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【連続テレビ小説】純ちゃんの応援歌 (37)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

純子(山口智子)は倒れた陽一郎(川津祐介)を病院へ連れて行こうとするが、陽一郎が拒否するので、純子は雜賀(桂枝雀)に医者を連れてきてもらう。陽一郎は大したことなかったが、ついでに診てもらった雜賀は要注意と言われる。あき(伊藤榮子)と恭子(松本友里)は宝塚見物から帰ってきて、恭子はのど自慢に応募してきた、と興奮。陽一郎は純子に、倒れたことは黙っていろ、と言い、あきは陽一郎に黙っていたことがあると…。

純子は食事の準備をしている。

 

母と妹の留守中、急に気分が悪くなって純子をヒヤリとさせた陽一郎でありましたが…。

 

布団から起き上がって薬を飲んでいる陽一郎。お医者さんに行った方がいいという純子だが、陽一郎は大丈夫だという。昭と雄太も帰ってきて心配する。立ち上がろうとするがちょっとふらついている。

 

庭で羽根つきをしている昭と雄太を笑顔で眺めている陽一郎。純子がお昼は興園寺からもらった干しうどんにするというと、餅も入れてほしいという昭と雄太。陽一郎まで餅を要求。

 

そこへ久助が内藤先生を連れて訪れた。

久助「大したことあるかないか診てもらわな分からへんやないか。純子ちゃんが心配してんねやぞ。お父さんがなんぼ言うても先生に診てもらわへんちゅうて。で、僕が連れてきたんや。ま、とにかく一遍ちゃんと診てもらえ」

陽一郎「そんなんとちゃうて」

 

陽一郎の診察結果は心臓が乱れている、胸の痛みは胃からくることもあるので、一遍大きな病院で診てもらうように。血圧も正常で大したことない。

 

ついでに久助も診てもらうことに…血圧、上が182、下が108の典型的な高血圧。薬を作っておくので取りに来るように言われ、かえって陽一郎から心配された。

 

雄太の球を陽一郎が受けているとあきと恭子が帰ってきた。汽車は行きも帰りもぎゅうぎゅう。正太夫は仕事があるので残った。陽一郎は純子にあきには医者が来た事を言うなと口止めする。

 

恭子はすっかり宝塚気分で歌う。うまいね。そして大阪ののど自慢に応募してきたと言う。

恭子「11番。小野恭子『港が見える丘』」

♪あなたと二人で来た丘は

港が見える丘

色あせた桜 ただ一つ

淋しく咲いていた

 

台所にいるあきは純子に「お父ちゃん変わったことなかった?」と聞く。純子は口止めされていたものの陽一郎が倒れたことを話した。いいんだよ、ここで義理堅く黙ってることない。

 

あきと陽一郎は2人きりで話をした。

あき「うち…あなたに隠してることがありますねん」

陽一郎「おっ? 何や?」

あき「黙ってようと思うたけど、やっぱり…」

陽一郎「言うてごらん」

あき「あなたが結婚する時にくれはった翡翠の指輪、お米に換えてしまいましてん」

少しだけ淋しそうな顔の陽一郎。

 

陽一郎「そうか。ハハ。多分そうやろと思うた。ええやないか。役に立ったんやから」

あき「けど…。『これやったら上等やから娘が生まれたら結婚する時に持たしてやれるから』言うて、あなたがえらい無理して買うてくれはった指輪やのに…」

陽一郎「えやないか。僕が働くようになったら純子にも恭子にも指輪くらい買うてやれるやろ」

あき「すんまへん」

陽一郎「ハハ。あき。実はな僕にも君に黙っとったことがあるんや」

あき「あなたが?」

陽一郎「うん。てれくそうてよう言えなんだけど…。ハハ」

 

押入れに会った引き揚げの時にしょっていたリュックから手紙を取り出す。

陽一郎「満州から僕のところに最後に君から来た手紙や。毎晩お守りのようにこれを見てた。字ももう見えんようになったけど文面は暗記しとるのや。『拝啓陽一郎様 いかがお過ごしでいらっしゃいますか。大阪のこの空の向こうにあなたがいらっしゃるかと思うと北から吹く風さえなつかしく思われるこのごろでございます』」

あきは涙を浮かべる。

あき「大事に大事に持って帰らはったんは雑賀さんのミットだけやなかったんですね」

陽一郎「ハハハ…」

封筒に涙がこぼれ落ちる。

あき「うれしい」

 

あきさんはここで立ち上がり、陽一郎さんの胸に飛び込むのではなく、純子のいるところで一人涙を流す。

 

こんな時、何を言えばいいのか。純子はむせび泣く母の姿をなぜか美しいと思うばかりなのであります。

 

何ていい夫婦! 美男美女だし、これまで見てきた朝ドラの両親ではとびっきりにいい両親だよねえぇ。純ちゃんももちろんいい子だけど。