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【ネタバレ】ハリーの災難

1955年 アメリ

 

あらすじ

巨匠アルフレッド・ヒッチコック監督が、美しい紅葉の森を舞台に描く、死体をめぐるスリラー・コメディー。バーモント州の森で、ハリーという男の死体が発見される。事件に関わったと思った4人の男女は、それぞれの理由から警察に知らせず、死体をこっそり埋めたり、掘り返したりするが…。ヒッチコック監督ならではのドライでブラックなユーモア、これがデビュー作となったシャーリー・マクレーンの軽妙な演技が光る。

2021.5.30 BSプレミアム録画。

peachredrum.hateblo.jp

昨日観たのがこの映画の10年後なのにモノクロ。この映画は全編きれいな紅葉風景だから、昨日の映画もフツーにカラーで見たかった気もする。

 

男の子が山を歩いていて、銃声が聞こえ、歩いていくと、頭から血を流した男が倒れていた。一方、知らずに禁猟区でウサギを撃っていたおじいさんが同じく男の死体を見つけた。男の子の姿はなく、おじいさんはウサギを撃った一発で撃ってしまったのだと、男の死体を調べた。スーツの胸元に封筒が入っていて、“ハリー・ウォープ メープル通り87 ボストン マサチューセッツ州”と書かれていた。ずいぶん遠くに住んでるな。クリスマスには帰れないぞと死体を運ぼうとした。

 

死体の脚を持って引きずりかけた時、「ワイルズ船長」と声をかける女性がいた。グレイブリーのいうグレイヘアの女性で近所の人で今までほとんど付き合いがなかったが、ワイルズから黙っていて欲しいと言われると、あっさり承諾し、お昼に誘い去って行った。

 

そこに人の声がして、ワイルズは隠れた。さっきの男の子が母親らしき女性を伴ってやってきたが、スヤスヤ眠ってるだけ、もうここには来ないでと帰って行った。次は本を読んでいた男性は死体の足に引っかかって転んだもののそのまま去って行った。山の中を歩くには不自然なスーツのグレイヘアの男性。次は杖をついたおじさんが死体の靴を履いて去って行った。死体を運ぼうにも次々人が来るので木陰で寝てしまったワイルズ

 

自宅前で絵を売ってるウィギー。絵を抱えたマーロウという男が通りかかり、声をかけた。マーロウの絵を売ってるのかな? ウィギーの息子は保安官代理。ウィッグス商店という店舗もあるのに、絵は手前の小さなスペースで売ってる。

 

ウィギーの息子カルビンはマーロウに銃声がしなかったか聞いて、車で出て行った。マーロウはウィッグス商店でベーコンなどを買っていると、グレイブリーが来店。ある人が訪ねてくるとマグカップと受け皿を買った。マーロウは老いてなお盛んとつぶやく。マーロウはグレイブリーを50歳と見立てていたが、失礼ね、42歳よ!って。グレイヘアだったからもっと年上に見えてた。

 

絵を熱心に見ていた金持ちそうな老人が店から出てきたマーロウに声をかけるが、マーロウはグレイブリーを若々しく見せようとハサミを取りに来て、相手もせず店に入った。老人は車に乗って帰ってしまい、ウィギーがグレイブリーの髪を店内で切り始めた。

 

森に行ったスケッチブック片手のマーロウが死体を発見した。スケッチブックに死体を描き始めたマーロウにワイルズが声をかけた。

 

ワイルズはこんなことで人生を台無しにされたくないというと、手紙の住所に遺体を送ればいいとマーロウが言うが、郵便物を運ぶのが保安官代理のカルビンなので、さっき親子で来ていたロジャースが警察に届けなかったら、死体を埋めるのを手伝うと言った。

 

ワイルズはその案に乗り、お昼にグレイブリーのお茶に呼ばれてると話した。初めて家に入る男になるとか誰かが蓋を開けないととかなんか下品だなあ。

 

その前に死体を隠そうと2人で運ぼうとすると、また本を読んでいる男がやって来た。しかし、またしても何事もなく去る。ワイルズとマーロウは死体を運んだ。

 

マーロウは紙袋にやや大きいカエルを持参してロジャース家を訪れ、死体の第一発見者のアーニーという男の子とカエルとウサギ(死んでる!)と交換した。

 

母親はジェニファー。マーロウは森にいた死体のことを聞くとハリーは夫だと言った。え! なぜみんなこんなに冷静なの? ジェニファーはロバートという男に恋をしたが殺された。その後、妊娠が発覚。ロバートの兄のハリー・ウォープと結婚した。ジェニファーはハリーの愛情に応えようとしたが、ハリーは星占いを信じてジェニファーの元に来なかった。ハリーはなんでも星占いに頼る人だった。

 

ジェニファーは実家に帰って終わらせたつもりが、ハリーが家に来たので牛乳瓶で殴りつけた。「死んでも連れ戻す」と言い残し森へ。会話の中でマーロウが30前後と言っていたけど、マーロウは40代だと思ってた。

 

グレイブリーの家を訪れたワイルズも正装してたけど、グレイブリーもきれいなドレスを着てる。アーニーがウサギの死体を持って来たことでワイルズが撃ったわけではないとわかり、笑顔になる。アーニーはウサギとグレイブリーが作ったマフィン2個と交換して帰った。

 

マーロウとワイルズは死体を埋める穴を掘り、埋めた。ワイルズはグレイブリーの話をして盛り上がる。一発が立て札、一発が空き缶、もう一発がハリーを撃ったのだと思い込んでいたワイルズがウサギを撃ったのならハリーを撃ってないかも!?とようやく気付いた。さっきはウサギも撃ってたんだという喜びだったのか。

 

ワイルズは傷口を確認したいともう一度、土を掘った。銃創ではなく殴られた痕だったので、ジェニファー犯人説が浮かび、ワイルズは急にこういうことは白黒はっきりさせないと!と言い出すが、もしグレイブリーならどうする?とマーロウに言われ、とりあえず死体は埋めた。

 

今度はワイルズがグレイブリーを招待した。グレイブリーはハリーに遭遇し、ジェニファーと勘違いされ、茂みに引きずり込まれそうになったのでハイキング用の靴のかかとで思い切り殴った。グレイブリーは正当防衛なのだから警察に届けると言い出し、自ら死体を掘り起こしに行った。

 

マーロウはジェニファーの家へ。泥だらけのグレイブリーとワイルズがやって来て、グレイブリーがハリーを殺したことを告白した。ジェニファーは好きにしてと言うが、マスコミにジェニファーの結婚生活まで暴かれることになるぞというマーロウの言葉で再び死体を埋めに行った。

 

4人が森から出てくると、ウィギーがマーロウを呼びに来た。大金持ちがマーロウの絵を全部買いたいと言ってきたと伝えに来た。値段はつけられないというマーロウは、ジェニファー、ウィギー、グレイブリー、ワイルズに欲しいものを聞き、金持ちに届けさせるように言った。最後にマーロウが耳元でささやいた欲しいものとは…!?

 

マーロウはジェニファーにプロポーズした。カルビンが流れ者から死体から盗んだという靴を持って来た。死体は見つかっていない。しかし、電話をかけようとしたカルビンは足元のマーロウのスケッチブックを見つけた。

 

ジェニファーはマーロウの求婚を受け入れ、グレイブリーとワイルズも祝福した。しかし、2人が結婚するにはハリーが死んだことを証明しないと…とやはり真実を話そうという話になる。死体を掘り起こし、話していると、本を読んでいた男が今度は本を読まずに歩いていて、とうとう死体を見つけた。

 

医師だという男にジェニファーは私の夫だと言い、マーロウはなぜ死んだんだ?と問いかけた。医師が検視するというので、みんなでハリーをジェニファーの家まで運んだ。

 

カルビンが訪ねて来て、マーロウにスケッチブックの絵について聞いた。頭に浮かんだ顔だと言うが、カルビンはごまかされない。しかし、マーロウはその場で絵の男に目を描き足した。バスルームにハリーの死体。医師が訪ねて来て…カルビンの車のクラクションが鳴り、カルビンは出て行った。車のそばではワイルズが車が欲しいと言って見ていた。

 

カルビンは絶対犯人を見つけると息巻いていたが、証拠の絵は描き変えられ、流れ者が盗んだ靴もワイルズが取り返した。医師の検視でハリーの死因は心臓発作とわかり、一堂ホッ。ジェニファーがこれまでの経緯を説明すると、こんな馬鹿げたことは初めてだ! 元に戻しとけ!と帰って行った。

 

翌朝、もう一度死体を森に置く。第一発見者はアーニー。ワイルズはマーロウが金持ちに何を欲しがったのか聞くと「ダブルベッド」と答えた。(終)

 

最初から最後まで誰もハリーの死を悲しむこともなく物語は淡々と進んでいるようで、最終的にカップルが2組生まれているという不思議な味わいのある話でした。