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【連続テレビ小説】あぐり (16)「謎の女」

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

健太郎里見浩太朗)は世津子(草笛光子)に会い、エイスケ(野村萬斎)を放っておくように頼む。あぐり田中美里)は、世津子はエイスケの恋人だと勘違いしていて、エイスケを問い詰めるが、エイスケは笑い飛ばす。面白くないあぐりが木に登って空を見ていると、偶然世津子と遭遇し、旅館を訪ねてきたエイスケと一緒にお茶を飲む。東京に帰る朝、世津子は駅に見送りに来たエイスケに、このままではダメになる、と言い残す。

駅に迎えに来た健太郎は世津子の荷物を持とうとして少し強めに引っ張ってしまったため、世津子はよろけて健太郎にもたれた。周りには洋装の人もいないし、かなり目立ってる。

 

月組の千吉と妻五郎に早速見つかる。千吉って人は嫁に来たばかりのあぐりに踊りを教えたり、遊郭で包丁を振り回したり、望月組のメンバーでは、磯辺、妻五郎に次いでセリフやエピソードのある人なのに、まったく存在を覚えてなかった(^-^;

 

健太郎と世津子は、あぐりの実家いきつけのレストランマルホシへ連れて行った。世津子は岡山の見物がてらエイスケの顔を見ようと思って来たと言った。健太郎は跡を継がせるので東京は引き払わせるというが、世津子はエイスケに「文士」として光るものがあり、このままこっちで埋もれてしまうのはもったいないと思っていた。

 

世津子「あなたは私よりもこっちの暮らしを選んだの。自分からカゴの中へ戻ったの。でもエイスケさんは違うわ。あの子はカゴを飛び出して自由に羽ばたこうとしているの」。昔何かあったということか。健太郎もまた東京に住んでたことがあったのかな。

 

民子の「偽善者なんかに同情されとうないわ!」「あんたに他人の痛みなんか一生分からんわ!」という言葉を思い出して落ち込むあぐり。ひとり中庭でやっている線香花火も終わってるのに気づかないほどだった。

 

エイスケが帰って来て、一緒に花火をする。そして民子の話をした。

エイスケ「最愛の人に裏切られたんだ。心の傷が深すぎるんだろうな」エイスケさんの真剣な顔。

 

健太郎は光代に世津子は70過ぎのしわくちゃの婆さんで、東京の質屋で岡山見物に行きたいと言っていたと報告した。健太郎の脱いだ着物をたたみながら、着物に着いた匂いをかいだ光代は「お婆さんねえ…」と何かを察した。

 

健太郎が歌っていた♪「どうせ 二人は この世では 花の咲かない 枯れススキ」は大正12年にレコード化され、さらに映画化されてヒットした船頭小唄の一節。 

ja.wikipedia.org

 

あぐりに「ねえ。またいい事しようか?」と花札に誘うエイスケだったが、あぐりは今度は「エイスケさんは最愛の人を裏切ったんですか?」と世津子のことを問い詰める。世津子は民子と同じだから世津子さんを裏切らないでほしい、私は実家に帰ってもいいと真剣な顔で話すあぐりにエイスケは笑い出した。

 

エイスケ「君って面白い奴だよねえ…。そうだ。明日一緒に世津ちゃんに会いに行こうか?」

あぐり「いいです。世津子さんには会いたくありません」と寝転んでいたエイスケの足を持って回転。屏風を立てた。

 

翌日、木に登っていたあぐりは昨晩のエイスケの言葉を思い出していた。そこに通りかかったのは洋傘をさした世津子。

 

世津子の宿に呼ばれたエイスケはそこにあぐりがいて驚く。

世津子「まあしかしほんとにあぐりさんって面白い人ね。初対面が木の上と下だなんて私初めて」

 

エイスケは、あぐりが世津子をエイスケの「東京の女」と思っていたことをバラす。世津子は東京でカフェーをやっていて、エイスケたちの相談相手になっていた。森もよく来ていたという。

 

ツイッターでチラホラ森って誰?みたいな人がいて、やっぱり朝ドラって橋田さんくらいの長セリフ、同じようなことを何回も言うって大事なんだなって思いました。「おしん」は回想、振り返りがなくても理解できていたのは、セリフで説明してくれるからで、忙しい時間の朝ドラならそういうのも必要なんだなと思った次第。ずーっと名前間違えてる人とかいるもんね。

 

エイスケが遊郭に住み込んでまで書いた小説は世津子が「改造社」の伊藤に見せていて、評価は「エイスケにしては『平凡』。廓の女を書くならもっと掘り下げが欲しい。東京にいた時の切れ味がない」。

 

磯辺と妻五郎は世津子について噂していた。年の頃なら40…ちょいすぎという設定らしいけど、当時の草笛さんは60過ぎていた。すごいなー。そりゃそうだよねえ、「澪つくし」の12年後だもんね、だけど驚異の若さ。それをそっと立ち聞きしていた光代。

 

健太郎が「今日は遅くなるかもしれんな。何せ年寄りを連れて歩くんじゃから何かと時間がかかるじゃろう」というしらじらしいウソにも「せいぜい親切にしてさしあげんと」と笑顔で送り出し、磯辺と妻五郎に予約した料亭を聞き出すため、磯辺の娘の嫁ぎ先を世話したことを盾に笑顔で脅す。

 

着物を着替え、料亭に入ろうとする健太郎と世津子を突撃する光代。呉服屋のおかみのふりをして近付き、挨拶をした。「望月の御大にはいつもごひいきにしてもらいよるんです。そうですわね、御大?」「いやじゃわ、私ったら。お引き止めしてしもうて。こちらがあんまりお美しいお方なんでついつい…」笑顔だった光代は振り返って歩くときは真顔。世津子「面白い方ね…御大の奥様」ってバレバレ。

 

夕食時、光代「エイスケ…。東京のお年寄りはおきれいな方だそうじゃな。大丈夫じゃろうか? 70歳すぎてもそれは艶やかなお方だそうじゃない。私も東京で暮らしてみたいもんじゃわ」健太郎タジタジ。

 

望月の両親はいい人なのに、苳子は…みたいな感想も見るけど、苳子は光代に似たんじゃないのかなー。

 

部屋に戻ってきたあぐりはエイスケの原稿が捨てられているのに気付いた。エイスケは仰向けに寝っ転がったまま、深刻な顔。

 

翌日、世津子を駅まで見送ったエイスケとあぐり。エイスケは世津子から「あなたこのままでは駄目になるわ」と言い残し東京に帰って行った。

 

世津子は東京の文士が集まるカフェの店主。銚子で女親方やってるとねさんと同世代くらいなのか? とねさんは明治11(1878)年生まれの寅年で大正12(1923)年の時点で45歳。「澪つくし」は大正15年から物語が始まっているので、まだかをると惣吉は出会ってないんだなー…と同時代のせいか「澪つくし」も思い出します。

 

エイスケさんはひょうひょうとして明るいけど、ぐっと真剣な顔にもなるのがいい。