1991年11月24日 TBS
あらすじ
病に苦しむ最愛の恋人を苦渋の末に安楽死させた医師(役所広司)が、罪の意識を感じながら、友人ソーリン(ブライアン)が医師を務めるサハリンの病院を訪れる。「サハリンの病院を手伝ってくれないか」という誘いに戸惑っている時、宿泊していたホテルのレストランで舞台女優志望のウェイトレス・マーシャ(マリーナ・ウィヤキナ)に出逢う。文化庁芸術作品賞、ギャラクシー賞奨励賞受賞。北海道放送創立40周年作品。
ノブコという病室のベッドに寝ている女性の腕に注射を刺す医師・矢吹。
電車に乗ってユジノサハリンスクのホテルに到着。レストランでコーヒーを飲んでいると、日本語がしゃべれる韓国人が日本語が読みたいので雑誌をくれないかと話しかけてきた。
矢吹は市立病院のソーリンに連絡を取り、再会した。恋人を亡くしたことを話す…日本で安楽死いいの?
病院を辞めてきたという矢吹に一緒に働こうと言ってくれるソーリン。行く先々にノブコの姿が見える。
ホテルのレストランのウェイトレス・マーシャは舞台女優志望で矢吹とチェーホフの戯曲のセリフを言い合う。
ピンクのバラを数本買っていた矢吹にマーシャがこれからオーディションに行くからついてきて欲しいと腕を引っ張る。マーシャの話している言葉が分からないながらついて行く。
チェーホフ劇場でのオーディション。マーシャは「かもめ」のセリフをいう。
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マーシャの芝居を見ていたはずが、ノブコが舞台でセリフを言っていた。
マーシャは演出家に止められ、女優に向いてないと言われてしまった。ロシア語が話せない矢吹は、チェーホフ戯曲集のワーニャ伯父さんのセリフでマーシャを励ました。森の中を追いかけっこしていたが、突然マーシャが倒れた。時々こういうことがあるの、とマーシャは言う。
マーシャの部屋に招待された矢吹はマーシャの顔を覗き込んだ。襲われると思って警戒したが、矢吹は目を開かせたり、歯茎、爪をチェックし、ソーリンにマーシャを健康診断するように言った。貧血で倒れたマーシャに白血病の疑いがあるせいだった。
新しく作る病院に矢吹を院長に迎えたいと言うソーリン。日本で生きる自信がないと言う矢吹だが、ソーリンの誘いは断った。
マーシャは矢吹の見立て通り白血病だった。早期の白血病なら治せるという矢吹だが、ソーリンはサハリンでは抗がん剤が足りないと言う。明日、日本に帰って薬を送ると言う矢吹。マーシャのおかげで日本に帰る決心ができた。
帰らないでというマーシャに日本語で自分の罪を告白した。ガンで苦しむ婚約者に誰に頼まれたわけでもないのに塩化カリウムを注射して殺した。家族にバレたわけでもないし、自分からそれを言う気もなかった。
しかし、日本に帰って真実を話す決意ができた矢吹。チェーホフのセリフで慰めてくれるマーシャと涙で別れた。(終)
婚約者を亡くしたばかりの割にマーシャといい感じなりすぎじゃねー?と思ったら、ちゃんと自分と向き合うことができたということか。勝手に安楽死はさすがにやりすぎだね。