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【連続テレビ小説】マー姉ちゃん (37)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

昭和11年春。マチ子(田中裕子)が女学校を卒業し、磯野一家は三郷(山口崇)の写真館で記念写真を撮る。麻布に住む伯父・岩村(小泉博)に、卒業後マチ子が田河(愛川欽也)の元で内弟子に入ることを伝えると、お嬢様育ちにつとまるか心配される。卒業祝いに岩村から黒いハイヒールを贈られて喜ぶマチ子だったが、最近マリ子(熊谷真実)が赤いハイヒールをはいていないのは、茜たちの一件が関係しているのではと案じ…。

磯野一家が東京へ来たのが昭和9年春。明けて10年には美濃部達吉博士が天皇機関説のため不敬罪で告発されるという事件が起こり、昭和11年には衝撃の二・二六事件で幕を開け、この時を境に政党政治は終わりを告げて日本は軍部指導体制へと傾斜していったのです。

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美濃部達吉のことはこちらでも触れられております。

 

朝ドラレギュラーの二・二六事件

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「はね駒」は描かれた時代が明治時代なのでなし。「純ちゃんの応援歌」も昭和22年スタートなのでなし。「マー姉ちゃん」もナレーションで触れたくらいだけどね。

 

そしてさりげないニュースとしてはこの春、磯野マチ子が山際高等女学校を卒業いたしました。つまりあれから2年がたったのです。

 

昭和11年

 

磯野家は三郷写真館で記念写真を撮っていた。

智正「さあ、この次はヨウ子ちゃんの卒業記念ですね」

ヨウ子「はい」

智正「早く大きくなってくださいよ。三郷さんは待ち遠しいですから」

ヨウ子ちゃんはそのままの子役だった。

 

伯父さんの家を訪れたマリ子とマチ子。豪華な応接セット。

透一郎「いや~、おめでとう。しかし早いもんだね~。マチ子もこれで一人前か」

マリ子「はい、おかげさまをもちまして」

花江「いいえ、何のお世話もできず私たちは心苦しく思ってるのですよ。それでこれからどうなさるの? やはり漫画をお続けになるの?」

マチ子「はい、田河先生から内弟子に入るように言われておりますので」

花江「内弟子?」

透一郎「まあ、君たちの母親は彼女なりの信念があって君たちに君たちの道を歩ませているんだろうと思うが…。しかし、大変だよ。内弟子というのは」

マリ子「はい」

花江「男で言えば書生さんでしょう? お掃除やらお手伝いやら時には先生のお肩をもまなければならないこともあるでしょうし、そんなこと辛抱できるかしら」

マチ子「一応、その覚悟ではおりますが」

花江「でもね、痩せ我慢はつまずきのもとよ」

透一郎「まあもう一度よ~く考えてみることだね」

と、卒業祝いを手渡した。

 

家に帰り、箱を開けると黒いハイヒールだった。マリ子の時もハイヒールだったという話から、はるにハイヒールを履いているところを見かけないと指摘された。

マリ子「お母様のおっしゃるとおりだったから。私みたいにそそっかしいのが履くとまたつまずいて足の骨でも折るのが関の山だと悟ったからやめたんです」

はる「その方が無難でしょうね。実体より高く見せようなんてそんな不自然なものはあんまり感心しませんもんね」

マチ子「ちょっとそれは非常識なんじゃないですか?」

はる「どうして? 自然のままが一番いいんですよ?」

マチ子「それは分かります。だけどせっかく頂いた靴を前にそんなふうに言うの伯父様のお気持ちをないがしろにし過ぎるんじゃないでしょうか」

はる「あらあら本当。それではヨウ子の時は前もって別のものをってお願いしておきましょうね」

マチ子「ますますもって失礼だわ」

 

いつもハイヒールをプレゼントする伯父さんもなぜ?と思わなくもないが、はるさんもなあ…。でもマリ子もマチ子も洗脳されるわけでもなく正論を返すのがいいよね。

 

マチ子の荷物は行李1つとトランク1つ。円タクを使えば十分間に合う。今晩が最後と言われて、マチ子は寂しがる。

マリ子「一番強そうでいて、一番弱いのがマチ子なんだもん」

 

帰ってきたヨウ子は、昨日の卒業式に写した写真をおじちゃまにお願いして大急ぎで仕上げてもらった。マッちゃん姉ちゃんが持っていくのに間に合わせたと写真と智正、トセから写真立てのプレゼント。

ヨウ子「これに入れて毎日私たちと会ってちょうだいね」

マチ子「ちょっと鼻かんでくる…!」

「あれで内弟子が務まるのかしら?」と笑うはると「大丈夫よ。均五郎さんっていう頼もしい先輩もいらっしゃるんだから」と返すマリ子。

 

夜。布団を敷くマリ子。

マリ子「帰ってきたくなったら構わないから帰ってらっしゃいよ」

マチ子「またマー姉ちゃんまでそんなこと言う」

マリ子「だってそっちの方がよっぽどマチ子らしいもん」

マチ子「そうかな? こんうちでは少なくともこの私が一番辛抱強いと思ってたけどな」

おしんのしんは辛抱の辛…。

 

マリ子は自分のお人よしでのんき屋はぼんやりしてて嫌なことに気付かないから案外生きやすく、マー姉ちゃんを見習いなさいとマチ子に言った。

 

マチ子はマリ子がハイヒールを履かなくなったのは茜の駆け落ち事件と関係あるのか聞いてきた。マチ子はあの時から履かなくなったのを覚えている。マリ子はぼんやりしてると生きやすい、忘れちゃったとごまかす。

マリ子「マチ子は案外神経質なところあるわよ。田河先生のお宅に行くんだから気にしないでいいことは気にしないこと! 大目的は漫画なんだから大目的を妨げるようなことは捨てちゃえ! 捨てちゃえ!」

 

泣きそうなマチ子に先に寝るマリ子。

 

きょうだいとは本当にいいものですね。マリ子がハイヒールを履かなくなった原因を言い当てたのがマチ子ならば、内弟子に入る妹の気持ちを細かく案じてやるのもマリ子でした。

 

翌朝、三吉が荷物運びに来るが、マチ子はマリ子と共に出発した後。残念そうな三吉。

 

マチ子は和室に通された。

順子「お机はこれ。スタンドもね女の子らしいのがいいとかもう女学校を出たんだから多少は大人のムードがあった方がいいんじゃないかなんてね先生とさんざん考えたの」

バラの花模様の黄色いカーテン。女の子らしいスタンド。

 

ここで泣いてはいけません。まだ挨拶もろくに済まないうちにはやホームシックにかかったなんてとても自慢できる話じゃないんです。

 

休憩中のめくり。

水泡「まあとにかくお嬢さん育ちだしね、お姉さんが心配するのもよく分かるんだけれども、ほら『案ずるより産むが易し』って言うじゃない」

マリ子「はい」

水泡「『可愛い子には旅をさせろ』ともね。でももし僕たちに子供がいたら案外こうはできなかったかもしれんね」

あれ? 子供いないっけ?と思ったけど、これからかな。

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 応接室にいるマリ子に早速エプロンをつけてお茶を出すマチ子。均はお茶碗の柄をお客様の方に向けるよう教えた。

 

それは田河家の善意ある予行演習ではあったのですが…

 

マリ子は一人田河邸を後にして怒っていた。

マリ子・心の声「バカよ、マチ子は! 私はお客さんじゃないの! あんなにしゃちこばっちゃって!」

マリ子「そんなお茶が飲めるわけないでしょ! 何さエプロンなんかかけちゃって! エプロンと漫画がどういう関係があるっていうのよ! ええっ!?」

 

今までゆったりペースだったのが一気に2年飛んだ。そして戦争も近付いてる。でも、かわいいヨウ子も三吉もそのままでなんとなくホッ。