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【ネタバレ】流行感冒

2021年4月10日 BSプレミアム

 

あらすじ

小説家の私(本木雅弘)は、妻の春子(安藤サクラ)と4歳の娘・左枝子、二人の女中とともに暮らしており、娘の健康に対して臆病なほど神経質である。時は大正7年(1918)秋。流行感冒スペイン風邪)が流行り感染者が増え始める中、女中の石(古川琴音)が村人が大勢集まる旅役者の芝居興行に行ったのではないかという疑惑が浮上する。

毎朝再放送で見ている「あぐり」と同じ時代の話。「あぐり」劇中でもスペイン風邪で相次いで姉と父を亡くしたのは大正9年の年明けから夏にかけて。wikiによれば第2波だったみたいです。

 

長女を生後37日で亡くした小説家は健康に人一倍気を遣っていて最近流行しつつある流行感冒を気にしていた。編集者に白湯が効くと言われれば、飲み屋で升の白湯を頼んだ。

 

食事のシーンで女中も少し離れた場所で給仕しながら一緒にお膳で食べてるのが違和感。「あぐり」では女中は主人一家の食事を部屋の隅で食べないで給仕してたし、「はね駒」だと嫁であるやえさんが一段下で食べてた。家によって違いはあるだろうけどね。作家先生は身分差別をしない人だったのかもしれない。

 

でも専業主婦っぽい妻の他に女中が2人というのは、この時代のそこそこの家のリアルだったのかもしれない。「はね駒」では仕事を持ったりんが女中を雇おうと言ったら、やえが大激怒したけど、時代が違うんだから女中の1人や2人いたっておかしくないよ〜。80年代の働く女性は仕事は男と肩並べて+家事は働かせてもらってるんだから夫に負担なくみたいな感じだったんだろうなと思わせた。※「はね駒」はこの辺りは違和感あったけど、全体的には好きな朝ドラです。

 

流行感冒を娘の左枝子にうつしてはなるまいと少しでも咳き込んでいる人がいただけでも避ける作家先生。村の巡業公演に絶対行ってはならないと女中2人にも言い渡した。

 

芝居に行きたがっていた女中の石に流行感冒が落ち着いたら東京の歌舞伎座で行こうと風呂焚きをしていた石に話しかけた作家先生だが、石の返事がなく、もう一人の女中に聞くと薪を拾いに行ったと話した。

 

石が帰ってくるまで待っていて芝居に行ったのか?と問い詰めたが、本当に薪を背中に背負っていて認めなかった。作家先生は嘘をついていると決めつけていた。神経質になり過ぎ妻の春子とケンカになってしまうほどだった。

 

結局、石は芝居を観に行っていて、母親と一緒に荷物をまとめ始めた。作家先生はこれでいいんだと止めなかったが春子がなんとか止めた。

 

作家先生は外でマスクをするようになったが、しかし、ある時、咳き込み、高熱が出て医者から流行感冒だと診断された。左枝子を近づけないようにしたが、春子も左枝子も女中のきみも流行感冒になってしまった。

 

ひとり健康な石が熱心に看病を始めた。家族は回復したが、大正8年の正月、いつも通っていた飲み屋は閉店。店主はホームレス仲間と河原でたくましく生きていた。

 

石に縁談の話が来た。春子から着物をもらい、作家先生の家を出て行った。石の後ろ姿を寂しそうに見つめる作家先生。お互い誤解したまま別れないでよかったと春子に話す作家先生。流行感冒に過敏になり過ぎたと反省した。

 

作家先生は「いつでも遊びにきなさい」と石にハガキを出した。字の読めない石は学校の先生に読んでもらい、走って遊びにきた。あまりに急いで来たので作家先生も大きな声で笑った。(終)

 

これどれだけ原作に忠実だったのかな? 「あぐり」はマスクしている人は1人も出てこなかったけど、このドラマでは大きなガーゼ?のマスクとか顔にフィットした黒いマスクをしている人がたくさん出てきた。エンディングで当時のポスターを見てもマスクしてた。コロナを経験してないとイマイチピンと来なくて「あぐり」はあんな描写だったのか!?

 

しかし、「あぐり」は90年代の価値観で描かれているという感想を時々見るけど、このドラマだってそうだよ。微笑ましく終わってるけど、このあと第2波、第3波があったんだよね。今は昔っぽい質感を出すのは上手いかもしれないけど、でも昔っぽく見えないんだよな、何故か。