3人家族の交流を軸に、ロマンスやユーモアあふれるエピソードを盛り込んで話は展開する。山田太一が手掛けた連続ドラマ初脚本作。1960年代、大家族ドラマものが流行る中で、シングルファザー、シングルマザーの世界がリアルに描かれたのも話題となった。

9話

 

行きずりに幾度か出会った女性に雄一は深く心を引かれていた。

 

しかし、今の雄一には女性よりも恋よりも自分の勤める商事会社の海外留学試験に合格することが何よりも大切であった。雄一は彼女を忘れようと努めた。独身が条件の海外留学ができるかもしれない今、恋や結婚や邪魔なのであった。

 

しかし、意外なところから彼女はまた雄一のそばに現れた。弟の健のガールフレンドのきょうだいが彼女だったのである。健の撮った写真を見て雄一はその偶然を恐ろしいとさえ思った。一体何がこうまで2人を引き寄せるのか。これほどたび重なる偶然は神の仕業ではないのかと雄一は思った。

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そういえば2000年のフジドラマ「お見合い結婚」だと商社マンの男が妻帯者じゃないと海外赴任できないというので、結婚相手を探すというドラマでした。このドラマ結構好きだった。

 

雄一は会社で佐藤に「電話引けたんじゃないのか?」と話しかけれた。電話機は来たけどつながってないと言うと、時々冷たいからな、お前って電話番号知りたいんだな、佐藤よ。

 

健は廊下を拭き掃除しながら、明治元年…1868年。帝国憲法発布の年…など勉強。そこに薬屋の洋子が訪ねてきた。ハルに頼まれたと言って、耕作にと血圧の薬を持って来た。上がるように言うが、お店番、配達、お茶やお花の稽古に忙しいと断った。ちょっと座んない?と誘ったものの、ビショビショね、もっとよく絞らなくちゃダメよと言い、勉強頑張ってねと帰っていった。

 

健「ハァ…モテないな、俺。どこがいけないのかな。手相がいけないのかな」なーんて言っていると電話がかかってきた。

電話局「おはようございます。こちら電話局です。港北区妙蓮寺 柴田さんのお宅ですね?」

健「はい、そうです」

電話局「ただいまから電話お使いになれますからよろしくお願いいたします」

健「ハァ、そりゃどうも」

電話局「ありがとうございました」

 

電話開通の瞬間なんて初めて見た! 黒電話ってレンタル? フレッツ光のモデムみたいなもの?

 

健はさっそく耕作の会社に電話をかけようと電話帳で調べ始めた。そこに訪れたのはハル。ハルは洋子が家に来るように仕向けたらしい。今日のハルは踏切の向こうの赤ちゃんが産まれそうな家に行くと言って、すぐ出て行こうとした。健は電話が開通したことを告げ、外から電話してと頼んだ。

 

耕作は若い女性事務員と帳簿の読み上げ?をしていた。そこに健からの電話。

事務員「ん~変なところで声かけるからまた間違っちゃった」

そして健と電話中にもかかわらず

事務員「課長、もう一度お願いします」

というもんだからすぐ電話を切った。耕作さんは会社でも優しく穏やかな上司っぽい。

 

今度は雄一の会社に電話。「忙しいんだ、兄さんは。切るよ」と即切り。

 

立て続けに早々に切り上げられた健は、明子の家に電話をかけた。明子はソファでウトウト。これから話をしようと健が言い、「人が恋しい年頃じゃないか」というと「人って誰よ?」と返された。女性に向かって恋しいとかなんとか言っといて、実は他の人が恋しいなんてバカにしてると明子は言う。恋しい人に電話すれば?と切られた。

 

昼休み。外で過ごす雄一と佐藤。佐藤がメモしてるので雄一の電話番号。

雄一「しかし、毎日会ってる俺にわざわざ電話をくれる用事もないだろう」

佐藤は「これで電信課全部そろったよ」と電話帳を見せた。用事を思い出したと席を立った雄一は健に電話をしようとしていた。

 

しかし、健は明子からの電話に出ていた。さっきはごめんねと謝ったものの「やめたら、薬屋の娘」と言ってきた。

 

雄一は外の赤い公衆電話からかけるが話し中。もう一度かけようとしていた。

 

電話が引けたら、電話で弟の健に聞こうと思っていたことがあった。顔を合わせてはててれ聞きにくいことであった。

 

電話がつながった。健に電話で写真の人の情報を聞き出した。

名前は稲葉敬子。勤め先は霞が関インフォメーションセンター。

 

敬子は昼休み中に外に写真を撮られていた。そろそろ時間だという敬子に「どうぞ、じゃあ夕方またね」と誘ってきた。ご飯を食べるだけと沢野は言うが、何度もごちそうになるのは困るという。「平気でおごらせてさっさと裏切ればいいんですよ」と言って、文句は夕方聞くと言って去って行く沢野。

 

敬子が職場に戻ってくると、雄一が公衆電話から電話をかけてきた。

雄一「あっどうも突然お電話しまして、ハァ…」

敬子「どちら様でいらっしゃいますか?」

雄一「あの…先日、弟が江の島へ連れてっていただきまして」

敬子「あら、柴田君のお兄様ですか」

雄一「はあ…その節は弟がいろいろと」

敬子「こちらこそ割り込んで連れてってもらったんですのよ」

雄一「いえ、とんでもありません」

敬子「それでどういうご用件でしょうか」

雄一「はあ、あの…ぶしつけで恐縮なんですが一度お目にかかりたいんです」

敬子「妹が何か?」

雄一「いえ、そんなことじゃないんです。僕がただお会いしたいんです。よろしかったら今日の夕方でも」

 

敬子はその声にハッと気がつくものがあった。あの青年だ。あの青年の声ではないのか。

 

雄一「もしもし、もしもし。ご都合が悪かったらほかの日でもいいんです。もしもし、もしもし?」

敬子「失礼しました。今日、お目にかかりますわ」

 

しかし、こんな偶然があるものだろうか。妹のボーイフレンドの兄弟があれほどたびたび会ったあの青年だなどと。

 

敬子「あの…もしもし?」

雄一「はい、なんでしょう」

敬子「あの…もちろん今日お目にかかれば分かることですけど」

雄一「はあ?」

敬子「私たち、前にお目にかかったことありませんか?」

雄一「はあ」

敬子「ごめんなさい、妙なこと伺って」

雄一「いえ、何度もお目にかかりました」

敬子「まあ…」

雄一「本当にどういうことなんでしょうか。健の友達のお姉さんだなんて」

敬子「はあ」

雄一「じゃあ、6時半に」

敬子「はあ」

雄一「切ります。のちほど」

 

夕方。「いやあ、早速裏切られたな」と沢野と一緒に店の前まで来ている敬子。ごめんなさいと謝る敬子にじゃあ明日とめげない沢野。敬子が店に入って行くとこっそり後をつけて雄一の顔を見た。「なるほど、二枚目ですね」。お店はおしゃれなレストラン。

 

雄一「弟の写真にあなたが写っていたのにはまったく驚きました」

敬子にっこり

雄一「お会いしてみると話すことはないんですけど、なんだかお会いしたくなったもんで」

 

話すことないのか! 敬子は男だけの3人家族と知っていて「お兄様はなんにもなさらないんですって」と話した。その通りですと肯定する雄一。留学試験のことまで知っていて驚く。この間のが一次試験、結果が1月頭に発表になり、二次試験が1月末。2月に本決まり。勤務評定などいろいろ複雑なので時間がかかる。

 

2人が一緒にものを食べるということが雄一には新鮮な経験であった。しかし、話すことはあまりなかった。レストランのあたりから2人は本当に黙りがちになった。しかし、その沈黙は苦痛ではなかった。一種の了解が2人の間を流れ、2人は沈黙の甘さに酔っていさえした。

 

電車内で向き合っても無言。横浜駅で別れ、家に帰る。健も明子も情報を共有済みでデートしたことを知っていた。健と電話で話していたと言うとバカみたいなことで電話料使わないでという敬子に市内電話だから10円だと返す明子。

 

雄一もまた健や耕作に質問されていた。耕作も写真を見て、敬子を結構気に入っていた。雄一は26歳かあ。今はとにかく恋愛どころじゃないと自室にこもった雄一。耕作は「案外、彼女が気に入ったんだぞ、あいつ」と健に言った。

 

雄一は部屋でなぜだか体操を始めた。

 

たしかに甘いデートであった。振り払おうと思っても彼女と過ごした甘い時間の感覚が体から消えなかった。しかし、こんなことでいいのだろうか。無論、いいはずはない。今から所帯持ちになんかなったら大変だと雄一は思った。

 

帰ってきたキクもデートのことを聞いてきた。敬子はレモンを絞ってるからレモンティーを出してるのかな。敬子と明子はふざけ合う。

 

10話

 

稲葉家では女3人そろって在宅。キクは踏み台づくり、敬子はミシン掛け、明子は勉強。年頃のお姉さんが日曜日に一日中、家にいるなんてと明子が言うと、あれから一度だけ敬子の方から誘ってみたが断られたという。

キク「それだってお前ほどの娘を断ることはないよ」

 

明子は健の家に電話した。柴田家では、それぞれ手が離せず、耕作が出て、雄一、健へ。明子は「あと3日以内にデートに誘わなかったら、お姉さんもう相手にしないって言ってるわよ」と健に言った。その代わり、私もあなたと絶交すると言って電話を切った。

 

電話を切った健「すぐカッとなんだよ、あの女」

「女じゃないね、ほんとは、中性だよ、あんなの…」って今はいろいろ問題あり。

 

玄関のガラス戸を拭き掃除していた雄一。こっちもこっちで真面目だねー。健は「3日以内にデートを申し込まなければチャンスはない」と伝えた。特売じゃあるまいし、と笑う雄一だったが、結婚すんじゃない?という健の言葉で、掃除をやめて雄一は出かけていき、タバコ屋の公衆電話から電話をかけた。

 

敬子はおめかしして、明子に出かけるの?と聞かれても学生時代の友達と会うと言っていた。雄一もまたきちっとネクタイを締めていた。

 

健と明子も公園で再会。どこで会ってるんだろうと探すが、雄一たちはお金を持ってるからデートの場所が違うんだと明子は言う。恋愛が嫌いな兄貴が本当に会ってるのかなあとまだ半信半疑の健。

 

健は一度会ったら終わりと思っていたけど、明子は雄一が仕事人間と知り、あまり会わせない方がいいのかも…と思い始めた。

 

雄一と敬子は海の見えるレストランに入っていた。

敬子「結婚?」

雄一「なさるんでしょう?」

明子から健に言付かったことを言う雄一。

雄一「もし結婚なさるならお祝いぐらい言いたいと思いましてね」

敬子「ウフッ…残念でした」

食事を始める。

敬子「いい人がいたら結婚しちゃうんですけど」

雄一「いい人ってどんな人ですか?」

敬子「率直な人かしら?」

雄一「それだけ?」

敬子「少しぐらいはいい男」

雄一「欲がないんだな」

敬子「紹介してください、誰か」

雄一「僕の周りじゃ…」

敬子「いっぱいいるでしょ? 一流の商事会社なら」

雄一「ハハッ…あなたなんか申し込みが多くて困ってるんじゃないですか?」

敬子「そう見えます?」

雄一「見えますよ」

敬子「ウソ」

雄一「どうして?」

敬子「だってウソですわ」

雄一「僕が申し込まないからですか?」

敬子「そうよ。失礼じゃありません?」

雄一「僕は別ですよ。第一あなたと何回会ったっていうんです?」

敬子「お電話しても会ってくださらなかったわ」

雄一「あれは仕事ですよ。第一僕が申し込んだら承知してくれるんですか?」

敬子「それはその後の話」

雄一「フッ…ほらご覧なさい」

敬子「ほんとよ。お願いしますわ。どなたか」

雄一「悪い趣味だな。美人がそういうこと言うのは」

敬子「趣味じゃありませんわ」

雄一「イヤですね、僕は」

敬子「あら…」

雄一「当たり前です。誰があなたの結婚相手なんか探すもんですか。探すなら勝手に探しなさい」

敬子「どうしたんですか? 急に」

雄一「どうしたんだか知りません。なんだか急にしゃくに障ってきたんです」

敬子「まあ」

無言で食事する二人。モテモテの美男美女の会話は異次元だ。

 

ラーメン屋で食べてる健と明子。えびラーメン140円、チャーシューラーメン150円、シオラーメン100円と後ろのメニュー表に書かれています。明子は洋子の話を聞きだして、見込みがないという。他にいるでしょと自薦するが、健に笑われた。

 

食事を終えて外を歩く雄一と敬子。雄一が当分結婚する気がないことや、希望する営業部に異動になったらこれまで以上に忙しくなることが分かってしまった敬子。

敬子「アハハッ…それじゃあ一生独りでいらっしゃい」

雄一「それも寂しいんだろうな、きっと」

敬子「寂しいもんですか。あなたなら平気でのうのうしてると思うわ、私」

雄一「そうなったら時々おにぎりでも作ってきてくれますか?」

敬子「とんでもない。知らん顔です」

雄一「ハハッ…冷たいなあ」

敬子「冷たいですとも。私はさっさと幸せになってますから、どうぞお一人で重役にでも社長にでもなってください」

雄一「ハハ…『どうぞお一人で』か」

敬子「ええ、どうぞお一人で」

二人顔を見合わせて笑ってる。

 

夜。敬子も雄一もそれぞれの家で考える。

 

翌日。敬子の職場に一人の女性が訪ねてきた。お昼になったら裏のビルの「よしの」というレストランで待ってると言っていなくなった。「よしの」に行って事情を聞くと、沢野の女だという。敬子は沢野とは何でもないというが、女性は沢野と4年暮らしていたが先月別れた。敬子は何とも思っていないのは分かるが、沢野は本気だという。

 

職場に戻ると沢野が来ていた。そっけない態度の敬子にどうしたの?と聞く沢野。「よしの」に行けば分かるというと、すぐに何のことか分かった。「迷惑してます」というと案外あっさり帰った。

 

ひどく簡単に出て行った沢野の後ろ姿を見て敬子は軽い物足りなさを感じた。昨日は雄一から結婚の意志のないことを知らされ、今日はまた沢野があっさりと立ち去ってみるとにわかに自分の周辺が味気なく思えるのだった。

 

モテる女の心理は分からん…。23歳の敬子は40歳の沢野ってアリだったの?

 

冬の雨だった。夜になって激しくなったその雨を見ながら、敬子は依然として心にうつろなものを感じていた。沢野が自分をそれほど捉えているはずはないのだが、なぜか穴の開いた気持だった。

 

明子は健と電話中。激しい雨の中、キクが帰宅。電車を降りて歩いて帰ってきたのでびしょぬれ。夜の仕事は大変ねと言う明子に「そう思ったらいいお婿さん見つけて楽させておくれ」とキク。

明子「どうかなあ? このごろの男っていうのはね収入ないからね、平均点は」

キク「まあ」

 

こたつに集ってる柴田家。雄一もイライラ。雨漏りがしてきてこたつを移動する。この家も建て替えなくちゃ駄目だねと耕作に言う雄一。

雄一「地所がうちのもんじゃないからね」

耕作「うん…このうちだって戦争が終わってすぐにはなかなかのもんだったんだがな」

今考えると借家の方がよかったかもと思うが、これが一番大きな買い物だと耕作は言い、要領悪いよ、全くと子供たちに言う。

 

健「お父さんの残したものはもっとすばらしいものがあんじゃない?」

僕と兄さんと言って、笑う。ほのぼの。

 

翌日はカラリと晴れた寒い朝であった。

 

敬子の前に沢野が現れた。「車なんです。会社までお送りしますよ」という。いったん拒否した敬子だが「あのままじゃ寂しくてね」という沢野の言葉にほだされたのか車に乗ることにした。

 

こうした沢野のやり方が中年の男のテクニックなのか心のままの動きなのか敬子にはいずれとも判断がつかなかった。

 

10話は終わり。車が大写しになったり、道路を走る自動車で終わったり、wiki見たら、木下恵介アワーは日産自動車の一社提供だったんだって。そういえば、「兄弟」でも信吾が車好きで紀子をドライブデートに誘ったりしてたな。

peachredrum.hateblo.jp

雄一と敬子はどうなるの~。2人のシーンはワクワクドキドキ。でも何気に柴田家のシーンを見るのも好き。あおい輝彦さんは「兄弟」や「二人の世界」でも朗らかな弟でいいんだよね。そういえば、「兄弟」では沢田雅美さんにしつこく迫る役だった。今回はそれとは真逆の関係ってことか。楽しみなのに明日はない。