徒然好きなもの

ドラマの感想など

【ネタバレ】キューポラのある街

1962年 日本

 

あらすじ

吉永小百合が当時史上最年少でブルーリボン主演女優賞を受賞。“キューポラ”と呼ばれる煙突が立ち並ぶ鋳物工場の町を舞台に、高度経済成長期、貧しくも明るく懸命に生きる若者たちの感動作。鋳物職人の父が工場を解雇され、中学三年生のジュンは、高校進学のため、ないしょでアルバイトを始める。だが、プライドばかりが高い父は、せっかくの再就職先も辞めてしまう…。脚本は今村昌平、監督はこれがデビュー作となった浦山桐郎

 

埼玉県川口市が舞台。ある鋳物工場は丸三に買収され、何人かの職工のクビが飛ぶことになった。

 

家ではジュン(吉永小百合さん)の母(杉山徳子さん)が産気づいており、弟たちはテレビの大相撲に夢中だったが、ジュンは弟たちに父を呼ぶように言い、病院に付き添った。ジュンは中学3年で両親は初老っぽいのに赤ちゃん!

 

ジュンの父(東野英治郎さん)は高齢でケガしてることもあって工場はクビ。2年前の勤務中のケガの補償や退職金も出ると同僚であり隣に住む克巳(浜田光夫さん)から聞かされたのに、赤の組合は嫌いだと言って労働者として当然の権利を受けようとしない。その上、ケガのせいで新しい職場もなかなか決まらない。

 

ジュンは高校に進学するために家族に内緒でパチンコ屋のバイトを始めた。パチンコ台の裏から玉の補充。あんなアナログな世界なんだ。弟のタカユキは家で飼ってるハトのヒナが生まれたら売る約束をしていたが、猫に殺されてしまった。死んだヒナ、追いかけられて石を投げられる猫…見たくない。

 

ノブコというお金持ちの級友に勉強を教えたジュンはノブコの父と顔見知りになり、埼玉鋳造という大手に父の仕事を世話してもらった。

peachredrum.hateblo.jp

ノブコの父は下元勉さん。若いな〜。黒髪でインテリ父さん。

 

ジュンは行けないと思っていた修学旅行が市から交通宿泊費の補助が出て、行けることになった。しかし、修学旅行出発の朝、父が埼玉鋳造を辞めると言い出した。鋳物職人としての誇りがあって、若者に頭を下げることができなかったのだった。

 

朝から大げんか。タカユキが高校に行きたいと言ったら「ダボハゼの子はダボハゼだ。中学出たら鋳物工場で働くんだ!」と父親に怒鳴られた。

 

ジュンは修学旅行には行かなかった。母が飲み屋で働き始めたのを目の当たりにして、同じく修学旅行に行かなかったリスちゃんというちょい不良の級友に誘われるまま、ディスコ?で踊る。男たちは飲み物に薬を入れて、ジュンとリスちゃんを昏睡させた。昏睡させるのはこんなに太古の技だったのか。

 

ジュンだけを部屋に連れ込み、服を脱がせようとしたが、すんでのところで目を覚まして、克巳が刑事を連れて一人机に突っ伏していたリスちゃんを起こしたことで男たちは逃げた。

 

タカユキの友達・サンキチとジュンの級友・ヨシエの母親は日本人(菅井きんさん)だが、父親は北朝鮮人で親子で朝鮮に帰ることになった。サンキチは母親恋しさに大宮から引き返して来たら、母親は食堂を辞め、結婚していなくなっていた。

 

次の船が来るまで崔さんという家でお世話になり、朝鮮学校に通いながらタカユキと共に新聞配達を始めた。

 

ジュンは昼は働いて定時制高校に通うことに決めた。工場見学に行った先の女工吉行和子さん。父は元いた工場が新工場を建て、人手不足のため克巳の尽力もあり、また働けることになった。

 

初出勤の朝、ジュンはタカユキと共に今度こそ一人で朝鮮に向かうサンキチを見送り、職場に向かった。(終)

 

社会派の映画だったのね。貧乏でその日暮らし、子供も進学できずにまたその日暮らし…の連鎖を断とうと頑張るジュン。克巳も一時はグレて高校を辞めてしまったけど、今は組合員として頑張っている。

 

ジュンの父親は、「澪つくし」の入兆の広敷連中くらいの年齢層なのかな? だから組合=アカというイメージがあるのかも。歴史は繋がってるんだな〜。

 


キューポラのある街