2014年にWOWOWで録画した映画を観ています。一度再生ボタンを押してるし、しかも一度見てるのに忘れてる…?
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2012年 フランス/ドイツ/オーストリア
あらすじ
パリの高級アパルトマンで悠々自適の老後生活を送る、音楽家夫婦のジョルジュとアンヌ。アンヌの愛弟子のピアニストの演奏会を聴きに出かけた翌日、いつものように2人で朝食を取っている最中、アンヌの身に異変が生じ、以後、彼女は不自由な体での生活を余儀なくされることに。病院に行くのはまっぴらご免、という彼女の願いを聞き入れ、ジョルジュが自宅でアンヌの世話をするようになるが、彼女の老いと病は着実に進行し…。
警察官たちがある家に突入する。閉じられたドアの中にいたのはベッドの上で花に囲まれ横たわる老婆の姿だった。
場面が変わり、演奏会に出かけていた老夫婦。帰ってくると家のカギが壊されていた。泥棒に入られたかもしれないが、その日はそのまま寝る。
翌朝、いつも通り食事をしているとき、妻のアンヌが椅子に座ったまま、話しかけても全く反応しなくなった。夫のジョルジュは濡れタオルを顔につけたり、着替えようと部屋を出ると、出しっぱなしだった水道をアンヌが止めていた。
しかし、反応しなかったことは全く覚えておらず、病院にも行かないというが、おぼつかない手つきで紅茶を注ぐ姿があった。
次の場面、ジョルジュが女性と話している。手術のことを話していたり、どうやら娘らしい。
介護ベッドが整えられ、アンヌは車椅子に乗り帰って来た。アンヌは病院へ戻さないでほしいとお願いする。ジョルジュの老々介護が始まる。
買い物に行ってくれたり、世話を焼いてくれる中年夫婦もいるみたいだけど、基本的にジョルジュが食事や、トイレの世話、リハビリ体操などやっている。
ある日、老夫婦を訪ねてきたのは、冒頭で演奏会を観に行っていた演奏家・アレクサンドル。アレクサンドルはアンヌの弟子だった。アレクサンドル・タローは本人役で登場し、夫婦のために演奏をする。後日、手紙とCDを届けてくれた。
娘が訪ねてくるというので体のことを言われたくないと立って歩く練習をする。日々悪化するアンヌの体調。たまに訪ねてきた娘は、母親の体調より投資の話ばかりしている。
冷静に見えた娘だったが、ジョルジュの部屋に泣きながら入ってきて、別人のようになってしまった母にショックを受ける。家にいるのではなく最新の医療が~とはいうけど、何もしてくれないんだよなぁ。たまに来るだけの人があれこれ言ってもうるせーわ! ジョルジュと話していたのは娘婿かな。
ジョルジュは看護師を週3日呼ぶことにする。今やすっかり寝たきりで、おむつの当て方を指導してもらう。かつて華麗にピアノを弾いていたアンヌは今は食事も一人ではままならなくなっていた。
「ママ、ママ」とうわごとを言うアンヌの手をさすることしかできない。看護師をもう一人雇おうと思っているジョルジュ。
手伝いに来る中年男性が夫婦の姿に感動してます。脱帽です。と字幕が出たとき、シャッポと言ってたのがかすかに聞こえ、おぉシャッポを脱ぐのシャッポはフランス語で帽子だったのかぁーと関係ないところでこちらも感動しました。
若い看護師は乱暴に髪を梳き、アンヌの顔に鏡を向ける。自分の老いた姿を見たくなくて顔をそむけるアンヌ。ジョルジュはその看護師を辞めさせる。金を受け取ったあげくくそジジイと暴言を吐いて去る看護師。
ジョルジュはアンヌに水を飲ませようとするが、吐き出してしまったアンヌの頬を思わず叩いてしまった。このいたたまれなさ! 辛い。
留守電に出ないジョルジュを心配して娘のエヴァが訪ねてくる。人に会いたくないというアンヌの意思を尊重し、ジョルジュはアンヌの部屋に鍵をかけるが、エヴァには会わせる。
この状態で、夫一人で世話するのは無理ありすぎる。十分、入院できる状態だと思うけど? 体調が悪いときに人に会いたくないという気持ちを尊重したかったのかもしれないけど、体調が悪そうなのに見てるだけなのも辛い。
追い詰められたジョルジュは枕をアンヌの顔に押し当てて自分の体重をかける。アンヌは足をばたつかせていたが、やがて動きがなくなる。
花束をいくつか買い込んできたジョルジュは花を一つ一つ茎から切っていた。ドアに厳重な目張りをし、手紙を書いていた。そんなとき部屋にハトが迷い込んでいたのを見た。
以前も夜にハトを見かけたときは乱暴に追い払っが、今度はブランケットをかけて捕まえて優しく抱きしめた。その後、そのハトを逃がしたことを手紙に書いた。
ジョルジュがベッドに横たわると物音がし、以前の元気なアンヌが洗い物をしている。コートを着て出かけようとアンヌが促し、アンヌの後に続き部屋を出るジョルジュ。
誰もいない部屋を一人歩き、ソファに座るエヴァで終わり。
W座からの招待状だったので、エピローグトークがありました。これって愛情だったんですかね?という問いかけがありました。
アンヌのプライドというよりジョルジュのプライドを守るためにアンヌが犠牲になった気もするんだよなぁ。いくらアンヌの病院に戻さないでという言葉があったとしてもさっさと病院に連れてけ!と思ってしまう。映画的な美しさがないとしても。
安西水丸さんの長生きしたいですね、という言葉やもうすぐ72歳になるけど老いを感じないという言葉にまた複雑な気持ちになりました。これを録画したのは2014年2月2日ですが、安西さんが突然亡くなったのが翌月だったそうです。もうWOWOWを解約していたのでニュースで見たときに本当にびっくりしました。
はじめは普通に歩いていた人が車椅子になり、車椅子も最後の方はすっかり物置になってていてアンヌの老い方がリアルでした。しかしながら二人だけの世界にいないで~と娘の立場で見てしまいました。
アンヌ役のエマニュエル・リヴァは広島が舞台の映画に主演されていたんですね。