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【連続テレビ小説】マー姉ちゃん (39)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

マチ子(田中裕子)の歓迎会にかけつけたマリ子(熊谷真実)。田河(愛川欽也)や大宗(渡辺篤史)たちとにぎやかに過ごしていると、あっという間に帰る時間に。だが、マチ子の元気そうな様子を見て、マリ子は安心して帰るのだった。その夜、捕鯨船に乗っていたはずの朝男(前田吟)が突然訪ねてきた。朝男の父が亡くなり、借金が発覚。朝男は船を降りて借金の整理をし、今は裸一貫で新しく世田谷に魚屋を移したというが…。

ホームシックにかかったマチ子のために田河水泡氏の…というより均ちゃん青年の発案によって内弟子歓迎記念パーティーが開かれようとしていました。

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昨日の回で応接間のテーブルの上に飾り付けがごちゃっとおかれてたのは、これからみんなで飾り付けをしてパーティーをするという意味だったんだなー。

 

食堂に提灯や折り紙のわっかが飾り付けられ、そこにいたのはマリ子、順子、均ちゃん。三吉がマリ子を呼びに来て、マリ子は退出。順子は均ちゃんに「マチ子さんとはまた違った感じでいいお嬢さんね」というと、均ちゃんは「はい、そのとおりです」とにっこり。

 

応接間(ってあそこで仕事もしてたか)に戻ったマリ子は水泡から「何が好きかな?」と聞かれた。水泡は模擬店を出すと言い、マチ子はお好み焼き、三吉はライスカレー、ヨウ子はみつ豆と言うと、さらさらと筆で書いていく(達筆!)。マリ子はおすしと言った。ほかにも、と言われ、おでん、卵焼き、おだんご…とどんどん書いていく水泡。

 

マリ子「お腹壊します。そんなにいろいろ食べたら…」と心配になる。マチ子はお客様はマー姉ちゃんだけじゃないというが、水泡は他に客は来ないという。「だったらなおのこと困ります」とマリ子が言うと、今度は赤い筆でさっき食べ物の名前を書いた札に”売切れ”と筆で書きいれた。

 

マチ子「あれ~、お汁粉と焼き鳥が売り切れた~!」

水泡「三吉君とヨウ子さんのライスカレーみつ豆はちゃんと取っとくからな」

2人「は~い!」

水泡「ハハハハハッ! マチ子さん、こういうのね落ちっていうんだよ。あのね、漫画や落語にはこの盛り上がりとね落ちってのが大事なんだ。今、がっかりした分、よ~く覚えておくんだよ。マチ子さん」

マチ子「はい!」

楽しいパーティーで漫画の勉強にもなる。面白いなあ。

 

今度はマチ子たちも加わって飾りつけをする。

順子「あら、また売り切れが出ましたのね」

水泡「そのかわり残っているものは全部出してくださいよ」

順子「はい、腕によりをかけて」

ここの奥様、大変だな~。さりげなくマリ子を手伝う均ちゃん。

 

今度は水泡先生がピアノを弾いて(本当に弾いてる!)みんなで歌う。

 

♪泣くなよしよし ねんねしな

山の鴉が啼いたとて

 

昭和9年 東海林太郎の「赤城の子守歌」

 

均ちゃんの歌がおかしいと一人歌わされる。ホントは音痴じゃないんだろうな。

 

玄関を出るとすっかり暗くなっていた。

マリ子「大宗さん、本当にどうもありがとうございました。先生と奥様にくれぐれもよろしくお伝えください」

均「大丈夫です。ああ、それからマチ子さんのことですけどね、万事、今日みたいな調子ですから、マリ子さん安心しててください」

マリ子「本当に安心しました。ねっ? マチ子」

マチ子「当たり前でしょう? 憧れの先生と一緒に暮らせるんだもん」

マリ子「本当のこと言うとね、勝手に心配してマチ子の夢ばっかり見てたの」

マチ子の表情が一気に寂しそうになる。

マチ子「マー姉ちゃん…」

帰っていくマリ子たちに手を振るマチ子。

 

マリ子は家に帰ってはるに報告。

はる「マチ子のことで安心できたのならあなたはあなたの絵に精を出すことね」

マリ子「はい」

はる「お母様も安心してオネスト神父様のお手助けをしますからね」

マリ子「えっ?」

オネスト神父は教会に来れない人にこそ救いを、と田舎の山の中にまで伝道に行こうとしている。

はる「あなたが川添画塾にマチ子が田河先生の所に希望どおりお弟子入りできたことに感謝してお母様もオネスト神父様のお手伝いをしようと思っていますから、もしも家を空けるような時はヨウ子のことはしっかりと頼みますよ」

 

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そういえば、こちらのお母様も自分のところが多少貧しくても食事を分け与えたりしてた。

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こちらも美人姉妹だったけど、結婚もせず、ずっと宗教中心に生きた人たちの話だった。あんまり日本人にはなじみのない生き方だけど、あるんだよね。

 

はる「あ~本当に幸せな一家ね。この幸せを全ての人に分かち与えなければ人の道から外れてしまいますよ。人間はみんな一人ではないんですからね。自分一人だけの幸せは願うものでもなければまたあるものでもないんですよ」

 

はるの言葉でなぜかこの時ふと思い出したのが、茜のことでした。

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自分のためだけに絵を描くと言い、自分のためにはあらゆるものに反抗すると言った彼女は、あれから2年、信彦と共にどこでどうしているのでしょうか。

 

荷物が引き払われた茜のアパートにマリ子の絵だけが残されていた回想。

 

そこに誰か訪ねてきた。マリ子が出ると天海朝男だった。天海さんはまるで寅さんみたいな格好になってる!

 

天海朝男は父が亡くなり、捕鯨船だけは降りたくなかったが、長男で一人っ子なので思い切って東京に戻ってきた。朝男の父は人に頼まれたら嫌とは言えない性分で他人の借金の保証人になっていたことが判明。9代続いた名物魚屋だったが、借金で迷惑をかけてはいけないと、店やら株券やら一切売って、10代目魚朝は裸一貫からやり直すことにした。

 

店は神田だったが、世田谷の奥の新町で始めて、今までのように築地から生きのいい魚を仕入れられず、大森から自転車にリヤカーを引っかけて運んでいる。

はる「トラックをお買いなさい」

朝男「はい…えっ?」

はる「お金の方はたくさんもうかってから返していただければよろしいから」

朝男「とんでもねえ! そんなこと言いにあっしはここに来たんじゃありませんよ」

はる「それは分かっておりますとも。でもね…」

朝男「いえ、他人様のご迷惑かけるようなことでしたら、あっしは神田の店手放しやしませんよ。それにね奥さん、お言葉はありがてえんですがトラックで仕入れたところで売りさばきはできません。周りはこの…みんな畑と野っ原ばっかりで…」

はる「そうですか」よかったー、あきらめた。

 

朝男は明日が月に一度の休みなのであいさつ回りをした。

朝男「もっとも日暮里の炭屋じゃあ旦那とばあさんにうろんくさい目で見られましたがね。ハハハハハハハッ!」

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胡散臭いみたいなことか。

 

朝男はマリ子にもいい娘さんになってると笑う。

朝男「9代続いた代々の魚屋家業に恥じねえ商いをしたいと存じます。マリ子さん競争だよ」

マリ子「えっ?」

朝男「マチ子ちゃんとあんたとあっしとでさ誰が一番の本物になるかこれからが競争だ!」

マリ子「はい」

 

田河邸ではマチ子が明日のための鉛筆を削っていた。水泡には元気な笑顔を見せていたマチ子だが自室に戻ると家族写真を見ていた。

 

ところがどうも磯野家の娘たちは普通より肉親の血が濃いようで会えたのがうれしければうれしいほどそのあとの落ち込みも激しいようでした。

マチ子「マー姉ちゃん…今度いつ会いに来てくれるのよ?」

 

マリ子とはるは朝男を送り出し、「はあ~今日はマチ子にも会えたし、天海さんにも会えたし、いい一日だった」と笑顔だった。

 

磯野家の娘たちというかマリ子とマチ子の仲のよさが異常なくらいなんだよね。後々、三姉妹で姉二人と末っ子で分断してしまったと聞くと複雑。