徒然好きなもの

ドラマの感想など

【ネタバレ】日曜劇場 #20 あかとんぼ(脚本/長谷部慶次)

1978年9月10日 TBS

 

あらすじ

1977年8月の北海道・有珠山噴火を通して自然の下での人間の弱さやたくましさを描いた力作。当時の実際の映像を織り込んだ臨場感溢れるドラマ。有珠山の麓にある小さな農村に父母と妻子と暮らす男(藤田まこと)が、両親名義の土地を売ってペンション経営を夢みるが姑(北林谷栄)は大反対。口うるさい姑と嫁(倍賞美津子)の仲も険悪な雰囲気になる。ある時から家の周りで地震が頻発するようになり…。

www.nihon-eiga.com

 
1976年8月未明、昭和新山あたりで何か起こったんじゃないかという問い合わせがあり、調べると地震が頻繁し始めていた。
 
1977年7月、草を刈りながら喧嘩する嫁姑。
 
北の国から」の杵次に通じるような話で、年取った馬を手放して、耕運機を買う話をするけど、一緒に苦労した馬を手放したくない姑(北林谷栄さん)と馬の世話をするのが大変だという嫁・ナミコ(倍賞美津子さん)で対立する。
 
農地を売りたいナミコの夫・一郎(藤田まことさん)は両親の機嫌を取って、ハンコをついてもらおうと考えていた。株式会社の専務になると言ってるけどどういう仕組み?
 
一郎の母は反対する。定款も分からない男が何が専務だ!と一喝。しかし、一郎は株式会社を作って土地を会社に売って専務になるという話にすっかりその気になっている。
 
姑と大喧嘩したナミコは観光ホテルで働き始めた。朝から酒飲んでるとは、ホステスみたいなのもやってるのかな??
 
その間もちょいちょい起こる地震
 
1977年8月8日、朝から地震有珠山が噴火し、石もパラパラ落ちてくる。ナミコは子供達を連れて逃げようとしたが、姑は寝たきりの夫がいるから先に逃げろと行かせた。子供は2人、そのうち兄のヒデキはじいちゃんばあちゃん子で一緒に残ると聞かなかったため、やむなく置いて避難した。
 
一郎は家に戻ると、一緒に避難しようと説得するでもなく、父親の枕の下に隠した実印を取り上げ戻って行った。
 
姑は頑として家を離れない。自衛隊の人が説得するようにいうが、実印をむしり取った一郎は行きたがらない。結局、一郎は家に行くが説得できなかった。
 
姑の仲の良いキジマさんの牛舎で姑が可愛がっていた次郎という馬を預かってもらう約束をして、ようやく両親とヒデキを家から連れ出し、避難所になっていたホテルにとどまっていたナミコともう一人の子供も車に乗って新たな避難所へ。
 
嫁姑は和解した。一郎が情けなさ過ぎるんだよ。ナミコはものすごく気の強い女性だけど、生活力はあるし、寝たきりの舅をトイレに肩を貸して連れて行くなどパワフル。
 
9月になってようやく家に帰れた。相変わらず喧嘩している嫁姑。
 
一郎は「専務」と呼ばれてこき使われていたけど、ただのあだ名? ペンション建設予定地にいたけど、あれは土地を売ったということなのか?
 
実際の噴火映像を絡めながらドラマを作っていました。役場職員や自衛隊員の説得にも関わらず家に止まり続けるとか、みんな別の避難所に行ったのにホテルでじいちゃんばあちゃんヒデキを隠れて待ってるナミコとかちょっと迷惑な家族だなぁ汗
 
でも馬を大事な家族と思ってる姑の気持ちも分かるよ。それを壊しまくったのが、子世代だったんだね。
 
タイトルの「あかとんぼ」は子供が読んだ作文で秋になったら赤トンボがたくさんでてきてどこに隠れていたのかなぁみたいなことでした。全国の皆さん、ご支援ありがとうございました。という一文もありました。
 
「はね駒」は津波、こちらは有珠山噴火と災害と日本みたいな作品をたまたまだけど立て続けに見ました。
 
お話としては面白かった。YouTubeで当時のニュース映像を見たら、今後5年は作物が育たないんじゃないかとかなり深刻だったけど、ドラマでは子供が無邪気に避難所で友達がたくさんできたと言ってました。
 
 
今、日本映画専門チャンネルでやっている日曜劇場は北海道放送が作った北海道が舞台の作品ばかりを流しているのですが、地名や景色で北海道だと分かるパターンがほとんどで、俳優さんたちがきれいな標準語で話してました。今回の話は姑役の北林谷栄さんの訛りが素晴らしくて(私の耳になじみのある東北訛りで北海道とはまた違うのかもしれないけど)田舎の農家という感じがすごく出てたので、母にも見せようと2回目を見て気づいたことがありました。
 
途中、避難拒否したじいちゃんばあちゃんヒデキでテレビのニュースを見ていたとき、農家の女性が牛が死んでしまったかと思ったけど助かってよかったと涙ぐみながら話していました。たたずまいなどとてもリアルで本物のニュース映像を使っているのだとその時は思ったのですが、その後の会話をさらっと流していたけど、「キジマさん、よかったなぁ」と言っているではありませんか。
 
一郎が牛舎に行って、母の馬を預かってくださいとお願いされているときは、藤田まことさんのアップでキジマさんは後ろ姿。キジマさん連れてきたよ、と一郎の母に会わせても後ろ姿。そのあと、「早く逃げろー」としゃべるけど、その時は恐ろしく棒…もしかしてニュース映像の本物の農家の女性を出したんでは?と推理してるんですがどうでしょう?
 
とにかくこのドラマは情報が少ない。あのニュース映像での感じはホントに真に迫る感じでこっちまでもらい泣きしそうなほどだったので、あれが女優さんで演技ならそれはそれですごい。
 
北林谷栄さんはこれまでも日曜劇場に度々登場してきたけど、今回の話が一番面白かった。北林さんのセリフも多かったせいかな。藤田まことさんや倍賞美津子さんも訛りが上手だった(子供たちは標準語)。北林さんというと「となりのトトロ」のカンタのおばあちゃん。東京生まれなのにめちゃくちゃ訛りがうまい! 「はね駒」の樹木希林さんもだけど耳がいいんだろうか?