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ドラマの感想など

【ネタバレ】日本一のホラ吹き男

1964年 日本

 

あらすじ

植木等が超プラス志向の男を演じる「日本一」シリーズ中最高傑作とも言われる第2弾。東京オリンピック三段飛びホープとして注目を集める初等(はじめひとし=植木)はアキレス腱を切って入院。大ホラ吹きだったという先祖の出世話に勇気付けられ、日本一の大会社・増益電機に臨時雇いの守衛としてもぐりこみ、社長(曽我廼家明蝶)にあの手この手で取り入って正社員に。その後は超ハードワークであっという間に係長、そして課長、部長にスピード出世、ついでに花嫁まで手に入れて…。

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競技場で練習している面々の中に三段跳びの選手・初等(はじめ・ひとし)が遅刻して「東京五輪音頭」を歌いながら登場。オープニングはいろんなオリンピック競技が出てきて、市川崑監督の「東京オリンピック」みたい。 

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植木等さんは1926年生まれだから当時38歳か。しかし年齢設定は大学に人より2年長く行ったと言ってるから役年齢は24歳くらい。

 

三段跳びの練習中、ケガをして入院していたが、結局オリンピックには出られなくなってしまった。実家で療養中。これまでの植木等さんの映画は都会の風景が多かったけど、田舎で牛を連れて歩いてる人とすれ違ったり、実家にはヤギの親子や犬がいたり。工事現場から古い壺が出てきて、等が自分の先祖のものだと取り返した。

 

壺の中身は初等の先祖、初等之助(はじめ・ひとしのすけ)の古い書物だった。ここから時代劇。等之助がホラで出世したという伝記を呼んで感銘を受けた。

 

就職課で一番の企業と言われた増益(ますます)電機に就職したいと思い、推薦状を書いてもらいたいと言ったが、この会社はコネ入社はないと言われた。社長の増田益左衛門の伝記を本屋で立ち読み。就職試験を受け、大ぼらを吹く。大学生だから学ラン姿だけど、やっぱり学生役は無理あるな。

 

独り暮らしのアパートで不採用通知を受け取る等。しかし、4月になり、等は臨時雇いの守衛になっていた。大学の同級生には「大学出てまで守衛なんて」と言われるが、守衛の方が社長に認められると言う。

 

社長に挨拶するも「うるさい!」と一喝される。しかし、社長の運転手から社長はゴルフは好きだが、腕前はいまいちと聞かされた。

 

またしても本屋でゴルフの勉強をして、翌日から社長のキャディとして同行して、ゴルフ指導を始める。打ちっぱなしとかじゃなくコースを回るんだね(ゴルフしたことありません)。

 

社長の自叙伝を読んだことも伝え、正社員にしてほしいと頼み、営業部調査課資料係に配属された。面接の時に知り合った可那子に話しかけるが、資料係は窓際族みたいな部署で係長もいない。

 

厚い紙の一束を計算するのが仕事だが、熟練の社員でも10日間計算に時間がかかる。みんな定時に帰るが、等は会社に泊まり込んで0時から3時まで寝て19時間仕事をし、残業代も取らずに働く。計算機じゃなくそろばんでやるんだよぉ。私には無理だ。

 

3年分の仕事を1か月で終えるが、残業代を受け取らないなど労働組合の重大の裏切りとして労働組合員から除名された。しかし社長としては一生懸命働く社員を辞めさせるわけにはいかず、宣伝課係長になった。

 

可那子にはあと3か月で課長になり、いずれ部長になると言った。研究室に行き、エンジニアたちに新製品を考えろと挑発しまくる。

 

エンジニアの中に井川(谷啓さん)がいた。言葉に詰まる吃音症(劇中ではドモリ呼び)で酒を飲めば直る、等は「俺まで(しゃべり方が)うつっちゃうよ」…この辺、ちょっとしたコメディっぽい描写なのだろうが、今はできないだろうな。

 

井川は冷暖電球という冷暖房を兼ねた電球を発明していたが、経費が掛かりすぎて商品として出せないと言うが、等が勝手にテレビ出演して増益電機の冷暖電球の宣伝をしたため、問い合わせが殺到し、とうとう量産することになった。

 

冷暖電球はヒットし、売り上げは2倍になった。3か月たったら課長になると公言していたが、全然課長になれないと宣伝課長にからかわれ、社長に直談判。他の会社からヘッドハントされてるとホラを吹いて、他の会社なら月給15万で課長と言われたと言い、社長は月給20万で社長直属の秘書課課長を命じた。昭和39年の大学卒の初任給が21,200円の時代です。

 

今までツンツンしていた可那子もついに等に落ちた。うーん突然だな。

 

ナイロニア国のナイロニア・ダムの水力発電の発電機に増益電機と丸々電機の2社が入札することになった。等が丸々電機の社長・西條の後をつけ、クラブ・アカデミーのママといい仲だと知る。銀座のクラブ・アカデミーはビッグバンドの演奏で和装の人が踊ってる。客は外国人が多い。ママの花江は草笛光子さん。クラブの飲み代はもちろん会社の経費。

 

可那子のデートであと10日で部長にならなくてもいいと言われ、銀座に飲みに行ってることもとがめられた。

 

等はクラブの閉店時間に花江のアパートに行っていいかと頼む。花江は承諾し、部屋で飲み始める。おしゃれな部屋だね。丸々電機の入札価格をスパイしてほしいと頼む等。わざと部屋にナイロニアダムの見積書を置いていき、花江は中身を見て値段を見た。1基120万ドルという価格をあえて見せて、増益電機が入札を勝ち取るが、5分引きという値段を提示した等に大激怒した社長はクビを宣告した。

 

等と可那子は結婚し、社長が駆け付け、良心的な値段を出してくれた増益電機にナイロニア全土で増益電機を使うことになったと感謝された。これを受け、営業部長に出世。

 

可那子と豪邸で新婚生活。等之助は妾を6人も持ったという話に、可那子に金盥で殴られ、庭に転がり落ち「昔の男はよかった」で終わり。

 

吃音症の描写はどうかと思うけど、それ以外は楽しい映画。オリンピックっぽいのは最初だけだったな。