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【ネタバレ】バベットの晩餐会

1987年 デンマーク

 

あらすじ

アカデミー外国語映画賞受賞。家政婦のバベットが腕によりをかけた超一流の料理が並ぶ食事シーンが圧巻の心温まるヒューマン・ドラマ。19世紀後半、デンマークの小さな漁村で暮らす初老の姉妹のもとに、フランスから亡命してきた女性バベットが訪れる。それから14年。家政婦として姉妹に仕えてきたバベットは、宝くじで当てた大金を使って豪華な晩さん会を計画するが…。原作はデンマークの世界的女性作家カレン・ブリクセン。

2021.9.12 NHK BSシネマ録画。放映時間がコンパクトなものを選びました。

 

デンマークに暮らす老姉妹。マーチーネとフィリパの父は牧師で既に亡くなっており、バベットは家政婦。慎ましく暮らす2人になぜ家政婦が!?というところから若い頃のエピソードへ。

 

年老いた父と若く美しい姉妹。士官のローレンスは姉のマーチーネ目的で牧師宅に出入りしたが、突然無意味に感じ、人生は厳しく無慈悲だと感じたと言って、マーチーネに別れを告げ、その後、出世を目指すようになり、王妃の侍女と結婚した。

 

引退を考えて崖に座って海を見ていた静養中のフランスのバリトン歌手のアシール・パパンは教会の歌声に魅かれ、教会に入っていき、フィリパを見かけた。姉妹の父から許可を得てフィリパに歌を教え始めた。歌いながら肩を抱いたり、顔を近付けたり…歌い終わった後は熱いキスをおでこにした。

 

食事中、フィリパは父親に歌のレッスンはしたくないと言い、父親が手紙をパパンに渡して、パパンガックリ。直後、パリに戻った。

 

あれから月日は流れ1871年9月のある夜のことだった。そんな昔の話か! 雨が降る中、老姉妹の元を中年女性が訪ねてきた。マーチーネがお茶を出すと女性は無言で手紙を差し出した。

 

1870年から1年続いた普仏戦争あたりの時代なんですね。全然分かってないけど。

 

手紙はパパンからで女性はバベットと言い、皇后陛下と同様にパリを追われたという。バベットは夫と子供を殺された。全てを失い国を出て、甥っ子の手配でデンマークへ。デンマークに知人はいないかと言われたパパンは2人を思い出した。あれから35年。パパンは孤独な老人で忘れ去られている、あなたは子供に囲まれているでしょう。バベットは料理人だとパパンの手紙には書かれていた。

 

しかし、清貧の暮らしをしている2人はバベットを雇う余裕はないと一旦は断るが、給料はいらない、ここから出されたら死ぬだけと言われて、2人はここにいていいと言った。

 

翌日からバベットが料理や買い出しなどするようになった。バベットが来てからお金に余裕ができたと姉妹は語る。

 

バベットが姉妹のところに来て14年が経った。バベットは海岸で漁師から直接魚を買っていたが、新鮮じゃないといい値切った。大体この手法で買い物してんだなー。

 

バベットが来てから姉妹が信者の話を聞く時間が増え、信者からも感謝された。姉妹の家に集まる信者たちは、みんな歳を取り怒りっぽくなり言い争いが多くなった。

 

12月15日は姉妹の父の生誕100周年を祝うとマーチーネが提案してその場は解散。

 

ある時、バベット宛てにフランスから手紙が届き、内容は宝くじ1万フランが当たったという知らせだった。3人で箱にお金をしまい、バベットが外階段から2階の自室に運んだ。

 

マーチーネは編み物をし、フィリパはピアノを弾く。そこに入ってきたバベットは牧師の生誕記念の晩餐をしようと提案をした。本格的なフランス料理を自分のお金で作りたいと言い、最初は遠慮した姉妹も提案に乗った。

 

食材のことで甥っ子と相談するとして休みを取ったバベット。そのままフランスに帰るのでは、と心配する姉妹。食材がたくさん届き、生きたウズラの入った鳥籠、生きたウミガメ、氷の柱、ワイン…マーチーネはウミガメが火あぶりにされる夢を見てうなされ、信者たちに天罰を受けるかもと泣きながら話すと信者たちは食べ物や飲み物のことは口にしないと誓い合い、歌った。

 

牛の頭、鳥の脚を荷車に積んで運ぶバベットの手伝いの少年。マーチーネがお客様が12人に増えたことを知らせても、バベットはたくさんあるから大丈夫だと答えた。新たに増えたお客様はスウェーデンの将軍。ローレンスか。

 

晩餐会の日。教会で歌を歌う。ローレンスも到着し、食事の席に着いた。料理の話はするなと言い合う信者たち。ローレンスだけは料理の味に感動するが、信者たちは無言。海亀のスープ、シャンパン、ブリニなどなど…。信者たちは思い出を語る。

 

ローレンスが昔、カフェ・アングレという店で食べたウズラのパイを思い出す。その店のシェフは女性だったという。

 

食べ物の話はせず、あの世に持っていけるのは与えたものだけだといっていた姉妹の父の話をした。出されたものはどれもおいしく、人々の顔は自然とほころぶ。

 

ローレンスは立ち上がり、神の恵みに条件などないなどと言う。いがみ合っていた信者たちはブドウやイチヂクを食べ、ワインを飲みながら和やかな雰囲気になっていった。

 

食材を運んできた少年たちも厨房で分け前をもらって食べた。バベットもようやくワインを飲んで一息ついた。

 

信者たちは食事を終えると、別室に移動しコーヒーを飲みながら、フィリパの弾き語りの歌を聴く。信者たちはすっかり仲良くなっていた。

 

ローレンスはマーチーネの手を取り、今までもこれからもそばにいると言って、手の甲にキスをして姉妹の家を後にした。信者たちも手を繋いだまま外に出て丸くなり歌を歌った。

 

姉妹はバベットにお礼を言い、バベットはカフェ・アングレの料理長だったと言った。姉妹はバベットがパリに戻るつもりで最後にごちそうを作ってくれたのだと思って話すと、カフェ・アングレの料理は12人で1万フランかかるといい、戻る場所もお金もない、この場所にとどまるつもりだと言った。(終)

 

宗教色が強いけど、最近「マー姉ちゃん」を見ているせいかそういう考え方もちょっと理解できた。バベットかっこよかった。

 


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