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ドラマの感想など

【連続テレビ小説】マー姉ちゃん (2)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

マリ子(熊谷真実)が展覧会場から帰ると、はる(藤田弓子)や千代(二木てるみ)が豪勢な料理を準備して待っていた。マリ子が最後まで思った通りに絵を描けたお祝いだと言う。そこへ隣に住む老人・一平(益田喜頓)や、その息子夫婦までやってきて、今展覧会場は大変な騒ぎになっていると言い出す。一方その頃、当の展覧会場では、マリ子の学校の校長(高松英郎)が呼び出され、マリ子の絵の前でとある決断を迫られていて…。

自室でそれぞれ机に向かい作業するマリ子とマチ子。マリ子は改めてマチ子に謝るが、またしても言い争いになる。マチ子が「ほくろの影を描き忘れたと大騒ぎする方がおかしい」と言えば、マリ子は「絵はすべからく忠実に」と石井先生から言われた→マチ子「感性に忠実に」という意味で、何から何まで忠実というのならモデルの感じも毎日違うと言い返した。

 

千代の「じきごはんになりますよ~」で二人は休戦。夕食がごちそうでマリ子もマチ子も何のお祝いかと驚く。母のはるはマリ子の絵のお祝いだと言うと、もう入選の知らせが来たのかと騒ぐマリ子たち。しかし、はるは思ったとおりに最終まで描けたということの方が大事だと言った。

 

はる「ごちそうを頂いて、あとは座して祈れば道は開けまっしょう」。昨日の姉妹喧嘩を止めるときに千代が「こんな所で松の廊下」と言ったり、なんというか、例えとか今の日常会話では言わないようなことが出てくるのがいいねえ。

 

ところがところが

 

お隣の牛尾一平が訪ねてきて、筑前高女の校長先生が警察に連れていかれたという話をしてきた。そこに息子の軍平まで家に来て、校長先生が呼ばれたのは警察ではなく新聞社で福岡新聞社の春季美術展覧会で、その中に一点、良俗に反し、風紀びんらんのおそれありということで市の有識者が召集をかけられたという話だった。軍平の妻の加津子が「うちもごはんですけん」と呼びに来ると、一平は「いや、帰らんこともなかがなんせ日本は神国じゃけん。のう」。どういうこと?

 

美術展覧会場に行った校長が会場に行くと、マリ子に絵を教えている石井や警部、消防部長、お坊さん、商店主などが集まっていた。「あっぱらぱんすぎる」という意見もある中、「良家の子女育成ば目的としとる我が筑前高等女学校には、こげんあっぱらぱんの生徒などおりまっしぇんぞ!」と一喝。「どげんもこげんもこれは絵ばい。描いた生徒の人格とは関係ありまっしぇん!」と校長と警部がもみ合いになる。

 

芸術かわいせつかの問題は、いつの世でも…というより、この時代であったからこそエスカレートするばかり。この分だとまあ当分は結論の出る様子は見られませんが。神のみぞ知る。震源地のこの磯野家は、今のところ騒ぎの圏外におりますようで。

 

はるとマリ子は毛糸ぐるぐる。マチ子は本を読んでいる。ヨウ子は手をついて「おやすみなさい」と挨拶して部屋を出ていった。こんなの、今のドラマじゃまあ見ないね。

 

定規を手にしたマチ子も「マチクロ二等兵、これより歴史城に向かって進撃いたします」と自室に戻って行った。

マチ子は「のらくろ」好き。「のらくろ」は1987年に「のらくろクン」としてアニメ化されていて、これを見てたので雰囲気は何となくわかります。戦前の漫画の「フクちゃん」も1982年にアニメ化されてたり、80年代の一時期、レトロブームで結構古い漫画がアニメ化されて時期があったな。「ゲゲゲの鬼太郎」3期が1985年、「おそ松くん」2期が1988年、「ひみつのアッコちゃん」2期が1988年、「平成天才バカボン」が1990年と昔から今より古い時代を感じられる作品が好きだったんだな~。

 

マリ子にしてみれば、マチ子は本気を出せばマリ子よりデッサンがうまいのに、なぜ「のらくろ」に夢中なのか不思議がる。はるはお隣のおじいちゃまから「少年倶楽部」を借りて「のらくろ」を読んでいて、面白い漫画だと思っている。はるとマリ子の敬語での会話もきれいだな~。

 

マリ子「あら、お母様お読みになったと? 『少年倶楽部』」

はる「ええ。隣のおじいちゃまにお借りしてね」

マリ子「うちには見るなとおっしゃるくせに」

はる「あなたにはあなたの道があります」

 

マチ子は歴史の暗記をするとき、定規で机をたたいてバナナのたたき売りスタイルで年号を覚えている。はるは勝手な言葉を作り出すマリ子もたたき売りの暗唱法を生み出すマチ子もとっても独創的で楽しいと言う。

 

マリ子の友人・トミ子が訪ねてきて、展覧会で問題になっているのは忠実すぎてけしからんというマリ子の絵だと伝えに来た。

 

有識者たちの話し合い。「その昔、黒田清輝画伯にも例のあることですし…」と石井が言ってたのはこれか。

www.tnm.jp

1901年の白馬会展で「裸体婦人像」が警察によって咎められ、絵の下半分が覆われる「腰巻事件」が起こった。

 

腰の部分を覆って、磯野マリ子作「裸婦像」の金賞が決まった。それでも金賞獲るんだからすごい。

 

警部「しょんなか! ばってん何も一本一本、ああ丁寧に…」

校長「やめんしゃい! それ以上忠実に言うことはありまっしぇん!」

そんな一本一本丁寧に描かれてる部分を凝視することないだろ! マリ子の絵は下半分ではなく腰の部分だけ隠されて展示された。

 

「良俗に反し、風俗びんらんのおそれあり」という軍平の言葉が気になって、はるはまんじりともせず朝を迎えたのでした。

 

朝、はるは新聞配達員から新聞を受け取る。

 

春の展覧会、入選発表

 金賞「裸婦」磯野マリ子

       十七歳の天才少女出現 

 

お隣のおじいちゃんも新聞を読んで驚く。はるはマリ子に入選を知らせた。

はる「これで私の決心も決まりました」 

 

さて、お母さんの大決心。どんなものかは、あとのお楽しみ。

 

それにしてもテンポがよい。本格的に方言監修がついたのは「おしん」からと聞くので、昨日ざっと感想を読む限り、九州のいろんな方言が混じってるとか結構めちゃくちゃだと言うのも見たし、先生をしぇんせいなど忠実だと言うのも見たし、方言って難しい。こっちはよく分からないから聞いてて楽しい。